JPS6318249B2 - - Google Patents

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JPS6318249B2
JPS6318249B2 JP52020892A JP2089277A JPS6318249B2 JP S6318249 B2 JPS6318249 B2 JP S6318249B2 JP 52020892 A JP52020892 A JP 52020892A JP 2089277 A JP2089277 A JP 2089277A JP S6318249 B2 JPS6318249 B2 JP S6318249B2
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JP
Japan
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film
cla
polyester film
polyester
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JP52020892A
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English (en)
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JPS53106783A (en
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Shigeru Shiozaki
Takao Nakajo
Yukio Mitsuishi
Takeshi Yokoyama
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Publication date
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Priority to GB6410/78A priority patent/GB1591582A/en
Priority to DE2807147A priority patent/DE2807147C2/de
Publication of JPS53106783A publication Critical patent/JPS53106783A/ja
Priority to US06/183,901 priority patent/US4348446A/en
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  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は走行性が改良されたポリエステルフイ
ルムに関する。更に詳しくは、低速且つ低テンシ
ヨンで優れた走行性、耐摩耗性及び耐疲労性を有
する配向ポリエステルフイルムに関する。 ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエ
チレン―2,6―ナフタレートフイルム等のポリ
エステルフイルムは、その優れた性質の故に磁気
テープ用途、電気用途をはじめ種々の用途で広く
用いられている。 ポリエステルフイルム、例えばポリエチレンテ
レフタレートフイルム、ポリエチレン―2,6―
ナフタレンフイルム等の用途の一つは、電子工学
的応用に用いられるテープのベースとしてであ
る。ポリエステルフイルム表面に磁性層を塗布
し、磁気テープとして用いる場合に、そのフイル
ム表面にしわや傷が生じてはならない。そのため
には基材フイルムの滑り性が良いこと、即ち、摩
擦係数が小さいことが必要である。何故なら滑り
性の良くないフイルムはフイルムの製造時や磁性
層塗布時、その他フイルムを扱う時に、フイルム
表面が傷ついたり、しわが発生したりし易く、基
材フイルムとして用い得ないか、敢えて無理に使
