JPS63203655A - ポリイソシアネ−トの製造方法 - Google Patents

ポリイソシアネ−トの製造方法

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JPS63203655A
JPS63203655A JP3734487A JP3734487A JPS63203655A JP S63203655 A JPS63203655 A JP S63203655A JP 3734487 A JP3734487 A JP 3734487A JP 3734487 A JP3734487 A JP 3734487A JP S63203655 A JPS63203655 A JP S63203655A
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JP
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reaction
solvent
boiling
boiling point
temperature
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Application number
JP3734487A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Takano
哲雄 高野
Kazuyuki Iwata
岩田 一幸
Yoshitoshi Kumagai
熊谷 善敏
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリウレタンエラストマーまたは被覆材製造
の原料等として有用なポリメチレンポリフェニルポリイ
ソシアネートの製造方法に関スる。
〔従来の技術〕
従来、一般に芳香族イソシアネートは、芳香族ニトロ化
合物を水素還元して得られる芳香族アミンをホスゲンと
反応させることにより製造されていた。しかし、この方
法は工程が複雑な上、有毒なホスゲンを使用すること、
塩化水素の副生等の問題点があった。そこで近年、ホス
ゲンを使用しない芳香族イソシアネートの製造方法が種
々提案されている。これらの方法は、■直接法、■カー
バメート経由法の2種類に大別できる。
第1の方法は、不活性溶媒中で芳香族ニトロ化合物にパ
ラジウム系触媒の存在下、−酸化炭素を作用させ、芳香
族イソシアネートを得る方法である。この方法には、反
応条件が過酷であるばかりでな(、触媒生産性が低い、
副反応が併発する等の欠点がある。また、ポリメチレン
ポリフェニルポリイソシアネートの製造に適用すること
は困難である。
第2の方法は、水酸基を有する有機化合物と、芳香族ニ
トロ化合物を、白金族金属触媒またはセレン触媒の存在
下で一酸化炭素と反応させて、芳香族カーバメートを得
、次いでこのカーバメートを熱分解することにより、芳
香族イソシアネートを得る方法である。
本発明方法は上記第2の法に属するものであり、具体的
には、フェニルカーバメートを、ホルマリン等のメチレ
ン化剤で縮合架橋させてポリメチレンポリフェニルポリ
カーバメートを得、次いでこのポリカーバメートを熱分
解することにより、対応するポリイソシアネート、すな
わちポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを製
造するものである。
この方法は、原料たるフェニルカーバメートを、ニトロ
化合物あるいはアミノ化合物から合成する優れた方法が
近年開発されたため、ポリイソシアネートの有利な製造
法として期待されている。しかし従来公知の熱分解法で
は、反応速度、反応条件、ポリイソシアネートの収率及
び品質等に問題があるため工業的実施には至っていない
〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、−Cに公知のカーバメート類の熱分解法は大
別すると高温気相で行う方法と、比較的低温の液相で行
う方法がある。前者については、例えば特公昭46−1
7773号公報にその方法が記載されているが、ポリカ
ーバメートに適用するには高温高真空下での短時間の反
応が必要であり、実用的には実施が困難である。後者に
ついては、例えば米国特許第2,409.712号(1
946年)、特開昭51−19721号、同52−19
624号、同57−158747号各公報にその方法が
記載されているが、いずれも触媒および/または減圧条
件を採用して熱分解させるものである。これらの方法に
は触媒の分離回収という後処理を要するので、煩雑であ
るし、減圧のために運転上の制約が大となる上、装置が
過大で複雑なものになる等の問題点がある。
