JPS6319465B2 - - Google Patents
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- JPS6319465B2 JPS6319465B2 JP18186582A JP18186582A JPS6319465B2 JP S6319465 B2 JPS6319465 B2 JP S6319465B2 JP 18186582 A JP18186582 A JP 18186582A JP 18186582 A JP18186582 A JP 18186582A JP S6319465 B2 JPS6319465 B2 JP S6319465B2
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
Description
この発明は、建築材料等として用いられる無機
硬化体に関する。 従来より、セメントを結合材とし、石綿を補強
繊維として含ませるようにした無機硬化体が広く
使用されている。石綿を補強繊維として用いるよ
うにすると、無機硬化体に対する補強効果が著し
くなるとともに、ハチエツク方式等の大量生産に
適した抄造法により、無機硬化体をつくるのが可
能となるからである。抄造法では、原材料を含む
スラリをハチエツク抄造機等の抄造機で抄き上
げ、得られた抄造体を養生して無機硬化体を作る
ようにするが、石綿を原材料の固型分基準で3〜
5重量%以上用いるようにすると抄き上げが可能
となる。 しかしながら、石綿を使用するようにすると、
無機硬化体を製造する上あるいは使用する上で石
綿公害を引き起こす恐れがあり、これから先も石
綿を使用し続けることは、社会環境を守る上で問
題となる。そのため、近年、石綿を含まない無機
硬化体の研究がさかんに行なわれている。その1
例として、故紙パルプを含ませるようにした無機
硬化体があり、現在、すでにその製品が市場に出
回つている。しかし、この無機硬化体にはつぎの
ような欠点があり、一般の建築材料として用いる
には不適当であつた。すなわち、不燃性でないと
言う欠点である。抄造法により、この無機硬化体
をつくるには、原材料の固型分基準で5重量%
(以下、すべて原材料の固型分基準であらわす)
以上の故紙パルプを使用する必要があるが、この
ように多量の故紙パルプを使用すると、得られる
無機硬化体が不燃性でなくなるのである。また、
強度、特に吸水時の強度が不充分であるという欠
点もあつた。 発明者らは、石綿を使用することなく、不燃性
でしかも強度が高く、そのうえ、抄造法により容
易に大量生産できる無機硬化体を得ようとして研
究を重ねた。 すなわち、この発明者らは、従来、通常の石綿
セメント板の製造に使用している石綿の量を徐々
に削減した系で、各種スラリー条件で実際に抄造
し、現有のハチエツク抄造機によつて抄造がかろ
うじて可能な最小限の石綿量がどれだけか、ま
た、抄造が出来る、出来ないという“抄き上げ
性”とはどんな代表特性を把握すれば、客観的尺
度になるかを鋭意検討した。 第1図は、石綿配合量と、抄造する時のスラリ
ー濃度を変えて、ハチエツク抄造機で試作した結
果を示したものである。 図中の◎印は、効率良く抄造が出来たものであ
り、●印は、出来なかつたものである。また、こ
の時、スラリー特性としての濾過係数を測定し、
これを、図中の縦軸に示した。 ここで、“抄き上げ性”すなわち、抄造が出来
る、あるいは、出来ないという判断基準は、次の
とおりである。 すなわち、抄造幅2800mm、3シリンダーのハチ
エツク抄造機を用い、連続2時間以上稼動させ、
その間シリンダーバツト内のスラリー液面が安定
しており、また、メーキングロールによつて巻き
取り、切断したグリーンシートがその後の搬送工
程で層間ハクリを起こさず、良好な製品を得た場
合を“抄造可能”とした。また、反対に、金網シ
リンダー表面にケーキが均一に形成されなかつた
り、形成されても、メーキングロールによつて巻
きとつた後、切断する場合に層間ハクリしたもの
は、“抄造不能”とした。 一方、スラリーの濾過係数は、試作中にシリン
ダーバツト内のスラリーを採取して次のように測
定した。 試作に使用したハチエツク抄造機の金網を同一
の目開きの金網が設置された円筒形容器内に、ス
ラリーを0.5〜1.0投入し、直ちに濾液量V(cm3)
と濾過時間θ(sec.)をVが100cm3に至るまで測定
