JPS6321158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンミテータに摺接するブラシをフ
レームに固定し、かつ前記フレーム内にフイール
ドコアを収納する整流子型電動機の構造に関す
る。

（従来の技術） 整流子型電動機は、組み立て時にブラシとコン
ミテータとの位置関係を電気的中性点におき、運
転中ブラシとコンミテータとの摺接部から火花の
発生がないように構成されなければならない。

このため、電動工具等の比較的的小型の大量生
産される整流子型電動機は、アーマチユアコイル
の端部をコンミテータに接続する際に、電気的中
性点が得られるようにコンミテータを選択して接
続が行なわれていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、近年大型の自動式組立機械を採
用したり、大量生産の効果を得るため部分品の多
機種にわたる共通化を考えるとコンミテータとア
ーマチユアコイルとの選択接続では、アーマチユ
ア本体の共通化が行えず大量生産の効果を十分に
得られることができなかつた。

しかも、アーマチユアコイルの選択は、実際上
多数の実験によつて平均値を求め、選定を行う必
要があり、さらに、大量生産の場合は、大量生産
が順調に行なわれて品質が均一になつた時点で行
わなければならず不便であつた。

また、コンミテータは、一定角度毎に配設され
ているため、正確にアーマチユアコイルを選択し
ても精密な電気的中性点を得ることができないと
いつた欠点を有していた。

本考案は、このような事情に鑑みて成されたも
のであり、フイールドコアをフレームに固定され
るブラシに対して回転させて電気的中性点を求
め、大量生産に適合する構造を提供することを目
的としている。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、フイールドコアの外周に円周方向の
長い切欠き部を形成すると共にフレームの内周に
軸方向の突起を形成し、この突起を前記長い切欠
き部に遊嵌し、切欠きに形成される突起との隙間
に長い調整片を挿入して所定の位置でフイールド
コアをフレームに固定したことによつて問題点を
解決している。

（作用） 整流子型電動機の固定子を周方向に回動可能に
すると共に、フイールドコアをブラシに対して回
転させて電気的中性点を求め、長い切欠きに調整
片を挿入して固定することができるため、固定さ
れる位置が決定されれば必要な幅の調整片を挿入
することによつて繰り返し均一な調整が得られ、
大量生産に適合する構造となる。

（実施例） 以下、本考案を図面に示された実施例に基づい
て説明すれば、第１図は、本考案による整流子電
動機の固定部を示した図であり、第２図は、フイ
ールドコアの正面図、第３図はフイールドコアの
従来例を対比して示した図である。

そして、第１図に於いて、フイールドコア１
は、フレーム２の内側に挿入されており、外周が
円形に形成されているためフレーム２の内部で回
動させることができるよう構成されている。

そして、固定部はフレーム２の内周に突起４を
形成し、フイールドコア１の切欠き部３に遊嵌さ
せると共に切欠き部３の両側の間隔が夫々調整片
５，６によつて埋められた実施例が示されてい
る。

そして、第２図に示されたフイールドコア１の
正面図では、コイル挿入部７，８が設けられると
共に、磁極９，１０が設けられ、外周には切欠き
部３が夫々対向して設けられている。

さらに、磁極９，１０で形成される中空部１１
には、図示されないがアーマチユア本体が設けら
れ、かつフレーム２に固定されたブラシがアーマ
チユア本体に設けられるコンミテータに摺接さ
れ、周知の整流子型電動機を構成するものであ
る。

そして、第３図は、従来例を対比して示したも
のであり、フイールドコア３１の固定用の孔３２
が設けられており、図示されないボルトが貫通さ
れるものである。

このような構成に於いて、フイールドコア１
は、フレーム２の内側へ挿入すると外周が円形に
形成されており、フレーム２の内側で回動を行う
ことができる。

そして、実験的結果等によつて得られた位置に
なるように回動して固定すれば容易に電気的中性
点を求めることができる。

このような固定は、適切な位置の選択に際し、
切欠き部３の位置等フレーム６側を基準にし、フ
イールドコア１の適切な位置を見つけ出すことで
きわめて容易に行え、しかもコンミテータの場合
と異なり、選択される位置が一定角度毎に決めら
れることなく、最も好適となる位置を選択するこ
とができる。

このため、実際上起こり得る品質のバラツキ等
に対しては、この選定される位置をバラツキの中
心にすることによつて最もバラツキによる悪影響
を少なくすることができ効果的である。

さらに、大量生産に適合させるため実施例の如
く、フレーム６の内周に切欠き部３を設けると共
に、フイールドコア１の切欠き部３との間隔に任
意の幅を有する調整片５，６を挿入し埋め込んで
固定を行う。

この場合必要な幅に選定された調整片５，６
を、挿入する関係から組み立てによる誤差を生じ
ることがなく、都合がよい。

また、このフレーム６の内周に設けられた突起
７は、この形状に限定されることなく、反対に、
フイールドコア側に外周に突出する突起を形成
し、フレーム側に遊嵌する穴を形成を行つてもよ
く、フレームに対してフイールドコアが一定幅で
回動できる構成を行うと共に調整片を挿入して任
意の位置に固定が可能であればよい。

（効果） 以上説明の通り、本考案によれば、大型の自動
式機械によつてアーマチユア本体を大量生産する
ことが可能になり、電圧や負荷の仕様等によつて
異なる電気的中性点の選定をフレームとフイール
ドコアとの関係に於いてきわめて容易に選定固定
することができ、しかも、調整片を挿入するだけ
で確実な固定が行え、組み立てに要する時間も短
時間に終えることができ、品質のバラツキに対し
て最も影響の少ない結果を得ることができ、その
効果が産業上極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による整流子電動機の固定部
を示した図であり、第２図は、フイールドコアの
正面図、第３図はフイールドコアの従来例を対比
して示した図である。 １，３１…フイールドコア、３…切欠き部、４
…突起、５，６…調整片、６…フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンミテータに摺接するブラシをフレームに固
   定し、かつ前記フレーム内にフイールドコアを収
   納する整流子型電動機において、フイールドコア
   の外周に円周方向の長い切欠き部を形成すると共
   にフレームの内周に軸方向の突起を形成し、この
   突起を前記長い切欠き部に遊嵌し、切欠きに形成
   される突起との隙間に長い調整片を挿入して所定
   の位置でフイールドコアをフレームに固定したこ
   とを特徴とする整流子型電動機。