JPS6318202Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時分割多重遠隔監視装置に関するもの
である。

一般に、この種の時分割多重遠隔監視装置は第
１図に示すように、中央監視装置１と、それに従
属する複数の端末器２とで構成され、中央監視装
置１から複数の端末器２をサイクリツクに呼出
し、被呼出端末器２からアナログ量よりなる監視
信号V_AをＡ／Ｄ変換した複数桁の監視データV_D
を返送させ、返送された監視データV_Dを中央監
視装置１に設けられた表示部にデジタル表示する
ようにしている。第２図は端末器ブロツク２ａの
一例を示すもので、１０は信号処理部であり、信
号線ｌを介して入力される伝送信号V_Sすなわち、
中央監視装置１から端末器制御信号を受信してア
ドレスデータ、返送制御データを再生する。１１
はアドレス判別部であり、予め設定された端末器
２の固有アドレスADと一致したアドレスデータ
を含む伝送信号V_Sが受信されたときアドレス一
致信号V_ADを出力して制御信号判別部１２および
監視入力返送部１３を作動させる。制御信号判別
部１２は伝送信号V_Sに含まれる返送制御データ
に基いて返送制御信号V_Cを出力するようになつ
ており、監視入力返送部１３は監視信号V_Aを
Ａ／Ｄ変換した監視データV_Dをビツトシリアル
に変換して信号線ｌを介して中央監視装置１に返
送する。第３図ａは伝送信号V_Sを示すもので、
T_SはスタートパルスP_Sの伝送区間、T_Aはアドレ
スデータの伝送区間、T_Cは返送制御データの伝
送区間、T_Bは返送待機パルスP_Bの伝送区間であ
り、Ｔは１端末器２に対する伝送信号V_Sの伝送
区間である。同図ｂは端末器２から中央監視装置
１に返送される監視データV_Dの伝送状態を示す
もので、監視データV_Dは返送待機パルスP_Bの伝
送区間T_Bに電流モードで返送される。ところで、
従来、返送制御データに基いて監視データV_Dの
各桁データを選択的に返送させるための返送制御
部３は第４図に示すようになつていた。すなわ
ち、端末器ブロツク２ａから出力される返送制御
信号V_C1〜V_C4およびＡ／Ｄコンバータ４から順
次出力される桁データが何桁目のデータであるか
を示す出力桁データQ₁〜Q₄を入力とするアンド
回路A₁と、アンド回路A₁出力の論理和をとるオ
ア回路Ｏとでゲート回路５を構成し、ゲート回路
５出力にてラツチ回路６を制御し、ラツチ回路６
にＡ／Ｄコンバータ４から順次出力される監視デ
ータV_Dの桁データ４bitを選択的にラツチし、ラ
ツチ回路６にラツチされたデータを端末器ブロツ
ク２ａの監視入力端子D₁〜D₄に入力するように
なつていた。この場合、端末器ブロツク２ａから
出力される返送制御信号V_C1〜V_C4は中央監視装
置１から送出された伝送信号V_Sに含まれる返送
制御データV_Cにて第５図ａ〜ｄに示すように選
択的に“Ｈ”レベルに設定されるようになつてお
り、この返送制御信号V_C1〜V_C4と第５図ｅ〜ｈ
に示すＡ／Ｄコンバータ４の出力桁データQ₁〜
Q₄とが共に“Ｈ”レベルになつたとき、ラツチ
回路６に新しいデータをラツチさせるラツチパル
スP_R（第５図ｉに示す）がゲート回路５から出力
される。したがつて、返送制御信号V_C1が“Ｈ”
レベルのとき、ラツチ回路６にはＡ／Ｄコンバー
タ４から出力される監視データV_Dの１桁目の桁
データがラツチされ、次に返送制御信号V_C2が
“Ｈ”レベルになつたとき、監視データV_Dの２桁
目の桁データがラツチされ、同様にして監視デー
タV_Dの３、４桁目の各桁データがラツチ回路６
に順次ラツチされ、各桁データが監視入力返送部
１３を介して中央監視装置１に返送される。しか
しながら、このような従来例にあつては、監視デ
ータV_Dの各桁データは常に正確に返送されるこ
とになるが、監視信号V_Aの変化が監視データV_D
の全桁データを中央監視装置１に返送しないうち
