JP2000291677A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

トリポード型等速自在継手

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JP2000291677A
JP2000291677A JP11100561A JP10056199A JP2000291677A JP 2000291677 A JP2000291677 A JP 2000291677A JP 11100561 A JP11100561 A JP 11100561A JP 10056199 A JP10056199 A JP 10056199A JP 2000291677 A JP2000291677 A JP 2000291677A
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velocity universal
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JP11100561A
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Tetsuo Kadota
哲郎 門田
Kenta Yamazaki
健太 山崎
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリポード型等速自在継手をより低振動のも
のにする。 【解決手段】 内周の円周方向三等分位置に軸方向に延
びるトラック溝12を形成した外輪10と、円周方向三等分
位置に半径方向に突出した脚軸22を有するトリポード部
材20と、各脚軸22に針状ころ32を介して回転可能に取り
付けられ外輪10のトラック溝12内に収容されたローラ4
0;42,44とを備え、前記ローラがその外周面にて外輪10
のローラ案内面14によって案内されるようにしたトリポ
ード型等速自在継手であって、針状ころ32の長さを脚軸
22の直径の1/2以下に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や各種産業
機械において動力伝達用に用いられる等速自在継手、よ
り詳しくは、トリポード型の等速自在継手に関する。
【0002】
【従来の技術】トリポード型等速自在継手は、図17
(A)に示すように、駆動側と従動側の二軸のうちの一
方の軸と結合される外輪(1)と、他方の軸と結合され
るトリポード部材(3)とで構成される。外輪(1)は
内周の三等分位置に軸方向に延びる部分円筒形のトラッ
ク溝(2)を備え、トリポード部材(3)は円周方向の
三等分位置に半径方向に突出した脚軸(4)を備えてい
る。そして、トリポード部材(3)の脚軸(4)に複数
の針状ころ(7)を介して球面ローラ(5)を回転自在
に取り付け、この球面ローラ(5)を外輪(1)のトラ
ック溝(2)内に収容させることにより、外輪(1)と
トリポード部材(3)との間でトルクの伝達を行なわせ
る。駆動軸と従動軸とが角度をなしていても両者の等速
性を維持し、かつ、軸方向の相対変位(プランジング)
を許容することができる。
【0003】図19に示すように、トリポード部材
(3)の脚軸(4)に取り付ける球面ローラを内側ロー
ラ(8)と外側ローラ(9)との組合せで構成した二段
ローラタイプのトリポード型等速自在継手も知られてい
る(特公平3−1529号公報、特開平9−14280
号公報)。内側ローラ(8)は球面状の外周面を有し、
その外周に配置された外側ローラ(9)は、円筒形の内
周面にて内側ローラ(8)の球面状外周面と線接触して
いる。外側ローラ(9)の外周面は球面状で、外輪
(1)のトラック溝(2)の円周方向で向かい合った側
壁に形成されたローラ案内面(6)に案内される。そし
て、内側ローラ(8)の球面状外周面と外側ローラ
(9)の円筒形内周面とが線接触しているため、内側ロ
ーラ(8)と外側ローラ(9)とは、相対回転、軸方向
