JPS63186036A - 等速自在継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、主として前輪駆動式の自動車に適用される
等速自在継手に関し、特にトリボード型等速自在継手に
関するものである。

〔従来の技術およびその問題点〕

この種、従来の等速自在挙手として、例えば第１０図に
示すように、外輪１の内面に軸方向の３本の円筒形トラ
ック溝２を形成し、その外輪１の内側に配置したトリボ
ード部材３に半径方向の脚軸４を突設し、各脚軸４の外
側に球面ローラ５を回転可能に、且つ軸方向にスライド
可能に嵌合し、その球面ローラ５を上記トラック溝２の
両側のローラ案内面６に係合されたものが知られている
。

上記トリボード型等速自在継手において、外輪１とトリ
ボード部材３とが作動角をとる状態で回動力を伝達する
場合を考えると、各球面ローラ５と円筒形トラック溝２
のローラ案内面６とは、第１０図及び第１１図に示すよ
うに互いに斜交する関係となり、球面ローラ５に正しい
転がり運動をさせることはできない。

即ち、球面ローラ５は第１０図の矢印イで示す方向に転
がり移動しようとするのに対し、トラック溝２は円筒形
であって、外輪１の軸芯に平行であるため、球面ローラ
５はトラック溝２に拘束されながら移動することになる
。この結果トランク溝２のローラ案内面６と球面ローラ
５相互間において、滑りが生じて発熱し、更にこの滑り
が軸方向のスラスト力を誘起し、振動発生の原因となる
。

第１２図は継手の位相角と誘起スラスト力との関係を示
すグラフである。

この誘起スラスト力発生のメカニズムを第９図によって
説明する。

第９図は外輪１とトリボード部材３が作動角をとる状態
で回動力を伝達する場合の各部材の位置関係を示す。

継手が回転すると、トリボード部材３の脚軸４に嵌合さ
れた球面ローラ５が外輪ローラ案内面６に拘束されなが
ら外輪軸方向に往復運動を繰り返す。このとき３個の各
球面ローラ５は第９図に示す如く、点Ｐから点Ｐ′、点
Ｑから点Ｑ′、点Ｒから点Ｒ′へとそれぞれ摺動し、次
いでその反対方向へと方向を変え、継手１回転でローラ
案内面６上を１往復する。このような運動をするローラ
案内面６と球面ローラ５間で、動力伝達継手として当然
のことながら作用している接触力により、軸方向にスラ
スト力を誘起する。

継手回転時にそれぞれの球面ローラ５によって発生する
スラスト力の方向及びその大きさは回転位相によって変
動し、第９図に示す如く２個の球面ローラ５は、外輪１
の左方向に、又１個の球面ローラ５は右方向に夫々引張
り、圧縮のスラスト力を誘起させる。

このように３個の球面ローラ５により発生するスラスト
力の総和は第１２図に示すように継手１回により３回の
周期をもって正逆変動し、その変動の振幅が大きいこと
により、自動車に種々の振動問題を発生させている。

〔目的〕

この発明は、従来のトリボード型等速自在継手の問題点
を解決し、自在継手の誘起スラスト力を軽減することに
より、振動の発生を防止することを技術的課題としてい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の課題を解決するため、この発明は、トリボード部
材の脚軸に回転自在に挿嵌されるローラを内側リングと
外側リングとで構成し７、前記両リングを、内側リング
に形成した球面状外周面と外側リングに形成した円筒状
内周面とで接触案内し、かつ外側リングが、外輪のロー
ラ案内面によって外輪の軸線と平行に案内される外′周
面を有する。

〔作用〕

上記の構成から成る等速自在継手は、外側リングが外輪
の軸方向に形成したトラック溝の方向に正しく転動する
ことにより、滑り抵抗を軽減でき継手の誘起スラスト力
を軽減できる。

〔実施例〕

以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて説明する
。

第１図乃至第５図は第１の実施例を示す。外輪１０は従
来の場合と同様に閉鎖端に第１軸１１が一体に設けられ
、また内周面に軸方向の３本のトラック溝１２が中心軸
のまわりに１２０度の間隔をおいて形成されている。各
トラック溝１２は、両側に二つのローラ案内面１３を有
している。

