JPS63188B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、研磨材料特に種々の工業用研磨用
途、例えば金属、木工、磁器等の研削又は研磨仕
上げに用いる研削性と耐久性に秀れた構成の不織
布研磨材料の製法に関するものである。 従来この種の研磨材料の製造についてはフエノ
ール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と研磨
材砥粒との混合液を基材不織布マツトに噴霧法、
浸漬法或いは浸漬―噴霧法によつて適用して研磨
材料を製造しているが、かかる製法に基づく研磨
材料は繊維表面に直接硬い樹脂が適用され、繊維
表面を被覆すると共に砥粒を接着した構造となつ
ているため、樹脂と繊維のなじみが悪く、又繊維
と砥粒との接着力が弱いという欠点があり、さら
に研磨材砥粒が完全に硬い樹脂で被覆されている
ため研削時に砥粒による研磨効果が半減する上、
繊維の折れ曲げ抵抗性に比べ樹脂の折れ曲げ抵抗
性が極端に小さいため、研磨材料を屈曲状態で使
用する場合樹脂部に亀裂を生じ繊維から樹脂及び
研磨砥粒の脱落が大となる。また樹脂と砥粒の混
合スラリーをスプレーガンにより、ノズルより散
布する時はスラリーがノズルに詰る、いわゆるガ
ン詰りを生じ、研磨材料表面に砥粒の付着ムラを
生じる欠点がある。又上記樹脂と砥粒のスラリー
を浸漬又は噴霧法で適用する場合は、不織布研磨
材料に含有される研磨材砥粒の割合に限界があ
り、中研削、重研削の分野には使用し難く、さら
に不織布研磨材料の特徴である弾性も消失し、不
織布研磨材料がバウンドし破損に至る欠点を示
す。 次に、上記欠点を改良するために基材不繊布マ
ツトを合成ゴムでメーキングコートしたのち、不
織布マツトの両面に樹脂、砥粒混合スラリーの樹
脂配合割合を最小限に少なくして噴霧法によりサ
イズコートし乾燥後、ウレタン樹脂にてスーパー
サイズコートする方法が提案されているが、砥粒
―樹脂スラリーの適用が噴霧法によるため不織布
の表面部に砥粒が集中的に付着し易く、又噴出能
力及び作業性の点により不織布研磨材中の砥粒含
有割合に限界を生じ、矢張り中重研削分野には満
足できない欠点を持つている。 本発明は上記諸欠点を除去する不織布研磨材料
の製法に係り、嵩高不織布の繊維表面を合成ゴム
でメーキングコートを施し研削時に砥粒が受ける
せん断応力を吸収させるように処理したのち、フ
エノール、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂液に浸
漬被覆して、上記メーキングコート層を熱的破壊
より防ぎ、且つ、研磨砥粒を仮止めするサイズコ
ート層を設け、前記サイズコートした樹脂が湿潤
状態にある間に嵩高不織布の両面にそれぞれ研磨
材砥粒を振動篩い落し法、静電法等により散布
し、予備乾燥により砥粒の一部をサイズコート樹
脂層に仮止めし嵩高不織布内層の繊維表面まで均
一に砥粒を付着させた後、さらに研磨材砥粒とサ
イズコート樹脂との接着が良好で柔軟なポリウレ
タン樹脂液を含浸によりスーパーサイズコート層
として被覆せしめ乾燥、熱処理を施して不織布研
磨材料を形成するものである。 上記製法よりなる不織布研磨材料は砥粒が従来
の如く硬い熱硬化性樹脂で被覆されておらず、砥
粒の一部が熱硬化性樹脂のサイズコート層に投錨
して固定されるので、微少なる研磨砥粒の表面積
を有効に生かせ、又不織布繊維層の内層まで、ム
ラなく研磨材砥粒を付着させることができ非常に
研削性能を高めることが可能となつた。さらに研
磨材砥粒と熱硬化性樹脂との接着性は、前記両者
に対し接着力が良好で柔軟なるポリウレタン樹脂
で被覆したスーパーサイズコート層を形成するこ
とにより、研削開始直後短時間の内に砥粒面を露
出させ、しかも、砥粒下部周辺に於て砥粒を十分
に固着せしめているので、砥粒や樹脂が被研削物
の研削と同時に構成繊維共々適度に磨損し、常に
新しい研磨面を被研削物に対して与えることがで
きる。従つて、研削性能を長時間に亘つて発揮す
る不織布研磨材料の提供が可能になつた。 以下本発明の１実施例を図面に基いて詳細に説
明する。 実施例 第１図に示すように20d×38mmのポリアミド繊
維１をランドウエバー機により重さ150ｇ／m²ウ
エブを形成し、コンベアースクリーン上に誘導し
て、上部より下記樹脂結合剤配合液を噴霧により
散布して乾燥、加熱した後裏面も同様に処理して
樹脂結合剤２でウエブの繊維相互が交叉、接触す
る部分を結合して嵩高の不織布を形成する。 固形比 ポリビニールアルコール 100部 水溶性メラミン樹脂 100部 触媒（有機塩酸アミン） 10部 水 全固形分濃度 ３％ 繊維としては太さ10〜200デニールのポリアミ