用しても製品歩留りが極めて悪いからである。更
に磁気テープ等に加工した後もテープをリールや
カセツト等から引出したり巻き上げたりする際
に、円滑に走行させるためには、良好な滑り性が
必要である。 金属では表面の凸凹と摩擦係数とは関係ない
が、ベースフイルムとなる高分子材料では、その
表面に微細な凸凹が増せば摩擦係数が低下するこ
とが経験的に知られている(丸茂秀雄著、「高分
子の表面化学」第47頁〜第48頁、(産業図書、昭
和44年発行)参照)。摩擦機構に関しては、突起
説と凝着説とがあるが、高分子材料では凝着説が
優勢であり、もし凝着説によるとすれば、摩擦抵
抗力は凝着部分の面積、真の接触面積に比例する
こととなる(高分子学会編、「高分子の物性」、
第222頁〜第229頁、(共立出版社刊、昭和36年発
行)参照)。従つて、フイルム表面に微細な凸凹
があると、真の接触面積が減少して摩擦係数が低
下することがよく理解できる。フイルムの表面に
微細な凸凹を付与するには、フイルム原料に用い
る高分子材料に有機又は無機微粒子を添加した
り、高分子中に不溶性の触媒残渣を生成せしめた
りする。このようにして、磁気テープの用途に供
されるポリエステルフイルムでは、特殊な無機微
粒子を添加して滑り易い表面とする改良が試みら
れている(米国特許第3669931号明細書参照)。単
一層のベースフイルムでは表裏の差異は実質的に
ないので、いずれの面を磁性層としても変らな
い。これに対し、平滑な表面の普通のフイルムと
表面に微細な凸凹を備えたフイルムとを貼合せた
積層ベースフイルムがある。この積層フイルムの
場合では磁性層を設ける面側を平滑な表面のフイ
ルムとし、反対側を凸凹面としている(米国特許
第3958064号明細書参照)。ところで磁気テープ用
ベースフイルム特にビデオテープ等に用いられる
ベースフイルムは、低速、低テンシヨンでこのよ
うな優れた滑り性が要求されるのみならず、長時
間の使用に耐えるよう耐摩耗性に優れていなけれ
ばならない。磁気テープは、テープに記録した
り、記録を再生する際の記録装置や再生装置との
接触が多く、該接触によりテープが摩耗し易く、
従つて、テープに著しく優れた耐摩耗性を付与す
ることが望まれる。磁気テープにおける摩耗の問
題は、大きくわけて二つにわけることが出来る。
第一は疲労摩耗のタイプであり第二は摩擦摩耗の
タイプである。前者は、ポリエステルフイルムを
ベースとした磁気テープの連続走行により生ず
る。磁気テープに於て情報を貯える側に磁性層を
塗布する。磁性層を塗布しない反対面はテープの
走行による装置との接触で、粉末状ポリエステル
破片が生じ、磁性層に貯えられた情報の読み取り
の際に、一時的、或は永久的エラーを惹き起す。
これはテープの巻き上げの結果として生ずるもの
で、磁性層を塗布してない面の破片が、磁性層塗
布面に沈着し、情報読み取りヘツドとの離れを惹
き起すからである。この破片は、清浄操作等によ
り除去できるので、一時的誤差を生じたにすぎな
いようにみえるが、多くの場合、巻き上げの際、
磁性層に入り込んで、テープ表面にぎざぎざのへ
こみを生じ、これらぎざぎざのへこみが読み取り
ヘツドと磁性層塗布面との離れを生じ、情報の損
失を惹き起す。一方、摩擦摩耗はフイルム製造工
程、磁性層塗布工程以前の工程、或は、情報再生
時にかなりの摩擦抵抗にさらされることにより生
ずるもので、異なつたスピードで回転するロール
の間をフイルムを走行させたり、静止ロール、ガ
イドロール等にフイルムを走行させると、磁性層
を塗布されていないフイルム表面にポリエステル
破片が白色粉末の形で生成し、例えば磁性層を塗
布する際に、塗布面にかかる破片を含んでいる
と、フイルム面の破片で覆われた部分には磁性層
が塗布されず、破片に塗布された状態になる。こ
のようになると、不均一なテープ表面を生成す
る。本来平滑であるべき表面に付着している破片
に磁性層が塗布されることにより生じた瘤が記録
情報の損失を惹き起す。従つて、疲労摩耗や摩擦
摩耗を少くしなければならない。フイルムとフイ
ルム、及び特にフイルムと金属間の疲労摩耗や摩
