JPS6321246A - 樹脂入りセメントモルタル組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、コテ塗り作業性に優れた樹脂入りセメントモ
ルタル組成物に関する。

［従来の技術］ セメント、水及び細骨材、場合によってはこれらに適宜
の混和材を加えて練り混ぜて成るセメントモルタルは、
建築物の壁面ないし床面ｉの被覆材として、従来広く用
いられており、ざらには、このセメントミルタルの機械
的強度、壁面との接着性、耐エフロ性、耐ドライアウト
性、耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、寸法安定性、壁面の
変形に対する追従性等の緒特性を改良するため、エマル
ジョン樹脂を混入した樹脂入りセメントモルタルも同様
に用いられている。

上記従来の樹脂入りセメントモルタルは、セメントモル
タル中に、通常のエマルジョン重合法によって得られる
エマルジョン樹脂を、そのまま混入しているに過ぎない
ものであるため、セメントモルタルの上記緒特性は改良
できるものの、その作業性を著しく損い、作業能率及び
仕上り外観に悪影響を及ぼすという問題点がある。例え
ば、建築物壁面や床面に樹脂入りセメントモルタルを施
工する場合、一般的に］テ塗りが行なわれるが、この場
合、混入したエマルジョン樹脂の粘着性により、セメン
トモルタルのコテ離れが悪く、平滑面を得ることが難し
い上、表面のエマルジョン樹脂の皮張りが比較的短時間
のうちに起るため、ムラ直しも困難である。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は、上述した従来の樹脂入りセメントモルタルの
有する問題点を解決しようとするもので、コテ塗り作業
性が著しく改善され、かつ、緒特性にも優れた樹脂入り
セメントモルタル組成物の提供を目的とするものである
。

し問題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本発明に係る樹脂入りセメン
トモルタル組成物は、セメントモルタル中に、樹脂成分
としてゲル化膜でカプセル化した樹脂エマルジョンの粒
子（以下、カプセル化樹脂エマルジョン、または、単に
樹脂成分と称する）を含有させたことを特徴とする。

本発明でいうカプセル化された樹脂エマルジョンの粒子
とは、■マルジョン重合体微粒子ないしは該重合体微粒
子の集合体であって、その表層部がゲル化膜でおおわれ
、分散媒体中に液滴状で独立して存在する粒子をいう。

以下、本発明の樹脂入りセメントモルタル組成物を構成
する成分について詳細に説明する。

セメントモルタル成分 本発明で用いることのできるセメントモルタル成分とし
ては、特に限定するものではなく、従来から広く用いら
れているセメントモルタルである。

具体的には、ボーランドセメント、白セメント、高炉セ
メント、シリカセメント等の種々のセメント類と、珪砂
等の細骨材、及びこれに適量の水を加えて練り混ぜたも
のである。また、このセメントモルタル中には必要に応
じて各種添加剤（合成樹脂、減水剤、空気連行剤、無機
顔料等）を使用することができる。

樹脂成分 本発明の樹脂入りセメントモルタル組成物は、樹脂成分
として、ゲ化膜でカプセル化した樹脂エマルジョンの粒
子を含有させたことを特徴としている。また、上記樹脂
成分は、ゲル化膜で被覆された樹脂エマルジョンの粒子
を分散相とし、これを水性媒体中に分散せしめたものを
セメントモルタル中に添加して樹脂入りセメントモルタ
ル組成物を構成する。

本発明において、ゲル化とは、ポリビニルアルコールの
ような親水性コロイド形成物質と該コロイド物質を不溶
化することのできるホウ酸のような不溶化剤（ゲル化剤
）とが作用し合って、一種の三次元的網状組織が形成さ
れることを意味する。

そして、このゲル化反応が、分散媒体中に分散された樹
脂エマルジョンの粒子の表面で生じ、該粒子の表面にゲ
ル化膜が形成される。

したがって、樹脂成分としての、ゲル化膜でカプセル化
した樹脂粒子は、親水性コロイドを不溶化する公知の技
術で製造され得るものであり、親水性コロイド形成物質
を含む樹脂エマルジョンを、ゲル化剤を含む水媒体中に
混合し、分散させることにより調製することができる。

樹脂成分を調製するために用いることのできる樹脂エマ
ルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポ
リスチレン、アクリロニトリル、ベオバ（分岐脂肪酸ビ
ニルエステル）、天然または合成ゴム、あるいはそれら
の共重合物のエマルジョン等、一般に市販されている樹
脂エマルジョンを広く使用することができる。

コロイド形成物質およびゲル化剤の具体例、ならびにそ
の組合せとしては、下記第１表に示すものが好ましく用
いられる。

第１表 コロイド形成物質およびゲル化剤は、各々一種もしくは
二種以上を同時に使用することができる。

コロイド形成物質は、樹脂エマルジョンに対して、通常
０．０５〜５％の添加量で使用される。また、必要に応
じて顔料、染料、分散剤、増粘剤、増膜助剤、消泡剤な
どの成分を添加してもよい。

上記ゲル化剤溶液中にコロイド形成物質を含む樹脂エマ
ルジョンを混合し、撹拌して分散させることにより、本
発明の樹脂成分が調製され得る。

このようにして得られた樹脂エマルジョン中のゲル化膜
でカプセル化された樹脂粒子は、樹脂固形分として１〜
６０重量％含むことが好ましい。

樹脂固形分が１重量％未満では、樹脂入りセメントモル
タル組成物としたときの諸性性が充分ではなく、一方、
樹脂固形分が６０重量％を超えると、樹脂成分調製時に
おいてエマルジョンの粘度が高くなりすぎ、製造が困難
になるので好ましくない。

