JPS6325941B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、硬質合成樹脂発泡体と仕上下地板の
間に防湿性面材を設けた建物の内貼り用断熱パネ
ルを効率良く製造する方法に関する。

従来鉄筋コンクリート、鉄骨、木造住宅等の建
物において、断熱材として硬質合成樹脂体と仕上
下地板を組み合せた内壁仕上下材板付きの断熱パ
ネルを内壁側に取付ける工法が行なわれている。
例えば一般的な工法として、発泡樹脂板を型枠に
セツトし、コンクリートを打ち込み、コンクリー
ト硬化後型枠のみをはずし、発泡樹脂板とコンク
リートを一体としたのち、発泡樹脂板表面に石膏
等の仕上下地板を接着する方法や、仕上下地板と
発泡樹脂板、裏面材を発泡樹脂の自己接着力によ
つて一体成型したパネルをRC造においてはボン
ド等で接着させる方法、木造においては釘等で
柱、間柱に固定する方法が行なわれている。この
ような建物の内貼り用断熱パネルは、室内側と室
外側の湿圧差が大きいため、断熱パネルの内部で
結露し易くなり、吸湿を防ぐため仕上下地板と断
熱材との間に防湿層を設けている。

従来このような断熱パネルを製造するには、硬
質ウレタンフオームのような発泡時に自己接着性
を有する硬質合成樹脂発泡体を断熱材として使用
するときには、発泡時の自己接着性を有する硬質
合成樹脂発泡体を断熱材として使用するときに
は、発泡時の自己接着性を利用して、可撓性を有
する裏面材とともに可撓性を有する防湿性シート
を発泡体と一体に積層成形しておき、ついで仕上
下地板を発泡板と接着する方法や、あるいは、あ
らかじめ仕上下地板に防湿性シートを接着してお
き、発泡時の自己接着性を利用して可撓性を有す
る裏面材とともに一体に積層成形する方法であつ
た。いずれにしてもこのような従来方法では、防
湿性シートを接着する工程が増加し、製造効率が
低く、断熱パネルのコストアツプの大きいもので
あつた。

本発明はこのような欠点を解消して、仕上下地
板、防湿性シート、裏面材を一つの製造ライン内
で硬質合成樹脂発泡体と連続的に積層一体成形す
ることを目的としたものである。

すなわち本発明は、硬質合成樹脂発泡体と仕上
下地板の間に防湿性面材を設けた断熱パネルを製
造するに際し、移動する仕上下地板表面に、ホツ
トメルトフイルム層とこのホツトメルトフイルム
よりも高融点の防湿性を有する基材シートからな
る防湿性積層シートのホツトメルトフイルム層面
を当接し、加熱圧着して仕上下地板と防湿性積層
シートを接着一体化し、該防湿性積層シート上に
発泡性合成樹脂及び裏面材を供給し、発泡性合成
樹脂を発泡させ、硬化させて積層一体化させるこ
とを特徴とする建物の内貼り用断熱パネルの製造
方法である。

防湿性積層シート７はホツトメルトフイルム２
と防湿性を有する基材シート３を積層一体化した
シートであり、基材シート３はホツトメルトフイ
ルム２より高融点であることが必要であり、20℃
以上の融点差が好ましい。また硬質合成樹脂発泡
体と接着性の良いものが好ましい。可撓性の防湿
性を有する基材シート３としてはポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、サーリン、ポ
リエステル、NBR、SBR、アルミ箔、スチール
箔などのシート及びこれらの複合シートが使用さ
れる。

ホツトメルトフイルム２としてはエチレンビニ
ルアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアミド、ポリエステル、スチレンイソプロピ
レンブロツクポリマー、スチレンブタジエンブロ
ツクポリマー、アタクチツクポリプロピレン、エ
チレンエチルアクリレート共重合体などの樹脂及
びこれらをベースレジンとしたホツトメルトフイ
ルムが使用される。

仕上下地板１は石膏、硅カル板、フレキシブル
ボード、木毛板、合板などの硬質板である。仕上
下地板１をキヤリヤー紙１７上にのせ、一定方向
に等速で移動させる。防湿性積層シート７をホツ
トメルトフイルム２側を仕上下地板１に向けて仕
上下地板１上に供給し加熱ロール１１及び受けロ
ール１２により防湿性積層シート７を加熱し、ホ
ツトメルトフイルム２を溶融して接着機能を活性
化させ、仕上下地板１面に接着する。このときの
加熱ロール１１の温度は80〜150℃が好ましい。
更に圧着ロール１３及び圧着受けロール１４によ
り防湿性積層シート７と仕上下地板１を圧着し、
接着を確実にする。

