JPH0449010B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はいわゆる電子レンジ等の高周波加熱装
置の安全装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来からこの種の高周波加熱装置には調理開始
ボタンを操作することにより調理開始機構をロツ
クし、ドアー開放レバーにより、ドアーを開くと
共に、調理開始機構を解除するものがあつたが、
これらは調理開始機構の解除に力を必要とするた
めドアー開放レバー等の力を利用し直接調理開始
機構を動作させ解除していたため、その構成面で
大きな制約があつた。

発明の目的 本発明は上記従来の欠点を解消するもので、ド
アーキーの回転力によつてのみ電源回路を開閉制
御するスイツチを装置運転状態に保ち、ドアーキ
ーの動作により運転状態を解除する構成にするこ
とにより、本体にドアー開放機構を有しない構成
のもの、すなわちドアー自体にドアーキーの操作
ボタンを有し、ドアーを開放する構成のものにも
同構造が使用しうるために、諸欠点を解消し、更
に安全性の向上を図つたものである。

発明の構成 上記の目的を達するため本発明の高周波加熱装
置は 本体側に設けたロツク手段と係合するドアー
キーはドアーの上下に２ケ構成し、且つ２ケの
キーを連結棒により連動し、２ケのキーが連動
して運くように構成した。

高周波発振器の電源回路を制御するスイツチ
はドアーキーによりスイツチ作動手段を介して
動作させるよう構成した。

スイツチ作動手段はドアーキー及びドアーキ
ー保持手段により動作され、ドアーを閉じた時
ドアーキーの力によりドアーキーが本体とロツ
クし、又上記電源回路を制御するスイツチが動
作する直前にてドアーキー保持手段により保持
されるように構成し、高周波発振器を作動する
時にはドアーキー保持手段を移動し、スイツチ
作動手段の保持を解除するとドアーキーにより
スイツチ作動手段は移動し、上記の電源回路を
制御するスイツチを閉じるように構成した。

高周波発振器運転中にドアーを開くと、すな
わちドアーキーがそのロツクを解除される方向
に力が加わると、ドアーキーの一部によりスイ
ツチ作動手段は上記の方向と反対方向に移動
し、電源回路を制御するスイツチを開くように
構成した。

ドアーが閉じられ、スイツチ作動手段が、ド
アーキー保持手段に保持された時には、ドアー
キー保持手段の支点に対し、スイツチ作動手段
が加えるモーメントと、ドアーキー保持手段の
保持を解除するために必要とするモーメントの
方向を逆向きになるように、ドアーキー保持手
段の支点及びスイツチ作動手段の保持点（作用
点）は構成されている。

以上のように構成されているため、ドアーが閉
じられた時にドアーキー保持手段に加わるモーメ
ントがドアースイツチ作動手段の保持を解除する
方向と逆向きであるため、ドアー開閉時の衝撃に
対しても誤動作することがない。又ドアーキーの
動きによりドアースイツチ作動手段を上下するた
め、ドアスイツチ作動手段の動きは、ドアーキー
の動きと完全に一体となり動作するため、ドアー
の開閉とドアースイツチ作動手段の動きすなわち
電源回路を制御するスイツチの開閉が完全に一致
し、ドアーを開いた時のスイツチの復帰不良等の
誤動作を生じることのない安全な調理開始及び停
止機構を有する高周波加熱装置を提供しうるもの
であり、又ドアーキーの動作によつてのみ調理停
止が可能であるものであり、本体にドアー開放手
段を有し、レバーによりドアースイツチ作動手段
を動作し、ドアーキーのロツクを解除するものの
みでなく、ドアー自身にドアーキーのロツク解除
手段を有するものにおいても実施が可能であるた
め、応用範囲が広い調理開始及び停止機能を有す
る高周波加熱装置を提供しうるものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について、図面に基づ
いて説明する。

第１図，第２図は高周波加熱装置の構成を示す
図であり、2450MHzのマイクロ波を発振する高周
波発振器１は金属製の導波管２とアンテナ３によ
つて結合されている。高周波発振器１より導波管
２の内部に放射された高周波は導波管２の内部を
伝播し、更に加熱室４の内に放射される。加熱室
４に放射された高周波は加熱室４の内に置かれた
調理物５に吸収され、調理物５の内部より調理物
５を誘電加熱する。又高周波発振器１は内部損失
による自己加熱があり、発振中は常に故障防止の
ためブロアーフアン６によつて冷却されている。
ドアーを閉じた時ドアーを本体側にあるロツク機
構と係合し、又加熱室４の前面には後述のスイツ
チ作動手段を動作するためのドアーキー２１を有
する開閉自在のドア７が構成され加熱室側面には
電気部品室８があり、高周波発振器１、ブロアー
フアン６、高周波発振器に高圧を印加するための
高圧トランス９、高圧コンデンサ１０が位置す
る。