擦摩耗を少くするためには、摩擦係数を低下する
必要があり、フイルム原料として用いる高分子中
に不活性無機化合物粒子や不溶性触媒残渣を存在
せしめることにより、フイルム表面に凹凸を付与
することが行なわれている。しかし同一摩擦係数
を示すフイルムであつても、表面粗さの大きいも
のと、小さいものでは、摩耗の程度、走行性が著
しく異なり、摩耗の程度によつてはフイルムの走
行がストツプする事態も発生する。 本発明者は、ビデオテープレコーダー
(VTR)・コンピユーターの大容量記憶システム
のデーターカートリツジ等の低速のテープ送り速
度(0.5〜40cm/sec)、低テンシヨン(10〜50g)
域でこのような問題を生じないポリエステルフイ
ルムについて鋭意研究の結果、特定の範囲の表面
粗さを満足するフイルムが耐摩耗性、走行性に優
れたフイルムであることを見出し、本発明に到達
したものである。 即ち、本発明は、片面に磁性層を設けた磁気テ
ープのベースに供する配向ポリエステルフイルム
であつて、該ポリエステルフイルムの磁性層を設
けない表面は無機微粒子および(又は)不溶性の
触媒残渣を含有したポリエステルによつて粗面化
されており、該粗面の表面粗さを示すPV値〔y
(単位μm)〕とCLA値〔x(単位μm)〕とが、以
下二式 10x−0.075≦y≦10x+0.125 ……(1) 0.020≦x≦0.042 ……(2) を同時に満足する範囲にあることを特徴とする低
速かつ低テンシヨンにおける走行性が改良された
ポリエステルフイルムである。 本発明で言う表面粗さを示すPV〔ピーク・ツ
ー・バレー(Peak―to―Valley)〕値及びCLA
〔センター・ライン・アベレエジ(Center Line
Average)〕値とはそれぞれ以下の方法によつて
測定されたものであり、殊にCLA値は日本工業
規格JIS B 0601に準拠して測定されたものであ
る。 PV値:粗面化されたフイルムを東京精密社製
触針式表面粗さ計(SURFCOM3B)を使用し
て、針の半径3μm荷重0.1gの条件下にフイルム
基準長2.6mmについて、例えば、基準長方向を50
倍、表面粗さ方向を20000倍に拡大し、チヤート
をかかせ、断面曲線から基準長さだけ抜き取つた
部分の平均線に平行な直線のうち高い方から1番
目の山(山頂:ピーク)と深い方から1番目の谷
底(バレー)を通るものを選び、この2直線の間
隔(ピークとバレーとの最大凸凹差)を縦倍率
(例えば20000倍)で割つて求めた実際の長さをミ
クロン単位(μm)で表わす。このようにして求
めた10個の平均値を本発明ではPV値とする。 CLA値:フイルム粗さ曲線(断面曲線)から
その中心線(平均線)の方向に測定長さL(2mm)
の部分を抜き取り、この抜きとり部分の中心線を
U軸、縦倍率の方向をV軸として、粗さ曲線をV
=(u)で表わした時、次の式で与えられた値
をミクロン単位(μm)で表わす。 RCLA=1/L∫L O|(u)|du この測定は基準長を0.25mmとして8個測定し、
値の大きい方から3個除外し、5個の平均値で表
わす。即ち、x=1/nn〓RCLA(n=5)である。 本発明のPV値の求め方の例をJIS B 0601を
引用して第2図により説明する。第2図は既述し
たチヤート(拡大された断面曲線)であつて、基
準長Lの範囲で山と谷とを均した平均線が描け
る。この平均線に平行な2直線からピーク・ツ
ー・バレーが求まる。また、CLA値は平均線よ
り上の山(凸部分)の面積と下側の谷(凹部分)
の面積との総和を基準長で割ると求まる。なお、
平均線の定義から山(凸部分)の面積と谷(凹部
分)の面積とは当然等しい。 次に本発明で言う動摩擦係数μkの測定法は以下
の通りである。 第1図に示す如く、25℃、相対湿度60%で粗面
化されたポリエステルフイルム面を外径20mmφの
SUS27固定棒(表面粗さ0.3S)に角度θ(単位:
ラジアン)で接触させ毎秒25cm/secの速さで移
動摩擦させる。入口テンシヨンT1(フリーロー
