JPS6318096B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は温度過昇防止を図り得る放熱エレメン
トの過昇防止装置に関する。

（背景技術） 従来、放熱エレメントの過昇防止装置として、
第１図イ，ロに示すように、サーモスタツト６を
熱媒封入管１のエンドキヤツプ４′に取付け、温
度が必要以上に上昇した場合、サーモスタツト６
によりそれを検出・動作せしめ過昇を防止するも
のがある。

しかしながら、上記構成のものでは、エンドキ
ヤツプ４′にヒータ５を貫通させて取付けを行な
うため、エンドキヤツプ４′のキヤツプ部４a′の
平面部のスペースが少なくなつてしまうため、サ
ーモスタツト６の取付けにあたり、サーモスタツ
ト６の受熱部の一部６ａが外部にハミ出してしま
い正確な温度を検出し難く安全上好ましくないと
いう欠点があつた。

また、第２図イ，ロに示すように、サーモスタ
ツトと共に、あるいはサーモスタツトに代え熱媒
封入管１の相互を連結する連管３に過昇防止用の
温度ヒユーズ７をバンドの如き温度ヒユーズ固定
金具９を介して取付けられるものが従来あるが、
連管３はパイプ状をなし、かつ温度ヒユーズ７も
円柱状をなしているため、ロ図に示すように断面
で見た場合、連管３と温度ヒユーズ７との接触は
一点のみであり、全体として接触面積が少なく、
よつて正確な温度ヒユーズ７の作動が得難いとい
う欠点があつた。

加えて連管３に対し温度ヒユーズ７を取付ける
にあたり、温度ヒユーズ７が斜めに回転してズレ
てしまう等のおそれがあり、このような場合にも
所望の作動を得難く、安全上好ましくないという
欠点があつた。また、連管３の長さ寸法が通常短
いため、取付作業時に温度ヒユーズ７を取付けに
くく、場合によつては取付時に温度ヒユーズ７が
折れ曲がつてしまうおそれがあり、品質に悪影響
を及ぼすという欠点をも伴つていた。

（発明の目的） 本発明は上記の点に鑑み提案されたもので、そ
の目的とするところは、エンドキヤツプのツバ面
に突部を設けて、この突部を用いてサーモスタツ
トを取付けるようにし、エンドキヤツプとサーモ
スタツトとの接触面を増加させるようにしたこと
により、異常昇温を速やかに検知し得、かつサー
モスタツトが良好に作動するようにし、また、温
度ヒユーズをエンドキヤツプに設けた爪部で覆う
ように固定して取付けるようにしたことにより、
接触面が増加し、適確に異常昇温を検知し得、か
つ温度ヒユーズが良好に作動するようにした放熱
エレメントの過昇防止装置を提供することにあ
る。

（発明の開示） 以下、図面に沿つて本発明を説明する。

第３図イ，ロは本発明の過昇防止装置を示すも
ので、放熱エレメントを構成する熱媒封入管１は
円筒状をなし、かつその外周部には矩形状の放熱
フイン２が適間隔でもつて多数設けられている。
また、図中３は連管であり、互いに平行に延びる
他の熱媒封入管１ａ相互間を連結するものであ
る。

４は熱媒封入管１の開口端部を閉塞し、かつヒ
ータ５、サーモスタツト６および温度ヒユーズ７
等が取付可能なエンドキヤツプであり、このエン
ドキヤツプ４は外側に向かつて若干膨設された有
底円筒状のキヤツプ部４ａと、このキヤツプ部４
ａの開口部側においてキヤツプ部４ａの径方向外
側に張り出して一体形成されたツバ部４ｂにて構
成されている。そして、キヤツプ部４ａのやや下
方部でサーモスタツトと温度ヒユーズの中間位置
に近接した位置に形成された孔を介し熱媒封入管
１内へ暖房用のヒータ５を貫通させて固定し熱媒
が封入される。

しかして、エンドキヤツプ４を構成するツバ部
４ｂのやや上方に位置する両側にはキヤツプ部４
ａの円形をなす端面に向かつて突出し、かつ突出
面が略面一状をなすサーモスタツト６を取付ける
ための突部４ｃが一対形成され、かつツバ部４ｂ
の上方中央部にはサーモスタツト６の背面の受熱
部６ａと当接する突部４ｄが形成されている。す
なわち、サーモスタツト６はツバ状の取付部を有
し、この取付部の両側の端部６a′にはネジ挿通用
の穴が形成され、これに対応してエンドキヤツプ
４のサーモスタツト取付用の突部４ｃにもネジ穴
が形成され、サーモスタツト６の取付部両端部６
a′をそれぞれ突部４ｃ上に位置せしめ、かつネジ
８を締付けることによりサーモスタツト６はエン
ドキヤツプ４に取付けられる。この場合、エンド
キヤツプ４に取付けられたサーモスタツト６の受
熱部６ａの大部分はキヤツプ部４ａと当接される
が、エンドキヤツプ４のツバ部４ｂの上方中央部
の突部４ｄをキヤツプ部４ａから外部にハミ出し
たサーモスタツト６の受熱部６ａと当接するよう
に膨設しておけばサーモスタツト６は熱媒封入管
１の温度を速やかに検出することができる。

