JPS6318533B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両の自動ウインカーキヤンセル装置
に関する。

更に詳細には、電気的手段によつてハンドルの
切れ角を電気的信号に変換し、通常走行時におい
て方向転換後ハンドルがセンター位置に略々復帰
したとき、前記電気的信号において切れ角の最大
値から変化する信号量を検出することにより当該
信号量が設定以上になつた場合に自動的にウイン
カーをキヤンセルするようにし、且つ低速時に生
じるハンドル切れ角に係る信号を外乱として除去
するように車両の自動ウインカーキヤンセル装置
に関する。

一般に自動車の如き車両においては、自動ウイ
ンカーキヤンセル装置が備えられているのは知ら
れている。自動車では、一般にステアリングホイ
ールのハンドルが用いられており、当該ハンドル
は、運転操作をする場合、比較的大きい操舵量を
得られるため、ハンドル操舵量の最大値からの戻
り量を機械的手段によつて計測し、設定量を超え
たときに自動的にキヤンセルするように構成して
いる。

上記方式の自動ウインカーキヤンセル装置は、
従来自動二輪車の如き車両に応用することは仲々
難しかつた。その理由は、自動二輪車では、バー
状のハンドルが使用され、ハンドルの操舵量と前
輪の切れる角は角度として同じであり、方向転換
時に生じるハンドルの操舵量、即ち切れ角が極め
て小さく、機械的手段により検出することは困難
であるという欠点を有するからである。又更なる
欠点として、ハンドルの切れ角は直進方向に向い
たハンドルのセンター位置から測定されるが、自
動二輪車においてハンドルのセンター位置は製作
段階及び使用段階において正確に定めがたく、こ
れがためハンドルの切れ角を正確に求めることが
困難であるという欠点を有する。更にウインカー
装置を作動させた後で方向転換前に車両の走行速
度が低速になるとハンドルの動きによつて方向転
換前に作動させたウインカーがキヤンセルされて
しまうおそれも生じる。

以上の如くハンドルの切れ角、戻し角を検出す
ることによつてウインカーを自動的にキヤンセル
するようにした自動ウインカーキヤンセル装置を
自動二輪車に採用するにあたつては自動二輪車の
走行特性に由来する問題点が生じ、その実現がな
かなか困難であつた。

本発明者等は上記した問題点の鑑みこれを有効
に解決すべく本発明を成したものである。

本発明の目的は、車両において、ハンドルの操
作に応動してハンドル切れ角に係る信号を出力す
るセンサーと、該センサーからの出力信号を入力
し、この信号から車速に応じてノイズを除去する
ノイズ除去手段と、ノイズ除去手段から出力され
るハンドル切れ角に係る信号を入力し、該信号の
ピーク値を保持するピークホールド手段と、ノイ
ズ除去手段とピークホールド手段の出力を入力
し、両出力を比較し、所定の条件でウインカーキ
ヤンセル信号を出力する比較手段とを備えて構成
することにより、ハンドルを最も切つた状態以降
の所定の時点でウインカーの作動が自動的に停止
するため、方向転換中早い時期にウインカーの作
動が停止することなく、有効にウインカーの作動
を停止することができ、また、低車速時に方向転
換とは無関係なハンドルの動きによつて発生する
ノイズを外乱として除去できるため、自動二輪車
に固有に生じる弊害をなくすことができる自動ウ
インカーキヤンセル装置を提供することを特徴と
する。

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図に第一の実施例を示す。ウインカーラン
プ１，２の点滅作動は、ウインカースイツチ３の
操作によつて行われる。ウインカースイツチ３は
ソレノイド４及び常時閉のスイツチ５と連動状態
にある。

ポテンシヨメータ６はハンドルの操作によつて
その出力を変化させ、その出力は、車速検出回路
Ｅの出力によつて車速に応じて入力―出力特性を
変化させ、その結果として低速時において入力を
減衰せしめて出力を出さないようにするノイズ除
去回路Ａに入力される。

ノイズ除去回路Ａの低速時におけるノイズ除去
作用は半導体スイツチ７の作用によつて生じる。
即ち、車速検出回路Ｅの出力ａが、車速が大きく
なると高レベルになる頻度が高くなり、車速が小
さくなると低レベルになる頻度が高くなる。その
ために出力ａが高レベルのときにオンするスイツ
チ７は、車速が大きくなるとオンする回数が多く
なり、車速が小さくなるとオフする回数が多くな
る。従つて、スイツチ７に接続される抵抗８、コ
ンデンサ９の時定数が車速に応じ、みかけ上変化
する。即ち、低速では時定数が大きく、高速では
時定数が次第に抵抗８、コンデンサー９の夫々の
値で定まる時定数に近づいていく。斯る作用によ
つて、高速時にノイズ除去回路Ａに入力されポテ
ンシヨメータ６からの信号は略そのまま、増幅器
１０，１１，１２に伝えられ、低速時に入力され
た同信号は減衰せしめられた状態で前記各増幅器
１０，１１，１２に伝えられる。

