JPS6319671B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、サツシ枠を建物の開口部に嵌め込
む際、開口部内でサツシ枠の上部と下部を仮り保
持する治具のうち、サツシ下枠を保持する下部支
持装置に関するもので、その目的は、治具によつ
て支持されたサツシ枠をハンドル操作で開口部内
の所定位置へ微調整して設置できると共に、ハン
ドル操作の停止と同時に調整状態を確実に保つこ
とが出来るサツシ枠嵌込み治具の下部支持装置を
提供することにある。

サツシ枠を鉄筋コンクリート構造、鉄骨あるい
はブロツク構造などの開口部に嵌め込む際には、
開口部はサツシ枠より大きく形成してあつて、開
口部の中間部にサツシ枠を浮かした状態に収め、
サツシ枠と開口部の内周面間に楔を挿入し、正し
く位置決めした後で開口部の差筋にサツシ枠のア
ンカーを溶接等で固着するものである。ところが
この作業は従来ほとんど人手によつて行なわれて
おり、サツシ枠を開口部内に浮かしてしかも所定
の位置に保持することはサツシ枠が大きい程困難
となる。そこで、開口部内にポールを直立して設
け、該ポールの上下部に突出した支台でサツシ枠
の上枠と下枠を受けて支持する手段が提案され
た。その場合、たゞ単に支持するものではサツシ
枠を所定位置に嵌め込むことが出来ず、支持位置
を調整する必要があり、また調整した位置を保持
する必要がある。

この発明は以上の問題点を解決されるように創
案されたもので、サツシ枠嵌込み治具は、支持ポ
ールにサツシ枠の上枠を支える上部支持装置と、
サツシ枠の下枠を支える下部支持装置とを設けて
構成されるもので、本発明による下部支持装置
は、サツシ枠の下枠を支えるフツクを、回転運動
から直線往復運動に変換する機構によつて調整す
ると共に、逆動を阻止するロツク機構を加味して
構成したことを特徴とするものである。更に本発
明による下部支持装置には、フツクを調整する方
向によつて数種あり、基本的には、上下方向に調
整可能の装置と、上下方向に加えて前後方向（室
内室外側方向を指す）に調整可能の装置と、上下
方向及び前後方向に加え左右方向へも調整可能の
装置の三形態のものがある。

以下、この発明による治具を実施例によつて説
明すると、第１図に治具全体の構造を示し、支持
ポール１に設けた上部支持装置２と下部支持装置
３とでサツシ枠を支持すると共に、上下と前後及
び左右方向へそれぞれ調整できるものである。

支持ポール１は、自在脚４を有する角パイプよ
り成る固定柱５内に、弾性のあるキヤツプ６を備
えた角パイプ製の摺動柱７を嵌装し、摺動柱７に
設けた割りクランパー８をレバー９の回動により
作動するカム装置（図示せず）によつて摺動柱７
に締付け、且つレバー９に設けたリンク１０で摺
動柱７を固定柱５より引き伸し、支持ポール１を
サツシ枠取付け開口部内の上下面に圧接して直立
保持するものである。

下部支持装置３は、第１図から第３図に亘つて
示す如く、支持ポール１の下部にブロツク体をな
す摺動体１１を上下に滑動可能に嵌装し、摺動体
１１の上下する範囲に亘つて竪ラツク１２を支持
ポール１に設けた凹溝１３に嵌めて固着し、摺動
体１１に、上下動ハンドル１４を竪ラツク１２と
対向すると共に該ハンドル軸１５が下方に至るに
従つて支持ポール１に近接するように傾斜して設
け、ハンドル軸１５と竪ラツク１２間に、ハンド
ル１４からのハンドル回転のみ伝達し得る回転伝
達歯車装置１６を介在したもので、具体的には、
ハンドル軸１５にネジ歯車１７を設け、ネジ歯車
１７と竪ラツク１２間に互いに噛合するピニオン
１８を設けて構成したものである。

以上の構造をもつ下部支持装置の摺動体１１に
第４図図示の如く直接フツク１９を垂設すること
により、上下方向への調整機能をもつた装置とな
るものである。

次に、フツク１９を前後に調整する構成は第３
図と第５図に示す如く、下部の摺動体１１に横ラ
ツク２０を支持ポール１と直交して室内室外方向
へ滑動可能に嵌装し、且つ摺動体１１に前後動ハ
ンドル２１をその軸２２が横ラツク２０と交差す
る状態に設け、横ラツク２０と前後動ハンドル２
１間に、前後動ハンドル２１からのハンドル回転
のみ伝達し得る回転伝達歯車装置２３を介在した
もので、この回転伝達歯車装置２３は、第５図に
明示する如く、ハンドル軸２２と横ラツク２０間
に該ラツク２０と平行する中間軸２４を設け、ハ
ンドル軸２２に設けた小歯車２５と中間軸２４に
設けた中間歯車２６とを噛合し、且つ中間軸２４
に設けたネジ歯車２７と横ラツク２０とを噛合し
たものである。