の相対移動、および、首振り運動(揺動変位)が可能な
関係にある。したがって、継手が作動角をとった状態で
トルクを伝達するときでも、外側ローラ(9)の姿勢が
外輪(1)の軸線と平行に保たれ、外側ローラ(9)が
円滑に転動することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図17(A)の従来構
造では、外輪(1)とトリポード部材(3)とが作動角
をとった状態でトルクを伝達する場合を考えると、各球
面ローラ(5)と円筒形トラック溝(2)のローラ案内
面(6)とは、図17(B)に示すように互いに斜交す
る関係となり、球面ローラ(5)に正しい転がり運動を
させることはできない。すなわち、球面ローラ(5)は
図17(A)の矢印(a)で示す方向に転がり移動しよ
うとするのに対し、トラック溝(2)のローラ案内面
(6)が外輪(1)の軸線に平行な部分円筒形であるた
め、球面ローラ(5)はローラ案内面(6)に拘束され
ながら移動することになる。その結果、球面ローラ
(5)とローラ案内面(6)の相互間において、滑りが
生じて発熱し、さらにこの滑りが軸方向の力(スラス
ト)を誘起し、振動発生の原因となる。
【0005】かかる誘起スラスト発生のメカニズムを図
18(A)〜(C)に従って説明すると次のとおりであ
る。ここで、図18(A)は外輪(1)とトリポード部
材(3)が作動角をとった状態でトルクを伝達する場合
の各部材の位置関係を図解したものであり、図18
(B)はそれをさらに模式化して表わしたものである。
また、図18(C)は、横軸に継手の位相角をとり、縦
軸に誘起スラストをとったグラフであり、各脚軸(4)
における誘起スラストを合成した誘起スラストを示して
いる。
【0006】図18(A)の状態から継手が回転する
と、トリポード部材(3)の脚軸(4)に取り付けられ
た球面ローラ(5)が外輪(1)のローラ案内面(6)
に拘束されながら外輪軸方向に往復運動を繰り返す。こ
のとき、三つの球面ローラ(5)はそれぞれ、図18
(B)に示すように、点Pから点P’へ、点Qから点
Q’へ、点Rから点R’へと摺動し、次いでその反対方
向へと方向を変え、継手の1回転でローラ案内面(6)
上を一往復する。このような運動をする球面ローラ
(5)とローラ案内面(6)間で、動力伝達継手として
当然のことながら作用している接触力により、軸方向に
スラストを誘起する。
【0007】継手回転時にそれぞれの球面ローラ(5)
によって発生するスラストの方向および大きさは回転位
相によって変動し、図18(C)に示すように、二つの
球面ローラ(5)は外輪(1)の左方向に、他の一の球
面ローラ(5)は右方向にそれぞれ引張り、圧縮のスラ
ストを誘起させる。このように3個の球面ローラ(5)
によって発生するスラストの総和は図18(C)に示す
ように継手1回転の間に3回の周期をもって正逆変動
し、その変動の振幅が大きいことにより、自動車の種々
の振動問題の原因となる。
【0008】図19に示される従来構造は、脚軸(4)
に取り付ける球面ローラを内側ローラ(8)と外側ロー
ラ(9)の組合せで構成したことにより、単一の球面ロ
ーラ(5)を用いたものと比較して、外輪(1)とトリ
ポード部材(3)とが作動角をとった状態でトルクを伝
達する際の誘起スラストが低減するという利点がある。
本発明は、かかる誘起スラストを一層低減させ、より振
動の少ないトリポード型の等速自在継手を提供すること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内周
の円周方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝を形
成した外輪と、円周方向三等分位置に半径方向に突出し
た脚軸を有するトリポード部材と、各脚軸に針状ころを
介して回転可能に取り付けられ外輪のトラック溝内に収
容されたローラとを備え、前記ローラがその外周面にて
外輪のローラ案内面によって案内されるようにしたトリ
ポード型等速自在継手において、上記針状ころの長さを