ル)が30gの時の出口テンシヨンT2g(フリー
ロール)より次式で動摩擦係数μkを算出する(本
発明では30m走行せしめた時点の動摩擦係数をも
つてμkとする)。 μk=2.303/θlogT2/T1 本発明にいうポリエステルとは、テレフタール
酸、イソフタール酸、ナフタレン―2,6―ジカ
ルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸とエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ネオペンチレングリコール等の
如きグリコールとを重縮合させて得ることのでき
るポリマーである。該ポリエステルは芳香族ジカ
ルボン酸とグリコールとを直接重縮合させて得る
ことのできるポリマーである。該ポリエステルは
芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接重縮合
させて得られるほか、芳香族ジカルボン酸ジアル
キルエステルとグリコールとをエステル交換反応
させた後重縮合せしめる、或いは芳香族ジカルボ
ン酸のジグリコールエステルを重縮合せしめる等
の方法によつても得られる。該ポリマーの代表的
なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポ
リエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレ
ート等が例示される。該ポリマーは、共重合され
ないホモ・ポリマーであつてもよく、またジカル
ボン酸成分の15モル%以下が非芳香族ジカルボン
酸成分であり及び/又はジオール成分の15モル%
以下が脂肪族グリコール以外のジオール成分であ
るような共重合ポリエステルであつてもよい。
又、ポリエステルが85重量%以上(好ましくは90
重量%以上)を占め、他の重合体が15重量%以下
(好ましくは10重量%以下)であるようなポリマ
ーブレンドを用いてもよい。ブレンドできる他の
重合体としてポリアミド、ポリオレフイン、他種
ポリエステル(ポリカーボネートを含む)が例示
される。また前記ポリエステルは必要に応じて、
安定剤、着色剤、酸化防止剤等の添加剤を含有す
るものであつてもよい。 本発明のポリエステルフイルムは無機微粒子及
び(又は)不溶性の触媒残渣によつて、その表面
が粗面となつている。この無機微粒子や不溶性の
触媒残渣はベースフイルムの両表面にほぼ同程度
の表面粗さ(凸凹)をもたらす。磁気テープとす
る場合にはベースフイルムのいずれの面に磁性層
を形成せしめても、磁気テープとしての走行性や
他の特性に実質的な差異は生じない。ベースフイ
ルムの表面粗さが本発明の表面粗さ範囲にあれ
ば、磁性層に悪影響を及ぼすような表面凸凹に至
らない。 前記の測定法で求めたPV値およびCLA値を本
発明の範囲に入るように原料特性を合わせると前
述の如き低速(0.5〜40cm/sec)、低テンシヨン
(10〜50g)域で非常に耐摩耗性、走行性に優れ
たフイルムが得られる。ここで言う低テンシヨン
(10〜50g)域とは、フイルム巾1/2インチ当りを
基準にしたものである。従つて、フイルム巾が1
インチのものであれば、低テンシヨン域は(20〜
100g)を指す。なお、本発明に用いられるフイ
ルムは、その巾が特に限定されるものではない
が、通常3/20インチ(=3.8mm)〜5インチ(127
mm)の範囲の巾のフイルムが好適に用いられる。 一般にPV値が大きくなるとCLA値も大きくな
る傾向にあるが、かならずしもその傾向が一致す
るものでなく、逆転することもある。フイルム耐
摩耗性、走行性はフイルム表面状態(フイルム表
面粗さ)によつて変り、フイルム走行スピード・
テンシヨンに大きく依存する。その理由は明らか
でないが、前述の如き低速(0.5〜40cm/sec)、
低テンシヨン(入口テンシヨンが10〜50g)域で
は、 y>0.325(x<0.02)、 y>10x+0.125(0.02≦0.042)、 y>0.55(x>0.042)、 の範囲は走行性、耐摩耗性ともに劣る。この表面