電気部品室の前面には操作パネル１１が構成さ
れ、タイマーつまみ１２，調理開始ボタン１３等
を有する。

第３図は高周波加熱装置の制御回路であり、電
源プラグ１４は高周波加熱装置を構成する電気部
品の短絡，地絡や後述するインターロツクの溶着
時の過度のマイクロ波の漏洩を防止するためシヨ
ートスイツチ１８の動作により溶断するヒユーズ
１５に接続されている。更にヒユーズ１５はドア
７の開閉によつて接点が開閉する２ケの電源回路
を開閉制御するスイツチ（以下インターロツクス
イツチと称す）１６，タイムスイツチ１７を介し
て高圧トランス９の一次巻線に接続される。

高圧トランス９の１次巻線の両端にはブロアー
フアン６と前述のインターロツク１６の溶着時に
回路全体を不動作状態にするシヨートスイツチ１
８，タイムスイツチ１７を作動するタイマーモー
ター１９，及び加熱室４を内部を明るくするため
のランプ２０が接続されている。電源プラグ１４
のもう一方の端子は高圧トランス９の一次巻線に
接続されている。

高圧トランス９に印加された交流電力は高圧ト
ランス９によりステツプアツプされ高圧電力とな
りその高圧電力は高圧コンデンサ１０と高圧ダイ
オード２２で構成される倍電圧整流回路により倍
電圧整流された高圧直流電力に変換され高圧発振
器１に供給される。高周波発振器１に供給された
高圧直流電力は高圧トランス９に設けられたヒー
ター巻線２４により高周波発振器１のヒーターを
加熱されることにより、高周波に変換され、アン
テナ３より放射され、前述のように調理物を加熱
する。

第４図はドアー７の構造図であり、その内部に
上下それぞれに構成されたドアーキー２１，その
２つのドアーキーを連結する連結棒２３，ドアー
開放ボタン２４及びドアスプリング２５を備えて
いる。ドアーキー２１はそれぞれ支点を中心とし
てドアースプリング及び連結棒により右方向のモ
ーメントが加わり後述のドアーロツク手段とかみ
あつている。ドアーのロツクを解除するためには
ドアー開放ボタン２４によりドアーキー２１に左
方向のモーメントを加えてやることにより行な
う。

第５図はドアー上部に構成されたドアーロツク
手段（上）２６であり、ドアーを閉じるとドアー
キーが挿入され前記のドアースプリングによりド
アーキーを下方に引くためロツク手段にかみあう
と共にスイツチレバー２７を押すことにより前述
のインターロツクスイツチ１６−１をONする。

第６図はドアー下部に構成されたドアーロツク
手段の斜視図であり、ドアーロツク手段本体２
８，ドアーロツク手段本体の内部にはドアーキー
の力により上下にスライドするスイツチ作動手段
２９及びスイツチ作動手段を下から押し上げる安
全スプリング３０を有し、又ドアーロツク手段本
体の側面にはドアーキー保持手段３１をとりつけ
るためのドアーキー保持手段取付軸３２を有し、
ドアーキー保持手段はその軸を中心として回転自
在であり、コイルスプリング３３により右方向の
モーメントを加えられている。

第７図はスイツチ作動手段の形状を示す断面図
でありＵ字形にしてドアーキーと嵌合するドアー
キー嵌合部３４，ドアーキー保持手段との接触部
３５及びカム形状のインターロツクスイツチ作動
部３６から構成されている。

第８図はドアーキー保持手段３６の斜視図であ
り、ドアーキー保持手段は、Ｌ字型をしたスイツ
チ作動手段の保持部３６−１，調理開始手段の挿
入部３６−２及び取付軸受３６−３を有し、Ｌ字
型のスイツチ作動手段の保持部３６−１は取付軸
受のセンター位置３２の垂線に対し３mm〜30mmの
間の寸法だけセンターをずらし、スイツチ作動手
段を保持した状態では取付軸に対し回転モーメン
トが加わるようにし、かつその回転モーメントは
スイツチ作動手段の保持部３６−１の縦壁をスイ
ツチ作動手段にあてて保持している。このためド
アーが閉じられた時のスイツチ作動手段へ加わる
衝撃はスイツチ作動手段の保持部３６−１の縦壁
がストツパーとなり、ドアー開閉時にその衝撃に
よりスイツチ作動手段を解除するといつたような
ことはないように構成されている。すなわち、ス
イツチ作動手段を保持している時及びドアーの開
閉時に加わる衝撃によりドアーキー保持手段の軸
受部に加わる回転モーメントは調理開始時にドア
ーキー保持を解除するために加えられる回転モー
メントとは逆方向になるように構成されている。

