JPS6321091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は放電灯に関し、特に大電流用放電灯の
シール構造に関するものである。

一般に放電灯においては、小電流のものでは、
封体の圧着封じ部内に金属箔を気密に封着した圧
着シール構造が、又大電流のものでは、電流供給
棒に設けたガラス巻部による段継ぎシール構造が
採られているが、圧着シール構造においては、金
属箔を封着した圧着封じ部が強制的変形を受けて
いるため歪が残留してクラツクが発生し易く、爆
発の原因となり、従つて大電流用放電灯には利用
することができない欠点があり、又段継ぎシール
構造においては、その構造が複雑であつて耐振性
が非常に小さく、しかも封体の発光空間囲繞部の
最低温度点が段継ぎガラス部に存在することとな
つて、封入した金属が当該個所に凝集沈着するた
め所期のランプ性能が得られない欠点がある。

以上の如き事情から、従来第１図イ及びロに示
すようなシール構造を有する放電灯が開発されて
いる。即ち、この例においては、丸棒状のガラス
ロツト１の発光空間側内端部にモリブデン製の金
属板部材２Ａを、その外周縁の複数個所に屈曲し
て形成した舌片状突板部３Ａを前記ガラスロツト
１の内端部外周面上に位置するよう嵌合して設
け、この金属板部材２Ａの中央部には穴を設けて
この穴よりガラス製の封体４の内方に突出して伸
びるよう電極棒５を溶接して設けると共に、前記
ガラスロツト１の外端部にはモリブデン製の金属
板部材２Ｂを配置し、この金属板部材２Ｂの中央
部には穴を設けてこの穴より前記封体４の外方に
突出して伸びるよう外部リード棒６を溶接して設
け、前記金属板部材２Ａ及び２Ｂの各外面側に
は、夫々前記電極棒５及び外部リード棒６が挿通
されるよう貫通孔７Ａ及び７Ｂを設けた内方ガラ
ス部材８Ａ及び外方ガラス部材８Ｂを、それら
各々と前記ガラスロツト１との間にそれぞれ前記
金属板部材２Ａ及び２Ｂが位置するよう配置し、
前記金属板部材２Ｂを、当該金属板部材２Ｂの外
周縁の複数個所に屈曲して形成した舌片状突板部
３Ｂが前記外方ガラス部材８Ｂの内端部外周面上
に位置するよう嵌合して設け、前記ガラスロツド
１の外周面上にその長さ方向に伸びるよう複数の
モリブデン製の金属箔９を配置し、この各金属箔
９の両端部をそれぞれ前記金属板部材２Ａ及び２
Ｂの舌片状突板部３Ａ及び３Ｂの各外面上に重ね
て溶接して電気的に接続せしめ、前記ガラスロツ
ド１の外周面を、封体４における発光空間囲繞部
１０に続く封じ管部１１の内周面と溶着せしめる
ようにしてシール部１２を形成し、内方ガラス部
材８Ａ及び外方ガラス部材８Ｂの各外周面は前記
封じ管部１１の内周面に固着せしめている。１３
は放電電極、１４はリード線である。

而して前記外部リード棒６は、大きな電流容量
を得る関係から太くて長く大重量のものとなるに
もかかわらず、以上のようなシール構造において
は、外部リード棒６は前記外方ガラス部材８Ｂ
と、この外方ガラス部材８Ｂの内端部に舌片状突
板部３Ｂを介して固定された前記金属板部材２Ｂ
とにより支持されているのみであるので当該外部
リード棒６の支持力が不十分であり、例えば製品
の運搬時等の衝撃により、或いはリード線１４を
介して加えられる外力により封じ管部１１の外端
部１１Ａが容易に破損される欠点がある。一方ガ
ラスロツド１は、無垢のものであるためそのその
熱容量が大きく、このため封じ管部１１との溶着
の際に両者の界面に比較的大きな温度差が生ずる
ようになり、この結果封じ管部１１のガラスに歪
が残留して、この歪が原因となつてクラツクが発
生するようになり、長い使用寿命を得ることがで
きない欠点がある。

本考案は以上の如き欠点を除き、外部リード棒
の支持が十分であつて、しかも封じ管部のガラス
に歪が残留せず、従つてクラツクの発生を抑止す
ることができ、長い使用寿命を得ることができる
放電灯を提供することを目的とする。