粗さ領域は、高速(40cm/sec以上)、高テンシヨ
ン(100g以上)域で走行性、耐摩耗性に優れる。
一方、 y<0.325(x<0.02) y<10x−0.075(0.02≦x≦0.042) y<0.55(x>0.042) の範囲は前述の如き低速、低テンシヨンでは、走
行性にやや劣り、特に耐摩耗性に劣る。 従つて、低速(0.5〜40cm/sec)、低テンシヨ
ン(10〜50g)の範囲では、次の二式 10x−0.075≦y≦10x+0.125 ……(1) 0.020≦x≦0.042 ……(2) を同時に満足する範囲が走行性、耐摩耗性に優れ
る。好ましくは 0.200≦y≦0.500 ……(3) を満足する上記範囲が良い。さらに表面粗さy
(PV値)とx(CLA値)とが、以下の二式 10x−0.050≦y≦10x+0.100 ……(1′) 0.025≦x≦0.040 ……(2′) を同時に満足する範囲であると、耐摩耗性、走行
性により一層優れる。なお、これらのPV値の及
びCLA値の範囲であつて、しかも先述の摩擦係
数μkが0.05〜0.40の範囲にある場合好ましくはμk
が0.10〜0.40の範囲にある場合、特にμkが0.10〜
0.25の範囲にある場合にはフイルム走行時の入口
テンシヨンT1および出口テンシヨンT2の変化も
小さく、特に走行性に優れ、併せて耐摩耗性にも
優れるので好ましい。 第3図は、本発明のポリエステルフイルムの表
面粗さのPV値yとCLA値xとの関係を示すグラ
フである。CLA値が0.02μm以下の領域ではフイ
ルム表面が極めて平滑なため、フイルム相互に吸
着(密着)が起こり、この密着作用により滑らな
くなる。また、y<10x−0.075(0.020≦x≦
0.042)の範囲は既述したとおり、低速・低テン
シヨンでは走行性がやや劣り、磁気テープとして
は満足できない。y>10x+0.125(0.020≦x≦
0.042)及びx>0.042の領域は高速走行性が優れ
ているものの、低速・低テンシヨンの条件では満
足な走行性が保てない。更に、y>0.55のような
粗い表面ではベースフイルムの凸凹の影響が磁性
層に及び、電磁特性の低下をもたらす虞れがあ
り、磁気テープとして良質のものとなり難い。 本発明のポリエステルフイルムを製造する方法
は任意であるが、例えばCLA値はポリエステル
フイルムに添加する不活性無機化合物の粒度分布
の大小で調節し、PV値はフイルム粗表面の最大
の山頂と谷底との差を示すものであるから、添加
不活性無機化合物の粒径でフイルム表面の粗さを
調節することができる。更に具体的に説明する
と、例えば数種類の粒度分布の異なる無機粒子を
添加してフイルム中に存在せしめる方法、重合時
にリン成分を加えて粒子源を生成せしめるととも
に分級された無機粒子を添加してフイルム中に存
在せしめる方法、および、重合時のリン成分その
他の添加物の量を加えてそれぞれ重合を行ない、
その後両者をブレンドする方法など好ましく用い
られる。 本発明のポリエステルフイルム素材であるポリ
エステルに不活性な無機微粒子を添加する場合の
添加する時期は、ポリエステル重合前でもよく、
重合反応中でもよく、また重合終了後ペレタイズ
する時に押出機中で混練させてもよく、さらにシ
ート状に溶融押出しする際に添加し、押出機中で
分散して押出してもよいが、重合前に添加するの
が好ましい。 本発明の対象とするポリエステルフイルムは二
軸配向フイルムである。該フイルムは二軸方向
(例えば縦及び横方向)に、それぞれ延伸倍率2
倍以上で延伸したものが好ましい。二軸方向の延
伸倍率は相等しくても、等しくなくてもよい。ま
た該フイルムは単一膜であつても、積層フイルム
(本発明の表面が粗面化されたものと普通の、平
滑なフイルムとを貼合わせたもの)であつてもよ
い。 本発明のポリエステルフイルムは、例えば通常
の押出温度、即ち、融点(Tmとあらわす)以上
(Tm+70℃)以下の温度で熔融押出された固有
粘度〔η〕が0.35〜1.0のポリエステル未延伸フ