第９図は調理開始手段の斜視図であり、調理開
始ボタン３７，及び軸受部を有し回転自在の操作
レバー３８を有す。操作レバー３８の先端は、前
述のドアーキー保持手段の調理開始手段の挿入部
３６−２に挿入されているため、調理開始ボタン
３７を押すと、操作レバーは軸受を中心に回転
し、ドアーキー保持手段を回転させ、スイツチ作
動手段及びドアーキーの保持を解除することがで
き、このためインターロツクスイツチを閉じ、高
周波加熱装置は調理を開始する。

第１０図はドアーキー保持手段の位置とスイツ
チ作動手段及びインターロツクスイツチの関連を
示す図であり、これを用いて上記構成における作
用について説明する。

第１０図Ａはドアーを開いた時の状態を示し、
スイツチ作動手段２９は前述の安全スプリング３
０により上へ押し上げられている。

第１０図Ｂはドアーを閉じた時の状態を示し、
ドアー上下に設けられた２個のドアーキーが本体
に設けられたロツク手段２８に係合し、その中に
設けられたスイツチ作動手段２９を押し下げる。
押し下げられたスイツチ作動手段２９はドアーキ
ー保持手段３６に保持される。上記保持部はＬ字
型をしており、ドアーキー保持手段の軸受部のセ
ンターの垂線上により３mm〜30mmずらされて構成
されているため、ドアーキー保持手段の軸受部に
はドアーキーバネにより回転モーメントが加えら
れるが、上記Ｌ字型の保持部の縦壁がスイツチ作
動手段にあたり、縦壁がストツパーの役目をはた
している。このため、ドアー開閉時のドアーキー
保持部に加わる衝撃は、回転モーメントに変えら
れ上記縦壁にて吸収される。この時インターロツ
クスイツチは作動されないままで保たれている。

第１０図Ｃは本体の操作パネル部に設けられた
調理開始ボタンを押し、操作レバーを介してドア
ーキー保持部を軸受部を中心として回転し、スイ
ツチ作動部の保持を解除した時の状態を示す。

調理開始ボタンを押された時は、上記の第１０
図Ｂの状態にて示されたスイツチ作動手段をドア
ーキー保持手段が保持している時にドアーキー保
持手段の軸受部に加わる回転モーメントと逆向き
の回転モーメントが生じるためにドアーキー保持
手段を着転させ、保持を解除することができる。
保持を解除するとスイツチ作動手段はドアーキー
の力により押し下げられ、第１０図Ｃに示すよう
にインターロツクスイツチは作動され、タイムス
イツチ１７がセツトされた状態では高圧トランス
９に電圧が印加され、高周波加熱装置は調理を開
始する。又調理中にドアーに設けられたドアー開
放ボタン２４を押すと上下２個のドアーキーは連
結棒にて直結しているため２個のドアーキーは押
し上げられ、同時にドアーキー２１がスイツチ作
動手段２９を押し上げインターロツクスイツチを
開き調理を終了する。又別のドアー開放機構を設
けた例として本体側に設けられたレバーにより直
接スイツチ作動手段を押し上げてドアーを開き、
インターロツクスイツチ１６−２を開き、調理を
終了することも可能である。

このように本実施例によれば、ドアー開閉時の
衝撃に対し誤動作することもなく、ドアーキー２
１の本体ロツク手段との係合とインターロツクス
イツチの動作の関係が完全に一致するため、スイ
ツチの復帰不良等のない安全な調理開始及びドア
ー開放手段を有する高周波加熱装置を提供できる
と共に、各種ドアー開放機構についても応用でき
るため部品の標準化にも効果があり、生産性の向
上も図ることができる。

発明の効果 以上のように本発明によれば次の効果を得るこ
とができる。

(1) ドアー開閉時の衝撃に対し誤動作することの
ない安全な高周波加熱装置を提供することがで
きる。

(2) ドアーキー自身にて電源回路を制御するスイ
ツチを開閉するためドアーキーの本体ロツク手
段への係合と電源回路を開閉制御するスイツチ
の動作の関係が完全に一致し、スイツチの復帰
不良のない安全な高周波加熱装置を提供するこ
とができる。

(3) ドアー自身にドアー開放機能を有する装置又
は装置本体にドアー開放レバーを有する装置に
も応用できるため部品の標準化に効果があり、
生産性の向上を図ることができる。

