JPS63195255A - シリンダライナ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は耐摩耗性および耐焼付性にすぐれた摺動面を有
する内燃機関のシリンダライナーに関する。

（従来の技術） 内燃機関の使用条件は、近年ますます苛酷になってきて
いる。このため内燃機関の各部品はこれに対処し得る特
性を備えた材質であることが要求されている。とりわけ
シリンダライナーの摺動面である内表面には様々な処理
が工夫されている。特開昭５９−１２９７６８号公報に
は。

シリンダライナー内表面に複数の溶射層を形成する方法
が、また特開昭５８−９３９４７号公報には内表面に溶
射層を形成した上に燐酸塩被膜を形成したシリンダライ
ナーが、そして実開昭５７−２６６４２号公報には内表
面にリューブライト処理したシリンダライナーが各々開
示されており、これらはシリンダライナーの耐摩耗性の
向上を図っている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上記の処理により得られたシリンダライ
ナーの内表面は、確かに耐摩耗性は向上するが、その一
方でこのシリンダライナーと摺動する相手材であるピス
トンのピストンリングの摩耗の増加、およびピスト／リ
ングまたはピストン本体との焼付の発生という問題があ
る。例えばシリンダライナー内表面に複数の溶射層を形
成する方法では、溶射層を形成した後に仕上げ研摩を行
ない内面を円滑にしてはいるが、溶射層は本来多孔質な
ので、その表面を研摩しても、表層の気孔が露出するこ
とにより細かい凹部が多数形成されている。このため油
膜が形成され難くなり潤滑性に劣り、内表面自体の耐摩
耗性は向上するが、焼付の発生や相手材の摩耗の増加と
いう問題が生じる。

本発明はこの様な問題点を解決するためのものであり、
その目的とするところは、耐摩耗性および耐焼付性にす
ぐれた摺動面を備えたシリンダライナーを提供すること
である。

（問題点を解決するための手段） 本発明の７す／ダライナーは、シリンダライナーの内表
面に耐摩耗性金属からなり気孔を有する溶射層が形成さ
れ、そして前記溶射層表面および前記気孔内に浸硫層が
形成きれていることを特徴とする。

本発明は、鋳鉄等で製造したシリンダライナーの内表面
に、まず耐摩耗性金属例えばカーボンスチール粉末等を
浴射することにより細かい気孔を有するｍｉ摩耗性の溶
射層を形成し、次にこれを硫化鉄等を含有する含硫浴中
で加熱する浸硫処理により前記溶射層表面および溶射層
内の気孔内に潤滑効果の高い浸硫層を形成したものであ
る。

また本発明において、溶射層を形成した後にその表面を
ホーニング加工等により仕上げ研摩することは有効な手
段である。

（作用） 本発明のシリンダライナーは、ピストンリングとの摺動
面に潤滑効果の高い浸硫層が形成されているため、ピス
トンリングおよびシリンダライナー自体のｊｓ耗を抑制
すると共に焼付の発生を防いでいる。

まだこのシリンダライナー内表面も長時間の使用により
ある程度は摩耗するが、この場合でも溶射層内の気孔内
面に形成された浸硫層が露出するため、１ｆｉｔ膠耗性
および耐焼付性が失なわれることはない。

（実施ｆｉｌ　） 本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが本発
明はこれに限定されるものではない。

実施例１ 第１図および第２図は、本発明に係るシリンダライナー
を示すが、これは鋳鉄製のシリンダライナ一本体１の内
表面に耐摩耗性金属の内部に気孔３を有する溶射層２が
形成され、その表面および気孔３内には浸硫層４が形成
されているものである。次にこの処理方法について詳し
く説明する。

まずシリンダライナ一本体１の内表面への溶射層２の形
成は、耐摩耗性金属として０．４チカーボンスチール粉
末をプラズマ浴射して行なった。ここではプラズマ溶射
装置（米国ＭＥＴＣＯ社製）でＡｒ−Ｈ，ガスを使用し
、アーク電流４７０Ａ・粉末供給量４０２／分の溶射条
件とした。形成された溶射層２の厚さは０．５　ｒｍで
微細な気孔３を多数有する（気孔＄７％）。次いでこの
表面をホーニング加工により仕上げ研摩を行ない、＠射
層２の厚さを０．３５ｍとした。なお、加工後において
も表面には細かい凹部が残っている。