脚軸の直径の1/2以下としたことを特徴とする。
【0010】針状ころの長さを短くすることにより誘起
スラストが低下することが判明したが、これは、スキュ
ー発生時の抵抗自体が小さいためと解される。ただし、
針状ころの長さが短くなるにつれて負荷容量が低下する
ため、針状ころの長さの下限は負荷容量との関係で定め
るべきものである。好ましい範囲を例示するならば、脚
軸の直径の1/4以上1/2以下の範囲である。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載のトリ
ポード型等速自在継手において、上記ローラを内側ロー
ラと外側ローラとで構成し、内側ローラの外周面と外側
ローラの内周面とを線接触させたことを特徴とする。
【0012】請求項3の発明は、請求項2に記載のトリ
ポード型等速自在継手において、内側ローラを脚軸の軸
線上に曲率中心をもつ球体とし、外側ローラの内周面を
円筒形としたことを特徴とする。
【0013】請求項4の発明は、請求項2に記載のトリ
ポード型等速自在継手において、内側ローラを脚軸の軸
線上から半径方向に離れた位置に曲率中心をもつ偏平化
した回転楕円体形状とし、外側ローラの内周面を円筒形
としたことを特徴とする。
【0014】請求項5の発明は、請求項2に記載のトリ
ポード型等速自在継手において、内側ローラを脚軸の軸
線上に曲率中心をもつ球体とし、外側ローラの内周面を
継手の外径側に向かって縮径した円錐面としたことを特
徴とする。
【0015】請求項6の発明は、請求項2に記載のトリ
ポード型等速自在継手において、内側ローラを脚軸の軸
線上から半径方向に離れた位置に曲率中心をもつ偏平化
した回転楕円体形状とし、外側ローラの内周面を継手の
外径側に向かって縮径した円錐面としたことを特徴とす
る。
【0016】請求項7の発明は、請求項3乃至6のいず
れかに記載のトリポード型等速自在継手において、外側
ローラの外周面とローラ案内面とがアンギュラコンタク
トすることを特徴とする。
【0017】請求項8の発明は、請求項3乃至7のいず
れかに記載のトリポード型等速自在継手において、外側
ローラの脚軸先端側の端面と外輪とが非接触であること
を特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。なお、本発明は、図17(A)に関
連して既述した単一の球面ローラを用いるタイプのもの
にも適用することができるが、ここでは二段ローラタイ
プに適用した実施の形態について詳述する。
【0019】まず、図2に示す全体構成を説明すると、
トリポード型等速自在継手は、連結すべき駆動側および
従動側の二軸のうちの一方の軸と結合する外輪(10)
と、他方の軸と結合するトリポード部材(20)とを主要
な構成要素としている。外輪(10)は一端が開口し他端
が閉塞した略円筒カップ状を呈しており、内周の三等分
位置に軸方向に延びるトラック溝(12)を備えている。
各トラック溝(12)の円周方向で向かい合った側壁にロ
ーラ案内面(14)が形成されている。トリポード部材
(20)は、連結すべき二軸のうちの他方の軸と結合する
ためのセレーション孔またはスプライン孔(28)を有
し、円周方向の三等分位置に半径方向に突出した脚軸
(22)を備えている。各脚軸(22)はローラアセンブリ
(40)を担持しており、このローラアセンブリ(40)が
外輪(10)のトラック溝(12)内に収容される。
【0020】ローラアセンブリ(40)まわりの構成につ
いて述べると、図1に示すように、トリポード部材(2
0)の脚軸(22)の円筒形外周面(24)に針状ころ(3
2)を配列し、その針状ころ列の外周に、内側ローラ(4
2)と外側ローラ(44)とからなるローラアセンブリ(4
0)が位置する。針状ころ(32)および内側ローラ(4
2)の抜け出しと軸方向移動を防止するため、針状ころ
(32)および内側ローラ(42)の両端側にワッシャ(3
4,36)を配置し、脚軸(22)の先端部に形成した環状
溝(26)に止め輪(38)を装着してある。また、継手内
