JPS602486Y2

JPS602486Y2 - 電子レンジ

Info

Publication number: JPS602486Y2
Application number: JP444477U
Authority: JP
Inventors: 孝昌古沢; 靖男村中; 芳生一宮
Original assignee: ブラザー工業株式会社
Priority date: 1977-01-18
Filing date: 1977-01-18
Publication date: 1985-01-24
Also published as: JPS5399656U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、高周波発生装置の電源回路を簡略化するとと
もに扉の開放時に人体並びに通信等に悪影響を及ぼす高
周波エネルギーの外部漏洩を防止するスイッチ開閉機構
を備えた電子レンジに関するものである。

第１図は従来の電子レンジの高周波発生装置の電源回路
の一例を示す簡略結線図である。

この電源回路によれば、加熱室の扉が完全に閉成した状
態ではこの扉の開閉に応動するドアスイッチ１と、扉と
本体との間に設けられたラッチ機構の係脱動作に応動す
るラッチスイッチ２がともに閉成しているので、常開形
の押釦式調理スイッチ３を押圧すると、リレー４が働き
その主開閉器５，６が閉成するとともにこのリレー４が
自己保持されるので、電源７より高周波発生装置８へ電
力が供給され、加熱室内に高周波エネルギーが供給され
る。

そして、このような従来の高周波発生装置の電源回路で
は、扉が完全に閉成した場合のみ、調理スイッチ３で高
周波発生装置８への電力を供給できるようにしたり、或
いはドアスイッチ１またはラッチスイッチ２が開放する
と前述の電力供給を停止させ、この状態では調理スイッ
チ３を押圧しても電力供給が行えないようにするために
、第１図で示したように、リレー４を含む複雑、高価な
回路構成を必要とした。

そこで、本考案はこのような複雑、高価な回路構成を要
することなく、調理スイッチを扉の閉成時のみ機械的に
閉成可能とするために、扉に設けられ扉閉成時には本体
内へ挿入されるラッチ機構のフック片に着目し、押釦の
押圧操作によりスイッチ支持体を移動せしめ、スイッチ
の開閉用アクチュエータがフック片に押圧されるような
構成とするとともに、スイッチのこのような閉成動作が
押釦の押解除後も保持され、その保持が扉の開放操作に
伴ない解除されるようにすることにより、安価で安全な
電子レンジを提供しようとするものである。

以下、図面を参照して本考案を詳細に説明する。

第２図は本考案に係る電子レンジの扉開放状態を示す斜
視図、第３図はその扉閉成時の要部断面図、第４図はそ
の押釦の押圧操作時の要部断面図、第６図は部分拡大斜
視図であり、図中９は本体１０内部に設けられた加熱室
１１の前面開口部を開閉する扉、１２はこの扉９の前面
右寄りに設けられた把手、１２ａはこの把手１２の前面
中央部に把手１２を貫通するようにして設けられた開閉
操作体、１３はこの扉９の本体１０側に設けられた突出
片で扉閉成時には加熱室１１の前面周縁部に形成された
透孔１１ａより本体１０内へ挿入されいわゆるドアスイ
ッチを閉成するものであり、１４は同じく扉９の内部で
軸１４ａに枢支され、その先端部が本体１０側に突出し
て設けられたフック片で扉９の閉成時には加熱室１１の
前面周縁部に形成された透孔１１ｂより本体内へ挿入さ
れ、本体１０内部に取付けられた係止部１５に係合し扉
９の閉成状態を保持するものであり、１６はこの係止状
態を保持するための弾性力をフック片１４に付勢するば
ね、１７は扉９の内部で軸１７ａにより枢支され、前記
把手１２に設けられた開閉操作体１２ａの押圧操作をフ
ック片１４に伝達するための連杆であり、開閉操作体１
２ａを押圧するとフック片１４がばね１６の張力に抗し
て揺動し、係止部１５より離脱せしめられ、扉９が開放
可能となる。

１８は本体１０の前面上部の操作パネル１０ａの右側に
設けられた調理開始用の押釦である。

１９は本体１０でスイッチ２０を支持するスイッチ支持
体で、前記係止部１５近傍でスイッチ２０の開閉用アク
チュエータ２０ａがフック片に当接し、押圧されるよう
に移動可能となっており、その上下両側に設けられた２
個の長孔１９ａ、１９ｂには、本体１０に固定された固
定軸２１，２２が遊嵌することにより移動範囲が規制さ
れるように構成されており、常にばばね２３により下方
に付勢され、スイッチ２０の開閉用アクチュエータ２０
ａが本体内へ挿入されたフック片１４に当接し、押圧さ
れることのないような位置に保持されている。