イルムを、ポリエステルの二式転移点(Tgとあ
らわす(ポリエチレンテレフタレートでは約70
℃))以上(Tg+70℃)以下の温度で縦或いは横
方向に(2.5〜5.0)倍の延伸倍率で延伸し、次い
で前記延伸方向と直角方向に(前記延伸方向が縦
方向であるならば今度は横方向)Tg〜(Tg+70
℃)に(2.5〜5.0)倍の延伸倍率で延伸する(延
伸はこのような逐次二軸延伸であつてもよく、ま
た同時二軸延伸であつてもよくその製造法は特に
限定されない。)と得られる。 このようにして得られた二軸配向フイルムは
(Tg+70℃)以上Tm以下で1〜100秒間熱固定
するのが通例である。フイルム膜厚は3〜
100μm、好ましくは4〜50μm、のものがよく用
いられ、特に膜厚8〜25μmのものが最も好まし
く用いられる。なお、ベースフイルムの片面だけ
を粗い表面とし、他の片面を平滑な状態とするこ
とは既述した積層フイルムの場合になし得る。こ
の場合には磁気テープの磁性層となる面を平滑面
に設け、走行面を本発明の粗い表面とすることが
例示できる。 本発明のフイルムは、低速(0.5〜40cm/sec)
低テンシヨン(10〜50g)域で耐摩耗性、走行性
に優れる。 本発明のフイルムは、従来から用いられるポリ
エステルフイルムのあらゆる用途に用い得るが、
特にコンピユーター大容量記憶システムのデータ
ーカートリツジ用やVTR用の磁気テープ用ベー
スフイルムに好ましく用いられる。 以下、本発明を実施例により具体的に詳述す
る。 実施例1〜4、比較例1〜2、 ジメチルテレフタレートに対し、触媒として酢
酸マンガン40ミリモル%、三酸化アンチモン20ミ
リモル%、亜リン酸40ミリモル%を加えてエステ
ル交換反応させ、次いで所定の不活性添加剤粒子
を所定量(表1参照)添加して重縮合反応させ、
〔η〕0.65(O―クロロフエノールを溶媒として用
い25℃で測定した値)のポリエチレンテレフタレ
ートを得た。 このポリエチレンテレフタレートを160℃で乾
燥し、280℃で溶融押出し、40℃に保持したキヤ
ステイングドラム上に急冷固化せしめて、厚さ
213μmの未延伸フイルムを得た。 該未延伸フイルムを縦延伸温度90℃、縦延伸倍
率3.5倍、横延伸温度120℃、横延伸倍率3.8倍で
逐次二軸延伸し、210℃で10秒間熱固定し、厚さ
16μmのフイルムを得た。このフイルムのPV値、
CLA値を表1に示した。このようにして得られ
たフイルムを1/2″巾にスリツトし、長さ1500mの
テスト用サンプルを作つた。このテスト用サンプ
ルを第1図に示したテープベース検査機にかけ
た。 フイルム走行性は、25℃、相対湿度60%雰囲気
下でフイルムを25cm/secのスピードで走行させ
た時の動摩擦係数μkの大小で評価した。この時入
口テンシヨンT1は30gとなるようテンシヨンコ
ントローラー2を調整し、該フイルム粗面を外径
20mmφのSUS27固定棒に152゜(θ=152/180πラジア ン)の角度で接触させ、フイルム30m走行時の出
口テンシヨンT2(出口テンシヨン検出機10で検
出)gを検出し、下記式を用いて動摩擦係数μk
算出した。 μk=1/θ1nT2/T1=0.868logT2/T1 この時θ=152゜(=152/180πラジアン)を用いたが θ=30゜〜240゜(π/6〜3/4πラジアン)の範囲であ
つても良い。摩耗性の評価は、該sus27固定棒に
接着した両面テープ上にテイツシユペーパー〔ス
コツチ・ダステイング・フアブリツク(Scotch
Dusting Fabric)社製のNo.610を使用〕を巻きつ
け同一条件で1500m走行させ、テイツシユペーパ
ーに白色粉末の付着した程度を下記の1〜5にわ
けて示した。 1は白色粉末は存在せず、非常に優れた摩擦抵抗
を示す。 2は僅かに白色粉末が存在するが、充分使用に耐
え得る。 3は2より白色粉末が多く、テイツシユペーパー
の全面に存在し、使用に耐えないものである。 4以上は3よりも白色粉末の生成が多く使用に耐
えない。 5はテイツシユペーパー全面に亘つて白色粉末が