また、エンドキヤツプ４のツバ部４ｂの下方中
央部には外側に向かつて略Ｌ字状ないしＵ字状に
折曲された爪部４ｅが形成されており、この爪部
４ｅに円柱状の温度ヒユーズ７がその外周部が覆
われるように抱持されて取付けられる。したがつ
て、エンドキヤツプ４と温度ヒユーズ７との接触
面が確保され、熱媒封入管１ないしエンドキヤツ
プ４の熱が適確に温度ヒユーズ７に伝達される。

なお、上記においてサーモスタツト６はエンド
キヤツプ４の上方部に取付けた場合について示し
たが、左、右何れかの側部または必要に応じ下方
部に取付けるようにし、それに合わせてヒータ
５、温度ヒユーズ７等の取付位置をズラすことも
可能であることは言うまでもない。

第４図は温度ヒユーズ７をエンドキヤツプ４の
上方部に取付けるようにした場合の実施例を示す
もので、エンドキヤツプ４のツバ部４ｂの上方中
央部に略Ｕ字状に湾曲して折り曲げられた爪部４
ｆが形成されており、この爪部４ｆ内に温度ヒユ
ーズ７を横から挿通すれば容易に温度ヒユーズ７
をエンドキヤツプ４に取付けることができ、取付
の作業性に優れている。取付けに際しては、爪部
４ｆの先端を正面側にやや折曲しておき、正面下
方側から矢印で示すように温度ヒユーズ７を爪部
４ｆおよびツバ部４ｂの壁面に向かつて押し込ん
で嵌入するようにしても良いことは勿論である。

なお、その他第３図に示したものと同一部材に
は説明の重複を避けるために同一符号を示す。ま
た、この実施例ではサーモスタツト６は省略して
あるが、必要に応じ適宜取付けられるものであ
る。

第５図は爪部の他の態様例を示すもので、イ図
はエンドキヤツプ４のツバ部４ｂの上方中央部に
おいて爪部をＬ字状に外側に向かつて折曲形成し
た場合、ロ図は爪部を内側に向かつてＬ字状に折
曲した場合、ハ図は爪部を外側に向かつてやや湾
曲せしめて折曲形成した場合を示す。

（発明の効果） 以上の通り本発明によれば、ヒータをサーモス
タツトと温度ヒユーズとの中間位置に近接して配
置したエンドキヤツプのツバ部にエンドキヤツプ
のキヤツプ部から外部に露出したサーモスタツト
の受熱部と当接可能な突部を形成して構成したか
ら、サーモスタツトの受熱部とエンドキヤツプと
の接触面が増加し、放熱エレメントの温度をサー
モスタツトに確実に伝達し得、異常時において放
熱エレメントの温度が急激に上昇した場合でもサ
ーモスタツトが追従して上昇し、危険温度を容
易、かつ確実に検知することができる。

また、エンドキヤツプのツバ部に爪部を設け、
この爪部に温度ヒユーズを抱持せしめたから、放
熱エレメントの温度を温度ヒユーズに伝えること
が容易となり、異常時放熱エレメントの温度が急
激に上昇した場合、温度ヒユーズが追従して上昇
し、危険温度を容易、かつ確実に検知することが
できる効果がある。

また、温度ヒユーズを簡単に取付けることがで
き、かつ取付けに際して従前に比して温度ヒユー
ズを損傷することがない等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図イは従来の放熱エレメントの過昇防止装
置の斜視図、ロは同上の部分側面図、第２図イは
従来の異なる放熱エレメントの過昇防止装置斜視
図、ロは同上の従来例の温度ヒユーズの取付状態
を示す断面説明図、第３図イは本発明にかかる放
熱エレメントの過昇防止装置の要部を示す部分斜
視図、ロは同上の側面図、第４図は温度ヒユーズ
をエンドキヤツプに取付ける状態を示す説明図、
第５図イ〜ハは温度ヒユーズをエンドキヤツプに
取付ける他の態様例を示す。 １……熱媒封入管、４……エンドキヤツプ、４
ａ……キヤツプ部、４ｂ……ツバ部、４ｃ……取
付用突部、４ｄ……突部、４ｅ，４ｆ……爪部、
５……ヒータ、６……サーモスタツト、６ａ……
受熱部、７……温度ヒユーズ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱媒封入管の開口端部をエンドキヤツプで閉
   じ、ヒータを前記エンドキヤツプに取付けたサー
   モスタツトと温度ヒユーズとの中間位置に近接し
   た位置で前記エンドキヤツプを貫通させて固定し
   て熱媒を封入してなる放熱エレメントの過昇防止
   装置において、前記エンドキヤツプはキヤツプ部
   とツバ部とからなり、かつこのツバ部に前記エン
   ドキヤツプに取付られそのキヤツプ部から露出し
   たサーモスタツトの受熱部と当接可能な突部を形
   成すると共に、温度ヒユーズが接触して取付けら
   れる爪部を形成したことを特徴とする放熱エレメ
   ントの過昇防止装置。