ポテンシヨメータ６、ノイズ除去回路Ａにはバ
ツテリー＋Ｂよりレギユレーター１３を介して電
力が供給される。

ウインカースイツチ３がオフしているときに
は、スイツチ５がオンを保持するためピークホー
ルド回路Ｂの半導体スイツチ１４はオンしてお
り、ウインカースイツチ３が左右いずれかの端子
にオンするとスイツチ１４はオフする。スイツチ
１４がオンしているときには、抵抗１５の端子電
圧は、抵抗１６の端子電圧に等しくなつているた
め、比較回路Ｃの差動増幅器１１，１２の出力
は、抵抗１７，１８によつて定まる電圧より小さ
い。従つて増幅器１９の出力は低レベルを保持し
ており、トランジスタ２０はオンされず、出力回
路Ｄより出力が出ることはない。

ウインカースイツチ３をオンするとスイツチ５
がオフし、スイツチ１４がオフするとともに、一
方ウインカーランプ１，２のいずれかが、ウイン
カーリレー２１によつて点滅作動し、且つフリツ
プフロツプ２２のセツトＳ、又はリセツトＲのい
ずれかの端子にトリガーパルスが入る。従つてフ
リツプフロツプ２２の出力ｂ，ｃのいずれかによ
つて、ピークホールド回路Ｂのスイツチ２３，２
４のいずれかがオンする。この実施例において
は、右左の夫々のコーナリング方向にハンドルを
切つて場合、ポテンシヨメータ６の出力電圧が上
昇するときはスイツチ２３がオンするときと、同
出力電圧が減少するときはスイツチ２４がオンす
るときと夫々対応するように構成されている。増
幅器１０に出力された電圧コンデンサ２５に保持
され、従つて抵抗１５の端子電圧には、方向転換
時においては、コーナリング方向に切つたハンド
ルの切れ角に係るポテンシヨメータ６から出力さ
れる電圧のうち、ノイズ除去回路をパスした最大
値の電圧が生じることになる。

ここで電界効果トランジスター２６，２７はコ
ンデンサ９，２５からの流出電流、又は増幅器１
０，１１，１２からの流入電流によつてコンデン
サ９，２５の夫々の端子電圧に変動が生じないよ
うにするために設けた高入力インピーダンスを有
する素子である。

次に比較回路Ｃにおいては、増幅器１１，１２
の夫々の２入力に刻々と変化する抵抗１６の端子
電圧と、ピーク電圧が保持された抵抗１５の端子
電圧が入力され、その大小が比較される。増幅器
１１，１２は夫々右折、左折のために２個設けら
れている。増幅器１１，１２の出力が抵抗１７，
１８によつて設定された電圧よりも大きくなる増
幅器１９の出力は高レベルとなり、高レベルとな
るとトランジスタ２０をオンし、その結果ソレノ
イド４に通電せしめてウインカースイツチ３をオ
フ状態、即ち旧位に復帰せしめる。これによつて
ウインカー作動の自動キヤンセルが完了する。

前記増幅器１１，１２においては、電気的に、
ハンドルの切れ角からのハンドル戻し角が計測さ
れており、該戻し角が一定以上になつたときウイ
ンカーの作動を自動的にキヤンセルするように構
成される。

第２図に第二の実施例を示す。同一部分には同
一符号を付し、説明を略す。

ウインカースイツチ３がオフのときには、増幅
器２８のプラス入力端子は、スイツチ２９がオフ
しているため、抵抗３０によりマイナス端子の電
位よりも低い値に保持されている。従つて増幅器
２８の出力は低レベルであり、トランジスタ２０
はオフ状態である。

ウインカースイツチ３が、左右のいずれかにオ
ンすると、スイツチ２９，３１はスイツチ３に対
応して所定位置にてオンする。従つて、増幅器３
２，３３のいずれかの出力が増幅幅器２８の入力
に接続されると同時に、増幅器３４の出力が一時
的にコンデンサ３５又はコンデンサ３６に接続さ
れ、ポテンシヨメータ６の出力がコンデンサ３
５，３６のいずれかの端子電圧に生じる。

今仮にコンデンサ３５の端子電圧にポテンシヨ
メータ６の電圧が生じたとすると、コーナリング
時にハンドルをウインカースイツチ３をオンした
方向に切るとポテンシヨメータ６の出力電圧に等
しくなるようにコンデンサ３５の端子電圧は上昇
する。次にコーナリング終了後ハンドルを元に戻
すとダイオード３７によつてコンデンサ３５の電
位は保持される。この結果、増幅器３２の出力に
はポテンシヨメータ６の出力電圧とコンデンサ３
５の端子電圧との差が生じる。従つて増幅器３２
の出力が抵抗３８，３９によつて定まる設定電圧
を越えると増幅器２８の出力は高レベルとなり、
トランジスタ２０をオンする。この結果ソレノイ
ド４に電流が流れウインカースイツチ３をオフす
る。