付着したもので、最も摩擦摩耗の悪いものを示
す。 総合評価として、走行性、摩耗性共に良好なも
の◎、実用上問題ないもの〇、使用に耐えないも
の×として示した。
【表】 以上の結果から、本発明のポリエステルフイル
ムは低速、低テンシヨン域で優れた走行性、耐摩
耗性を有していることが理解される。 実施例5〜6、比較例3 実施例1の方法と同様の方法にて所定の不活性
添加剤粒子を所定量(表2参照)添加して得られ
たポリエチレンテレフタレートを、同様の方法に
て製膜しテスト用サンプルを得た。 このサンプルの表面粗さ(μm)、走行性及び摩
耗性を実施例1と同様の方法で測定し、その測定
結果及び総合評価を表2に示した。
【表】
【表】 表2の結果からも、本発明のポリエステルフイ
ルムは低速、低テンシヨン域で優れた走行性、耐
摩耗性を有していることが理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、フイルム粗面の動摩擦係数μkを測定
するテープベース検査機の模式図である。第2図
は本発明のPV値、CLA値を求めるためのチヤー
ト(拡大された断面曲線)である。また第3図は
本発明の特許請求の範囲を第1式及び第2式で囲
まれた領域として示したグラフである。 図中の数字1は巻出リール、2はテンシヨンコ
ントローラー、3,5,6,8,9,11はフリ
ーローラー、4はテンシヨン検出機(入口)、7
はSUS27固定棒(20mmφ外径)、10はテンシヨ
ン検出機(出口)、12はガイドローラー、13
は巻取リールをそれぞれ示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 片面に磁性層を設けた磁気テープのベースに
    供する配向ポリエステルフイルムであつて、該ポ
    リエステルフイルムの磁性層を設けない表面は無
    機微粒子および(又は)不溶性の触媒残渣を含有
    したポリエステルによつて粗面化されており、該
    粗面の表面粗さを示すPV値[y(単位:μ)]
    とCLA値[x(単位:μ)]とが次の二式 10x−0.075≦y≦10x+0.125 (1) 0.020≦x≦0.042 (2) を同時に満足する範囲にあることを特徴とする低
    速かつ低テンシヨンにおける走行性が改良された
    ポリエステルフイルム。 ここにPV値は触針式表面粗さ測定器を使用し
    て針の半径3μm、荷重0.1gの条件下にフイルム
    の表面粗さを測定して断面曲線を得、基準長にお
    いて1番高い山頂と1番低い谷底との距離を求め
    て、その平均値で表わす。またCLA値は該断面
    曲線から基準長Lを抜き取り、この抜き取り部分
    の中心線を求め、該中心線をU軸、縦方向をV軸
    とし、粗さ曲線をv=f(u)で表わしたとき RCLA=1/L∫L O|f(u)|du で求められる値RCLAを8点測定し、大きい方から
    3点除外した残り5点の平均値 x=1/nn〓RCLA(n=5) で表わす。 2 PV値[y(単位:μ)]が 0.200≦y≦0.500 (3) である特許請求の範囲第1項記載のポリエステル
    フイルム。 3 PV値[y(単位:μ)]とCLA値[x(単
    位:μ)]とが次の二式 10x−0.050≦y≦10x+0.100 (1′) 0.025≦x≦0.040 (2′) を同時に満足する範囲にある特許請求の範囲第1
    項記載のポリエステルフイルム。 4 粗面の動摩擦係数μkが 0.10≦μk≦0.25 (4) である特許請求の範囲第1項乃至第3項のいづれ
    かに記載のポリエステルフイルム。
JP2089277A 1977-03-01 1977-03-01 Polyester film with improved travelling property Granted JPS53106783A (en)

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