２４はこのスイッチ支持体１９の上端に、下端が固定さ
れた連結杆で、本体１０に固定された固定枠２５により
上下方向に移動可能に案内されるとともに、その上端が
Ｌ字状杆２６の一端に連結され、このＬ字状杆２６は軸
２６ａに枢支されているとともに他端が第５図に示すよ
うに前記押釦１８の押圧操作を伝達する伝達杆２７の端
部に当接しており、押釦１８を押圧すると図中、反時計
方向に回動せしめられるようになっている。

２８は軸２８ａに枢支された係止杆であり、一端が鉤状
に形成されるとともに他端がばね２９ａを内蔵する支持
部２９により支持されていて、図中時計方向に、若干回
動可能となっている。

尚、ここで伝達杆２７について詳述すると、この伝達杆
２７はその略中央部に設けられた第１の突部２７ａを本
体１０内に固定された支枠３０内部に伝達杆２７の周面
を包囲するように形成された傾斜孔３０ａ内に嵌合させ
ることにより、前記押釦１８が押圧操作され伝達杆２７
全体が本体１０奥部へ移動する時、その突部２７ａが支
枠３０の傾斜孔３０ａに沿って矢印方向に移動しようと
するため、全体が回転しながら移動することになり、こ
の時、同じく本体前面より見て、この第１の突部２７ａ
を挾んで伝達杆２７上に形成された第２、第３の突部２
７ｂｔ２７ｃＧ’また、この第１の突部と同
様な動きを行い、その内、第２の突部２７ｂは前記係止
杆２８の鉤状部に係止され、第３の突部２７ｃは解離片
３１の上端と略当接する。

尚、この解離片３１は固定枠２５に上下方向に移動可能
に支持され、その下端を扉閉成時に本体内へ挿入された
フック片１４の先端上面に当接させるとともにその一部
に取付けられたピン３１ａが本体１０内で固定された支
持枠３２の上面に当接することにより、それ以上の下降
を制限されている。

以上のような構成よりなるスイッチ開閉機構を備えた電
子レンジにおいて、先ず扉９の開放時では突出片１３が
本体１０内へ挿入されていないため、ドアスイッチが開
放されたままとなっているとともに、押釦１８を不注意
にも押圧したとしてもスイッチ２０の開閉用アクチュエ
ータ２０ａが当接し、押圧されるべきはずのフック片１
４が本体内に挿入されていないため、このスイッチ２０
も閉成されることはない。

尚、この扉９開放中の誤操作による押釦１８の押圧操作
は、伝達杆２７上の第２の突部２７ｂと係止杆２８との
係合を誘起し、これによりスイッチ支持体１９が上方へ
持ち上げられたまま保持されることになるが、この保持
は、扉開成に伴ないフック片１４が本体内へ挿入され、
その先端上面が解離片３１を一旦、上方へ持ち上げ解離
片３１の上端が伝達杆２７の第３の突部２７ｃを押圧し
、伝達杆２７全体を軸方向に回転せしめるので、その時
、第２の突部２７ｂが係止杆２８の鉤状部より離脱せし
められることにより解離され、伝達杆２７、Ｌ字状杆２
６、連結杆２４、スイッチ支持体１９は共にばね２３の
張力により復帰する。

次に、扉９閉成時に押釦１８を押圧した場合を説明する
と、今度はフック片１４が係止部１５に係止されている
ため、押釦１８の押圧操作に伴なうスイッチ支持体１９
の移動により開閉用アクチュエータ２０ａがフック片１
４に当接し、押圧されスイッチ２０を閉成せしめ、また
、係止杆２８が前述したように伝達杆２７の第２の突部
２７ｂを係止するのでこのスイッチ２０の閉成状態が保
持される。

そして、このスイッチ２０の閉成保持状態の解除動作は
、扉開放操作に先立つ開閉操作体１２ａの押圧操作によ
りフック片１４が係止部１５より離脱しようとした時、
スイッチ２０が開閉用アクチュエータ２０ａの弾性によ
り開放されると同時に解離片３１が上方に持ち上げられ
るのに伴ない伝達杆２７が矢印と逆方向に回転しその第
２の突部２７ｂが係止杆２８より離脱することによりス
イッチ支持体１９が元の位置に復帰せしめられて終了す
る。