コンデンサ３６の端子電圧にポテンシヨメータ
６の電圧が生じたときにも上記同様に作用する
が、コンデンサ３６の端子電圧の変化及び増幅器
３３の作動は前記と反対となる。

第３図において、第三の実施例を示す。同一部
分には同一符号を付し説明は略す。この実施例で
はピークホールド回路の作用をコンデンサ４０の
一つによつて左右折の場合を共用している。この
実施例では、ピークホールド回路を一つとし、ウ
インカースイツチ３を入れた方向にハンドルを切
るとポテンシヨメータ６の出力の変化の状態が一
つの方向に変化するようにウインカースイツチ３
を入れた方向に応じてポテンシヨメータ６の電源
に接続される端子ｄ及びアース端子ｅを入れ換え
る様に構成している。

ウインカースイツチ３がオフのときには、ダイ
オード４１はスイツチ４３を介して短絡されてい
るためポテンシヨメータ６の出力電圧とコンデン
サ４０の端子電圧とは常に等しくなつている。従
つて増幅器４４の出力も抵抗４５，４６によつて
設定される電圧以下となり増幅器４７の出力は低
レベルであるから、トランジスタ２０はオフ状態
となつている。

ウインカスイツチ３がオンすると、ウインカー
スイツチ３に対応してスイツチ４３，４８，４９
が動作し、コーナリング方向に応じた極性の電源
がポテンシヨメータ６に供給され、且つダイオー
ド４１の短絡状態が解けるので、左折、右折の
夫々の場合において前記第二の実施例と同様に作
用する。

第４図に第四の実施例を示す。第３の実施例に
おいては、ポテンシヨメータ６に印加される電源
の極性をスイツチ４８，４９から成る機械的構成
によつて切り換えていたが、第四の実施例では、
フリツプフロツプ５０、半導体スイツチ５１，５
２，５３，５４から成る電気式のスイツチによつ
て構成している。フリツプフロツプ５０のセツト
入力ｆ、リセツト入力ｇのうちいずれが入るか
は、ウインカスイツチ３が左右のいずれかに投入
されるかによつて定まる。

又上記電気式のスイツチ構成は、第５図に示す
ようにフリツプフロツプ５０と増幅器５５，５６
によつて構成することも可能である。

以上の説明で明らかなように本発明によれば、
ハンドル切れ角に係る信号を出力するセンサー
と、該センサーからの出力信号を入力し、この信
号から車速に応じてノイズを除去するノイズ除去
手段と、ノイズ除去手段から出力されるハンドル
切れ角に係る信号を入力し、該信号のピーク値を
保持するピークホールド手段と、ノイズ除去手段
とピークホールド手段の出力を入力し、両出力を
比較し、所定の条件でウインカーキヤンセル信号
を出力する如く構成したので、ハンドルも最も切
つた状態以降の所定の時点でウインカーの作動を
自動的に停止することができ、方向転換中の早い
時期にウインカーの作動が停止するのを防止する
ことができる。また、低車速時に方向転換とは無
関係なハンドルの動きによつて発生するノイズを
除去することができ、低車速時に発生する前記ノ
イズによつてウインカーの作動が停止するのを防
止することができる。したがつて、本発明によつ
てきわめて有効に機能する自動ウインカーキヤン
セル装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はウイ
ンカーキヤンセル装置の第１の実施例の回路図、
第２図は同装置の第２実施例の回路図、第３図は
同装置の第３の実施例の回路図、第４図は同装置
の第４の実施例の回路図、第５図は第４の実施例
の部分的変更を示す回路図である。 尚図面中、１，２はウインカーランプ、３はウ
インカースイツチ、４はキヤンセル用ソレノイ
ド、６はポテンシヨメータ、Ａはノイズ除去回
路、Ｂはピークホールド回路、Ｃは比較回路、Ｄ
は出力回路、Ｅは車速検出回路である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車両において、ハンドルの操作に応動してハ
   ンドル切れ角に係る信号を出力するセンサーと、
   該センサーからの出力信号を入力し、この信号か
   ら車速に応じてノイズを除去するノイズ除去手段
   と、ノイズ除去手段から出力されるハンドル切れ
   角に係る信号を入力し、該信号のピーク値を保持
   するピークホールド手段と、ノイズ除去手段とピ
   ークホールド手段の出力を入力し、両出力を比較
   し、所定の条件でウインカーキヤンセル信号を出
   力する比較手段とから成ることを特徴とする自動
   ウインカーキヤンセル装置。