以上の問題点に加えて、ポリカーバメートを熱分解する
場合の最大の問題点は、好ましくない併発的あるいは逐
次的副反応により樹脂状の多種の高沸点物が生成し、ひ
いては製品ポリイソシアネートの歩留低下、品質劣下を
招きポリウレタン原料として不満足なものしか得られな
いことである。
上記副反応を回避するためには、できるだけ低温度でか
つ短時間で反応を完結させることが重要であり、触媒の
使用等の試みがなされている。特に、所望の目的物が実
質的に蒸留することができないような高沸点のポリイソ
シアネートを含み、それを製品の一部とせねばならない
ような場合には、未反応のポリカーバメートあるいは中
間体のカーバメートの一部が解離したイソシアネートカ
ーバメート体の残留は回避する必要があり、このために
は熱分解を完結させることが必須である。このため例え
ば特開昭50−30832号公報、同59−17245
1号公報に記載されているように、熱分解反応で生成す
るアルコールを系外に除去するために大量の不活性ガス
を吹込むかあるいは高沸点の反応溶媒に低融点の反応溶
媒を添加混合してなる溶媒を用いて低沸点溶媒蒸気を不
活性ガスの代わりにキャリアとして反応を行う方法が提
案されている。
通常、前者の方法が用いられているが、この方法では予
熱した大量の不活性ガスを必要とし、経費の増大、反応
操作の複雑化を招き工業的製造には不利である。
さらに、上記のガス吹込み法では、高温、長時間の反応
条件が必要となり、好ましくない副反応回避の目的には
不十分である。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、
その目的は、製品ポリメチレンポリフェニルポリイソシ
アネートの生産効率、ユーティリティー所要量および製
品品質を改善する工業的に有用な方法を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解消し本発明の目的を達成するための手段
は、 ポリメチレンポリフェニルポリカーバメートを熱分解し
てポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを製造
する方法において、沸点230〜330℃の高沸点溶媒
と沸点160〜260℃の低沸点溶媒とからなる混合溶
媒中で、その混合比を調節することにより反応温度を2
30℃から260℃の範囲で連続的または段階的に上昇
するように制御することを特徴とするものである。
〔作 用〕
本発明法では、沸騰状態を保ちつつ最適の温度を選択で
きるため、物質移動や反応熱の供給が容易となり、公知
の不活性ガスを吹込む方法あるいは低沸点の溶媒を添加
する方法に比べて次の利点を有する。
すなわち、■アルコールの除去効率が高まるため熱分解
反応速度が増大する、■大量の不活性ガスあるいはキャ
リア用の低沸点の溶媒が不要となる、■全般にユーティ
リティが節減され、また反応操作も簡略化される、そし
て■反応が最適温度で実施されるため、得られるポリイ
ソシアネートの品質劣下が小さい、などの利点である。
従って、本発明によればポリウレタンを製造するのに適
した組成および物性を有するポリイソシアネートを経済
的有利に製造することができる。
〔発明の具体的構成〕
以下、本発明をさらに具体的に詳述する。
まず、本発明における熱分解反応における原料物質たる
ポリカーバメートと生成物質たるポリイソシアネートに
ついて述べる0本発明において、熱分解反応に供するポ
リカーバメートは、一般式(1)(ここに、mはO1l
〜6の整数、Rは炭素数1〜6の低級アルキル基を示す
)で表わされるポリメチレンポリフェニルポリカーバメ
ートである。
・・・(1) 次に、一般式(11のポリカーバメートを熱分解して得
られる物質は、一般式(2)(ここにmは0.1〜6の
整数)で表わされるポリメチレンポリフェニルポリイソ
シアネートである。
・・・(2) 上記一般式(1)で表わされるポリカーバメートは、公
知の方法によりN−フェニルカーバメートとメチレン化
剤としてのホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒドを
発生させる物質とを、酸触媒の存在下に反応させて得ら
れる。
本発明方法においては、液相で180〜300℃、好ま
しくは230〜260℃の温度で上記ポリカーバメート
を処理してポリイソシアネートとアルコールとに熱分解
し、生成するアルコールは分離し再使用すると共に、メ
チレンジフェニルジイソシアネートを含むポリイソシア
ネートを得る。
本発明方法で使用されるポリカーバメートの具体例ハ、
一般式(1)において、Rがメチル、エチル、n−プロ
ピル、1so−プロピル、n−ブチル、1so−ブチル