する。次に、測定値より得られた濾過曲線V(θ)
からdθ/dVを算出し、グラフの縦軸にdθ/dVを
横軸にVをとる。この時に得られた下記の直線(a) (dθ/dV)=2(V+α)/K′ …(a) のV≦50cm3の範囲における勾配の平均値(2/
K′)から算出したK′を金網の有効面積S(cm2)で
除した値をKとする。 以上の如き、検討を実施した結果、第1図に示
されるように、有効に抄造が可能となる条件は、
濾過係数が0.5≦K≦5を満足するものであるこ
とを見い出した。 第1図の検討では、実際のハチエツク抄造機を
使用したものの、稼動時間が短く(2時間程度)、
大量生産の場合には、金網シリンダーの目から散
出したセメント分(白水固形分、または、バツト
排水固形分と通称されるもの)が多いと、これが
排泥となつて製品中に還元される割合が大きくな
り、不良品の原因となる。したがつて、この散出
するセメント分が少ない方が良好であり、これを
知る判断資料として前述の濾過係数Kを測定した
もののうち、スラリー濃度10%のものの濾液固形
分濃度を前記測定器で併せて測定したものを第2
図に示した。 以上の検討より、従来の石綿を使用いた場合の
良好な抄き上げ性を確保する尺度としては、次の
条件を満足することが必要であることを知つた。 (1) スラリーの濾過係数K;0.5≦K≦5 …(b) (2) 濾液固形分濃度;C<0.5 …(c) そこで、この発明者らは、石綿を全く使用しな
い配合で、ハチエツク抄造機を使用せず、まず、
実験室レベルで、前述の濾過係数Kと濾液固形分
濃度Cを各種の材料、組合わせについて測定する
ことにより、上記の条件(b)、(c)を満足する系を見
出すべく、さらに努力した。 以下は、このような過程で得た知見である。 第3図は、故紙パルプにビニロン繊維2%を併
用し、パルプ量を変えて各々にセピライトおよ
び/または、ベントナイトを合計5%まで添加し
たスラリーの濾過係数を表したものである。 セピライトおよび/または、ベントナイトを添
加しない場合には、パルプ量に拘らず、抄造不能
と推定できる。(K>0.5) 第4図は、この場合の濾過固形分濃度を示した
グラフであり、セピライトおよび/またはベント
ナイトを添加したものは、低い値となり、第2図
で示した石綿量を増加させるのと同様な効果があ
ることが判つた。 その結果、無機硬化体にセピオライトやベント
ナイト、あるいは両者の混合物を1〜5重量%含
ませることとすれば、パルプが少なくても原材料
のスラリを抄き上げることが可能となり、石綿以
外の補強繊維を5重量%以下含ませることとすれ
ば強度も充分満足の得られるものとなるというこ
とを見出し、ここにこの発明を完成した。 すなわち、この発明は、セメントを結合材と
し、抄造法によつてつくられる無機硬化体であつ
て、配合原料の固型分基準でパルプを1〜5重量
%、セピオライトおよび/またはベントナイトを
1〜5重量%、補強繊維を5重量%以下含むこと
を特徴とする無機硬化体をその要旨とする。以
下、この発明を詳しく説明する。 ここで、結合材として用いるセメントとして
は、水硬性のものであれば特に限定されない。例
えばポルトランドセメント、高炉セメントなどが
ある。また、パルプとしては、故紙パルプや針葉
樹パルプ等を用い、補強繊維としては、ビニロン
繊維、炭素繊維(カーボン繊維)、金属繊維(ス
チール繊維等)およびポリプロピレン繊維等の人
造繊維、その他の石綿以外の繊維を用いる。 この発明にかかる無機硬化体は、パルプを1〜
5重量%しか含まないので不燃性である。一般
に、パルプの含有量が5重量%以下であれば、不
燃性の点について問題は生じないのである。ま
た、普通ならば、パルプの含有量が5重量%以下
であれば、原材料のスラリを抄あげるのがほとん
ど不可能となるが、この発明では、前記のように
セピオライトやベントナイト、あるいは両者の混
合物を1〜5重量%含ませることとしたので、原
材料のスラリを抄き上げることができる。したが
つて、この発明にかかる無機硬化体は抄造法によ
り製造することができるのである。さらに、補強
繊維を5重量%以下含ませることとしたので、充
分な強度を有する無機硬化体を得ることができ
る。補強繊維の含有量が5%を超えると、無機硬
化体の比重が下がつてしまい、充分な補強効果を
得ることができない。 つぎに、各種類の補強繊維について、単独で用
