JPS6319633Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として自動二輪車に適用されるデ
イスクデレーキ装置に関するものである。

本考案の目的は、摩擦パツド片のトルク伝達側
辺を大きくすることにより制動時安定してトルク
伝達作用が得られる構造のデイスクブレーキ装置
を提供する点にある。

以下、図面に示される本考案の一実施例につい
て説明する。

第１図ないし第３図は前記摩擦パツド片を採用
した自動二輪車のリヤ・デイスクブレーキ装置を
示している。リヤ側キヤリパー支持ブラケツト
（以下、単にリアブラケツトと称する）１は、全
体的にほぼ円板状を成し、中心部に車軸が貫通す
る支持孔２を有しており、その一部にキヤリパー
２０支持用Ｕ字状切欠き３が形成され、同切欠き
３の両側壁にはリヤブラケツト１の内側方向に突
出する突出部４が形成されるとともに、同突出部
４には、トルク受面６を有するトルク受け部材５
が突設され、同部材５は、リヤブラケツト本体１
の対向部とともに凹陥部７を画成している（な
お、前記対向部のＵ字状切欠き３側壁面は、前記
トルク受面６と同一平面内にあり、同様にトルク
受け面６を構成している）。

また、リヤブラケツト１の外側面において、前
記Ｕ字状切欠き３に対してほぼ直角位置に、車体
フレームと係合する矩形状のトルク伝達溝８が形
成されている。

なお、リヤブラケツト１の半径方向ほぼ中間位
置には、円周方向に亘つて所定の範囲内に多数の
冷却風導入口９が形成されている（第１図、第２
図参照）。

一方、キヤリパー２０は、ブレーキデイスク４
０を内径方向から跨ぐように構成されており、一
対のシリンダー２１と、一対のピストン２２と、
同ピストン２２と所定間隔を置いて相対向し、か
つブリツジ部２８によつてシリンダー側と連結さ
れた対向片２３と、キヤリパー２０がリヤブラケ
ツト１の螺子孔１０に螺着されたピン２５によつ
て摺動可能に支持されるガイド部２４と、前記ピ
ストン２２と対向片２３およびブリツジ部２８と
で画成される部分に嵌挿され、かつシリンダー２
１側に形成された螺子孔から対向片２３の開孔２
６まで貫通する螺子ピンによつて離脱を防止され
た一対の摩擦パツド片３０とより成り、しかも前
記対向片２３のブリツジ部２８近傍の三個所に
は、所定サイズの貫通導孔２７が形成されてい
る。

しかして、前記摩擦パツド片３０は、ブレーキ
デイスク４０の内，外周に沿うその両端縁が彎曲
形状に成さており、裏金３１と、同裏金３１に一
体に接合されたパツド３４とで形成されている。

また、前記裏金３１は、ブレーキデイスク４０
の内周に沿う凹彎曲形状の端縁に前記螺子ピン
（すなわち、シリンダー２１側に形成された螺子
孔から対向片２３の開孔２６まで貫通する螺子ピ
ン）が挿通される係止孔３２を有する突起が形成
され、かつ装着状態においてリヤブラケツト１の
トルク受け面６と当接するその両側辺の長さがブ
レーキデイスク４０の内、外径差よりも大きな長
さになされ、その伸長部３３（第４図）がブレー
キデイスク４０の内周よりも車軸側に突出してい
る。

以上のように構成された一対の摩擦パツド片３
０が前記螺子ピンによつて摺動自在に保持された
キヤリパー２０は、第１図において、リヤブラケ
ツト１の正面側（紙面手前側）からＵ字状の切欠
き３内へ嵌挿されるとともに、前記ガイド部２４
の開孔内に螺子孔１０に螺着されたピン２５が挿
通せしめられ、第２図において仮想線で示される
ブレーキデイスク４０が、一対の摩擦パツド片３
０とリヤブラケツト１の凹陥部７にその内周側か
ら挟まれるように配置せしめられる。

本実施例は以上のよう構成されており、キヤリ
パー２０、リヤブラケツト１、およびブレーキデ
イスク４０から成るデイスクブレーキ装置は、リ
ヤブラケツト１のトルク伝達溝８が車体フレーム
と係合された状態において、後車輪部に配設され
る。