(4) 機構的な調理開始手段を有せず、電気的な調
理開始手段を有する装置への改造はドアーキー
保持手段及び調理開始手段をとり除くことによ
り実施可能であり、電気的調理開始手段を有す
る装置との部品の共用化率も非常に高くこの面
でも生産性が高く多機種生産に適した高周波加
熱装置を提供することができる。尚上記のよう
にドアーキー保持部がＬ字形状の場合について
説明したが逆Ｌ字形状の場合は動作及び位置関
係を逆に構成することにより同様の結果を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の高周波加熱装置の開扉状態の
斜視図、第２図は同横断面図、第３図は同回路
図、第４図は本発明のドアー構造を示す断面図、
第５図は本体上部のロツク手段を示す要部拡大断
面図、第６図は本体下部のロツク手段を示す斜視
図、第７図はスイツチ作動手段の形状を示す断面
図、第８図はドアーキー保持手段の斜視図、第９
図は調理開始手段の斜視図、第１０図はドアーキ
ー保持手段の位置とスイツチ作動手段及び電源回
路を開閉制御するスイツチの関連を示す図であ
る。 １……高周波発振器、４……加熱室、６……ブ
ロアーフアン、７……ドアー、９……高圧トラン
ス、１３……調理開始ボタン、１６……インター
ロツクスイツチ、２１……ドアーキー、２３……
連結棒、２４……ドアー開放ボタン、２８……ド
アーロツク手段、２９……スイツチ作動手段、３
１……ドアーキー保持手段、３７……調理開始ボ
タン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 食品を収納する加熱室を内部に備えた本体、
   前記加熱室へ高周波を給電する高周波発振器と、
   加熱室前面に設けた開閉自在のドアーと、ドアー
   に装着されドアーの閉成時に本体側に設けたロツ
   ク手段と係合するドアーキーと、前記高周波発振
   器の電源回路を開閉制御するスイツチと、前記本
   体側に操作可能に設けられた調理開始手段と、前
   記ドアーキー及び調理開始手段により前記スイツ
   チのアクチユエーターの移動方向に対し直角方向
   に動きスイツチを動作させるスイツチ作動手段
   と、前記本体側又はドアー側に操作可能に設けら
   れたドアー開放手段と、ドアー閉時にスイツチ作
   動手段を介してドアーキーを保持するドアーキー
   保持手段を有する高周波加熱装置において前記ド
   アーキー保持手段は回転自在の支点部と先端に設
   けられたＬ字形状のドアーキー保持部を有し、且
   つ回転自在の支点に対しＬ字形状のドアーキー保
   持部を支点の垂線上から右回転方向にずらせて構
   成し、ドアー閉時にＬ字形状のドアーキー保持部
   の水平面にて前記スイツチ作動手段を保持し、調
   理開始手段を操作された時ドアーキー保持手段が
   左回転を行い、ドアーキーの保持を解除するよう
   構成された高周波加熱装置。 ２ 前記ドアーキーはドアーの上下２ケ所に設け
   られ、２ケのキーはそれぞれ支点を有し、又連結
   棒により連動して支点を中心として、バネによ
   り、ロツク手段と係合する方向に回転力を有する
   構成とした特許請求の範囲第１項記載の高周波加
   熱装置。 ３ 前記調理開始手段は本体に設けられた調理開
   始ボタン、支点を中心に回転自在のドアーキー保
   持手段、前記調理開始ボタンと連動し、ドアーキ
   ー保持手段を操作する操作レバーとを備え、前記
   ドアーキー保持手段は、ドアーが閉じられた時ド
   アーキーをロツク手段と係合状態に保ち、且つス
   イツチ作動手段がスイツチを動作させない状態に
   保持すると共に、調理開始ボタンが操作された
   時、操作レバーと連動して動き、ドアーキー保持
   を解除し、その結果としてドアーキーの力により
   スイツチ作動手段が移動し、前述の電源回路を開
   閉制御するスイツチを閉じるように構成した特許
   請求の範囲第１項記載の高周波加熱装置。 ４ 前記ドアーキー保持手段は、支点を中心に回
   転自在であり、バネによりスイツチ作動手段の保
   持が解除しない方向に付勢されており、操作レバ
   ーによりバネ力以上の力が加わつた時のみスイツ
   チ作動手段の保持を解除する構成にすると共にド
   アーキー保持手段の支点に対し、スイツチ作動手
   段の保持した時に加わる力のモーメントの方向が
   解除の方向に加わるモーメントとは反対の方向に
   なるように構成し、ドアーキー保持手段は前記ス
   イツチ作動手段を保持した時に加わるモーメント
   に対し固定するためのストツパーを備え、ドアー
   を閉じた時のドアーキーの衝撃に対して解除方向
   のモーメントが加わることを防ぐ構成とした特許
   請求の範囲第１項記載の高周波加熱装置。