JPS6319008Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は筒状に形成した塵埃捕獲用フイルタ
ー内を押圧体が摺動することにより、フイルター
内部の塵埃を手を汚さず、衛生的にかつ確実に処
理できるようにした電気掃除機に関するものであ
る。

以下この考案の一実施例を図面に基づいて説明
すると、図において、１は略Ｌ字状を成す本体ケ
ースで、電動送風機２を内装している。３は吸込
口、４は本体ケース１の上部に着脱自在に結合し
た集塵容器で、前面に開口５、後面に軸受穴６、
上面に取手７、下面にレバー受け８と前記本体ケ
ース１の吸気口（図示せず）と連通する連通口９
を有している。

１０は紙等を断面波形状に折曲して円筒状に
形成した二次フイルターで、合成樹脂よりなる後
端板１１の中央に形成した支持穴１２が集塵容器
４の軸受穴６の外周面に嵌合して保持され、前端
板１３にはその波形形状に沿つて開口１４が形成
されている。

１５は二次フイルターの底部に形成した通気性
のない平坦部、１６は前記二次フイルター１０の
内側に同心状にかつ回転自在に設置した円筒状の
一次フイルターで、前端に開口１７、後端には外
周面にねじ部１８と内面に案内孔１９とを形成し
た軸部２０を有し、周面の非通気性両端部間に
は、内側からネツト２１に覆われた多数の透孔２
２を形成することで、塵埃捕獲部が設けられてい
る。

２３はこの一次フイルターの内周面に互いに相
対向してその長手方向に同一幅で形成した一対の
リブ、２５は前記一次フイルター１６の後端ねじ
部１８に螺着して該一次フイルター１６を集塵容
器４に取り付ける止めキヤツプ、２７は止めキヤ
ツプ２５に形成した貫通孔、２８は一次フイルタ
ー１６の内面形状と略同形の外形形状を有する前
方押圧部２８ａと、一次フイルター１６の案内孔
１９から止めキヤツプ２５の貫通孔２７をそれぞ
れ通して外方へ突出させる後方連結軸２８ｂとか
ら成る押圧体で、前記押圧部８ａはその内側に前
端が開口する凹部２８ｃを形成してコツプ状にし
ている。

２９は一端をこの押圧体の前記連結軸２８ｂに
止めねじ３０により屈曲自在に連結され、他端に
握り部２９ａを形成した摺動桿で、その不使用時
にはＬ字状に屈曲して本体ケース１及び集塵容器
４の後部にそれぞれまたがつて格納される。

前記押圧体２８の押圧部２８ａの周縁にはさら
に前方へ突出した突出部２８ｄが形成され、この
突出部２８ｄの作用で一次フイルター１６の内周
面にへばりついている塵埃は押圧に先だつてあら
かじめ分離され、押し出しが小さな力で良好に行
われる。

３１は集塵容器４、一次フイルター１６、およ
び二次フイルター１０のそれぞれの開口５，１
７，１４を同時に閉塞している蓋で、その略中央
に塵埃の吸入口３２を有している。３３はこの吸
入口部に設けた逆止弁、３４は一次フイルター１
６の開口１７内に嵌合してその端部を水平に支持
する受部である。

３６は蓋３１の周縁に嵌着したパツキン、３９
は後蓋で、下部を本体ケース１の後部底面に回動
自在に支持され、上部は集塵容器４の後部に係合
して前記摺動桿２９の格納部を覆つている。４０
は前記後蓋３９に形成した排気口である。

以上の構成からなる電気掃除機において、電動
送風機２を駆動すれば、塵埃を含んだ空気は吸塵
ホース（図示せず）、吸込口３、蓋３１の吸入口
３２を経て集塵容器４内に吸い込まれ、一次フイ
ルター１６で大きな塵埃が捕獲され、細塵は二次
フイルター１０でそれぞれ捕獲分離されて、清浄
空気のみが電動送風機２を通つて本体ケース１後
部に設けた後蓋３９の排気口４０から外部に放出
される。

各フイルター１６，１０内に捕集した塵埃を除
去する場合は、本体ケース１から集塵容器４を分
離し集塵容器４および各フイルター１６，１０の
それぞれの開口５，１７，１４を閉じている蓋３
１を取りはずし、該容器４の開口５をゴミ箱等に
向け、一方、押圧体２８と摺動桿２９とが一直線
上になるように止めネジ３０を軸として摺動桿２
９を回動し、次に該摺動桿２９の他端握り部２９
ａをもつて押し込むと、押圧体２８は一次フイル
ター１６内を一対のリブ２３に案内されて該フイ
ルター１６の内周面に接しながら開口１７に向か
つて摺動し、内部の粗塵は全て開口１７から外部
へ押し出される。

