JPS6321498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、トラクタのダツシユボード構造に関
するものである。

(ロ) 従来の技術及びその問題点 従来、トラクタにおけるハンドル軸の軸受部
は、実開昭55−56764号公報等に記載されている
ように、ダツシユボードの運転席面に、上下縦長
突条に形成し、同軸受部中にハンドル軸を挿貫し
て、同ハンドル軸の支持を行わせているものであ
る。

ところが、上記軸受部の場合、単に、ダツシユ
ボードとハンドル軸軸受部とを一体的に構成して
いるだけで、同軸受部構造に付帯する運転部にお
ける操作性等の問題は何ら考慮されていなかつ
た。

特に、オペレーターの足元の空間を広く確保し
て、足元の自由度を高めることである。

また、従来のトラクタは、計器パネルをダツシ
ユボードの上面、或は運転席側面に配設している
が、オペレーターが同計器パネルを自然なハンド
ル操作姿勢のままでは視認しずらいという問題が
あつた。

(ハ) 問題点を解決するための手段 そこで、本考案では、足置き用の空間を設ける
べくボンネツト部の両側後下部を凹状に形成し
て、同ボンネツト部の後端形状を、下半部が同空
間に沿つた細幅形状で、上半部が左右膨出形状と
なるように形成し、同ボンネツト部後端には、同
後端形状に沿つて側面視で前高後低の傾斜状の枠
体を設け、同枠体にはダツシユボードを取付ける
と共に、ボンネツト部の上半部に相対するダツシ
ユボードの上半部のみを運転席側へ突出状に形成
して、同上半部の運転席面略中央部にハンドル軸
軸受ケースとしてのハンドル軸軸受部を上下縦長
突条に形成し、同軸受部にハンドル軸を挿貫し
て、同軸受部の上端部において、同ハンドル軸の
可及的上部を支持すると共に、上記ダツシユボー
ドの上面には計器パネル配設部を突設し、同計器
パネル配設部の上面を、側面視において、ハンド
ル軸と鋭角をなす前高後低の傾斜面としてなるト
ラクタのダツシユボード構造を提供するものであ
る。

(ニ) 作用・効果 本考案によれば、以下のような作用効果が生起
されるものである。

すなわち、足置き用の空間により、着座したオ
ペレーターの足元の自由度が大きくなつて、オペ
レーターはリラツクスして操作することができ
る。

しかも、着座状態でボンネツト部の後下部左右
側に位置するオペレーターの左右足の自由度を、
充分に確保した上に、ダツシユボード上半部を左
右膨出形状に形成することができるために、同ダ
ツシユボード上半部に、多数の計器パネルを視認
しやすいように整然と配設することができる。

さらには、計器パネル配設部の上面を、上半部
が運転席側へ突出したダツシユボードの上面にお
いて、側面視でハンドル軸と鋭角をなす前高後低
の傾斜面としているために、運転席に着座したオ
ペレーターは、かかる計器パネル配設部に配設し
た各種計器パネルを、自然なハンドル操作姿勢の
ままハンドルを、通して視認することができ、オ
ペレーターの精神的疲労を軽減することができ
て、作業上の安全性を確保することができる。

そして、ハンドル軸軸受ケースとしてのハンド
ル軸軸受部を、前高後低の傾斜状の枠体に取付け
たダツシユボード上半部の運転席面略中央部に突
出形成しているために、ダツシユボード上半部を
不必要に運転席側へ突出させることなく、ハンド
ル軸のみを、同ハンドル軸軸受部によつて着座し
たオペレーター側に近接配置することができて、
同ハンドル軸の上端に取付けたハンドルの操作が
楽に行える。

換言すれば、前傾状態の枠体にダツシユボード
を取付けているために、同ダツシユボードの上半
部が運転席側に不必要に突出せず、同ダツシユボ
ードの上半部と、着座したオペレーターとの間に
一定空間が確保できて、オペレーターは同ダツシ
ユボードにより圧迫感等を感じることなく、リラ
ツクスしてハンドル操作等が行えると共に、オペ
レーターの足元の空間が広く確保できるために、
運転部への乗降作業がスムーズに行え、特に、非
常時の降車がすばやく行えて、オペレーターの安
全性を高めることにもなるものであり、しかも、
メーター類の視認性とハンドル操作性とを同時に
満足させることができる。