ド、ポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン等
の化合成繊維や使用目的によつて動物毛、やし等
の天然繊維から適宜選択して使用する。噴霧した
結合剤の乾燥固形分付着量は表裏合わせて繊維に
対して５〜15ｇ／m²となるよう調節する。 次に、上記嵩高不織布を下記配合液に含浸し絞
りロールを通して乾燥固形分付着量が繊維に対し
て30ｇ／m²となるように絞つて乾燥する。 固形比 NBRラテツクス 100部 水溶性メラミン樹脂 10部 触媒（有機塩酸アミン） １部 水 全固形分濃度 20％ この合成ゴムラテツクスの適用により、上記嵩
高不織布の繊維表面を均一に被覆してメーキング
コート層３とし、弾性にすぐれた耐フエノール、
耐溶剤性の嵩高不織布を形成する。 次に、下記配合の熱硬化性樹脂液に浸漬し、乾
燥樹脂固形分付着量が繊維に対し100ｇ／m²とな
るように調節し、メーキングコート層の合成ゴム
結合剤上にフエノール樹脂のサイズコート層４を
形成する。 固形比 フエノール樹脂 100部 顔 料 １部 チキソ性不与剤 0.5部 溶 剤 全固形分濃度 50％ 尚上記メーキング層上りに対するフエノール樹
脂の乾燥固形分付着量は50〜100％の範囲が好ま
しい。このサイズコートした樹脂液は乾燥せず湿
潤状態のままで次に研磨材砥粒付与工程に移送
し、表面より研磨材砥粒５としてアランダムWA
＃240を用い500ｇ／m²、裏面より同じく500ｇ／
m²静電方式により散布、付着させた後、乾燥温度
100℃にて予備乾燥を行い乾燥後重量1290ｇ／m²
の不織布マツトを形成する。研磨材砥粒の散布割
合はフエノール樹脂に対し砥粒が１：１〜１：７
好ましくは１：３〜１：６の範囲で行われる。 上記研磨材砥粒を散布、付着させた不織布マツ
トはさらに下記配合樹脂液に浸漬し絞りロールを
通して乾燥固形分付着量が130ｇ／m²となるよう
に絞つて調節する。 固形比 ウレタン樹脂 100部 顔 料 １部 溶 剤 全固形分濃度 15％ 尚ウレタン樹脂の適用量は砥粒散布上りに対し
10〜30％の範囲が適当である。 上記ウレタンン樹脂の適用によつてサイズコー
ト層４と研磨材砥粒５の上を均一に被覆し、スー
パーサイズコート層６を形成する。このスーパー
サイズコート処理後そのまゝの状態で乾燥（100
℃）熱処理（140〜150℃）工程を経ることによつ
てシート状の不織布研磨材料が形成され、又スー
パーサイズコート処理後室温にて溶剤を除去した
後、湿潤状態のまゝ、積層又は巻き締めて乾燥、
加熱処理を施すことにより、成型不織布研磨材料
を製造することができる。 上記の製造工程を経て構成された不織布研磨材
料は第２図に示すように研削開始後短時間で研磨
材砥粒５表面を覆つているスーパーサイズコート
した柔軟なウレタン樹脂６の被膜を破つて砥粒の
頂面部が露出し、研削開始直後より均一な研削効
果が得られる。 比較のため実施例と同様にして製造した合成ゴ
ムメーキングコート上りの嵩高不織布にフエノー
ル樹脂と研磨砥粒との混合溶液を砥粒重量割合が
同じになるように噴霧付着せしめたのち、ウレタ
ン樹脂でスーパーサイズコートを行つて実施例と
同じ重量の不織布研磨材料を作り、実施例ならび
に比較例で得た製品をそれぞれ内径２５mmφ、外
径150mmφに打ち抜き、各々３枚づつ重ね合わせ
て内径部をフランジで締めつけ、回転数2000r.p.
m 圧力25Kg／cm²で、被研削物としてSUS304（厚
さ10mm）を用いて研削し、比較試験を行つた結果
を表に示す。

【表】 被研削物減量(g)
研削比＝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 10〜200デニールの合成繊維で形成する繊維
   層の繊維が相互に交絡、接触する部分を合成樹脂
   結合剤の散布により結合して予め嵩高不織布を形
   成し、該嵩高不織布の構成繊維表面にゴムラテツ
   クスを被覆してメーキング層を設けたのち、フエ
   ノール樹脂、エポキシ樹脂或いは上記両者の混合
   樹脂液に含浸してサイズコート層を形成し、上記
   サイズコート層が未乾燥の湿潤状態にある間に研
   磨材砥粒を散布によりサイズコート層に付着せし
   め乾燥工程を経た後、次にウレタン樹脂の含浸又
   は塗布により上記砥粒表面上より被覆するスーパ
   ーサイズコートを施し、引続き乾燥、熱処理を行
   つて研磨材砥粒群を固定せしめることを特徴とす
   る不織布研磨材料の製造方法。