に発生した場合、例えば第５図の矢印Ｘで示す時
点で監視信号V_Dが変化してＡ／Ｄコンバータ４
から出力される監視データV_Dが変化した場合、
監視データV_Dの１桁目（最上位桁）の桁データ
としてすでに返送されたデータは、変化する前の
監視信号V_AをＡ／Ｄ変換した監視データV_Dの１
桁目の桁データであり、監視データV_Dの２桁目
以後の桁データとして返送されるデータは変化し
た後の監視信号V_AをＡ／Ｄ変換した監視データ
V_Dの桁データである。したがつて、中央監視装
置１に変化前の監視データV_Dの桁データと変化
後の監視データV_Dの桁データが混合して返送さ
れる（例えば監視データV_Dが実際には「1235」
から「0914」に変化したのに中央監視装置１に返
送された監視データV_Dは「1914」となる）とい
う誤つたデータ伝送が起き易く、データ伝送の信
頼性が低くなるという欠点があつた。本考案は上
記の欠点を解決することを目的とするものであ
る。

以下、実施例について図を用いて説明する。第
６図および第７図は本考案一実施例を示すもの
で、２ａは従来例と略同一の端末器ブロツクであ
り、従来例と異なる点は中央監視装置１から送出
されるサンプリング指令信号に基いてＡ／Ｄコン
バータ４の出力ラツチ回路１８を制御する出力ラ
ツチ制御信号V_Rを出力するようにした点にあり、
サンプリング指令信号は返送される桁データを選
択する返送制御データV_Cと同様に伝送されるよ
うになつており、実施例にあつては５桁目の桁デ
ータを選択する返送制御データV_C5をサンプリン
グ指令信号に対応させている。但し、サンプリン
グ指令信号が受信されると、端末器ブロツク２ａ
の制御信号判別部１２からＡ／Ｄコンバータ４の
コンバージヨンサイクルT_COよりも長いパルス巾
T_Pのサンプリング制御信号V_C5（第８図ａに示す）
が出力されるようになつている。一方、Ａ／Ｄコ
ンバータ４は第７図に示すようになつており、１
４は基準クロツクを発生するクロツク発生部、１
５は基準クロツクをカウントする４個の10進カウ
ンタ１５₁〜１５₄よりなる内部カウンタ、１６は
アナログ量よりなる監視信号V_Aが入力される
Ａ／Ｄ変換部である。１７は内部カウンタ１５お
よびＡ／Ｄ変換部１６を制御して内部カウンタ１
５出力が監視信号V_Aのアナログ値に対応するデ
ジタル値となるように制御するコントロールロジ
ツクであり、コントロールロジツク１７からはコ
ンバジヨンサイクル（Ａ／Ｄ変換サイクル）が終
了する毎に変換終了信号EOCが出力される。１
８は出力ラツチ回路であり、ラツチ信号V_Rが入
力されたとき、ラツチ信号V_Rの立上りにより内
部カウンタ１５の出力データをラツチする。１９
は出力ラツチ回路１８にラツチされている桁デー
タ（内部カウンタ１５の各10進カウンタ１５₁〜
１５₄の出力データ）を順次出力するマルチプレ
クサであり、出力する桁データと同期して出力桁
データQ₁〜Q₄を出力する。ところで、実施例に
あつては出力ラツチ回路１８はアンド回路A₂に
て構成されるサンプリング制御回路９にて制御さ
れるようになつており、中央監視装置１からサン
プリング指令信号が送出されることにより、端末
器ブロツク２ａからサンプリング制御信号V_C5が
得られ、かつＡ／Ｄコンバータ４からコンバージ
ヨンサイクル終了毎に出力される変換終了信号
EOCが得られたときサンプリング制御回路９か
らラツチ信号V_Rを出力してＡ／Ｄコンバータ４
の出力ラツチ回路１８に内部カウンタ１５の出力
データをラツチするようになつている。

第８図は実施例の動作を示すタイムチヤートで
あり、まず最初に、中央監視装置１からサンプリ
ング指令信号を送出すると、端末器ブロツク２ａ
から第８図ａに示すようにサンプリング制御信号
V_C5が出力される。このサンプリング制御信号
V_C5のパルス巾T_PはコンバージヨンサイクルT_CO
よりも長く設定されているので、サンプリング制