いる場合のより好ましい含有量を説明する。 ビニロン繊維の含有量は0.5〜2重量%とする
のがより好ましい。この範囲であれば最も補強効
果が大きい。2重量%を越え5重量%以下では含
有量を増やしても、無機硬化体の強度がほとんど
変わらず、製造コストのみ上昇し、逆に0.5重量
%未満では、補強効果が小さくなり、建築材料と
して用いるのに適した強度が得られなくなる傾向
にあるからである。 炭素繊維の含有量は0.2〜1重量%とするのが
より好ましい。この範囲であれば最も補強効果が
大きい。1重量%を越え5重量%以下では含有量
を増やしても、無機硬化体の強度がほとんど変わ
らず、製造コストのみ上昇し、逆に0.2%未満で
は、充分な補強効果が得られなくなる傾向にある
からである。 金属繊維の含有量は1〜5重量%とするのがよ
り好ましい。1重量%未満では充分な補強効果が
得られなくなる傾向にあるからである。金属繊維
の含有量が5重量%を越えると、前記のように、
比重が下がつて強度が低くなるばかりでなく、原
材料のスラリを抄き上げる際、金属繊維がからみ
合つてしまい、得られる無機硬化体が不均質なも
のとなる。したがつて、金属繊維の含有量はやは
り5重量%以下としなければならない。 なお、補強繊維としてガラス繊維を使用する場
合は、ガラス繊維が無機硬化体中のアルカリによ
り侵蝕されて無機硬化体自身の強度劣下が進行す
る恐れが多いので、耐アルカリ性のものを使用す
るようにするとよい。 性能向上等のため、必要に応じて、無機硬化体
が他の添加材あるいは、硅砂やウオラストナイト
等の充填材、その他を含む場合もある。 この発明にかかる無機硬化体は、抄造法を用
い、つぎのようにしてつくられる。 原材料と水を混合してスラリをつくる。このス
ラリの固型分濃度は8〜15重量%とするのが好ま
しい。8%未満の場合は、スラリ中の固型分が抄
造機の抄き上げ部(金網等)に乗つてくる効率が
悪くて生産性が悪くなり、そのうえ、スラリ中の
固型分が沈澱して、予定した組成の無機硬化体が
得られなくなる傾向にある。他方、15%を越える
と、抄き上げたケーキの厚みが不均一となり、均
質な無機硬化体を得ることが困難になる傾向にあ
る。このスラリをハチエツク抄造機等の抄造機で
抄き上げ、得られた抄造体を積層して適当な厚み
の賦形体とする。この賦形体を養生すれば無機硬
化体が得られる。 この発明にかかる無機硬化体はこのように構成
されるものであつて、パルプ、セピオライトおよ
び/またはベントナイト、および補強繊維をそれ
ぞれ前記のような含有量で含むので、石綿を使用
しなくても、強度が強く、抄造法により容易に大
量生産できる。そのうえ、パルプの含有量が少な
いので不燃性である。 つぎに、実施例および比較例について説明す
る。第1表〜第4表に示される原材量を使用し、
ハチエツク抄造機を用いるハチエツク方式によ
り、実施例1〜13および比較例1、2、4の無機
硬化体をつくつた。なお、表中の比較例3に示し
た原材料では、スラリを抄き上げることが不能と
なり、無機硬化体をつくることができなかつた。
使用した各種補強繊維の径あるいは繊度、および
長さの範囲を第5表に示す。実施例1〜13および
比較例1、2、4の無機硬化体の製造中における
抄き上げ性、および製品の物性値を第1表〜第4
表に示す。ただし、実施例1〜13および比較例4
の無機硬化体では、それぞれ、第5表に示される
径あるいは繊度、および長さ範囲内のさまざまな
繊維を用いて複数個つくり、それらの平均値で物
性値を示した。また、表中、抄き上げ性につい
て、◎は良好、〇は普通、×は不能をそれぞれあ
らわす。第1表〜第4表より、比較例2の無機硬
化体が準不燃であり、比較例3に示した原材量を
含むスラリが抄き上げが不能であつたのに対し、
実施例の無機硬化体はいずれも不燃で、製造時の
抄き上げ性が良好であつたことがわかる。また、
実施例1〜13の無機硬化体は比較例4のものに比
べ曲げ強度が強く(乾燥時、吸水時とも)、建築
材料等として用いるのに充分な強度を有している
ことがわかる。
硬化体に関する。 従来より、セメントを結合材とし、石綿を補強
繊維として含ませるようにした無機硬化体が広く
使用されている。石綿を補強繊維として用いるよ
うにすると、無機硬化体に対する補強効果が著し
くなるとともに、ハチエツク方式等の大量生産に
適した抄造法により、無機硬化体をつくるのが可
能となるからである。抄造法では、原材料を含む