この目的を達成するために、本考案において
は、発光空間囲繞部及びこれに続く封じ管部より
成るガラス製の封体と、前記封じ管部の内周面に
外周面を溶着せしめた、その内端部に底壁を有す
る有底筒状ガラス部材と、この有底筒状ガラス部
材の外周面と前記封じ管部の内周面との間に封着
した金属箔と、前記有底筒状ガラス部材の外端部
上に配置した、前記金属箔の外端部を接続した金
属板部材と、この金属板部材の外面側において、
前記封じ管部に固着された筒状の外方ガラス部材
と、前記封体の外部より前記外方ガラス部材及び
前記金属板部材を貫通して伸び、その内端部が前
記有底筒状ガラス部材内に位置するよう設けら
れ、前記金属板部材に溶接された外部リード棒
と、前記金属箔の内端部に電気的に接続され、前
記有底筒状ガラス部材の底壁の外表面部より発光
空間囲繞部内に伸びるよう設けた電極棒と、前記
有底筒状ガラス部材とその内部に位置する前記外
部リード棒との間の空間内に挿入せしめた支持ガ
ラス部材とを設けて放電灯を構成せしめる。

以下図面によつて本考案の実施例について説明
する。

本考案の一実施例においては、第２図に示すよ
うに、発光空間囲繞部１０とこれに続く封じ管部
１１とより成るガラス製の封体４における前記封
じ管部１１内に有底筒状ガラス部材１５を配置し
てその底壁１６の位置する内端部１５Ａを前記発
光空間囲繞部１０に対向せしめ、この有底筒状ガ
ラス部材１５の外周面上にはその長さ方向に伸び
るよう複数の例えばモリブデン製の金属箔９を配
置し、前記有底筒状ガラス部材１５の外端部１５
Ｂ上には例えばモリブデン製の金属板部材２Ｂを
位置せしめると共にこの金属板部材２Ｂの外面側
には筒状の外方ガラス部材８Ｂを配設してこの外
方ガラス部材８Ｂの内端部外周面上に位置する舌
片状突板部３Ｂに前記金属箔９の各外端部を接続
せしめ、前記封体４の外部より伸び、前記外方ガ
ラス部材８Ｂの貫通孔７Ｂ及び金属板部材２Ｂを
貫通してその内端部６Ａが前記有底筒状ガラス部
材１５の筒内部に位置されるよう外部リード棒６
を配置してこの外部リード棒６を前記金属板部材
２Ｂにその貫通部において溶接せしめる。そして
前記有底筒状ガラス部材１５とその筒内部に位置
する前記外部リード棒６の内端部６Ａとの間の空
間内には、例えばその外径が前記有底筒状ガラス
部材１５の内径に適合し、その内径が前記外部リ
ード棒６の内端部６Ａの外径に適合する筒状の支
持ガラス部材１７を挿入せしめて当該外部リード
棒６の内端部６Ａを、この支持ガラス部材１７を
介して前記有底筒状ガラス部材１５に固定する。
そして前記有底筒状ガラス部材１５の外周面を前
記封じ管部１１の内周面と溶着せしめてシール部
１２を形成すると共に前記外方ガラス部材８Ｂの
外周面を前記封じ管部１１の内周面に固着せしめ
る。ここに電極棒５は前記有底筒状ガラス部材１
５の底壁１６の外表面部より金属板部材２Ａ及び
内方ガラス部材８Ａを貫通して発光空間囲繞部１
０内に伸びるよう設ける。

以上のような構成によれば、外部リード棒６
は、外方ガラス部材８Ｂ及び金属板部材２Ｂによ
り支持されるのみならず、その内端部６Ａが支持
ガラス部材１７を介して有底筒状ガラス部材１５
により固定され支持されることとなり、外部リー
ド棒６の支持をこれら三者により行なうことがで
きる。

しかも前記有底筒状ガラス部材１５はその長さ
が比較的大きなものとする必要があり、その理由
は次の通りである。即ち前記外方ガラス部材８Ｂ
の外周面は前記封じ管部１１の内周面に固着され
てはいるが気密に溶着されるものではなく、当該
外方ガラス部材８Ｂの外周面若しくは貫通孔７Ｂ
を介して空気が前記金属箔９の外端部にまで侵入
し、点灯により、当該金属箔９の外端部の温度が
高くなつた場合には当該金属箔９が空気により容
易に酸化されて破損されるようになる。従つてこ
のような事情から、前記金属箔９の外端部の温度
を低く抑制するために、前記有底筒状ガラス部材
１５としてその長さの大きなものを用いるのであ
り、そうすることにより、前記金属箔９の外端部
の酸化を抑制することができるのである。このよ
うに、有底筒状ガラス部材１５の長さは比較的大
きなものとする必要があり、これを利用すること
により上述のように支持される外部リード棒６の
内端部６Ａの長さを有底筒状ガラス部材１５の長
さに応じて大きなものとすることができ、このた
め外部リード棒６の内端部６Ａの支持を大きな長
さに亘つて行なうことができ、その結果外部リー
ド棒６の揺動を確実に抑止することができる。そ
して外部リード棒６に作用する外力が内端部６Ａ
にも分散せしめられるため、外方ガラス部材８Ｂ
及び金属板部材２Ｂに加えられる力を軽減せしめ
ることができ、従つて封じ管部１１の外端部１１
Ａが容易に破損されることがない。

