JPS6319024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、頭髪の刈り高さ調整具を装着する
電気バリカンに係り、刈り高さ調整具を使用しな
いときはこれをバリカン本体後方に退避できるよ
うにしたものである。

電気バリカンで調髪する場合、例えば、いわゆ
る丸刈りするときに付属部品の刈り高さ調整具を
取り付けて使用すれば、理髪師でない一般家庭の
人でも簡単に一定の所望長さに髪を刈り揃えるこ
とができる。しかし、この種従来の刈り高さ調整
具は電気バリカンに脱着する形態であつて、これ
を使用しないときは電気バリカンから取り外すも
のとなつている。従つて、それを取り外したとき
は粉失する問題が生じ、いざ必要なときに手元に
なくて捜し回らなければならないという不便があ
つた。

この考案は、かかる事実に着目して、刈り高さ
調整具を使用しないときはこれが電気バリカン使
用に支障なきようバリカン本体後方に退避でき
て、刈り高さ調整具の粉失防止を図ると共に、必
要なときにすぐにその使用を可能にすることを目
的とする。

以下、その詳細を図面に基づき説明すると、第
１図ないし第３図はこの考案に係る電気バリカン
を例示しており、これはバリカン本体１と、該バ
リカン本体１に装着する刈り高さ調整具２とから
なる。バリカン本体１はこの前端から固定刃３ａ
と該固定刃３ａの上面に対し左右方向に摺動自在
な可動刃３ｂの各刃先部分をそれぞれ突出する。

刈り高さ調整具２はこれ全体がプラスチツク一
体成形品であり、櫛基台５の前端から互いに平行
な複数本の櫛歯４を左右方向に並べて前方に上向
き姿勢に一体成形してなる。

バリカン本体１と刈り高さ調整具２との間に
は、バリカン本体１に対し刈り高さ調整具２を第
１図中、実線で示すごときバリカン本体１の前方
位置と、第１図中、二点鎖線で示すごときバリカ
ン本体１の後方位置とにわたつて移し変え自在と
する移し変え手段が設けられる。この移し変え手
段については、刈り高さ調整具２の櫛基台５の左
右端から一対の支持アーム９・９を後方へ延出し
て成形し、この左右支持アーム９・９の各後端部
をバリカン本体１の左右の側壁６・６の前後方向
の略中央部に支軸８，８を介して枢着することに
より、刈り高さ調整具２がバリカン本体１の下側
で支軸８・８を中心にして略180度前後方向に摺
動自在に装着されるものとしてなる。刈り高さ調
整具２がバリカン本体１の前方に揺動した使用状
態では櫛歯４が固定刃３ａの刃先方向に対向して
位置し、反対に不使用時に後方へ揺動すると櫛歯
４がバリカン本体１の後方に存するように位置設
定される。

しかるときは、刈り高さ調整具２を使用する場
合は、刈り高さ調整具２を支軸８・８まわりに揺
動させてバリカン本体１の前方に位置させ、刈り
高さ調整具２を使用しない場合はそれを支軸８・
８まわりにバリカン本体１の後方に揺動させて退
避させる。

また刈り高さ調整具２はバリカン本体１の前方
の使用位置で刈り高さ調整自在に設けられる。す
なわち、刈り高さ調整具２は前記支軸８・８をバ
リカン本体１の左右側壁６・６の略中央部に設け
た前後方向に長いガイド孔７・７に摺動自在に係
合させてこの調整具２全体を前後方向に移動可能
にするとともに、その前後移動に伴い左右支持ア
ーム９・９の内側に設けた凸起１１・１１が左右
側壁６・６に前後方向に一定ピツチで設けた凹部
１０・１０に係脱することによつて、バリカン本
体１の前方位置において刈り高さ調整具２の櫛歯
４と固定刃３ａとの間隔が数段階に調整できて丸
刈り髪の長さを、例えば３mm，６mmあるいは９mm
に変えることが可能となる。

支持アーム９の凸起１１の凹部１０に対する係
脱作用を円滑にするためには、支持アーム９の中
央の一部の透孔部に、内外方向に弾性変形可能な
片持ち状の舌片１２を形成するとともに該舌片１
２の端部に凸起１１を設けて、舌片１２の弾性変
形を利用して凸起１１が凹部１０に係脱するよう
にすればよい。

また刈り高さ調整具２は水平姿勢を確実に保持
して前後方向に移動できるように、バリカン本体
１の左右側壁６・６の前半部に前後に長い凸条１
３・１３を設け、該凸条１３・１３に支持アーム
９・９の内側に設けた凹溝１４を摺動自在に嵌合
させる。それら凸条１３と凹溝１４との嵌合度合
は、刈り高さ調整具２を支軸８まわりに前後に揺
動させるとき該アーム９のわずかな弾性変形によ
り凹溝１４が凸条１３に係脱する程度に設定す
る。