御信号V_C5の“Ｈ”レベル区間に必ず変換終了信
号EOCが出力されることになつて、サンプリン
グ制御回路９から第８図ｅに示すようなラツチ信
号V_Rが出力され、このときの内部カウンタ１５
の出力データが出力ラツチ回路１８にラツチされ
る。すなわち、サンプリング指令信号が得られた
ときにのみＡ／Ｄコンバータ４から出力される監
視データV_Dが変更される。つまり、監視信号V_A
をサンプリング指令信号によつてサンプリングし
てＡ／Ｄ変換し、監視データV_Dを形成すること
と等価である。したがつてサンプリング指令信号
が得られていないとき、すなわちサンプリング制
御信号V_C5が“Ｌ”レベルのとき、監視信号V_Aが
いかなる時点でどのように変化しても内部カウン
タ１５の出力データは変化するが、出力ラツチ回
路１８のデータは変化しないことになり、Ａ／Ｄ
コンバータ４から出力される監視データV_Dは変
化しない。このような状態において、監視データ
V_Dの各桁データを従来例と同様にして端末器２
から中央監視装置１に返送するようにすれば、監
視データV_Dの各桁データの伝送中（例えば矢印
Ｙで示す時点）において、監視信号V_Aが変化し
てもＡ／Ｄコンバータ４から出力される監視デー
タV_Dが変化することはないので、監視データV_D
の全桁データが正確に返送され、従来例のように
監視信号V_Aの変化前、変化後における監視デー
タV_Dの桁データが混合して伝送されるという誤
動作が発生することはない。

本考案は上述のように、中央監視装置から端末
器に対してサンプリング指令信号を送出するとと
もに監視データの所定の桁データを順次返送させ
るための返送制御データを順次送出し、端末器の
Ａ／Ｄコンバータの出力ラツチ回路を上記サンプ
リング指令信号にて制御するサンプリング制御回
路を設け、サンプリング制御回路はサンプリング
指令信号が得られ、かつＡ／Ｄコンバータのコン
バージヨンサイクル終了毎に出力される変換終了
信号が得られたとき出力ラツチ回路に新しいデー
タをラツチさせるラツチ信号を出力するようにし
たので、監視データの各桁データの伝送中におい
て、監視信号が変化した場合にあつても、Ａ／Ｄ
コンバータから出力される監視データが変化する
ことがなく、正しい監視データが伝送され、信号
伝送の信頼性が向上するという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は時分割多重遠隔監視装置の概略構成
図、第２図は同上の要部ブロツク回路図、第３図
ａ，ｂは同上の動作説明図、第４図は従来例の要
部回路図、第５図ａ〜ｉは同上の動作説明図、第
６図および第７図はそれぞれ本考案一実施例の要
部回路図、第８図ａ〜ｅは同上の動作説明図であ
る。 １は中央監視装置、２は端末器、４はＡ／Ｄコ
ンバータ、９はサンプリング制御回路、１８は出
力ラツチ回路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央監視装置から複数の端末器をサイクリツク
   に呼出し、被呼出端末器から監視信号をＡ／Ｄコ
   ンバータにてＡ／Ｄ変換した複数桁の監視データ
   の各桁データを中央監視装置に順次返送せしめて
   成る時分割多重遠隔監視装置において、中央監視
   装置から端末器に対してサンプリング指令信号を
   送出すとともに監視データの所定の桁データを順
   次返送させるための返送制御データを順次送出
   し、端末器のＡ／Ｄコンバータの出力ラツチ回路
   を上記サンプリング指令信号にて制御するサンプ
   リング制御回路を設け、サンプリング制御回路は
   サンプリング指令信号が得られ、かつＡ／Ｄコン
   バータのコンバージヨンサイクル終了毎に出力さ
   れる変換終了信号が得られたとき、出力ラツチ回
   路に新しいデータをラツチさせる信号を出力する
   ようにして成ることを特徴とする時分割多重遠隔
   監視装置。