次に浸硫処理を行なった。これは第１表に示す中性塩浴
剤中にシリンダライナーを２８０℃の温度で２時間浸漬
することにより行なった。

この結果、溶射層２表面および内部の気孔３に潤滑効果
を有する浸硫層４が形成された。

比較例１ 実施例１における浸硫処理を行なわずプラズマ浴射およ
びホーニング加工のみを行なった。

比較例２ 実施例１と同様にプラズマ浴射恢、燐酸塩処理を行なっ
た。これは、主成分としての燐酸マンガン（Ｍ　ｎ　（
Ｈｓ　Ｐ　Ｏｎ　）ｔ　）に酸化剤（ＮＯ，つを添加し
た浴つ循に８０℃で１０分間ンリンダライナーを浸漬し
、溶射層上に燐酸塩被膜を形成させたものである。処理
後、内表面をホーニング加工した。

耐久試験 上記のシリンダライナーを実際にシリンダ内に挿入し耐
久試験を行なった。これは６気筒６サイクルガソリンエ
ンジンの６個の各シリンダに、実施例１％比較例１およ
び２のシリンダライナーを挿入し、下記の条件で実施し
た。

シリンダボア径：　　９０ｍ ストロブワ　　　二　８６Ｗ 排気量　　　　：　　２１８８　ｃｃ 回転数　　　　：　　５６００ｒｐｍ エンジン負荷　：　全負荷 試験時１ＩｉＩ］　　　　：　　５００時間ここでピス
トンリングとして、ドッグリングは７す’３７−クロム
鋼（ＪＩＳ　５ＷＯ３Ｃ−Ｖ）ｉｃｆ［賀クロムメッキ
を１５０μ厚に施したもの、セカンドリングは片状黒鉛
鋳鉄（ＪＩＳ　Ｆｅ１２）、オイルリングはステンレス
鋼（ＪＩＳ　５ＵＳ４２０Ｊ２）に硬質クロムメッキを
１５０μ厚に施したものを各々使用した。

試験結果を第２表に示す。

これによると比較例１および２のものはボア面即ちシリ
ンダライナー内表面にスカッフが発生したのに対し、本
発明による実施例１のものはスカッフの発生が無かった
ことがわかる。またボア上死点およびピストンリングの
摩耗Ｉも、本発明のものは格段に少なく、特にボア上死
点。

トップリングおよびオイルリングにおいてそれが顕著で
ある。

以上のことから本発明のシリンダライナーの摺動面は、
耐摩耗性および耐焼付性が高く、しかも相手材の摩耗も
防いでいることがわかる。

これは本発明のシリンダライナーの浸硫層が硫化鉄から
成る層であり、この硫化鉄が潤滑特性および塑性流動性
を有していること、そしてこの浸硫層のＪ８＃擦係数が
燐酸塩被膜のそれより低いこと等によるものと考えられ
る。

（発明の効果） 本発明のシリンダライナーは、以上説明した様に耐摩耗
性および耐焼付性を従来のものに比較して格段に向上さ
せたものである。これは溶射層上および内部の気孔に形
成された潤滑効果の高い浸硫層の存在によるものである
ために、シリンダライナー内表面の摩耗がある程度進ん
でも、その耐摩耗性および耐焼付性が損なわれることな
く、長期間にわたり持続される。

これらのことから本発明の７１Ｊ／ダライナーは、長期
間にわたり内燃機関の良好な作動を可能とするものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るシリンダライナーの断面図、第２
図は第１図のシリンダライナーの内面を拡大して示す断
面図である。 図中、 １・・・・・・　シリンダライナ一本体２・・・・・・
溶射層　　　３・・・・・・気孔４・・・・・・浸硫層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. シリンダライナーの内表面に耐摩耗性金属からなり気孔
   を有する溶射層が形成され、そして前記溶射層表面およ
   び前記気孔内に浸硫層が形成されていることを特徴とす
   るシリンダライナー。