なお、これら凹部１０および凸条１３は、上記
実施例の場合とは反対に、刈り高さ調整具２側
に、また凸起１１および凹溝１４をバリカン本体
１側にそれぞれ設けてもよい。

第４図は刈り高さ調整具２を前後方向に所定位
置でバリカン本体１側に固定するための他の実施
例を示しており、刈り高さ調整具２の支持アーム
９の後端部に支軸８をばね１５で外方へ付勢すべ
く装着し、バリカン本体１の左右側壁６のガイド
孔７の内側に、該支軸８の端部に形成した係止片
８ａが係脱する凹部１６を前後方向に一定ピツチ
で列設する。しかるときは、支軸８をばね１５に
抗して内方に押した状態で刈り高さ調整具２を前
後方向に移動させて係止片８ａを任意の凹部１６
に係合することで刈り高さ調整具２が所望位置で
固定できることになる。

第５図は本考案電気バリカンの更に他の実施例
を示しており、これはバリカン本体１に周回状に
装着した枠１７に刈り高さ調整具２の左右支持ア
ーム９・９の各後端部を枢軸２０で回動自在に枢
支連結してあり、枠１７をバリカン本体１に沿つ
て前後に移動させることにより刈り高さ調整具２
が前後に移動し、また、この前後移動に伴い枠１
７側に設けた凸起１８がバリカン本体１の上面に
前後方向に一定ピツチで設けた凹部１９にそれぞ
れ係合することにより、刈り高さ調整具２の櫛刃
４が固定刃３ａとの間隔を数段階に変更できるよ
うにしてある。刈り高さ調整具２を使用しないと
きは、刈り高さ調整具２を枢支軸２０を中心にし
て後方に揺動させてバリカン本体１の後方に退避
させる。なお、枠１７はバリカン本体１に挿脱可
能に装着しておいて、刈り高さ調整具２を不要と
するときはこれを枠１７共にバリカン本体１から
完全に取外してしまうようにすることもできる。

第６図は本考案に係る電気バリカンの更に他の
実施例を示している。この実施例は刈り高さ調整
具２の移し変え手段の変形例を示しており、バリ
カン本体１の前端部傾斜壁２２から底壁２５，後
壁２３に亘つて断面Ｔ字形状のガイド溝２１を連
続して形成する。他方、刈り高さ調整具２の櫛基
台５に断面Ｔ字形状のスライド子２４を突設して
このスライド子２４を前記ガイド溝２１に摺動自
在に嵌合する。しかるときは、刈り高さ調整具２
を使用しない場合は刈り高さ調整具２をガイド溝
２１に沿つてバリカン本体１の後方に移動退避さ
せる。

なお、刈り高さ調整具２としては上記の如きこ
れ一つでもつて前後方向に段階的に移動させて髪
の長さを数種類に可調整できるものに代えて、一
種類の高さ調整機能しか有しない、例えば３mm長
さ専用の刈り高さ調整具２を装着するようにして
もよい。この場合は刈り高さ調整具２を前後方向
に移動可能にする必要はない。

以上説明したように、この考案の電気バリカン
は、バリカン本体１に対し櫛歯４を有する刈り高
さ調整具２が、櫛歯４をバリカン本体１の固定刃
３ａの前方に位置する使用位置と、櫛歯４をバリ
カン本体１の後方に位置する不使用位置との二位
置にわたつて移し変え自在に装着されているもの
であるから、刈り高さ調整具２を使用しないとき
はこれをバリカン本体１から取り外すことなくバ
リカン本体１の後方に退避させておけばよいので
必要時に刈り高さ調整具２が手元になくて困ると
いう不都合がなくて使い勝手が良くなる。また刈
り高さ調整具２はバリカン本体１の後方に退避さ
せた場合はこれが調髪の邪魔になることがないう
えに、バリカン本体１の手で握る部分の長さをそ
の刈り高さ調整具２で拡大できて操作性が向上す
る利点をも有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電気バリカンの外観斜視
図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ線断面図、第
３図は第１図における縦断正面図である。第４図
は本考案に係る電気かみそりの他の実施例を示す
一部断面図である。第５図は本考案に係る電気バ
リカンの更に他の実施例を示す外観斜視図であ
る。第６図は本考案に係る電気バリカンの更に他
の実施例を示す側面図、第７図は第６図における
Ｂ−Ｂ線断面図である。 １……バリカン本体、２……刈り高さ調整具、
３ａ……固定刃、３ｂ……可動刃、４……櫛歯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前端に固定刃３ａおよび可動刃３ｂを有するバ
   リカン本体１と；バリカン本体１に対し常備され
   た、櫛歯４を有する刈り高さ調整具２と；バリカ
   ン本体１に対し刈り高さ調整具２が、櫛歯４をバ
   リカン本体１の固定刃３ａの前方に位置する使用
   位置と、櫛歯４をバリカン本体１の後方に位置す
   る不使用位置との二位置にわたつて移し変え自在
   とされる移し変え手段と；を備えてなる電気バリ
   カン。