スラリをハチエツク抄造機等の抄造機で抄き上
げ、得られた抄造体を養生して無機硬化体を作る
ようにするが、石綿を原材料の固型分基準で3〜
5重量%以上用いるようにすると抄き上げが可能
となる。 しかしながら、石綿を使用するようにすると、
無機硬化体を製造する上あるいは使用する上で石
綿公害を引き起こす恐れがあり、これから先も石
綿を使用し続けることは、社会環境を守る上で問
題となる。そのため、近年、石綿を含まない無機
硬化体の研究がさかんに行なわれている。その1
例として、故紙パルプを含ませるようにした無機
硬化体があり、現在、すでにその製品が市場に出
回つている。しかし、この無機硬化体にはつぎの
ような欠点があり、一般の建築材料として用いる
には不適当であつた。すなわち、不燃性でないと
言う欠点である。抄造法により、この無機硬化体
をつくるには、原材料の固型分基準で5重量%
(以下、すべて原材料の固型分基準であらわす)
以上の故紙パルプを使用する必要があるが、この
ように多量の故紙パルプを使用すると、得られる
無機硬化体が不燃性でなくなるのである。また、
強度、特に吸水時の強度が不充分であるという欠
点もあつた。 発明者らは、石綿を使用することなく、不燃性
でしかも強度が高く、そのうえ、抄造法により容
易に大量生産できる無機硬化体を得ようとして研
究を重ねた。 すなわち、この発明者らは、従来、通常の石綿
セメント板の製造に使用している石綿の量を徐々
に削減した系で、各種スラリー条件で実際に抄造
し、現有のハチエツク抄造機によつて抄造がかろ
うじて可能な最小限の石綿量がどれだけか、ま
た、抄造が出来る、出来ないという“抄き上げ
性”とはどんな代表特性を把握すれば、客観的尺
度になるかを鋭意検討した。 第1図は、石綿配合量と、抄造する時のスラリ
ー濃度を変えて、ハチエツク抄造機で試作した結
果を示したものである。 図中の◎印は、効率良く抄造が出来たものであ
り、●印は、出来なかつたものである。また、こ
の時、スラリー特性としての濾過係数を測定し、
これを、図中の縦軸に示した。 ここで、“抄き上げ性”すなわち、抄造が出来
る、あるいは、出来ないという判断基準は、次の
とおりである。 すなわち、抄造幅2800mm、3シリンダーのハチ
エツク抄造機を用い、連続2時間以上稼動させ、
その間シリンダーバツト内のスラリー液面が安定
しており、また、メーキングロールによつて巻き
取り、切断したグリーンシートがその後の搬送工
程で層間ハクリを起こさず、良好な製品を得た場
合を“抄造可能”とした。また、反対に、金網シ
リンダー表面にケーキが均一に形成されなかつた
り、形成されても、メーキングロールによつて巻
きとつた後、切断する場合に層間ハクリしたもの
は、“抄造不能”とした。 一方、スラリーの濾過係数は、試作中にシリン
ダーバツト内のスラリーを採取して次のように測
定した。 試作に使用したハチエツク抄造機の金網を同一
の目開きの金網が設置された円筒形容器内に、ス
ラリーを0.5〜1.0投入し、直ちに濾液量V(cm3)
と濾過時間θ(sec.)をVが100cm3に至るまで測定
する。次に、測定値より得られた濾過曲線V(θ)
からdθ/dVを算出し、グラフの縦軸にdθ/dVを
横軸にVをとる。この時に得られた下記の直線(a) (dθ/dV)=2(V+α)/K′ …(a) のV≦50cm3の範囲における勾配の平均値(2/
K′)から算出したK′を金網の有効面積S(cm2)で
除した値をKとする。 以上の如き、検討を実施した結果、第1図に示
されるように、有効に抄造が可能となる条件は、
濾過係数が0.5≦K≦5を満足するものであるこ
とを見い出した。 第1図の検討では、実際のハチエツク抄造機を
使用したものの、稼動時間が短く(2時間程度)、
大量生産の場合には、金網シリンダーの目から散
出したセメント分(白水固形分、または、バツト
排水固形分と通称されるもの)が多いと、これが
排泥となつて製品中に還元される割合が大きくな
り、不良品の原因となる。したがつて、この散出
するセメント分が少ない方が良好であり、これを
知る判断資料として前述の濾過係数Kを測定した
もののうち、スラリー濃度10%のものの濾液固形
分濃度を前記測定器で併せて測定したものを第2
図に示した。 以上の検討より、従来の石綿を使用いた場合の
良好な抄き上げ性を確保する尺度としては、次の
