JPS6317604B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は補強材入り断熱パネルの製造方法に関
する。

硬質合成樹脂発泡体の表面と裏面とに防湿性表
面材を積層し、その発泡体の内部にそれと略同等
の厚さの補強材を埋設してなる断熱パネルは建築
用材料として知られている。この断熱パネルは、
当初においては、連続的に移動する防湿性表面材
１に均一に発泡性合成樹脂を吹き付け、これが発
泡途中の未硬化の状態の時に補強材２を押し付
け、樹脂３を排除しながら樹脂３中に補強材２を
埋設し、更に他方の防湿性表面材４をその上に積
層し、しかる後発泡硬化させることにより製造さ
れていたが、補強材を押し付けて樹脂を排除して
もある程度の樹脂が補強材２と防湿性表面材１と
の間に残留せざるを得ないため、第１図に断面図
で示すように、補強材２を埋設した部分に盛り上
り部分即ち不陸部分が生じ、厚さの不均一な平滑
性に欠ける断熱パネルしか得られなかつた。この
ような断熱パネルにおいては合成樹脂発泡体と後
から積層した防湿性表面材との接着が不均一とな
り、防湿性表面材の剥離やしわの発生などが起き
易いという欠点があり、また不陸部分を生じて平
滑性に欠けるため、取付作業時の施工性が悪いと
いう欠点があつた。そこで従来の欠点を解決する
ため、補強材２を埋設する前に圧縮空気を吹き付
けて補強材２の埋設部分に位置する発泡性合成樹
脂３を両脇に寄せて溝５を形成し、しかる後この
溝５内に補強材２を埋設するという方法が試みら
れた。しかし、そのようにしても圧縮空気で吹き
寄せた溝５は第２図のようになり、埋設する補強
材２の形状に正確に合致するように形成すること
は困難であり、その結果、前記溝５に補強材２を
挿入したとき第３図に示すように補強材２と表面
材１との間に合成樹脂３が入り込み、不陸部分の
発生は避けられず、上記欠点を完全に解決するに
は至らないばかりか、補強材２を挿入したときに
その周囲に完全に樹脂が充填されず未充填部分即
ち空隙部６を生じる虞れもあり、かかる空隙部６
の発生によつてパネルの断熱性及び強度の低下を
招くという不具合があつた。

本発明は上記各欠点を解消したものであり、不
陸部分や空隙部等の発生の虞れのない厚みの均一
な良品質の補強材入り断熱パネルを得ようとする
ものである。

即ち本発明は硬質合成樹脂発泡体の表面と裏面
とに防湿性表面材を積層し、その発泡体の内部に
それと略同等の厚みの補強材を部分的に埋設して
なる断熱パネルを製造するに当り、いずれか一方
の防湿性表面材を連続的に移動しながらその表面
の一部に補強材を載置し、次にこの上面に発泡性
合成樹脂を付着させた後、補強材上面に圧縮空気
を吹き付けて該補強材上面に付着せる発泡性合成
樹脂を飛散除去させ、表面材上の合成樹脂を発泡
させながら、これを、同一方向に移動する他方の
防湿性表面材と積層して押圧し、発泡性合成樹脂
を硬化させることを特徴とする補強材入り断熱パ
ネルの製造方法を提供するものである。

以下、本発明の実施例を図面に基き説明する。

第４図は本発明方法によつて製造される断熱パ
ネルの斜視図である。図中７は板状硬質合成樹脂
発泡体、２はその中に埋設された合成樹脂発泡体
と略同等の厚さの四角柱状の補強材であり、前記
合成樹脂発泡体７は防湿性表面材１及び４でサン
ドウイツチ状構造を呈している。この断熱パネル
は、防湿性表面材１，４と補強材２との間に実質
的に合成樹脂発泡体を存在させないものであり、
表面、裏面とも平滑性に優れる。

第５図は本発明方法による断熱パネル製造工程
を説明する側面図である。第５図において、一方
の防湿性表面材１は一定の速度で矢印の方向に移
動し、該表面材１上に補強材２が載置される。補
強材２を載置してなる表面材１に発泡性合成樹脂
３が供給される。供給手段としては例えばスプレ
ー８が用いられる。スプレー８によつて散布され
た発泡性合成樹脂３は表面材１上に付着させられ
るが、同時に該樹脂３は補強材２上面にも付着さ
せられる。

補強材２上面に付着した発泡性合成樹脂３を圧
縮空気噴出装置９のノズルから吹き出される圧縮
空気によつて除去する。即ち該装置９は補強材２
の上方位置に設けられ、圧縮空気を補強材２上面
に吹き付けて該補強材２上面に付着している発泡
性合成樹脂３を飛散させる。前記装置９は通常、
補強材２の数に対応して複数設けられる。１つの
補強材２に対し複数の装置９を設けてもよい。

本発明に用いられる圧縮空気噴出装置は圧縮空
気噴出量及び補強材の上面の発泡性合成樹脂から
の距離を調整できるものが望ましい。また圧縮空
気噴出装置のノズルの位置は、発泡性合成樹脂を
付着した後、それが発泡硬化する前であればどこ
でもよいが、発泡性合成樹脂の飛散除去を確実に
行ない且つエアー流量を効率的に利用するために
はクリームタイムのうちに圧縮空気吹付けを行な
える位置が好ましい。また通常、圧縮空気の量は
１〜100／min、ノズルの高さは10〜100mmの範
囲が好ましい。