径側のワッシャ(34)と脚軸(22)の基端部の肩との間
に間座(33)を介在させてある。なお、この継手内径側
の間座(33)は図2以降では簡略のため図示を省略して
ある。針状ころ(32)はその両端面にてワッシャ(34ま
たは36)と接するが、スキューをできるだけ抑制するう
えでも針状ころ(32)の端面は平坦面とするのが好まし
い。針状ころ(32)の長さは脚軸(22)の直径の1/2
以下とする。実施例を挙げるならば次のとおりである。
【0021】脚軸(22)の直径D=17.868 mm 針状ころ(32)の長さL=7.8 mm L/D=0.44 内側ローラ(42)の内周面は円筒形であって針状ころ
(32)の外側軌道面となる。脚軸(22)の円筒形外周面
(24)が針状ころ(32)の内側軌道面となる。つまり、
針状ころ(32)は脚軸(22)の円筒形外周面(24)と内
側ローラ(42)の円筒形内周面との間に転動可能に介在
している。内側ローラ(42)の外周面は球面状である。
ここでは、内側ローラ(42)の外周面の母線が脚軸(2
2)の軸線上に曲率中心(O1)をもった半径R1の凸円弧
である場合を例示してある。この点は後述する図5〜図
8の実施の形態と同じである。内側ローラ(42)の形状
は、このような球体(厳密には脚軸方向の両端部をカッ
トした部分球体)とするほか、たとえば後述する図9〜
図14の実施の形態のように、脚軸(22)の軸線上から
半径方向に離れた位置に曲率中心をもつ偏平化した回転
楕円体形状とすることもできる。
【0022】外側ローラ(44)は内側ローラ(42)に外
嵌し、内側ローラ(42)の外周面と外側ローラ(44)の
内周面とが線接触している。したがって、内側ローラ
(42)と外側ローラ(44)とは、相対回転自在で、か
つ、角度変位および軸方向変位が可能である。外側ロー
ラ(44)の外周面は球面状の凸曲面であって、ここで
は、その母線が脚軸(22)の軸線から半径方向に離れた
位置に曲率中心(O2)をもった半径R2の凸円弧である場
合を例示してある。この点は後述する図9〜図14の実
施の形態と同じである。
【0023】外側ローラ(44)はその外周面にて外輪
(10)のローラ案内面(14)と接している。外側ローラ
(44)は、外輪(10)の軸方向に移動する際、その外周
面にて外輪(10)のローラ案内面(14)によって案内さ
れる。ローラ案内面(14)の断面形状は、ここでは、二
球面(ゴシックアーチ)形状として外側ローラ(44)の
球面状外周面とアンギュラ・コンタクトする場合を例示
してある。この点は後述する図5、8、9〜14の実施
の形態と同じである。
【0024】上述の構成のトリポード型等速自在継手に
おいては、図3に示すように継手が作動角をとった状態
でトルクを伝達するとき、脚軸(22)とローラ案内面
(14)との角度変位は内側ローラ(42)と外側ローラ
(44)との間の角度変位によって許容され、また、相対
位置の変化は内側ローラ(42)と外側ローラ(44)との
間の軸方向変位によって許容される。より詳しく述べる
と、内側ローラ(42)が外側ローラ(44)に対して傾斜
し、かつ、外側ローラ(44)の円筒状内周面の中で下方
へ相対移動する。これにより、両ローラ(42,44)の相
対移動を吸収する。外側ローラ(44)は外輪(10)のロ
ーラ案内面(14)によって外輪(10)の軸線と平行に案
内され、外側ローラ(44)はローラ案内面(14)上を正
しく転動し、滑り抵抗が軽減される。
【0025】図4は内側ローラ(42)と外側ローラ(4
4)との相対移動を説明するための略図である。作動角
をとらないときのトリポード部材(20)の中心(A)は
外輪(10)の軸線(X)上にある。また、外側ローラ
(44)は、ローラ案内面(14)の中心線(B)と一致し
ており、かつ、内側ローラ(42)の中心(C)もローラ
案内面(14)の中心線(B)上にある。作動角(θ)を
とると、トリポード部材(20)上の中心(A)はA’点
に移動し、軸線(X)より下側にずれる。この結果、内