第２図に示した例では、この接着一体化した仕
上下地板１と防湿性積層シート７の積層板を下側
面材として上下に必要な間隔をあけて対向させた
下側ベルトコンベアー１６及び上側ベルトコンベ
アー１５のコンベアーラインに導入し、上側ベル
トコンベアー１５の上側で裏面材８上に発泡機
（図示せず）につながる吐出口１０から発泡性合
成樹脂９を吐出して発泡させながら反転させ、発
泡がほゞ完了した時点で積層板の防湿性積層シー
ト７と接触させ、発泡性合成樹脂の自己接着力に
より接着し、コンベアーラインの圧着によつて硬
質合成樹脂発泡体４を芯材とする一定厚さの断熱
板を製造することができる。

また図示はしてないが、下側コンベアー１６上
のキヤリヤー紙１７にのせられて移動する仕上下
地板１と防湿性積層シート７の積層板の防湿性積
層シート７上に直接発泡性合成樹脂を吐出して発
泡させ、上方から裏面材を供給して、ほゞ発泡を
完了させた発泡体表面に圧着し、上下のコンベア
ーラインによつて発泡体を一定厚さに調整しなが
ら硬化反応を完結させ、断熱板を製造することも
できる。硬質合成樹脂発泡体４を形成する発泡性
合成樹脂材料としては、発泡時に自己接着性を有
するものであり、ウレタンフオーム、ウレタン変
性イソシアヌレートフオーム、イソシアヌレート
フオーム、フエノールフオームなどの合成樹脂材
料である。裏面材８は、可撓性を有し、発泡性合
成樹脂９を支持し、硬質合成樹脂発泡体４を補強
するシート状物であればすべて使用することがで
きるが、断熱パネルの裏面からの吸湿を防ぐため
にも防湿性シートを一層設けることが好ましい。
また断熱パネルの裏面材８側を接着剤等で建物躯
体に接合するため、接着性にすぐれたシート状物
を使用することも好ましい。第１図に示した例で
は裏面材８として防湿性フイルム８と接着性にす
ぐれた基材シート６との積層シートを使用してい
る。防湿性フイルム５は防湿性を有する基材シー
ト３と同一の素材が使用できる。また接着性にす
ぐれた基材シートとしては石綿紙、ガラス不織
布、ライナー紙、金属箔などが使用できる。

本発明は以上のようであるから、移動する仕上
下地板１上に防湿性積層シート７のホツトメルト
フイルム２層面を当接してホツトメルトフイルム
２の融点よりも高く、基材シート３の融点よりも
低い温度で加熱圧着するから、基材シート３は変
形することがなく、ホツトメルトフイルム２のみ
溶融して接着機能を活性化させるので仕上下地板
１と防湿性積層シート７を積層一体化することが
でき、あとは通常行なわれている発泡性合成樹脂
と表裏面材との発泡一体成形と同様にして断熱パ
ネルを製造することができる。

従つて本発明によると一つの移動するライン中
で、仕上下地板、防湿性積層シート、硬質合成樹
脂発泡体、裏面材が積層一体化された断熱パネル
を連続的に製造することができ、工程増加による
コストアツプが解消される。また仕上下地材に防
湿性積層シートを接着する際に80〜150℃の温度
をかけるので、常温状態においても仕上下地材も
加熱されて表面温度が30〜40℃程度に昇温する。
この程度の温度は発泡性合成樹脂の発泡、硬化反
応に好適な結果をもたらし、発泡体の泡状組織も
微細で均一となり、好品質の断熱パネルが得られ
る。通常製造ライン中でこのような発泡、硬化反
応を良好に行なえるように仕上下地材の温度調節
をする必要があるが、そのためには大がかりな装
置と手間がかかるものであるが、本発明によると
適度の温度状態となるのでその必要もなく、簡単
な装置で手間をかけることなく高品質の発泡体が
得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によつて得られる断熱パネルの
断面図、第２図は製造方法を示す説明図である。 １……仕上下地板、２……ホツトメルトフイル
ム、３……防湿性を有する基材シート、４……硬
質合成樹脂発泡体、５……防湿性フイルム、６…
…基材シート、７……防湿性積層シート、８……
裏面シート、９……発泡性合成樹脂、１０……吐
出口、１１……加熱ロール、１３……圧着ロー
ル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 硬質合成樹脂発泡体と仕上下地板の間に防湿
   性面材を設けた断熱パネルを製造するに際し、移
   動する仕上下地板表面に、ホツトメルトフイルム
   層とこのホツトメルトフイルムよりも高融点の防
   湿性を有する基材シートからなる防湿性積層シー
   トのホツトメルトフイルム層面を当接し、加熱圧
   着して仕上下地板と防湿性積層シートを接着一体
   化し、該防湿性積層シート上に発泡性合成樹脂及
   び裏面材を供給し、発泡性合成樹脂を発泡させ、
   硬化させて積層一体化させることを特徴とする建
   物の内貼り用断熱パネルの製造方法。