防湿性表面材１上に付着した発泡性合成樹脂３
は発泡を起こしながら前記表面材１と共に矢印方
向に移動し、途中、ヒーター１０で加熱され発泡
が促進される。次いで、該発泡体を未硬化の状態
で、これと同一方向に同一速度で移動する他方の
防湿性表面材４と積層し押圧する（より具体的に
は発泡体と補強材の上面にそれら全面を覆うよう
に前記表面材４が供給され積層押圧される）。１
１，１２はベルトコンベアーであり、前記積層体
を押圧しながらこれを移送し、この際、パネルの
厚さが調整され、合成樹脂３の発泡体の硬化が完
了する。

合成樹脂発泡体の有する接着力によつて該発泡
体と防湿性表面材１，４とが接着される。尚、パ
ネル厚みの均一性に弊害をもたらさない程度であ
れば、圧縮空気による発泡性合成樹脂除去工程の
際、補強材上面に僅かに発泡性合成樹脂が残留し
ても差支えない。むしろ、この場合、残留樹脂に
よつて防湿性表面材４と補強材２との接着効果が
図られる。

本発明に用いられる発泡性合成樹脂としては、
その発泡体が断熱性に優れ、自己接着性を有する
ものであれば特に制限はないが、通常、発泡性ポ
リウレタン、フエノール樹脂、エポキシ樹脂、ユ
リア樹脂などが用いられる。また、これに積層す
る防湿性表面材としては、防湿性を有する可撓性
のシート状物が適宜用いられ、例えば、ポリ塩化
ビニルフイルム、ポリエチレンフイルムなどのプ
ラスチツクフイルム、クラフト紙やクラフト紙に
プラスチツクフイルム若しくはアルミニウム箔を
ラミネートしたラミネートフイルム、アスフアル
トルーフイング紙などが用いられる。尚、前記実
施例において、上方の表面材４を可撓性の表面材
とし、下方の表面材１を硬質の表面材とすること
も可能である。硬質の表面材としては例えば鉄
板、アルミニウム板等の金属板、セツコウボー
ド、ベニヤ板、スレート板、木毛板等を用いるこ
とができる。

本発明は予め防湿性表面材に補強材を載置して
その後に発泡性合成樹脂を付着させるようにした
から前記樹脂の付着された防湿性表面材と補強材
下面との間に前記樹脂が入り込む余地は全くな
く、従つて不陸部分を生じる虞れはない。そして
防湿性表面材のみならず補強材の上面にも前記樹
脂が付着するが、本発明は該補強材上面の樹脂を
圧縮空気を吹き付けて飛散除去させるので後から
積層される他方の防湿性表面材と補強材上面との
間が盛り上がる危険もなく、従つて補強材上面側
においても不陸部分を生じる虞れはない。しかし
て本発明によれば厚さの均一な平滑性に優れた断
熱パネルを得ることができる。そしてかかる断熱
パネルにおいては、合成樹脂発泡体と防湿性表面
材との接着が均一となり、防湿性表面材の剥離や
しわの発生などが起こる虞れはなく、且つ厚さ均
一で平滑性があるので現場における取付作業が容
易で施工性に優れている等の利点を備えているも
のである。

また本発明によれば樹脂の未充填部分即ち空隙
部を生じる虞れはなく、断熱性能及び強度の点に
おいても優れている。このように本発明方法によ
れば品質のすぐれた補強材入り断熱パネルを低コ
ストで連続的にかつ効率よく製造できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来方法によつて製造された補強材入
り断熱パネルの縦断面図、第２図、第３図は圧縮
空気を吹き付けて発泡性合成樹脂を両脇に寄せて
溝を形成し、該溝に補強材を挿入する従来方法を
説明する縦断面図、第４図は本発明方法により製
造された補強材入り断熱パネルの斜視図、第５図
は本発明方法による断熱パネルの製造工程を示す
側面図、第６図は第５図の製造工程中の圧縮空気
の吹き付け工程を示す縦断面図である。 １，４…防湿性表面材、２…補強材、３…発泡
性合成樹脂、７…硬質合成樹脂発泡体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 硬質合成樹脂発泡体の表面と裏面とに防湿性
   表面材を積層し、その発泡体の内部にそれと略同
   等の厚みの補強材を部分的に埋設してなる断熱パ
   ネルを製造するに当たり、いずれか一方の防湿性
   表面材を連続的に移動しながらその表面の一部に
   補強材を載置し、次にこの上面に発泡性合成樹脂
   を付着させた後、補強材上面に圧縮空気を吹き付
   けて該補強材上面に付着せる発泡性合成樹脂を飛
   散除去させ、表面材上の合成樹脂を発泡させなが
   ら、これを、同一方向に移動する他方の防湿性表
   面材と積層して押圧し、発泡性合成樹脂を硬化さ
   せることを特徴とする補強材入り断熱パネルの製
   造方法。