しかして、制動の際には一対のピストン２２が
油圧動作され、ピストン２２側の摩擦パツド片３
０が押圧されるとともに、前記押圧によるピスト
ンの反作用で他方の摩擦パツド片３０が対向片２
３で押され、その結果ブレーキデイスク４０は前
記一対の摩擦パツド片３０によつて両表面を強圧
される。その時、ブレーキデイスク４０から摩擦
パツド片３０に伝達されるトルクは、裏金３１の
トルク伝達側辺がリヤブラケツト１のトルク受け
部材５（そのトルク受面６）に当接することによ
つて、リヤブラケツト１に伝えられる。

しかして、ブレーキデイスク４０とパツド３４
との接触幅（すなわちパツド片３４の制動面の
幅）Ｗに対して回転方向長Ｌの長い摩擦パツド片
では、制動時に摩擦パツド片が矢印方向に回転運
動する様な力が作用する（第５図参照）。前記実
施例では、摩擦パツド片３０の裏金３１にブレー
キデイスク４０の内径方向に突出する伸長部３３
を形成し、トルク受け部材５におけるトルク受け
面６の幅Ｓいつぱいに当接させるようにしたた
め、制動の際安定したトルク伝達作用が得られ
る。

なお、前記実施例においては、自動二輪車の前
車輪用デイスクブレーキ装置について説明した
が、後車輪用デイスクブレーキ装置に対しても本
考案を適用し得ることは言うまでもない。

以上の説明から明らかな様に、車軸に支持され
る円板状のキヤリパ支持ブラケツトに、その外周
側から車軸側に向つて切欠を形成し、該切欠きに
臨んでキヤリパを取付けて成り、一対の摩擦パツ
ド片を有するキヤリパはブレーキデイスクをその
内周側から跨ぎ、ブレーキデイスクの回転前方側
および後方側に位置するパツド裏金両側辺が、ブ
レーキデイスクの内、外径差よりも大きな長さで
キヤリパ支持ブラケツトに当接支承されることを
特徴とするデイスクブレーキ装置が提案された。

斯かる構成を採用することにより、制動の際に
摩擦パツド片からキヤリパー支持ブラケツトへの
安定したトルク伝達が行われ、摩擦パツド片の
“がたつき”が生じ難いという作用効果を得るこ
とができ、また摩擦パツド片の側辺がキヤリパー
支持ブラケツトで支承されるためキヤリパーに大
きな力が作用せず、キヤリパーを小型に形成する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るデイスクブレ
ーキ装置の分解斜視図、第２図は同組立て状態に
あるデイスクブレーキ装置の背面側斜視図、第３
図は同キヤリパーの背面側斜視図、第４図は前記
デイスクブレーキ装置で使用される摩擦パツド片
の正面図、第５図は摩擦パツド片とキヤリパー支
持ブラケツトとの位置関係を示す概略説明図であ
る。 １……キヤリパー支持ブラケツト、２……支持
孔、３……Ｕ字状切欠き、４……突出部、５……
トルク受け部材、６……トルク受け面、７……凹
陥部、８……トルク伝達溝、９……冷却風導入
口、１０……螺子孔、２０……キヤリパー、２１
……シリンダー、２２……ピストン、２３……対
向片、２４……ガイド部、２５……ピン、２６…
…開孔、２７……貫通導孔、２８……ブリツジ
部、３０……摩擦パツド片、３１……裏金、３２
……係止孔、３３……伸長部、３４……パツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車軸に支持される円板状のキヤリパー支持ブラ
   ケツトに、その外周側から車軸側に向つて切欠を
   形成し、該切欠きに臨んでキヤリパーを取付けて
   成り、一対の摩擦パツド片を有するキヤリパーは
   ブレーキデイスクをその内周側から跨ぎ、ブレー
   キデイスクの回転前方側および後方側に位置する
   パツド裏金両側辺が、ブレーキデイスクの内、外
   径差よりも大きな長さでキヤリパー支持ブラケツ
   トに当接支承されることを特徴とするデイスクブ
   レーキ装置。