側ローラ(42)が外側ローラ(44)に対して傾斜すると
ともに、内側ローラ(42)の中心(C)が外側ローラ
(44)の中心面より下方の位置(C’)へと相対移動す
る。上記の相対移動は、外側ローラ(44)の円筒状内周
面上を内側ローラ(42)の球面状外周面が転がりながら
移動するような格好になり、移動は滑らかである。
【0026】図5〜図8に、外側ローラ(44)とローラ
案内面(14)との接触状態に関する種々の実施の形態を
示す。
【0027】図5に示す実施の形態では、内側ローラ
(42)の球面状外周面の曲率半径R1および外側ローラ
(44)の球面状外周面の曲率半径R2の中心は共に脚軸
(22)の軸線上に位置する。外輪(10)のローラ案内面
(14)の断面形状は、外側ローラ(44)の球面状外周面
の曲率半径R2よりも大きい曲率の二つの円弧(ゴシック
アーチ)で構成されており、外側ローラ(44)の球面状
外周面がローラ案内面(14)と二点(D,E)でアンギ
ュラ・コンタクトしている。このアンギュラ・コンタク
トにより、外側ローラ(44)は外輪(10)の軸線に平行
に案内される。なお、ローラ案内面(14)の中央部に形
成されるすきまはグリース溜まりとして有効である。
【0028】図6に示す実施の形態は、図5の実施の形
態と比べて、ローラ案内面(14a)の形状および外側ロ
ーラ(44a)の外周面が異なるだけで他の構成は同じで
ある。ローラ案内面(14a)は角度をもって配置された
二つの平面で構成され、これに対応して、外側ローラ
(44a)の外周面は二つの円錐面で形成されている。ロ
ーラ案内面(14a)の二つの平面と外側ローラ(44a)
の円錐面の接触により、外側ローラ(44a)が外輪(1
0)の軸線に対して平行に案内される。
【0029】図7に示す実施の形態も、図5の実施の形
態と比べ、ローラ案内面(14b)の形状および外側ロー
ラ(44b)の外周面の形状が異なるだけである。ローラ
案内面(14b)は平面で形成されており、その上下両縁
に肩部が形成されている。外側ローラ(44b)の外周面
は円筒形で、その両端にて上記肩部に案内され、これに
より外輪(10)の軸線に平行に転動案内される。
【0030】図8に示す実施の形態では、外側ローラ
(44)の外周に図5の実施の形態と同様に球面状外周面
が形成されている。その曲率半径(R3)は図5の実施の
形態における曲率半径(R2)より小さく、脚軸(22)の
軸線とローラ案内面(14)との間の距離の約40%に設
定される。ローラ案内面(14)の断面形状は二つの円弧
(ゴシックアーチ)で構成されており、外側ローラ(4
4)の球面状外周面は約20度の接触角(α)をもって
二点(F,G)でアンギュラ・コンタクトしている。ま
た、外側ローラ(44)の幅は内側ローラ(42)の幅より
小さく形成されている。このように形成すると、外輪
(10)の外径を小さく抑えることができる。また、ロー
ラ案内面(14)の外輪外径側のコーナー部には、外側ロ
ーラ(44)に沿って突出した鍔部(16)が形成され、こ
れにより外側ローラ(44)の大きな振れを規制するよう
になっている。
【0031】図9〜図14に、内側ローラ(42)と外側
ローラ(44)の接触状態に関する種々実施の形態を示
す。
【0032】図9に示す実施の形態では、内側ローラ
(42)の内周面は円筒面、外周面は球面である。外周面
の母線は、内側ローラ(42)の半径中心(O)から所定
量だけ外径側にオフセットした点(O1)を曲率中心とす
る半径R1の円弧であり、その母線半径(R1)は外周面の
最大半径(R)よりも小さい。外側ローラ(44)の内周
面は脚軸(22)の先端側に向かって縮径した円錐面であ
り、内側ローラ(42)の外周面と線接触し、これによ
り、両者の間の相対的な揺動変位が許容される。内周面
の円錐角は、たとえば0.1度〜3度程度にするとよ
い。外側ローラ(44)の外周面の母線は、点O3を曲率中
心とする半径R3の円弧である。外輪(10)のローラ案内
面(14)は略V字形状または二球面形状(ゴシックアー
