JPS6318901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、蒸発器の凍結を防止するため蒸発
器のフイン間に挿入される温度センサをフイン間
に固定する保持具の改良に関するものである。

蒸発器の凍結を防止するため、蒸発器の温度を
検出するサーモスイツチの温度センサが蒸発器の
フイン間に挿入されるが、最近、安価でかつ作動
音の少ない利点から、サーミスタ等の半導体感熱
素子を利用したものが開発されている。

一般に、この種の温度センサは、サーミスタ等
の温度を感知する半導体より成る感熱部にリード
線が接続されていると共に、防水の目的で感熱部
の表面をコーテイング材で被覆して成るものであ
る。

このような温度センサが蒸発器のフイン間に挿
入固定されているのであるが、通常、この種の温
度センサは棒状であり固定手段を有していないの
で、温度センサを固定するには保持具を必要と
し、この保持具を温度センサに固装し、この保持
具がフインに固定されることで温度センサがフイ
ン間に固定される。

しかしながら、従来周知のこの種の保持具は、
弾性を有する係合部を設け、この係合部の弾性作
用により温度センサの挿入路を構成するフインに
凹部を形成し、この凹部に前記係合部が係合する
ように構成されており、フインは通常アルミニウ
ムより成りその性質として塑性変形しやすいの
で、係合部により温度センサの挿入路が拡げられ
たままとなり拘束力が弱まり、ガタを生じてフイ
ンと温度センサとの密着性が不十分となり、熱感
知の応答性が遅れ、そのため、蒸発器が凍結する
おそれがあつた。

そこで、この考案は、温度センサを常に確実に
固定する保持具を提供することを課題とするもの
で、その要旨とするところは、二つの保持片を持
ち、両先端の幅を狭める方向に弾性を有する保持
部と、この保持部の一方の保持片の外面に設けた
係止片と、この係止片の設けられていない他方の
保持片に形成された圧着溝とから成り、前記保持
部をフイン間に挿入し、成形プレートに前記係止
片を係止すると共に前記圧着溝に温度センサの側
面を当接し、前記保持部の弾性で温度センサをフ
インに押圧して固定するようにした保持具にあ
る。したがつて、保持部の弾性によつて温度セン
サがフインに押圧されるので、温度センサとフイ
ンとの密着性が良いし、また保持具は係止片にて
成形プレートに係合されるために、振動による抜
け止めも防がれるもので、上記課題を達成できる
ものである。

以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

第１図において、保持具１が示され、該保持具
１は、保持部２と係止片３と圧着溝４とから成
る。

保持部２は、二つの保持片５ａ，５ｂを持つよ
うに折曲部６付近で折り曲げられて、この実施例
では略Ｕ字状に形成され、保持片５ａ，５ｂの両
先端７ａ，７ｂの幅を狭める方向に弾性を有して
いる。尚、この実施例においては、保持部２の両
先端７ａ，７ｂ部分に摘部８ａ，８ｂが設けられ
て弾性変形が容易にできるよう構成されている。

係止片３は、前記一方の保持片５ａの外面に突
出して設けられており、挿入方向にあつてその前
側は傾斜され、後側は保持片５ａに対し直角に形
成されている。従つて、保持具１がフイン９間に
挿入されたとき、この係止片３が成形プレート１
０の縁部の補強片１０ａに係止される。

圧着溝４は、前記係止片３が設けられていない
他方の保持片５ｂに設けられており、この圧着溝
４は、保持片５ｂの長手方向に添つて断面円弧状
に形成されて、温度センサ１１の側面が面接触す
るようになつている。

このように構成された保持具１によつて温度セ
ンサ１１を蒸発器１２のフイン９間に固定するに
は、まず、保持具１の折曲部６側と温度センサ１
１の先端側とを同一方向に並べ、保持具１の圧着
溝４に温度センサ１１の側面１１ａを当接させ
る。

次に、保持部２の摘部８ａ，８ｂを指で挟むよ
うにして持ち（圧着溝４側の摘部８ｂは温度セン
サ１１を介して押えられる。）、この両先端７ａ，
７ｂ間の幅を狭めるように保持部２を変形させ、
保持部２の折曲部６側から蒸発器１２のフイン９
により形成される空間１３内に挿入する。そし
て、保持片５ａに設けられた係止片３が成形プレ
ート１０の縁部の補強片１０ａを乗り越えたとき
に摘部８ａ，８ｂに加えていた力をゆるめ、指を
離せば第２図、第３図に示すように、温度センサ
１１をフイン９間に固定することができる。

温度センサ１１は、その側面１１ａが保持具１
の圧着溝４に当接し、保持部２の弾性でフイン９
に圧着しているので、温度センサ１１とフイン９
との密着性が良好であり、また、係止片３は成形
プレート１０の縁部の補強片１０ａに係止してい
るので、保持具１が脱落するおそれがないもので
ある。

以上述べたように、この考案によれば、保持部
の弾性で温度センサをフインに押圧するようにし
たので、温度センサとフインとの密着性が良く、
熱感知の応答性が良好となり、そのため蒸発器の
凍結のおそれがないものである。

また、保持具の係止片が成形プレートの縁部の
補強片に係合しているので、保持具の脱落のおそ
れがなく、固定状態が確実に持続される。

さらに、温度センサの取付けにあつて、保持具
に温度センサを固装する必要はないために、該温
度センサの取付がワンタツチでできる等の効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る保持具の斜視図、第２
図は保持具を用いて温度センサをフイン間に固定
した状態を示す図であり、第３図は第２図のＡ−
Ａ線断面図である。 １……保持具、２……保持部、３……係止片、
４……圧着溝、５ａ，５ｂ……保持片、７ａ，７
ｂ……先端、９……フイン、１０……成形プレー
ト、１１……温度センサ、１１ａ……温度センサ
の側面、１２……蒸発器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二つの保持片を持ち両先端の幅を狭める方向に
   弾性を有する保持部と、この保持部の一方の保持
   片の外面に設けた係止片と、この係止片の設けら
   れていない他方の保持片に形成された圧着溝とか
   ら成り、前記保持部をフイン間に挿入し、成形プ
   レートに前記係止片を係止すると共に前記圧着溝
   に温度センサの側面を当接し、前記保持部の弾性
   で温度センサをフインに押圧して固定するように
   したことを特徴とする蒸発器用温度センサの保持
   具。