条件を満足することが必要であることを知つた。 (1) スラリーの濾過係数K;0.5≦K≦5 …(b) (2) 濾液固形分濃度;C<0.5 …(c) そこで、この発明者らは、石綿を全く使用しな
い配合で、ハチエツク抄造機を使用せず、まず、
実験室レベルで、前述の濾過係数Kと濾液固形分
濃度Cを各種の材料、組合わせについて測定する
ことにより、上記の条件(b)、(c)を満足する系を見
出すべく、さらに努力した。 以下は、このような過程で得た知見である。 第3図は、故紙パルプにビニロン繊維2%を併
用し、パルプ量を変えて各々にセピライトおよ
び/または、ベントナイトを合計5%まで添加し
たスラリーの濾過係数を表したものである。 セピライトおよび/または、ベントナイトを添
加しない場合には、パルプ量に拘らず、抄造不能
と推定できる。(K>0.5) 第4図は、この場合の濾過固形分濃度を示した
グラフであり、セピライトおよび/またはベント
ナイトを添加したものは、低い値となり、第2図
で示した石綿量を増加させるのと同様な効果があ
ることが判つた。 その結果、無機硬化体にセピオライトやベント
ナイト、あるいは両者の混合物を1〜5重量%含
ませることとすれば、パルプが少なくても原材料
のスラリを抄き上げることが可能となり、石綿以
外の補強繊維を5重量%以下含ませることとすれ
ば強度も充分満足の得られるものとなるというこ
とを見出し、ここにこの発明を完成した。 すなわち、この発明は、セメントを結合材と
し、抄造法によつてつくられる無機硬化体であつ
て、配合原料の固型分基準でパルプを1〜5重量
%、セピオライトおよび/またはベントナイトを
1〜5重量%、補強繊維を5重量%以下含むこと
を特徴とする無機硬化体をその要旨とする。以
下、この発明を詳しく説明する。 ここで、結合材として用いるセメントとして
は、水硬性のものであれば特に限定されない。例
えばポルトランドセメント、高炉セメントなどが
ある。また、パルプとしては、故紙パルプや針葉
樹パルプ等を用い、補強繊維としては、ビニロン
繊維、炭素繊維(カーボン繊維)、金属繊維(ス
チール繊維等)およびポリプロピレン繊維等の人
造繊維、その他の石綿以外の繊維を用いる。 この発明にかかる無機硬化体は、パルプを1〜
5重量%しか含まないので不燃性である。一般
に、パルプの含有量が5重量%以下であれば、不
燃性の点について問題は生じないのである。ま
た、普通ならば、パルプの含有量が5重量%以下
であれば、原材料のスラリを抄あげるのがほとん
ど不可能となるが、この発明では、前記のように
セピオライトやベントナイト、あるいは両者の混
合物を1〜5重量%含ませることとしたので、原
材料のスラリを抄き上げることができる。したが
つて、この発明にかかる無機硬化体は抄造法によ
り製造することができるのである。さらに、補強
繊維を5重量%以下含ませることとしたので、充
分な強度を有する無機硬化体を得ることができ
る。補強繊維の含有量が5%を超えると、無機硬
化体の比重が下がつてしまい、充分な補強効果を
得ることができない。 つぎに、各種類の補強繊維について、単独で用
いる場合のより好ましい含有量を説明する。 ビニロン繊維の含有量は0.5〜2重量%とする
のがより好ましい。この範囲であれば最も補強効
果が大きい。2重量%を越え5重量%以下では含
有量を増やしても、無機硬化体の強度がほとんど
変わらず、製造コストのみ上昇し、逆に0.5重量
%未満では、補強効果が小さくなり、建築材料と
して用いるのに適した強度が得られなくなる傾向
にあるからである。 炭素繊維の含有量は0.2〜1重量%とするのが
より好ましい。この範囲であれば最も補強効果が
大きい。1重量%を越え5重量%以下では含有量
を増やしても、無機硬化体の強度がほとんど変わ
らず、製造コストのみ上昇し、逆に0.2%未満で
は、充分な補強効果が得られなくなる傾向にある
からである。 金属繊維の含有量は1〜5重量%とするのがよ
り好ましい。1重量%未満では充分な補強効果が
得られなくなる傾向にあるからである。金属繊維
の含有量が5重量%を越えると、前記のように、
比重が下がつて強度が低くなるばかりでなく、原
材料のスラリを抄き上げる際、金属繊維がからみ
合つてしまい、得られる無機硬化体が不均質なも
のとなる。したがつて、金属繊維の含有量はやは
り5重量%以下としなければならない。 なお、補強繊維としてガラス繊維を使用する場
合は、ガラス繊維が無機硬化体中のアルカリによ