、5ec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、
n−ヘキシルなどの低級アルキル基のポリメチレンポリ
フェニルポリアルキルポリカーバメートである。このう
ち、Rがメチルまたはエチルのカーバメートが特に好ま
しい。また、mはポリウレタンの用途により好ましい範
囲が異なるが、特にm=0のメチレンジフェニルカーバ
メートからは商業的価値の高いメチレンジフェニルジイ
ソシアネートが得られる。
次に本発明方法をさらに具体的に詳説する。
前述の製造により得られたポリカーバメートの組成物か
ら触媒および溶媒を除き、主成分としてメチレンジフェ
ニルシカ−バメートを含む、ポリメチレンポリフェニル
ポリカーバメートの固形物を得る。次にこのポリカーバ
メートから不純物を除去して熱分解反応に供する。ただ
し、縮合生成物中に残存するフェニルカーバメートを一
部または全部共存させたまま熱分解反応の原料とするこ
ともできる。
本発明の熱分解反応で用いられる溶媒は、反応温度で液
状であり、原料のポリカーバメートおよび生成物のポリ
イソシアネートを完全に溶解でき、かつ反応条件下で熱
的にも化学的にも安定なものである。
本発明では、溶媒として沸点の異なる二種以上の有機化
合物の混合物を用いることが特徴であるが、その高沸点
成分の常圧沸点は230〜330℃の範囲であり、低沸
点成分の常圧沸点は160〜260℃の範囲である。二
種以上の溶媒を選択する実際の方法は、反応温度を指標
とし、沸点がそれ以上の成分とそれ以下の成分を組み合
わせるのが適当である。液相における常圧下での熱分解
の反応温度は通常230〜260℃の範囲にあることか
ら、上記溶媒の沸点範囲が定まる。
本発明で用いる高沸点成分溶媒は、沸点が330℃以上
であっても使用することはできるが、後の分離・精製工
程においてポリイソシアネート生成溶液から溶媒を通常
は蒸留によって分離回収するため沸点が近い場合には分
離が困難となり、不利である。さらに、該溶媒の沸点が
高すぎると蒸留温度が高くなり、副反応による製品ポリ
イソシアネート損失を招き好ましくない。特に実質的に
蒸留の困難な高沸点のポリイソシアネートを含む組成物
を製品の一部とする場合には、高沸点溶媒の使用は不都
合である。
他方、低沸点成分溶媒を不活性ガスの代りにキャリアと
して用いる従来の方法においては、その沸点は低い方が
一般には好ましいが、本発明方法におけるように反応溶
媒の一成分として用いる場合には、沸点が低すぎると反
応温度の溶媒混合比の調整による制御が著しく困難とな
り、本発明の目的を達成することができない。さらに、
反応系の沸騰状態を実現するに必要な溶媒の特性以下の
低沸点溶媒の共存は、ユーティリティの増大と反応操作
の複雑化を招き、好ましくない。
当該熱分解反応のように温度の影響が極めて大である場
合には、本発明の場合のように低沸点溶媒成分として、
熱分解温度に近い常圧沸点を有する溶媒を用いれば、ア
ルコールの生成、反応熱の吸収に適応してごく僅かに混
合比を調整することにより容易に温度の精密制御を実施
できる。
以上のことから、本発明の熱分解溶媒として使用できる
化合物の具体例は次の通りである。
高沸点成分としては、ヘキサデカン、テトラデカン等の
高級アルカン、アントラセン、フェナントレン、ドデシ
ルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ジベンジルベン
ゼン、メチルナフタレン等の置換ベンゼンおよび置換ナ
フタレン、cts−cisビシクロヘキシル等の脂環式
炭化水素、l−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレ
ン、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン等の
ハロゲン化炭化水素、ジフェニルエーテル、ジベンジル
エーテル等のエーテル、さらにイソシアネートとの反応
性を有しないプロピレンカーボネート等のカーボネート
が挙げられる。
また、低沸点成分溶媒としては、ドデカン、デカン等の
高級アルカン、ブチルベンゼン、ベンジルベンゼン、テ
トラリン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン
等の置換ベンゼンおよび置換ナフタレン、デカリン、t
rans−transビシクロヘキシル等の脂環式炭化
水素、0−ジクロロベンゼン、0−ジブロモベンゼン、
1.2.4−トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素、ジフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ベ
ンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、1.2−
ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジエチルエー
テル等のエーテル、ニトロベンゼン、ニトロトルエン等
のニトロ化合物、アセトニルアセトン、イソホロン、ア
セトフェノン等のケトン、γ−ブチロラクトン等のエス
テル、さらにイソシアネートとの反応性を有しないエチ
レンカーボネート等のカーボネートが挙げられる。
これらの溶媒のうち、高沸点成分としてはドデシルベン
ゼン、1−クロロナフタレン、低沸点成分としてはシク
ロヘキシルベンゼン、0−ジクロロベンゼン等が特に好
適である。
次に、高沸点成分と低沸点成分の混合比の選択は反応温
度範囲で溶媒系が適度の沸騰状態に保たれ、かつ高沸点
成分の増加により、反応温度が反応の進行と共に徐々に
上昇されるように行われる。
溶媒の混合比は、用いる溶媒の物理的、化学的性質に依
存するが、二種の溶媒の系では、高沸点成分/低沸点成
分=10.000/1ないし1/10.000好ましく
は100/1ないし1/100  (重量比)の範囲で
あり、二種以上の溶媒の系でもこれに準じて決定すれば
よい。
高、像画沸点成分の混合比の調整は、溶媒の供給組成を
反応の進行に応じて変化させること、すなわち供給組成
を漸次、初期よりも高沸点成分を増加させることにより
容易に遂行しうる。このためには反応液または留出する
溶媒組成をモニターするのが有効である0回分式と異な
り連続式、殊に連槽を用いる場合には、後段の反応槽に
おける溶媒組成を高沸点成分が増加するように予め設定
することにより実現できる。このように本発明方法では
、溶媒の混合比を調整することにより、反応温度を精度
よく制御できる。反応温度の上昇は副生物を抑制しなが
ら反応を短時間で完結させる上で重要な操作であり、そ
の精度が当該熱分解反応にとって特に重要である。
因に、従来技術での単一成分の溶媒で沸騰状態を保ちつ
つ温度を上昇させるには圧力の変化が必要であり、その
操作は煩雑なものであり、微妙な制御は実際上困難であ
る。また、キャリアーガスの代替として低沸点溶媒を添
加する方法では、温度の制御は低沸点溶媒の添加量を極
度に変化させる必要があり、系の状態を安定化させるこ
とが困難である。また、一般に低沸点溶媒の使用量が本
発明方法に比べて大きく、ユーティリティの所要量が大
となる。さらに後者の方法においても、反応温度を一定
に保つことが普通であり、本発明に 、おけるように温
度を上昇させつつ反応を実施する例は見当らない。
本発明方法では触媒を使用しても差支えないが、触媒を
使用せずとも目的を十分達成することができる。また、
上記混合溶媒中の原料ポリカーバメートの濃度は反応方
式にも依存するが、1〜80wt%、好ましくは2〜5
0wt%の範囲である。1wt%未満では設備費、用役
費が大となり不経済であり、80wt%を超えると副反
応が併発し、目的物のポリイソシアネートの収率が著し
く損われるからである。
ところで、熱分解を実施する場合に、反応平衡の生成系
への移動を促進し、かつ、生成したイソシアネートとア
ルコールとの再結合を防止する目的のために、一方の成
分、特にアルコールを反応系から連続的に除去する必要
がある。この系外除去を促進するために従来はキャリア
ーとして不活性ガスを、また同様の作用をするものとし
て低沸点の有機溶媒類を用いる方法が採用されていた。
この点、本発明方法では溶媒が沸騰状態であるため、器
壁面を含む反応系全体から十分な気相部分すなわち気泡
が発生するため生成物除去の目的が容易に達成され、上
述のような大量の不活性ガスあるいは低沸点の有機溶媒
を必要としない、但し、溶媒の沸騰状態を安定的に維持
するため、機械的攪拌、沸石の使用の代わりに極少量の
不活性ガスを液中に吹込むことも出来るが、この操作は
必ずしも要求されない、また、発生した蒸気を誘導する
ために反応系の気相部に若干の不活性ガスを導入するこ
とも有効であるが、従来技術のように大量に液中に吹込
む必要はない。
本発明方法の実施に当っては、生成するアルコールとイ
ソシアネートおよび使用する反応溶媒の沸点の関係に従
って、それぞれ最適の反応方式が採用される0例えば、
反応溶媒が生成するイソシアネートとアルコールとの沸
点の中間の沸点を有する場合には、溶液中で生成したア
ルコールと反応溶媒、殊に低沸点成分と一部のイソシア
ネートを溶媒蒸気に同伴させて蒸気相へ除去し、次いで
適当な分溜および/または分縮によってアルコールと溶
媒を分離し、イソシアネートと大部分の反応溶媒を凝縮
させ反応器に戻すような温度に保たれているコンデンサ
