JPS6321430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキヤツプ付筆記具のクリツプ装置に関
し、更に詳しくは、筆記時（キヤツプを筆記具の
後部に止着した状態）、クリツプをキヤツプ外周
面と略面一とし、携帯時（キヤツプを筆記具の前
部に止着した状態）、クリツプをキヤツプ外周面
より突出させるようにしたキヤツプ付筆記具のク
リツプ装置に関するものである。

従来、クリツプが常時突出した状態で固着或い
は挿着されたクリツプは、筆記時、手に当り使用
感が悪く、とりわけシヤープペンシルにおいては
芯の片べりによる筆記幅に変化が生じる等の問題
点を有していた。

このように、筆記時と携帯時において、常時突
出するクリツプの外方への突出高さに変化をもた
せることは、機能上、極めて、大きな効果を有す
るものであり、その為に、クリツプに操作を加
え、クリツプを出没させるクリツプ装置も知られ
ているが、クリツプ出没に際し、クリツプ自体を
軸心方向に押圧したり、長手方向に摺動させる等
の操作を必要とし、操作性においても好ましいも
のとはいえなかつた。又、キヤツプを筆記具に着
脱する際に、自動的にクリツプを出没するように
し、出没操作の煩わしさを解消せんとした考案と
して、実開昭48−58833号も知られているが、該
考案においては、キヤツプ内にばね片を備えたば
ね基体を挿入固定し、このばね片によりクリツプ
を外方に弾撥するように構成されている為、クリ
ツプ突出方法に無理があり、且つ、クリツプ突出
時、クリツプに十分な挾持力を付与することがで
きないという問題点が残されていた。

そこで、本考案の目的は、キヤツプを筆記具に
着脱する際、クリツプが速やかに出没し、且つ、
突出したクリツプに十分な挾持力を付与すること
ができるキヤツプ付筆記具のクリツプ装置を提供
することにある。

以下、本考案を添付図面に基づき詳細に説明す
るが、本例では、筆記具としてノツク式シヤープ
ペンシルを用いた。

図面は本考案の実施例を示すもので、Ａはキヤ
ツプを示す。参照符号１は、樹脂、金属よりなる
帽筒であつて、該帽筒１の後部内には押圧体２
が、帽筒１の後端内面との間に設けられたコイル
スプリング、マグネツト等よりなる弾撥部材３に
より、常に前方に弾撥して配置されている。参照
符号４は、帽筒１の外周長手方向に設けられ、後
述するクリツプ６の腕部７と略同一幅の溝であ
り、帽筒１の内壁面には、後述するクリツプ６の
脚部９が速やかに移動可能な傾斜面５ａを持つ通
路５が、前記溝４の端部と連通するよう設けられ
ている。参照符号６は樹脂、金属よりなるクリツ
プであつて、該クリツプ６は前記溝４に没入位置
する腕部７の先端内面に挾持突部８を有し、前記
通路５の傾斜面を速やかに移動する環状の脚部９
を有しており、該脚部９の後端と通路５後端面と
の間に設けられた弾撥部材１０により常に前方に
弾撥して配置されている。尚、参照符号１３は帽
筒１の前部内面に形成した突部を示す。

Ｂはシヤープペンシルを示すが、通常のシヤー
プペンシルである為、詳細は省略するが、１１は
軸筒、１２はノツクキヤツプ、１４は軸筒１１外
面に設けられた突部である（第１図参照）。

次に第３図、第４図により動作を説明する。

キヤツプＡをシヤープペンシルＢの後部に止着
すると、軸筒１１の後端面がクリツプ６の脚部９
を弾撥部材１０の弾撥力に抗して後方に押圧する
為、脚部９が通路５の傾斜面５ａに沿つて後方に
移動し、クリツプ６の腕部７並びに挾持突部８が
溝４に没入位置し、軸筒１の外周面と略面一とな
る。この動作と共にノツクキヤツプ１２が押圧体
２の前端面を押圧する為、ノツク圧より小さく設
けられた弾撥部材３の弾撥力に抗して押圧体２が
後退し、キヤツプＡの後端面より突出する。この
一連の動作の後、帽筒１の前端内面に設けられた
突部１３と軸筒１１の外周面に設けられた突部１
４により、キヤツプＡとシヤープペンシルＢが嵌
合止着する（第３図参照）。

キヤツプＡをシヤープペンシルＢの前部に止着
すると、突部１３，１４によりキヤツプＡとシヤ
ープペンシルＢが嵌合止着するまで、クリツプ６
は作用を受けない為、クリツプ６の腕部７並びに
挾持突部８は、弾撥部材１０の弾撥力により通路
５の前端面に押圧され係止している脚部９に支持
され、帽筒１の外周面より突出した態を保つ（第
４図参照）、この時、クリツプはその基部９を前
述のように確実に係止することにより、通常のク
リツプと同様に自己の弾性力で十分な挾持力を持
つ。

本考案におけるクリツプ装置は第２図に示した
以外にも種々変形可能なものであり、その一例を
示したものが第５図、第６図である。第５図、第
６図においては、クリツプ１０６の脚部１０９を
環状とせずに折片とし、その後端にガイド１１５
により方向性を持たせた弾撥部材１１０を設けた
ものである。

以上、本考案を便宜上キヤツプ式シヤープペン
シルを持つて示したが、慣用的設計変更を施すこ
とによつて水性、油性インキ使用のボールペン、
万年筆等の筆記具においても種々適用可能なもの
である。

以上のように、本考案は、キヤツプを筆記具に
着脱する際に自動的かつ速やかにクリツプを出没
させ、突出したクリツプに十分な挾持力を持たせ
ることができる実用的効果を有するものである。

尚、第１図に示した例において、押圧体２の後
部に消しゴムを装着したり、キヤツプと筆記具と
の止着手段として螺合等適宜手段を用いたりして
も、何等本考案の要旨を変更するものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す縦断面図、第２
図は、第１図におけるクリツプの斜視図、第３
図、第４図は動作説明図、第５図は他の実施例を
示す要部縦断面図、第６図は第５図におけるクリ
ツプの斜視図である。 １……帽筒、４……溝、５……通路、６……ク
リツプ、７……腕部、９……脚部、１０……弾撥
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面に形成された長手方向の溝と、傾斜面を
   備え該溝の端部と連通する通路を内壁面に有する
   帽筒と、前記溝に没入し得る腕部と、通路の傾斜
   面に沿つて移動し得る脚部を有するクリツプと、
   前記クリツプを前方に弾撥せる弾撥部材とより構
   成されるキヤツプと；筆記具とよりなり、キヤツ
   プを筆記具の後部に止着した際、外方に突出した
   状態にあるクリツプの脚部を筆記具の後端面で押
   圧し、該クリツプを弾撥部材の弾撥力に抗して傾
   斜面に沿つて後方に移動させ、クリツプの腕部を
   溝に没入してキヤツプ外周面と略面一となるよう
   にしたキヤツプ付筆記具のクリツプ装置。