り侵蝕されて無機硬化体自身の強度劣下が進行す
る恐れが多いので、耐アルカリ性のものを使用す
るようにするとよい。 性能向上等のため、必要に応じて、無機硬化体
が他の添加材あるいは、硅砂やウオラストナイト
等の充填材、その他を含む場合もある。 この発明にかかる無機硬化体は、抄造法を用
い、つぎのようにしてつくられる。 原材料と水を混合してスラリをつくる。このス
ラリの固型分濃度は8〜15重量%とするのが好ま
しい。8%未満の場合は、スラリ中の固型分が抄
造機の抄き上げ部(金網等)に乗つてくる効率が
悪くて生産性が悪くなり、そのうえ、スラリ中の
固型分が沈澱して、予定した組成の無機硬化体が
得られなくなる傾向にある。他方、15%を越える
と、抄き上げたケーキの厚みが不均一となり、均
質な無機硬化体を得ることが困難になる傾向にあ
る。このスラリをハチエツク抄造機等の抄造機で
抄き上げ、得られた抄造体を積層して適当な厚み
の賦形体とする。この賦形体を養生すれば無機硬
化体が得られる。 この発明にかかる無機硬化体はこのように構成
されるものであつて、パルプ、セピオライトおよ
び/またはベントナイト、および補強繊維をそれ
ぞれ前記のような含有量で含むので、石綿を使用
しなくても、強度が強く、抄造法により容易に大
量生産できる。そのうえ、パルプの含有量が少な
いので不燃性である。 つぎに、実施例および比較例について説明す
る。第1表〜第4表に示される原材量を使用し、
ハチエツク抄造機を用いるハチエツク方式によ
り、実施例1〜13および比較例1、2、4の無機
硬化体をつくつた。なお、表中の比較例3に示し
た原材料では、スラリを抄き上げることが不能と
なり、無機硬化体をつくることができなかつた。
使用した各種補強繊維の径あるいは繊度、および
長さの範囲を第5表に示す。実施例1〜13および
比較例1、2、4の無機硬化体の製造中における
抄き上げ性、および製品の物性値を第1表〜第4
表に示す。ただし、実施例1〜13および比較例4
の無機硬化体では、それぞれ、第5表に示される
径あるいは繊度、および長さ範囲内のさまざまな
繊維を用いて複数個つくり、それらの平均値で物
性値を示した。また、表中、抄き上げ性につい
て、◎は良好、〇は普通、×は不能をそれぞれあ
らわす。第1表〜第4表より、比較例2の無機硬
化体が準不燃であり、比較例3に示した原材量を
含むスラリが抄き上げが不能であつたのに対し、
実施例の無機硬化体はいずれも不燃で、製造時の
抄き上げ性が良好であつたことがわかる。また、
実施例1〜13の無機硬化体は比較例4のものに比
べ曲げ強度が強く(乾燥時、吸水時とも)、建築
材料等として用いるのに充分な強度を有している
ことがわかる。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
第1図ないし第4図は、この発明の背景を説明
するのに用いるグラフである。
するのに用いるグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 セメントを結合材とし、抄造法によつてつく
られる無機硬化体であつて、配合原料の固型分基
準でパルプを1〜5重量%、セピオライトおよ
び/またはベントナイトを1〜5重量%、補強繊
維を5重量%以下含むことを特徴とする無機硬化
体。 2 パルプが故紙パルプおよび/または針葉樹パ
ルプである特許請求の範囲第1項記載の無機硬化
体。 3 補強繊維が、ビニロン繊維、炭素繊維、金属
繊維およびポリプロピレン繊維からなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種である特許請求の範囲
第1項または第2項記載の無機硬化体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57181865A JPS5973463A (ja) | 1982-10-15 | 1982-10-15 | 無機硬化体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57181865A JPS5973463A (ja) | 1982-10-15 | 1982-10-15 | 無機硬化体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5973463A JPS5973463A (ja) | 1984-04-25 |