以上のように、このスイッチ開閉機構では、扉の閉成に
より本体内へ挿入されるラッチ機構のフック片に、押釦
の押圧操作により移動せしめられるスイッチ支持体上の
開閉用アクチュエータを当接、押圧せしめるよう構成す
ることにより、扉閉成時のみ押釦によるスイッチの閉成
操作を可能とするとともに、このスイッチの閉成状態を
保持する係止杆並びに伝達杆上の第２の突部との係合を
、扉開放操作に先立つフック片の係止部からの離脱動作
に連動して解除するように構成することにより、高周波
発生装置の動作中に扉を開放しようとしても高周波エネ
ルギーが外部に漏洩するのを防止したものであり、その
電源回路を簡略化して示すと第４図のようになる。

即ち、同図を第１図の従来例に対比して説明すると、７
が電源、８が高周波発生装置、１がドアスイッチ、２０
が調理用スイッチであり、この調理用スイッチ２０は機
構内で比較すると第１図のラッチスイッチ２に対応し、
作用的に捉えると、調理スイッチ３並びにリレー４の主
開閉器５，６の作用をも有し、上述したスイッチ２０の
閉成保持機構がリレー４の自己保持作用を行うものにな
り、このような電源回路は従来例と比べて極めて簡素で
あり、しかも電子レンジの各種安全規準にも十分合致す
るものである。

以上のように、本考案に係る電子レンジはスイッチ支持
体を移動させるという新規な構成を有し、その調理用の
スイッチの閉成操作が扉閉成時のみに限定される点は外
見上従来通りでありながら、その電源回路が従来のもの
のような複雑、高価なものではなく、極めて簡素に安価
であり、またそのスイッチの閉成丈態保持機構が扉の開
放に先立つフック片の係止部からの離脱動作に連動して
解除される構成となっているため、高周波エネルギーの
外部漏洩防止に関して従来、この種の電子レンジのいず
れにも劣らないものであり、本考案の産業上奏する効果
は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電子レンジの電源回路の簡略図、第２図
は本考案に係る電子レンジの扉解放状態の斜視図、第３
図はその扉閉成時の要部断面図、第４図はその電源回路
の簡略図、第５図は部分斜視図である。図中、８は高周波発生装置、９は扉、１０は本体、１２
ａは開閉操作体、１４はフック片、１Ｂは押釦、１９は
スイッチ支持体、２０はスイッチ、２０ａはその開閉用
アクチュエータ、２７ｂ、２８は保持機構を構成する第
２の突部、係止杆である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】内部に加熱室を備えた本体と、この本体に装着され前記
加熱室の前面開口部を開閉する扉と、この扉に揺動可能
に枢支された扉閉成時には本体内の係止部に弾性的に係
止されることにより扉の閉成状態を保持するフック片と
、扉開放操作に先立って操作され前記弾性力に抗して前
記フック片を係止部より解離せしめるための開閉操作体
と、前記本体内に設けられ前記加熱室内へ高周波エネル
ギーを供給する高周波発生装置と、本体内に設けられ前
記高周波発生装置の作動を制御するためその電源回路に
接続されたスイッチと、このスイッチを開閉するため本
体前面に設けられた押釦とを備えた電子レンジにおいて
、前記スイッチを支持するとともに常には一方向に弾性力
が付勢され、この弾性力に抗する前記押釦の押圧操作に
より移行せしめられるスイッチ支持体と、このスイッチ支持体上に設けられるとともに本体の前記
フック片の係止位置近傍に配置され、常にはスイッチを
開放する方向の弾性力が付勢され、扉閉成時の前記押釦
の押圧操作に伴ないスイッチ支持体が移動する時その弾
性力に抗してフック片に押圧されることによりスイッチ
を閉成する開閉用アクチュエータと、押釦の押圧操作により移動せしめられたスイッチ支持体
を、その弾性力に抗してスイッチ閉成位置にて保持し、
扉開放操作に伴なうフック片の動きによりその保持動作
が解除される保持機構とを有し、扉閉成時のみ、押釦の押圧操作に伴なうスイッチ支持体
の移動によりスイッチが閉成、保持せしめられるととも
に、扉開放操作に伴ないそのスイッチが開放せしめられ
るようにしたことを特徴とする電子レンジ。