ーを反応器の上部に設置することが考えられる。あるい
は、溶媒とイソシアネートを反応器の上部から取出し、
蒸留等の手段により両者を分離し、溶媒は適宜反応器へ
循環し、再使用する。また、高沸点成分溶媒の常圧沸点
が反応温度より低い場合には、溶媒を適度な沸騰状態に
するため上記の分縮器の前または後に保圧弁を設は内部
を加圧状態に保ち、反応を実施し、留出する溶媒とアル
コールとを凝縮させ捕集する。
本発明における熱分解は180〜300℃、好ましくは
230〜260℃の温度範囲で実施される。180℃未
満ではイソシアネートとアルコールが反応してウレタン
を再生し、また、十分な反応速度を得ることが難しい。
他方、300℃を超えると、多種の副反応が併発し好ま
しくないからである。
本発明においては、反応温度を230〜260℃の範囲
内で、反応の進行に合わせて上昇させることが重要であ
る。当該熱分解反応はアルコールの生成を伴う反応であ
るが、アルコールを迅速に反応系外に除去することが、
反応速度の増大、目的物の収率向上に大きく寄与する。
特に、反応の進行とアルコールの除去をバランスさせた
場合に最も効率よく本発明の目的を達成できる。このた
め、反応末期における反応速度の低下、アルコール留出
速度の低下を補うために、反応温度を上昇させることが
望ましい、この反応温度の上昇は、混合溶媒を用い、低
沸点成分の系中における比率を漸減することにより、容
易に実現できる。さらに、この間においても溶媒の沸騰
状態はほぼ一定に保たれるので、系の安定化が極めて容
易に達成できる。この点、従来法のようにキャリアーガ
スあるいはキャリアーガスの役割を果たす低沸点溶媒を
用い、温度のみ上昇させる方法では系の安定化が図れず
、また、一定温度で反応を行う方法では、反応の完結に
長時間を要する上、未転化のカーバメートが生成物中に
残留する欠点があった。
本発明における熱分解反応は減圧下でも実施できるが、
より沸点の低い溶媒を用いるという本発明の趣旨から、
常圧以上の圧力の条件が好ましく選択される。また、反
応方式としては、回分式、流通式のいずれも可能である
。実用的には、完全混合型の多槽方式または押出し流れ
型反応器の流通式は単純な回分式に比べ、短時間で大量
の目的物を高収率で得ることができ、好ましい。なお、
前述のように流通式等では反応温度の上昇は反応の進行
に合わせ後段の反応域で上昇されることにより実現でき
る。
本発明では、所望のポリイソシアネートを熱分解後の反
応生成物から常法に従って分離し、高純度のジイソシア
ネートが取得される。分離・精製工程において、その中
に含まれている熱分解溶媒が分離される。この分離方法
としては蒸留分離が好ましいが、その際生成したポリイ
ソシアネート類の副反応による収率低下および純度低下
を防ぐためにできるだけ低温度、例えば230℃以下、
好ましくは150℃以下の温度で、かつできるだけ短時
間のうちに分離することが重要である。
本発明法に従って得られる生成物は一般式(2)におい
て、m=0の2核体のメチレンジフェニルジイソシアネ
ートを主成分とし、それ以下の量のm=1以上の多核体
を含有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
トであり、これはポリウレタン製造用の原料として好適
な組成および物性を有するものである。
〔実施例〕
次に実施例を説明する。
まず分析要領を説明すると、フェニルカーバメート、ポ
リカーバメート、ポリイソシアネートの転化率、収率、
および多核体分布の決定は、反応物の一部を採取し、乾
燥メタノールおよび/または乾燥テトラヒドロフランで
希釈した後、高速液体クロマトグラフィーおよびゲル・
パーミッション・クロマトグラフィで分析する方法で行
った。
また、ポリイソシアネートのNCO値はJISM−16
03(1985)に記載の試験方法により決定した。実
施例中、特に言及しないかぎり収率は重量基準による。
(実施例1) 温度計、撹拌機および滴下ロートを備えた5001ml
フラスコにエチル−N−フェニルカーバメート20g、
96%硫酸24.7g、水20gを仕込み、50℃に保
ち、37%ホルマリン水溶液4.9gを滴下し、内容物
をかきまぜなから油浴上で90℃、2時間反応させた。
反応終了後、反応液を室温まで冷却して、メチルエチル
ケトン100gを加えて不溶物を完全に溶解した後、分
液する。
さらに、水層にメチルエチルケトン100gを加えて逆
抽出した層と合わせたメチルエチルケトン層に水100
mJを加えた後、50%の水酸化ナトリウム水溶液で中
和した。
次に、上記中和液を分液し、メチルエチルケトン層を純
水で十分洗浄した後、メチルエチルケトンと水とをロー
タリー・エバポレーターを用いて留去し残渣20gを得