ク形状)で描かれているが、図8の実施の形態とは異な
り、その外径側部分に鍔部は存在しない。そのため、ロ
ーラ案内面(14)は外側ローラ(44)の外周面と2点
(p、q)でアンギュラ・コンタクトするが、外側ロー
ラ(44)の脚軸先端側の端面とは接触しない。
【0033】この実施の形態では、外輪(10)のローラ
案内面(14)が、外側ローラ(44)の外周面と二点
(p、q)でアンギュラ・コンタクトし、かつ、外側ロ
ーラ(44)の脚軸先端側の端面が外輪(10)と接触しな
いので、外輪(10)とトリポード部材(20)とが作動角
をとりつつトルクを伝達する際、内側ローラ(42)の揺
動変位に追随して外側ローラ(44)に傾きが生じた場合
でも、その端面と外輪(10)との間に接触応力が発生し
ない。そのため、従来構成に比べ、軸方向のスライド抵
抗が軽減され、誘起スラストが低減される。
【0034】また、外側ローラ(44)の内周面が脚軸先
端側に向かって縮径した円錐面であるので、図9(B)
に示すように、外側ローラ(44)の内周面と内側ローラ
(42)の外周面との接触部分(S)に、外側ローラ(4
4)を脚軸先端側に向かって押圧する負荷分力(F)が
発生する。この負荷分力(F)によって、外輪(10)の
非負荷側のローラ案内面(14)において、内径側の接触
部分(図に示す部分)に発生する接触応力が軽減され
る。そのため、従来構成に比べ、軸方向のスライド抵抗
が軽減され、誘起スラストが低減される。
【0035】さらに、内側ローラ(44)の外周面の母線
半径(R1)が最大半径(R)よりも小さいので、内側ロ
ーラ(42)の外周面と外側ローラ(44)の内周面との接
触部分(S)における接触楕円が小さくなり、接触部分
(S)の摩擦抵抗が減少する結果、特に、作動角付与時
における外側ローラ(44)の傾きが抑制される。そのた
め、従来構成に比べ、軸方向スライド抵抗が軽減され、
誘起スラストが低減される。
【0036】図10に示す実施の形態は、外側ローラ
(44)の脚軸先端側部分を幅方向に拡張したものであ
る。外側ローラ(44)の外周面はその球面中心Hに非対
称形状である。外輪(10)のローラ案内面(14)の外径
側部分に鍔部が存在しないので、外側ローラ(44)の脚
軸先端側部分を幅方向に拡張しても、外側ローラ(44)
の脚軸先端側の端面は外輪(10)とは接触しない。その
他の構成は図9の実施の形態と同様である。したがっ
て、この実施の形態においても、図9の実施の形態の場
合と同様にして誘起スラストが低減され、さらに、外側
ローラ(44)の脚軸先端側部分が幅方向に拡張されてい
ることにより、外側ローラ(44)がトラック溝(14)に
沿って軸方向にスライド移動する時、外側ローラ(44)
が内側ローラ(42)に追随して揺動変位しようとする際
の外側ローラ(44)の傾きが抑制されるので、誘起スラ
ストの低減がより一層効果的に達成される。
【0037】図11に示す実施の形態は、外側ローラ
(44)の内周面を、内側ローラ(42)の外周面の母線中
心(O1)に対して、内側ローラ(42)の半径中心(O)
を挟んだ外径側でかつ脚軸(22)の基端側にオフセット
した点(O4)を母線中心とする母線半径R4の凹球面にし
たものである。外側ローラ(44)の内周面がこのような
凹球面であるので、この内周面と内側ローラ(42)の外
周面との接触部分に、外側ローラ(44)を脚軸先端側に
向かって押圧する負荷分力が発生する。
【0038】図12に示す実施の形態は、外側ローラ
(44)の内周面を、内側ローラ(44)の外周面の母線中
心(O1)に対して、外側ローラ(44)の外周面を挟んだ
外径側でかつ脚軸(22)の先端側にオフセットした点
(O5)を母線中心とする母線半径R5の凸球面にしたもの
である。外側ローラ(44)の内周面がこのような凸球面
であるので、この内周面と内側ローラ(42)の外周面と
の接触部分に、外側ローラ(44)を脚軸先端側に押圧す
る負荷分力が発生する。
【0039】図13に示す実施の形態は、外側ローラ
(44)の内周面を、脚軸先端側に向かって縮径した円錐