外輪１０の内部に挿入されるトリボード部材１５は、第
２軸１６の一端に形成したセレーション１７に形成され
ると共に、段部１８とクリップ１９との間で抜は止め状
態に保持される。このトリボード部材１５は、３本の脚
軸２０を有し、この脚軸２０のまわりに嵌合した内側リ
ング２１及び外側リング２２からなるローラは、回転自
在に支持されている。

内側リング２１は、転動体２３を介して、脚軸２０上に
嵌合し、脚軸２０の軸方向には、移動しないようにトリ
ボード部材１５の肩部２６及びクリップ２７により保持
されている。内側リング２１の外周には球面状外周面２
４が形成され、外側リング２２が外嵌されており、外側
リング２２の外周にはローラ案内面１３によって案内さ
れる球面状外周面２５が形成されている。また内周には
円筒状内周面２８が形成してあり、内側リング２１と外
側リング２２は球面状外周面２４と円筒状内周面２８と
によって接触案内されている。

第３図は、第１の実施例において、継手が作動角をとっ
た状態を示すもので、内側リング２１は外側リング２２
に対して傾斜し、かつ、外側リング２２の円筒状内周面
２８の中で下方へ相対移動する。これにより両リング２
１．２２の相対移動を吸収する。外側リング２２は外輪
１０のローラ案内面１３によって外輪１０の軸線と平行
に案内され、外側リング２２はローラ案内面１３上を正
しく転勤し、滑り抵抗が軽減される。

第４図は、内側リング２１と外側リング２２との＋Ｈ対
移動を説明するための図である。作動角をとらない時の
トリボード部材１５の中心Ａであり、Ａは外輪１０の軸
線Ｘ上にある。また、外側リング２２は、ローラ案内面
１３の中心線Ｂと一致しており、かつ、内側リング２１
の中心Ｃもローラ案内面１３の中心線Ｂ上にある。作動
角θをとると、トリボード部材１５の中心ＡはＡ′点に
移動し、軸線Ｘより下側にずれる。この結果、内側リン
グ２１は、外側リング２２に対して、傾斜すると共に、
内側リング２１の中心Ｃは外側リング２２の中心面より
下方の位置Ｃ′へ相対移動する。

上記の相対移動は、外側リング２２の円筒状内周面２８
上を内側リング２１の球面状外周面２４が転がりながら
移動するような格好になり、移動は滑らかである。

第５図は、ローラ案内面１３、外側リング２２及び内側
リング２１の接触状態を示す横断面図である。内側リン
グ２１の球面状外周面２４の曲率半径Ｒ１及び外側リン
グ２２の球面状外周面２５の曲率半径Ｒ２の中心は共に
脚軸２０の軸線上に位置する。外輪１０のローラ案内面
１３は、外側リング２２の球面状外周面２５の曲率半径
Ｒ２よりも大きい、曲率の２つの円筒面２９．３０で構
成されており、外側リング２２の球面状外周面２５はロ
ーラ案内面１３と２点り、Ｅでアンギュラ−・コンタク
トしている。このアンギュラ−・コンタクトにより、外
側リング２２は、外輪１０の軸線に平行に案内される。

尚、ローラ案内面１３の中央部はグリース溜まりとして
有効である。

第６図は、第２の実施例を示す図であり、ローラ案内面
１３ａの形状及び外側リング２２ａの外周面が第１の実
施例と異なるだけで、他の構成は第１実施例と同じであ
る。

ローラ案内面１３ａは、角度をもって配置された２つの
平面３１．３２とで構成され、これに対応して、外側リ
ング２２ａの外周面は２つ円錐面３３．３４で形成され
ている。外側リング２２ａは、ローラ案内面１３ａの２
つの平面３１．３２と外側リング２２０円錐面３３．３
４の接触により、外輪１０の軸線に対して平行に案内さ
れる。

第７図は、第３の実施例を示す。この実施例の場合も、
第１の実施例と比べ、ローラ案内面１３ｂの形状及び外
側リング２２ｂの外周面の形状が異なるだけである ローラ案内面１３ｂは、平面で形成されており、その両
側に肩部３５．３６が形成されている。外側リング２２
ｂの外周には円筒面３７が形成されており、両肩部３５
．３６によって両端が案内され、これにより外輪１０の
軸線に平行に転勤される。