JPS6319465B2 true JPS6319465B2 (ja) | 1988-04-22 |
Family
ID=16108188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57181865A Granted JPS5973463A (ja) | 1982-10-15 | 1982-10-15 | 無機硬化体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5973463A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021095851A1 (ja) | 2019-11-15 | 2021-05-20 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板 |
WO2021095846A1 (ja) | 2019-11-15 | 2021-05-20 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板 |
WO2021095854A1 (ja) | 2019-11-15 | 2021-05-20 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
WO2021095859A1 (ja) | 2019-11-15 | 2021-05-20 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JPH0717427B2 (ja) * | 1984-06-18 | 1995-03-01 | 株式会社クラレ | 水硬性無機質抄造製品及びその製造方法 |
JPS6131337A (ja) * | 1984-07-18 | 1986-02-13 | 株式会社クラレ | 水硬性無機質抄造製品及びその製造法 |
JPH0751782B2 (ja) * | 1990-05-10 | 1995-06-05 | 株式会社ホクコン | 杭定着用根固め部の築造工法 |
IT1271982B (it) * | 1993-03-05 | 1997-06-10 | Italcementi Spa | Uso di composizioni cementizie fibro-rinforzate per manufatti resistenti a shock termici |
-
1982
- 1982-10-15 JP JP57181865A patent/JPS5973463A/ja active Granted
Cited By (7)
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WO2021095851A1 (ja) | 2019-11-15 | 2021-05-20 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板 |
WO2021095846A1 (ja) | 2019-11-15 | 2021-05-20 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板 |
WO2021095854A1 (ja) | 2019-11-15 | 2021-05-20 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
WO2021095859A1 (ja) | 2019-11-15 | 2021-05-20 | 日本製鉄株式会社 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
KR20220032109A (ko) | 2019-11-15 | 2022-03-15 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 무방향성 전자 강판의 제조 방법 |
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---|---|
JPS5973463A (ja) | 1984-04-25 |
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