このとき押圧体２８の押圧部２８ａの内側に凹
部２８ｃを形成してコツプ状にしているため、先
端突出部２８ｄにより押圧に先だつて一次フイル
ター１６の内周面から分離された塵埃は次の押圧
作用が加わると前記凹部２８ｃ側へ移動する形と
なり塵埃と一次フイルターの内周面との間の摩擦
抵抗が小さく、押圧が容易に行えるものである。

一方、二次フイルター１０の波形内周面に付着
している細塵を除去する場合は、摺動桿２９の握
り部２９ａを回動すると一次フイルター１６の内
面形状と同形に形成された押圧体２８も回動し、
この時押圧体２８の一部と一次フイルター１６の
内周面に形成された一対のリブ２３とが係合して
いるため、これが回り止めとなつて一次フイルタ
ー１６押圧体２８と一体となつて回動する。

このため、該一次フイルター１６の外周部の適
所に凸起等を設けておけば、この凸起が二次フイ
ルター１０の波形内周面を順次はじいて細塵は一
次フイルター１６の外周面と二次フイルター１０
の内周面との間に形成される空間内に落とされ、
集塵容器４の開口５よりゴミ箱等に落下させるこ
とができる。

以上のようにこの考案は、電動送風機を内装し
た本体ケースと、この本体ケースに連通して着脱
自在に結合した集塵容器と、この集塵容器に内装
かつ両端部間の周面に内側から外側に向つて空気
流が通過する塵埃捕獲部が設けられた筒状のフイ
ルターと、このフイルター内に空気流流入側端と
は反対側の端部に配置して嵌められた押圧部を有
しフイルター内の塵埃を前記空気流流入側へ押圧
する押圧体とを有し、この押圧体の前記押圧部を
空気流入側に位置する前端が開口するコツプ状に
形成し、前記押圧部の前端部外周を前記フイルタ
ーの内周面に摺動自在に当接させたので、次の効
果が得られる。すなわち、電気掃除機の運転時
に、筒状のフイルターの塵埃捕獲部では内面に捕
獲した塵埃が堆積するが、フイルターの空気流流
入側端とは反対側の端部には通気性がないため、
空気流がなくコツプ状の押圧部とフイルターの間
に塵埃が入り込んで塵埃が圧縮されることがな
く、このため電気掃除機を停止させて行うフイル
ター内からの塵埃除去時に、押圧部を空気流流入
側に向つて移動させると、この際の押圧部とフイ
ルターとの摩擦抵抗が小さく、また押圧部がコツ
プ状に形成してあることにより、押圧部の摺動に
よつてフイルター内周面に密着している塵埃を分
離させた後、この塵埃が押圧部内に入ることによ
つても、押圧体の押圧部とフイルターとの摩擦抵
抗を小さくでき、したがつて押圧体がスムーズに
移動し、フイルター内から、塵埃を小さな力で押
し出して容易に除去できる。また、フイルター内
の塵埃を押圧部内に入れまとめて排出できるとと
もに、押圧部の軸方向長さが長いので、押圧体の
安定した直線的押出し動作ができ、フイルター内
周面に塵埃が残ることがほとんどないという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による電気掃除機の一実施例
を一部断面にて示す側面図、第２図は一部断面に
て示す集塵容器の正面図、第３図は塵捨て時の集
塵容器部分の断面図、第４図は押圧体と摺動桿と
を分離した状態の斜視図である。 １は本体ケース、２は電動送風機、４は集塵容
器、１０は二次フイルター、１６は一次フイルタ
ー、２８は押圧体、２８ａは押圧部、２８ｂは連
結軸、２８ｃは凹部、２９は摺動桿である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電動送風機を内装した本体ケースと、この本体
   ケースに連通して着脱可能に係合した集塵容器
   と、この集塵容器に内装されかつ両端部間の周面
   に内側から外側に向つて空気流が通過する塵埃捕
   獲部が設けられた筒状のフイルターと、このフイ
   ルター内に空気流流入側端とは反対側の端部に配
   置して嵌められた押圧部を有しフイルター内の塵
   埃を前記空気流流入側へ押圧する押圧体とを有
   し、この押圧体の前記押圧部を空気流流入側に位
   置する前端が開口するコツプ状に形成し、前記押
   圧部の前端部外周を前記フイルターの内周面に摺
   動自在に当接させたことを特徴とする電気掃除
   機。