以上の構造をもつ下部支持装置における横ラツ
ク２０の先端部にホルダー２８を設け、該ホルダ
ー２８にフツク１９を垂設し、且つ前記上下調整
の構造と組合せることにより、第６図図示の上下
及び前後方向への調整機能をもつた装置となるも
のである。

フツク１９を左右へ調整する構造は第５図と第
７図に示す如く、前記横ラツク２０の先端部に支
軸部３３を形成して、該支軸部３３にホルダー２
８を回転自在に保持し、ホルダー２８に揺振ハン
ドル２９を、その軸３０が横ラツク２０の支軸部
３２と交差する状態に設け、該ハンドル軸３０と
横ラツク支軸部３３間に、揺振ハンドル２９から
の回転のみ伝達し得る回転伝達歯車装置３１を介
在したもので、具体的には、ハンドル軸３０にネ
ジ歯車３２を設け、横ラツク支軸部３３にネジ歯
車３２と噛合する歯車部３３ａを設けたもので、
揺振ハンドル２９を回転した時ホルダー２８が横
ラツク支軸部３３を中心として回動し、揺振ハン
ドル２９の回転を停止した時にはホルダー２８が
その回動によつて傾斜した状態を保持するもので
ある。

以上の構造をもつホルダー２８にフツク１９を
垂設し、且つ前述の上下及び左右方向への調整が
できる構造を加えることにより、上下、前後及び
左右方向への調整機能をもつた下部支持装置が構
成されるものである。

前述のフツク１９は帯状板の下端を鈎形に屈折
してあつて、その上部にゴム製の押片３４を長孔
で上下に調節可能に設け、サツシ枠の下枠４３を
上下に挾んで支持するものである。

尚、上部支持装置２について説明しておくと、
第１図図示の如く、支持ポール１の上部にブロツ
ク状の摺動体３５を滑動可能に設け、支持ポール
１の摺動体３５より下方に位置して鍔３６をネジ
止めし、摺動体３５と鍔３６間に圧縮スプリング
３７を介在したものであり、また、上部摺動体３
５に下部摺動体１１の前後調整機構と同様に、前
後動ハンドル３８、横ラツク３９及び操作ハンド
ルからのハンドル回転のみ伝達し得る回転伝達歯
車装置（図示せず）を設け、その横ラツク３９の
先端部に設けたホルダー４０に支承杆４１が起立
して設けてある。支承杆４１は帯状板の上端にゴ
ム製の受片４２を取付け、受片４２でサツシ枠の
上枠４４を支えるものである。

この発明は以上の構造であつて、サツシ枠取付
け開口部内に支持ポール１を直立に保持し、フツ
ク１９にサツシ下枠４３を引つ掛け、上部の支承
杆４１にサツシ上枠４４を支承して保持する。

そこで本発明の下部支持装置によつてサツシ枠
の支持位置を調整する。まず、上下方向への調整
は、下部摺動体１１の上下動ハンドル１４を廻す
ことにより、摺動体１１が竪ラツク１２に沿つて
上昇あるいは下降し、ハンドル１４より手を離し
ても、摺動体１１がサツシ枠の荷重で落下するこ
とがなく、調整された位置に保持されるものであ
る。次に、前後方向に調整する場合には、前後動
ハンドル２１を廻すことにより、横ラツク２０が
摺動体１１内より前進あるいは後退して調整され
ると共に、その位置に保持されるものである。更
に、左右方向への調整は、揺動ハンドル２９を廻
すと、ホルダー２８が横ラツク２０の先端部に設
けた歯車３３を中心として左か右へ回動し、フツ
ク１９を左か右へ振ることが出来るものである。

従つて、第４図に示す装置は上下方向へ調整さ
れ、第６図に示す装置は上下と前後方向へ調整さ
れ、第１図に示す装置は上下、前後及び左右方向
へ調整できるものであつて、第４図図示の装置の
場合には、支持ポール１を開口部内の所定位置に
直立することにより、前後方向への調整が不用で
あり、また左右の調整はサツシ枠をフツク１９に
掛け替えれば良く、上下の調整可能の装置であつ
ても、サツシ枠を確実に所定位置に支持できるも
のである。また第６図図示の装置であれば、サツ
シ枠を掛け替えることによつて左右の調整がで
き、第１図図示の装置であれば、すべてハンドル
操作で調整できるものである。