面と、内側ローラ(42)の外周面の母線中心(O1)に対
して、外側ローラ(44)の外周面を挟んで外径側にオフ
セットした点(O6)を母線中心とする凸状部分球面とで
合成したものである。円錐面は脚軸先端側に位置し、凸
状部分球面は脚軸基端側に位置し、両者は滑らかに連続
している。外側ローラ(44)の内周面がこのような合成
面であるので、この内周面と内側ローラ(42)の外周面
との接触部分に、外側ローラ(44)を脚軸先端側に向か
って押圧する負荷分力が発生する。
【0040】図14に示す等速自在継手は、外側ローラ
(44)の内周面を、円筒面と、内側ローラ(42)の外周
面の母線中心(O1)に対して、外側ローラ(44)の外周
面を挟んで外径側にオフセットした点(O6)を母線中心
とする部分凸球面とで合成したものである。円筒面は脚
軸先端側に位置し、部分凸球面は脚軸基端側に位置し、
両者は滑らかに連続している。外側ローラ(44)の内周
面がこのような合成面であるので、この内周面と内側ロ
ーラ(42)の外周面との接触部分に、外側ローラ(44)
を脚軸先端側に向かって押圧する負荷分力が発生する。
【0041】
【発明の効果】本発明の効果を検証するため、図19の
従来の継手と、本発明の実施例(図2)の継手とについ
て、異なる作動角の下での誘起スラスト三次成分を測定
した。従来の継手では長さL=9.8mmの針状ころを
使用したのに対し、実施例の継手では長さL=7.8m
mの針状ころを使用した。脚軸の直径D=17.868
mmであった。したがって、L/Dは、従来の継手では
0.55、実施例の継手では0.44であった。試験条
件は次のとおり。 トルクT=294Nm 回転数N=150rpm 作動角=6°、8°、10°、12.5° 図15は従来の継手の供試品7個についての誘起スラス
ト三次成分の測定値(rms値)をプロットしたグラフ
であ。同様に、図16は本発明の実施例の供試品3個に
ついての誘起スラスト三次成分の測定値(rms値)を
プロットしたグラフである。
【0042】図15と図16を対比すれば明らかなよう
に、従来の継手に比べ、実施例の継手は誘起スラスト三
次成分が減少している。これは、誘起スラスト低減とい
う本発明の効果を裏付けるものである。針状ころの長さ
を短くしたことにより、スキュー発生時の抵抗自体が小
さくなり、その結果、誘起スラストのさらなる低減が実
現したものと解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すトリポード型等速自
在継手の部分横断面図である。
【図2】(A)はトリポード型等速自在継手の縦断面
図、(B)は横断面図である。
【図3】作動角をとった状態のトリポード型等速自在継
手の縦断面図である。
【図4】内側ローラと外側ローラの相対移動説明図であ
る。
【図5】外側ローラとローラ案内面の接触部を示す図1
と類似の横断面図である。
【図6】別の実施の形態を示す図5と類似の横断面図で
ある。
【図7】別の実施の形態を示す図5と類似の横断面図で
ある。
【図8】別の実施の形態を示す図5と類似の横断面図で
ある。
【図9】(A)はトラック溝周辺部の拡大横断面図、
(B)は内側ローラと外側ローラの接触部分に発生する
負荷分力を説明するための線図である。
【図10】別の実施の形態を示す図9と類似の拡大横断
面図である。
【図11】他の実施の形態を示す図9と類似の拡大横断
面図である。
【図12】他の実施の形態を示す図9と類似の拡大横断
面図である。
【図13】他の実施の形態を示す図9と類似の拡大横断
面図である。
【図14】他の実施の形態を示す図9と類似の拡大横断
面図である。
【図15】従来の継手についての作動角と誘起スラスト
三次成分の関係を示すグラフである。
【図16】本発明の実施例についての作動角と誘起スラ
スト三次成分の関係を示すグラフである。
【図17】(A)は単一の球面ローラを使用した従来の
トリポード型等速自在継手の縦断面図、(B)はローラ
案内面と球面ローラの模式的斜視図である。