以上述べたように外部リード棒６の支持を充分
なものとすることができるので、従来のものに比
して強度が大きく大きな耐振性を有する放電灯を
得ることができる。

そして前記有底筒状ガラス部材１５は筒状であ
るためその熱容量が小さく、このため前記封じ管
部１１との溶着の際に両者の界面における温度差
が小さくなり、封じ管部１１のガラスに歪が残留
することがなく、従つてクラツクの発生を抑止す
ることができて長い使用寿命を得ることができ
る。

ここで前記金属板部材２Ｂは、前記舌片状突板
部３Ｂにより外方ガラス部材８Ｂに嵌合して固定
する代りに、前記有底筒状ガラス部材１５と前記
外方ガラス部材８Ｂとの間に挾持せしめるように
して固定してもよい。

第３図は本考案の他の実施例を示し、この例に
おいては、その外径が前記有底筒状ガラス部材１
５の内径と適合し、その内径が前記外部リード棒
６の内端部６Ａの外径に適合する筒状の支持ガラ
ス部材１７を複数個用い、これら支持ガラス部材
１７を前記有底筒状ガラス部材１５とその筒内部
に位置する前記外部リード棒６の内端部６Ａとの
間の空間内に長手方向に沿つて互に離間して挿入
せしめたものである。この例においても、第２図
で示した実施例におけると同様の作用効果を得る
ことができる。

以上の実施例からも理解されるように、本考案
は、発光空間囲繞部及びこれに続く封じ管部より
成るガラス製の封体と、前記封じ管部の内周面に
外周面を溶着せしめた、その内端部に底壁を有す
る有底筒状ガラス部材と、この有底筒状ガラス部
材の外周面と前記封じ管部の内周面との間に封着
した金属箔と、前記有底筒状ガラス部材の外端部
上に配置した、前記金属箔の外端部を接続した金
属板部材と、この金属板部材の外面側において、
前記封じ管部に固着された筒状の外方ガラス部材
と、前記封体の外部より前記外方ガラス部材及び
前記金属板部材を貫通して伸び、その内端部が前
記有底筒状ガラス部材内に位置するよう設けら
れ、前記金属板部材に溶接された外部リード棒
と、前記金属箔の内端部に電気的に接続され、前
記有底筒状ガラス部材の底壁の外表面部より発光
空間囲繞部内に伸びるよう設けた電極棒と前記有
底筒状ガラス部材とその内部に位置する前記外部
リード棒との間の空間内に挿入せしめた支持ガラ
ス部材とを有することを特徴とする構成であるか
ら、外部リード棒の支持を十分なものとすること
ができ、従つて大きな耐振性が得られ、しかも封
じ管部のガラスに歪が残留することがなく、従つ
てクラツクの発生を抑止することができて長い使
用寿命を有する放電灯を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図イ及びロは夫々従来の放電灯のシール構
造を示す説明用縦断正面図及び説明用縦断側面
図、第２図は本考案放電灯の実施例を示す説明用
縦断正面図、第３図は他の実施例を示す説明用縦
断正面図である。 １……ガラスロツド、２Ａ，２Ｂ……金属板部
材、３Ａ，３Ｂ……舌片状突板部、４……封体、
５……電極棒、６……外部リード棒、７Ａ，７Ｂ
……貫通孔、８Ａ……内方ガラス部材、８Ｂ……
外方ガラス部材、９……金属箔、１０……発光空
間囲繞部、１１……封じ管部、１２……シール
部、１５……有底筒状ガラス部材、１６……底
壁、１７……支持ガラス部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発光空間囲繞部及びこれに続く封じ管部より成
   るガラス製の封体と、前記封じ管部の内周面に外
   周面を溶着せしめた、その内端部に底壁を有する
   有底筒状ガラス部材と、この有底筒状ガラス部材
   の外周面と前記封じ管部の内周面との間に封着し
   た金属箔と、前記有底筒状ガラス部材の外端部上
   に配置した、前記金属箔の外端部を接続した金属
   板部材と、この金属板部材の外面側において、前
   記封じ管部に固着された筒状の外方ガラス部材
   と、前記封体の外部より前記外方ガラス部材及び
   前記金属板部材を貫通して伸び、その内端部が前
   記有底筒状ガラス部材内に位置するよう設けら
   れ、前記金属板部材に溶接された外部リード棒
   と、前記金属箔の内端部に電気的に接続され、前
   記有底筒状ガラス部材の底壁の外表面部より発光
   空間囲繞部内に伸びるよう設けた電極棒と、前記
   有底筒状ガラス部材とその内部に位置する前記外
   部リード棒との間の空間内に挿入せしめた支持ガ
   ラス部材とを有することを特徴とする放電灯。