また、操作部の外観がスマートなものになると
共に、ハンドル軸の取付構造が確実強固なものに
なる。

(ホ) 実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、
第１図に示すＡは農用トラクタであり、機体ａの
前部にはエンジン，ラジエター，バツテリー等を
内蔵したボンネツト部１を設けている。

機体Ａの後部には、運転席４を設け、また機体
前後部に各々前車輪５、後車輪６を配設してい
る。

運転席４の後方左右側には、左右後車輪６，６
を覆つた左右フエンダー７，７が設けられ、同左
右フエンダー７，７間には燃料タンク８が架設さ
れている。

ボンネツト部１の両側後下部は、凹状に形成し
て、足置き用の空間３を設けており、同ボンネツ
ト部１の後端形状は、下半部が同空間３に沿つた
細幅形状１ａで、上半部が左右膨出形状１ｂとな
るように形成し、同ボンネツト部１の後端には、
同後端形状に沿つて枠体９を設け、同枠体９には
ダツシユボード１０を連設すると共に、ボンネツ
ト部１の上半部に相対するダツシユボード１０の
上半部１０−１を運転席側へ突出条に形成して、
同上半部１０−１の運転席面略中央部に、ハンド
ル軸軸受ケースとしてのハンドル軸軸受部１１を
上下縦突条に形成し、同軸受部１１にハンドル軸
１２を挿貫して、同軸受部１１の上端部におい
て、同ハンドル軸１２の可及的上部を支持してい
る。

また、ハンドル軸１２には、ハンドル軸軸受部
１１の上面１１−１において、ボス１３を設け、
ハンドル軸１２の取付けを確実にしている。

また、ハンドル軸１２の上端にはハンドル１４
が連設されて、トラクタＡの操向操作に供されて
いる。

ハンドル軸軸受部１１の右側には、キースイツ
チ用の凹状部１５を形成し、左側には煙草入れ用
凹状部１６を形成している。

また、ダツシユボード１０の上面には計器パネ
ル配設部１９を突設し、同計器パネル配設部１９
の上面１９ａを、側面視において、ハンドル軸１
２と鋭角をなす前高後低の傾斜面に形成してお
り、同計器パネル配設部１９の上面１９ａに多種
類の計器パネル１７を配設している。

なお、第１図中、１８は空間３及び運転席部の
側方に張設したステツプ部である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案におけるダツシユボード構造
を有するトラクタの側面図。第２図は、同要部の
斜視図。第３図は、同要部の−線における断
面図。 Ａ……トラクタ、１……ボンネツト部、２……
両側ケース、４……運転席、１０……ダツシユボ
ード、１１……ハンドル軸軸受部、１２……ハン
ドル軸、１３……ボス、１４……ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 足置き用の空間３を設けるべくボンネツト部１
   の両側後下部を凹状に形成して、同ボンネツト部
   １の後端形状を、下半部が同空間３に沿つた細幅
   形状１ａで、上半部が左右膨出形状１ｂとなるよ
   うに形成し、同ボンネツト部１後端には、同後端
   形状に沿つて側面視で前高後低の傾斜状の枠体９
   を設け、同枠体９にはダツシユボード１０を取付
   けると共に、ボンネツト部１の上半部に相対する
   ダツシユボード１０の上半部１０−１のみを運転
   席側へ突出状に形成して、同上半部１０−１の運
   転席面略中央部にハンドル軸軸受ケースとしての
   ハンドル軸軸受部１１を上下縦長突状に形成し、
   同軸受部１１にハンドル軸１２を挿貫して、同軸
   受部１１の上端部において、同ハンドル軸１２の
   可及的上部を支持すると共に、上記ダツシユボー
   ド１０の上面には計器パネル配設部１９を突設
   し、同計器パネル配設部１９の上面１９ａを、側
   面視において、ハンドル軸１２と鋭角をなす前高
   後低の傾斜面としてなるトラクタのダツシユボー
   ド構造。