た。このものを分析したところ、その組成は未反応のN
−フェニルカーバメート12%、メチレンジフェニルジ
カーハメート(2核体)63%、3核体以上のポリメチ
レンポリフェニルポリカーバメート18%、その他の生
成物が7%であった。
上で得た縮合生成物のポリカーバメート5gをメタノー
ル100mj!に溶かし、予備調製を行った強酸性陽イ
オン交換樹脂(DoweX50w x 8、粒径100
ないし200メツシユ、Dow Chemicals社
製)50gを充填したガラスカラム(20鶴φX500
wmh)に50mj!/Hrの流速で室温で通過させた
。全溶液の通過後もカラム内に残留するポリカーバメー
トをさらに50talのメタノールを通液して流し出し
、前述の通過液と併せ500IIlj2の処理液を得た
。この液からメタノールを留去して4.9gの固形物を
得た。
次に、攪拌機、溶媒供給管、窒素ガス導入管、窒素ガス
排出管を備えた500I+1のガラス製反応器を油浴内
に設置し、窒素ガス排出管の上部にはガラス製の50℃
に保った凝縮器、リービッヒ冷却器を連結し、さらにそ
の先に水浴、エタノール・ドライアイス浴を置いた。そ
して、300gの1−クロロナフタレンと100gのシ
クロヘキシルベンゼンと、イオン交換樹脂で処理した前
記のポリカーバメート25gをこの反応器に仕込み、内
部温度を248℃に昇温し、そのまま攪拌しながら、4
.0時間熱分解反応を行った後、2℃/Hrの昇温速度
で2.0時間さらに反応を行った。最終の到達温度は2
50℃であった。この間、蒸発で失われた溶媒を液面を
一定になるように補給した。
初めの2時間は1−クロロナフタレン/シクロヘキシル
ベンゼン=3/1の割合で補給し、途中の2時間は、l
−クロロナフタレン/シクロヘキシルベンゼン=l/4
の割合で補給し、最後の2時間はl−クロロナフタレン
のみを補給した。また、乾燥窒素ガスは5+wjF/s
inの割合で液中に吹込んだ。そして、蒸発成分は前記
冷却器にて25℃以下に冷却し、溶媒を回収する一方、
生成したエタノールはエタノールドライアイス浴で捕集
し、ガスクロマトグラフィーで生成量を測定した。
その結果、ポリカーバメート中の2核体メレンジフェニ
ルジカーバメート(MDU)の転化率は100%、ポリ
イソシアネート中の2核体メチレンジフェニルジイソシ
アネート(MDI)の収率は仕込みのシカ−バメートに
対して93.7モル%、中間体のメチレンジフェニルモ
ノエチルカーバメートモノイソシアネート(MHI)の
収率は0.3モル%であった。また、エタノールの回収
量は理論量の92.2%であった。また、熱分解生成物
から溶媒を真空下で蒸留除去して得たポリイソシアネー
ト固形物のNCO値は31.1であった。
(比較例1) 実施例1と同一の反応器に溶媒として1−クロロナフタ
レンを仕込み、常圧で50℃にて8時間熱分解反応を行
った。その間、乾燥窒素ガスを反応液中に11’/si
nの流量で通過させ、かつ留出量に相当する溶媒をポン
プで連続的に補充した。
その結果、ポリカーバメート中の2核体MDUの転化率
は99.3%、ポリイソシアネート中の2核体MDIの
収率は仕込みのシカ−バメートに対して86.2%、中
間体のMMIの収率は0.7%であった。
さらに、熱分解生成物から減圧下で1−クロロナフタレ
ンを蒸留除去して得たポリイソシアネート固形物のNC
O値は29.0であった。このように、本例では、本発
明法による場合よりも、反応効率が劣っている。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、短時間で製品品質の優
れたポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを効
率よくしかも経済的有利に製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ポリメチレンポリフェニルポリカーバメートを熱
    分解してポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート
    を製造する方法において、沸点230〜330℃の高沸
    点溶媒と沸点160〜260℃の低沸点溶媒とからなる
    混合溶媒中で、その混合比を調節することにより反応温
    度を230℃から260℃の範囲で連続的または段階的
    に上昇するように制御することを特徴とするポリイソシ
    アネートの製造方法。
JP3734487A 1987-02-20 1987-02-20 ポリイソシアネ−トの製造方法 Pending JPS63203655A (ja)

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