【図18】(A)は図17のトリポード型等速自在継手
の概略斜視図、(B)はさらに模式的に図解した線図、
(C)は継手の位相と誘起スラストの関係を示すグラフ
である。
【図19】(A)は二段ローラタイプの従来のトリポー
ド型等速自在継手の縦断面図、(B)は横断面図であ
る。
【符号の説明】
10 外輪 12 トラック溝 14,14a,14b ローラ案内面 16 鍔部 20 トリポード部材 22 脚軸 24 外周面 26 環状溝 28 セレーション孔(またはスプライン孔) 32 針状ころ 33 間座 34 ワッシャ 36 ワッシャ 38 止め輪 40 ローラアセンブリ 42 内側ローラ 44,44a,44b 外側ローラ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周の円周方向三等分位置に軸方向に延
    びるトラック溝を形成した外輪と、円周方向三等分位置
    に半径方向に突出した脚軸を有するトリポード部材と、
    各脚軸に針状ころを介して回転可能に取り付けられ外輪
    のトラック溝内に収容されたローラとを備え、前記ロー
    ラがその外周面にて外輪のローラ案内面によって案内さ
    れるようにしたトリポード型等速自在継手において、上
    記針状ころの長さを脚軸の直径の1/2以下としたこと
    を特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. 【請求項2】 上記ローラを内側ローラと外側ローラと
    で構成し、内側ローラの外周面と外側ローラの内周面と
    を線接触させたことを特徴とする請求項1に記載のトリ
    ポード型等速自在継手。
  3. 【請求項3】 内側ローラを脚軸の軸線上に曲率中心を
    もつ球体とし、外側ローラの内周面を円筒形としたこと
    を特徴とする請求項2に記載のトリポード型等速自在継
    手。
  4. 【請求項4】 内側ローラを脚軸の軸線上から半径方向
    に離れた位置に曲率中心をもつ偏平化した回転楕円体形
    状とし、外側ローラの内周面を円筒形としたことを特徴
    とする請求項2に記載のトリポード型等速自在継手。
  5. 【請求項5】 内側ローラを脚軸の軸線上に曲率中心を
    もつ球体とし、外側ローラの内周面を継手の外径側に向
    かって縮径した円錐面としたことを特徴とする請求項2
    に記載のトリポード型等速自在継手。
  6. 【請求項6】 内側ローラを脚軸の軸線上から半径方向
    に離れた位置に曲率中心をもつ偏平化した回転楕円体形
    状とし、外側ローラの内周面を継手の外径側に向かって
    縮径した円錐面としたことを特徴とする請求項2に記載
    のトリポード型等速自在継手。
  7. 【請求項7】 外側ローラの外周面とローラ案内面とが
    アンギュラコンタクトすることを特徴とする請求項3乃
    至6のいずれかに記載のトリポード型等速自在継手。
  8. 【請求項8】 外側ローラの脚軸先端側の端面と外輪と
    が非接触であることを特徴とする請求項3乃至7のいず
    れかに記載のトリポード型等速自在継手。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100421936B1 (ko) * 2001-06-05 2004-03-12 박미숙 가변접촉식 트라이포드 등속조인트
JP2012159165A (ja) * 2011-02-02 2012-08-23 Honda Motor Co Ltd 等速ジョイント
CN105909685A (zh) * 2016-06-02 2016-08-31 温州市冠盛汽车零部件集团股份有限公司 三球销型万向节及其重载型传动轴总成
CN108757758A (zh) * 2018-08-03 2018-11-06 浙江德福精密驱动制造有限公司 一种移动节组件

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