JPS6320883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は高周波加熱装置の安全装置に関するも
ので、簡単な構成により安価で、使い勝手のよい
装置を提供するものである。

従来例の構成とその問題点 無負荷状態でマグネトロンを動作させると寿命
を短くしたり、いわゆる電子レンジ本体からの電
波漏洩量が増すなどの問題を生じる。そのため従
来電子レンジの操作回路としてはリレーを用いる
回路が多用されてきた。すなわちメインスイツ
チ、タイムスイツチなどをセツトした後、さらに
作動スイツチを押してリレーを励磁しなければ、
発振が開始せず、また調理途中でドアを開けば、
リレーの保持がとけ再び作動スイツチを押さない
限り発振は再開しない。このように従来のリレー
を用いた回路は空焼などの誤動作を防止する上で
すぐれた回路ではあるが、回路が複雑で、接点溶
着などの不良をおこす可能性も大きく、コスト的
にも不利であつた。そこで最近ではリレーを用い
ず、ドアを閉じてタイマーをセツトすればその瞬
間から発振を開始するような回路を採用した電子
レンジもあるが、誤動作という点で不安である。

すなわち従来は第１図に示すように回路が構成
された。１はタイムスイツチ、２はいわゆるラツ
チスイツチ、３はドアスイツチ、４はリレー接
点、５は作動スイツチ、６はリレーコイルであ
る。上記構成においてマグネトロン７を発振させ
るためにはドアを閉じてラツチスイツチ２および
ドアスイツチ３を閉成し、タイムスイツチ１をセ
ツトした後、作動スイツチ５を押すことによりリ
レーコイル６が励磁され、リレー接点４が入つて
発振が開始される。

考案の目的 そこで本考案はリレーを用いることなく、しか
も従来の作動スイツチに相当する作動ボタンをド
ア上に設け、従来の操作機能を残しつつ、より簡
便な操作回路を構成する高周波加熱装置を提供す
ることを目的とする。

考案の構成 上記目的を達するため、本考案の高周波加熱装
置は加熱室の開口部に開閉自在に設けたドアと、
このドアの開閉に応動して高周波の発振を制御す
るスイツチと、閉扉時にこのスイツチをアクチユ
エータを介して動作させるよう付勢された可動の
ドアキーと、このドアキーを係止して没位置に固
定して上記スイツチのオフ状態を保持する上記ド
ア上に設けた作動ボタンとより成り、上記作動ボ
タンの操作により上記ドアキーの係止を解除し、
上記アクチユエータを介して上記スイツチをオン
させると共に、上記スイツチはそのアクチユエー
タがスイツチ本体に対して下方に位置する構成で
ある。

実施例の説明 以下本考案の一実施例について図面に基づき説
明する。

第２図は本考案の回路図を示しており、第１図
と同一部品は同一符号で表示している。

すなわち第２図に示す回路は、従来の回路から
作動スイツチ５、リレーコイル６、リレー接点４
を除き、リレー接点４の位置にラツチスイツチ２
を接続した点に特長がある。第２図の回路におい
てドアを閉じた時閉成されるのはドアスイツチ３
だけであり、ラツチスイツチ２はまだ開いたまま
となつている。

そこでタイムスイツチ１をセツトした後、後述
する作動ボタンを押すことにより、始めてラツチ
スイツチ２が入り発振が開始される。つまり本考
案によれば従来の電気的な作動スイツチが機械的
なものに代り、安全装置としてのラツチスイツチ
がリレー接点の役を兼ね、電源投入という積極的
な役割を担うことになる。なおラツチスイツチ２
の代りにドアスイツチ３に本考案を適用できるこ
とは言うまでもない。なお第１図，第２図におい
て８は送風機、９はタイマモータ、１０は庫内灯
である。

次に作動ボタンの機構についてその一実施例を
説明する。

第３図は作動ボタン機構の断面図である。１１
はドアキーで、バネ（図示せず）により上方へ付
勢されている。１２はラツチスイツチ２のスイツ
チ本体、１３はそのアクチユエータであり、ドア
キー１１によりアクチユエータ１３は押し上げら
れ、スイツチ１２をオンさせる。作動ボタン１４
はこのドアキー１１と係合し、これを没位置に固
定する。すなわちドアキー１１を付勢方向とは逆
の方向に保持する。第４図はこの作動ボタン１４
とドアキー１１の係合を示す平面断面図、第５図
は同分解斜視図である。開扉時にはハンドルの操
作によりドアキー１１は没位置に移動する。する
と作動ボタン１４はバネ１５により外方へ付勢さ
れているので、ドアキー１１の切欠部で摺動し、
ドアキー１１を没位置にロツクする。従つて閉扉
後は再度作動ボタン１４を押さない限り、スイツ
チ１２はオンしない。なお１６はドア、１７は操
作パネル、１８は加熱室、１９は機械室、２０は
加熱室前壁である。

考案の効果 以上説明したように本考案はドアスイツチある
いはラツチスイツチに単なる安全装置としての機
能だけではなく、従来のリレーのように操作スイ
ツチとしての積極的な機能をもたせるものであ
り、空焼防止に対する従来の操作方式を残しつ
つ、より経済的で使い勝手のよい回路を構成する
ことができるものである。

またドアに設けた作動ボタンがドアキーを直接
係止し、閉扉時にはアクチユエータに何ら力が加
わらない。従つてドアの開閉に伴なう衝撃が、ド
アキーを介して直接アクチユエータに伝達される
従来のラツチ機構に比して、機械的寿命が著しく
延びる。さらにドアに直接作動ボタンが配される
ので、構造が簡素で安価に生産できる。しかも作
動ボタンがドア上の遊休スペースに設けられるの
で、操作パネルをコンパクトに設計でき、省スペ
ースがはかれる。もちろん開扉状態で作動ボタン
を押してもラツチスイツチはオンせず安全であ
る。

さらに加えて開扉時に誤まつて、あるいは子供
がいたずらをして作動ボタンを押しても、ドアキ
ーが突出するため、ドアは閉められない。従つて
再度ハンドルを握つてドアキーを没位置に動か
し、解除された作動ボタンの係止を再び行わなけ
ればドアは閉められない。またスイツチのアクチ
ユエータがスイツチ本体に対して下方に位置する
ので、機構の一部を損ねても、スイツチのアクチ
ユエータ自身の自重によつて、ドアを開けばスイ
ツチが開路するフエイルセーフ構造を実現でき
る。

このように本考案は耐久性にすぐれ、簡素でか
つ安全性の高いラツチスイツチ構造を実現でき、
その実用価値は高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波加熱装置の回路図、第２
図は本考案の一実施例を示す高周波加熱装置の回
路図、第３図は同要部作動ボタン機構の断面図、
第４図は同要部の断面図、第５図は同部の分解斜
視図である。 １１……ドアキー、１２……スイツチ、１４…
…作動ボタン、１６……ドア、１８……加熱室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱室の開口部に開閉自在に設けたドアと、こ
   のドアの開閉に応動して高周波の発振を制御する
   スイツチと、閉扉時にこのスイツチをアクチユエ
   ータを介して動作させるようドアキーバネにより
   付勢され、ドアの上端から出没自在に構成された
   可動のドアキーと、このドアキーを係止して没位
   置に保持して前記スイツチのオフ状態を保持する
   前記ドア上に設けた作動ボタンとより成り、前記
   作動ボタンの操作により前記ドアキーの係止を解
   除し、前記アクチユエータを介して前記スイツチ
   をオンさせると共に、前記スイツチはそのアクチ
   ユエータがスイツチ本体に対して下方に位置する
   よう配した高周波加熱装置。