以上のように、この発明によるサツシ枠嵌込み
治具の下部支持装置は、支持ポールにフツク付き
摺動体を嵌装し、摺動体に設けたハンドルの回転
によつてフツクを調整可能に構成すると共に、ハ
ンドルよりの回転のみを伝達しその逆からの動力
伝達ができない装置を組み込んだ構成にしたもの
であるから、ハンドルによつてフツクを調整する
と同時にその調整した状態を確実に保持され、他
にロツク操作を行なう必要がないことから、調整
操作が甚だ容易化されるものであり、サツシ枠を
所定位置へ確実に嵌め込むことが出来るものであ
る。更に、各調整は個々のハンドルによつて行な
われるので、それらの必要な機構を組合せた一つ
の下部支持装置として提供されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による下部支持装置を備えた
サツシ枠嵌込み治具を示す側面図、第２図は第１
図―線矢視の拡大断面図、第３図は第２図
―線矢視の断面図、第４図は上下のみ調整でき
る下部支持装置を示す側面図、第５図は第２図
―線矢視の断面図、第６図は上下と前後調整で
きる下部支持装置を示す側面図、第７図は第２図
―線矢視の断面図である。 １…支持ポール、２…上部支持装置、３…下部
支持装置、１１…下部の摺動体、１２…竪ラツ
ク、１４…上下動ハンドル、１６，２３，３１…
回転伝達歯車装置、１９…フツク、２０…横ラツ
ク、２１…前後動ハンドル、２８…ホルダー、２
９…揺振ハンドル、４３…サツシ下枠、４４…サ
ツシ上枠。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ サツシ枠取付け開口部内に直立されサツシ枠
   の上下部を支える支持ポール１のうち、該ポール
   １の下部に、摺動体１１を嵌装すると共に竪ラツ
   ク１２を支持ポール１の長手方向に沿つて固着
   し、摺動体１１にフツク１９と上下動ハンドル１
   ４とを設け、上下動ハンドル１４と竪ラツク１２
   間に、上下動ハンドル１４からのハンドル回転の
   み伝達し得る回転伝達歯車装置１６を介在したこ
   とを特徴とするサツシ枠嵌込み治具の下部支持装
   置。 ２ 前記回転伝達歯車装置１６は、上下動ハンド
   ル１４に設けたネジ歯車１７と、該ネジ歯車１７
   と竪ラツク１２に噛合するピニオン１８とで構成
   される特許請求の範囲第１項に記載のサツシ枠嵌
   込み治具の下部支持装置。 ３ サツシ枠取付け開口部内に直立されサツシ枠
   の上下部を支える支持ポール１のうち、該ポール
   １の下部に、摺動体１１を嵌装すると共に竪ラツ
   ク１２を支持ポール１の長手方向に沿つて固着
   し、摺動体１１に上下動ハンドル１４と前後動ハ
   ンドル２１を設けると共に横ラツク２０を支持ポ
   ール１の長手方向と直交する方向に滑動可能に設
   け、竪ラツク１２と上下動ハンドル１４間、及び
   横ラツク２０と前後動ハンドル２１間に、各ハン
   ドル１４，２１からのハンドル回転のみ伝達し得
   る回転伝達歯車装置１６，２３をそれぞれ介在
   し、且つ横ラツク２０の先端に固着したホルダー
   ２８にフツク１９を設けたことを特徴とするサツ
   シ枠嵌込み治具の下部支持装置。 ４ サツシ枠取付け開口部内に直立してサツシ枠
   の上下部を支える支持ポール１のうち、該ポール
   １の下部に、摺動体１１を嵌装すると共に竪ラツ
   ク１２を支持ポール１の長手方向に沿つて固着
   し、摺動体１１に上下動ハンドル１４と前後動ハ
   ンドル２１を設けると共に横ラツク２０を支持ポ
   ール１の長手方向と直交する方向に滑動可能に設
   け、竪ラツク１２と上下動ハンドル１４間、及び
   横ラツク２０と上下動ハンドル１４間に、各ハン
   ドル１４，２１からのハンドル回転のみ伝達し得
   る回転伝達歯車装置１６，２３をそれぞれ介在
   し、且つ前記横ラツク２０の先端部に支軸部３３
   を設け、該支軸部３３にフツク１９を設けたホル
   ダー２８を回転自在に設け、該ホルダー２８に揺
   振ハンドル２９をその軸３０が横ラツク支軸部３
   ３と交差する状態に設け、揺振ハンドル軸３０と
   横ラツク支軸部３３間に、揺振ハンドル２９から
   のハンドル回転のみ伝達し得る回転伝達歯車装置
   ３１を介在したことを特徴とするサツシ枠嵌込み
   治具の下部支持装置。