また、樹脂成分調製時において、ゲル化膜でカプセル化
された樹脂粒子の大きさは、グル化剤、樹脂エマルジョ
ンまたはコロイド形成物質の各成分の配合量や、混合、
分散する際の撹拌速度、撹拌時間によって適宜決定し得
る。通常、ディシルバーを用いる場合は、５０〜１５０
０ｒｌ）ｍで２〜３０分間撹拌することにより分散する
。分散もしくは細分化された粒子の大きさは、径が０．
００５〜５ｍｍの範囲が好ましく、さらに好ましくは、
０．０１〜２ｍｍである。粒子径が０．００５ｍｍ未満
の場合は、コテば離れの点で充分優れた効果が得られず
、一方、５ｍｍを超えると樹脂添加量に比して期待され
る程の諸性性が得られず不経済である。

本発明の樹脂入りセメントモルタル組成物においてコテ
塗り作業性が改善される理由については、必ずしも明ら
かではないが、カプセル膜で包まれた樹脂エマルジョン
の粒子を樹脂成分とすることによって、該粒子相互の粘
着性が低下し、これがコテ離れ、コテのびなどの作業性
の改善に役立つものと推定される。

その他の添加成分 本発明の樹脂入りセメントモルタル組成物は、上記セメ
ントモルタル成分及びカプセル化樹脂成分の他に、必要
に応じて、顔料、染料、増粘剤、分散剤、消泡剤などの
追加成分を添加することができる。また、樹脂成分の一
部として従来のＣＭＣ−Ｎａ塩のような水溶性高分子物
質および樹脂エマルジョンを用いることもできる。

しかしながら上記ゲル化剤と反応する保護コロイドを用
いて製造された樹脂エマルジョンを、その他添加成分と
して加えると著しい増粘などを生じ、本発明組成物の製
造を困難にするので注意を要する。

配合比 セメントモルタル成分に対する樹脂成分の配合比は、本
発明組成物が被覆される基材の種類、要求される特性、
用途によって適宜選択され得るが、通常、セメントモル
タル成分中のセメント１００重量部に対して樹脂固形分
として１〜１００重量部の範囲が好ましく、ざらに好ま
しくは５〜５０重量部の範囲である。

［実施例］ 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の
「部」または「％」は、特に断らない限り重量基準とす
る。

実施例１ 下記の樹脂エマルジョン組成物、ゲル化剤溶液およびセ
メントモルタル成分を用意した。

樹脂エマルジョン組成物ニ アクリル系樹脂エマルジョン（アクロナールＹＪ３０３
１Ｄ　　三菱油化バーディシュ社製）１００部に、１０
％ポバール水溶液（ゴーセノールＮ−３００日本合成化
学工業社製）を３０部加え均一に撹拌したもの。

ゲル化剤溶液： １％ホウ酸ソーダ水溶液。

セメントモルタル成分： ボルトランドセメント１００部と標準砂２００部との混
合物。

まず、上記樹脂エマルジョン組成物１００部を上記ゲル
化剤溶液５０部中に混合したのち、デイシルバーで撹拌
しく１１０００ｐｐで２０分間）、粒子径的０．５〜１
ｍｍのゲル化膜でカプセル化した樹脂粒子からなるカプ
セル化樹脂エマルジョンを得た。得られたカプセル化樹
脂エマルジョンの樹脂固形分は２４％であった。

次いで、上記セメントモルタル成分６００部にカプセル
化樹脂エマルジョン１６７部と水３０部を加えて混練し
、樹脂入りセメントモルタル組成物を調製した。

得られた樹脂入りセメントモルタル組成物はセメント／
樹脂（固形分）混合比が１００／２０であった。

比較例１ 実施例１のセメントモルタル成分６００部に水１３０部
を加えて混練し、セメントモルタルを調製した。

比較例２ 実施例１のセメントモルタル成分６００部にアクリル系
樹脂エマルジョン（アクロナールＹＪ３０３１Ｄ）８０
部と水９０部を加えて混練し樹脂入りセメントモルタル
を調製した。

得られた樹脂入りセメントモルタルはセメント／樹脂（
固形分）混合比が１００／２０であった。

上述した実施例１、比較例１及び比較例２で得られた各
組成物についてコテ塗り作業性およびＪＩｓ−Ｒ−５２
０１セメントの物理試験方法に規定された曲げ強さ試験
（材令２８日）の試験結果を表−２に示した。

第２表 上記表−２の結果から明らかなように、実施例１の本発
明樹脂入りセメントモルタル組成物は、コテ塗り作業性
においても、曲げ強度においても良好な結果を示した。

これに対して、樹脂を含まない従来のセメントモルタル
（比較例１）は、作業性において良好な結果を示したも
のの、曲げ強度は小さく、また、カプセル化していない
通常の樹脂エマルジョンを含有させた従来の樹脂入りセ
メントモルタル組成物（比較例２）は、曲げ強度に優れ
ているもののコテ塗り作業性が悪く、いずれも改善の必
要性が認められるものであった。

［発明の効果］ 本発明の樹脂入りセメントモルタル組成物は、従来の樹
脂入りセメントモルタル組成物と比較して、曲げ強度お
いて遜色のない性能を維持しつつ、コテ塗り作業性の著
しく改善されたものであり、建築物壁面ないし床面など
のコンクリート類基材面、あるいはその他の基材面の被
覆材として利用価値の高いものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. セメントモルタル中に、樹脂成分としてゲル化膜でカプ
   セル化した樹脂エマルジョンの粒子を含有させたことを
   特徴とする樹脂入りセメントモルタル組成物。