第８図は、第４の実施例を示す。この実施例の場合、外
側リング２２Ｃの外周には第１の実施例と同様に球面状
外周面２５Ｃが形成されている。

その曲率半径Ｒ１は第１の実施例の場合の曲率半径Ｒ７
より小さく、脚軸２０の中心とローラ累内面１３Ｃ間の
距離の約４０％に設定される。

ローラ案内面１３ｃは上記の曲率半径Ｒ１よりも大きい
曲率の２つの円筒面２９Ｃ１３０Ｃで構成されており、
外側リング２２Ｃの球面状外周面２５Ｃは約２０度の接
触角αをもって２点Ｆ、Ｇでアンギュラ−・コンタクト
している。

また、外側リング２２Ｃの幅は内側リング２１の幅より
小さく形成されている。このように形成すると、上記の
各実施例の場合より外輪１０の外径を小さく抑えること
ができる。また、ローラ案内面１３ｃのトラック溝１２
側のコーナ部には、外側リング２２Ｃに沿って突出した
肩部３８が形成され、これにより外側リング２２Ｃの大
きな振れを規制する。

（効果） 以上のような構成にしたので、この発明は下記のような
効果を有する。

（イ）外側リングがローラ案内面の軸線方向に正しく転
動するので、滑り抵抗が低く、発熱及び誘起スラスト力
による振動を軽減できる。

（切　外側リングと内側リングとの間の接触が円筒状内
周面と球面状外周面との接触であるため、作動角をとっ
たときの両リングの相対移動及び継手の屈曲作動がいず
れも滑らかであり、内部の摩擦及び発熱も少ない。

（ハ）　内側リング及び外側リングは形状が簡単であり
、加工が容易で安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る等速自在継手の第１の実施例を
示す縦断側面図、第２図は、同上の横断面図、第３図は
継手が作動角をとったときの縦断面、第４図は、作動角
をとったときの内側リング及び外側リングの相対移動説
明図、第５図は、第１の実施例の一部拡大横断面図、第
６図は第２の実施例の一部拡大横断面図、第７図は、第
３の実施例の一部拡大横断面図、第８図は、第４の実施
例の一部拡大横断面間、第９図は、従来の継手の作動説
明図、第１０図は従来の継手を示す縦断側面図、第１１
図は同上の球面ローラの転がり状態を示す斜視図、第１
２図は、各脚軸に於ける合成された誘起スラスト力を示
すグラフである。 １０・・・・・・外輪、１２・・・・・・トランク溝、
１３．１３ａ、１３ｂ、１３ｃ・・・・・・ローラ案内
面、１５・・・・・・トリボード部材、２１・・・・・
・内側リング、２２．２２ａ、２２ｂ、２２ｃ・・・・
・・外側リング。 特許出願人　エヌ・チー・エヌ東洋ベアリング株式会社
同　代理人　鎌　　　１）　　文　　　−Ｗ−１０図 第１１図 第１２図 □継手位相角（ｄｅｇ） １、事件の表示 昭和６２　年持許願第２１６１３　　号３、補正をする
者 事件との関係　特許出願人 住所　　　　大阪市西区京町堀１丁目３番１７号氏名（
名称）　エヌ・チー・エヌ東洋ベアリング株式会社電話
大阪０６　（６３１）　００２１１代表）別紙のとおり
図面の第４図、第８図及び第９図を訂正します第４図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 外輪に軸方向の３本のトラック溝を形成し、外軸の内側
   にトリボード部材を挿入し、該トリボード部材の３本の
   脚軸にローラを回転自在に挿嵌し、該ローラを前記トラ
   ック溝の外輪軸方向のローラ案内面に挿入した等速自在
   継手において、上記ローラを内側リングと外側リングと
   で構成し、前記両リングを、内側リングに形成した球面
   状外周面と外側リングに形成した円筒状内周面とで接触
   案内し、かつ、外側リングが、上記外輪のローラ案内面
   によって外輪の軸線と平行に案内される外周面を有する
   ことを特徴とする等速自在継手。