JPS631923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は多種の化粧品を収納するコンパクト容
器に関するものであつて、化粧品を使用する際の
便宜性を高めることを目的とする。

最近では化粧の多様に伴ない、コンパクトに多
種の化粧品を収納することが要求され、コンパク
ト本体の下位に複数の容体を、前進後退スライド
自在に、多段式に組み付ける構成のものが考えら
れてきている。

この構成では、コンパクト本体を含む各容体内
の何れか好みの化粧品を選択して使用する場合、
任意の容体を引き出すことになるわけであるが、
場合によつては二以上の容体内のそれぞれの化粧
品を同時に使用することもあり、下位の容体内の
化粧品を使用するには、上位の容体を後退スライ
ドさせ、下位の容体を前進スライドさせなければ
ならない。

すなわち、コンパクト内には多種多数の化粧品
を収納することはできるけれども、実際の使用時
には所望の化粧品或いは全部の化粧品を常に使用
可能な状態にすることはできず、化粧手順に手間
がかかつたのである。

本考案は上述した従来の欠点、不都合を解消す
るべく考案された多段式コンパクトに関するもの
であつて、最上段に位置するコンパクト本体の後
端に、下位の各容体の高さ幅の合計にほぼ等しい
長さの脚片を垂下設した構成である。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

図中１はコンパクト本体であつて、所望の化粧
品を収納する四角薄箱形状であり、その後端には
蝶番２を介して蓋体３が連結され、また後端の両
側には細板状の所定長さの脚片４が垂下設され、
さらに両側壁の下端部には前後方向に沿つて係合
溝５が刻設されている。

このコンパクト本体１の下位には、該本体１と
ほぼ同一形状の複数（図示実施例では二個）の容
体６が上下に組み付けられるが、コンパクト本体
１直下の容体６Ａの両側壁上端には、前後方向に
沿つて係合条７が設けられていて、上位であるコ
ンパクト本体１の係合溝５に係合し、容体６Ａは
コンパクト本体１に対し、前進後退スライド自在
に組み付くことになる。

また最下位の容体６Ｂの両側壁上端にも同様の
係合条７が設けられていて、上位の容体６Ａ下端
部の係合溝５に同様に係合する。

そして各容体６にあつて、その後壁両側部に
は、前記脚片４の幅に応じて上下に削切された係
止溝８が設けられており、各容体６の後退限で係
止溝８内に脚片４が当接し、脚片４はストツパー
としての機能を果すことになり、脚片４の長さ
は、各容体６の高さ幅の合計にほぼ等しく設定さ
れる。

また容体６を前進スライドさせた際に、上位の
コンパクト本体１或いは上位の容体６から抜け出
してしまうことのないように、上位のコンパクト
本体１或いは容体６の前端と、下位の容体６後端
とが係止するように、例えば係合溝５内の所定位
置に係止突起を設けておくとよいであろう。

上述した構成にあつて、不使用時には、各容体
６を、後退限まで押し込み、蓋体３を閉じれば、
小型なコンパクトとして保持することができる。

また、使用時には蓋体３を開くと共に各容体６
を前進限まで引き出せば、収納されている全ての
化粧品を使用することができ、使用に極めて便利
なものとなる。

この使用時において全ての容体６を引き出す
と、全体として階段状の形状となるが、コンパク
ト本体１の後端には、各容体６の高さ幅を合計し
た長さの脚片４が垂下設されていてコンパクト本
体１後部を支持しているので、例えば鏡台上に置
いた場合にも不安定な姿勢となることはなく、極
めて使い易い。

よつて本考案の多段式コンパクトによれば、任
意または全部の容体を前進スライドさせた開放状
態において、コンパクト全体を一定した安定状態
に保持することができ、従つて多種多数の化粧品
を収納できるばかりでなく、全ての化粧品を同時
に使用可能な状態にすることができ、構成が簡単
であつて成形が容易である等、多くの優れた作用
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であつて、使用状態
を示す斜視図である。第２図は縦断正面図であ
る。第３図は縦断側面図である。第４図は背面図
である。 符号の説明、１……コンパクト本体、
４……脚片、５……係合溝、６……容体、７……
係合条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンパクト本体の下位に、複数の容体を前進後
   退スライド自在に積み重ねて組み付けた多段式コ
   ンパクトであつて、最上段に位置し、蓋体を後端
   に蝶番結合した前記コンパクト本体の後端に、下
   位の前記各容体の高さ幅の合計にほぼ等しい長さ
   を有する脚片を垂下設して成る多段式コンパク
   ト。