JPS6317329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扱室内に軸架収容する扱胴のコーン
状をなす始端部の周面にオーガーが装設されてい
る形態の脱穀装置についての改良に関するもので
ある。

上述の如く扱胴のコーン状をなす始端部の周面
にオーガーを装備せしめた形態の脱穀装置におい
ては、扱室内にその扱室の穀稈入口から供給され
た穀稈及びその穀稈から扱胴の始端部の周面のオ
ーガーにより扱き落された脱穀物が、扱胴の始端
部を囲む扱室の始端部たる始端部収容部から扱胴
の胴主体を囲む部位たる胴主体収容部に送込まれ
るときに、逆に扱室の始端部たる始端部収容室側
に押し返されるようになる傾向が生じて、その穀
稈及び脱穀物の扱室内における軸方向の流れを悪
くするとともに、脱穀処理物を団塊状に集合させ
て、脱穀室内における穀稈の脱穀機能および脱穀
物の処理機能を低下せしめている問題がある。

本発明は、この問題を解消せしめるためになさ
れたものであつて、扱室の穀稈入口から供給され
る穀稈およびその穀稈から扱胴の始端部の周面の
オーガーにより扱落とされた脱穀物が、扱胴の胴
主体を囲む扱室の胴主体収容部に、円滑にかつ拡
散して送り込まれるようにする新たな手段を提供
することを目的とする。

そして、本考案においては、この目的を達成す
るための手段として、コーン状をなす始端部の周
面にオーガーが装備されている扱胴を収容せしめ
た扱室の、前記扱胴の始端部に連続する胴主体を
囲む胴主体収容部を、それの少なくとも下半側に
おける断面積が、前記扱胴の始端部を囲む扱室の
始端部収容部の断面積よりも段階的に大きくなる
よう形成して、扱室の前記始端部収容部と胴主体
収容部との間に、胴主体収容部側が下方に落ち込
む段差を形設せしめたことを特徴とする脱穀装置
を提起するものである。

次に実施の一例を図面に従い具体的に説明する
と、第１図において、ａは脱穀装置Ａの機体、１
は機体ａ内腔に装設せる扱室、２はその扱室１内
に横架軸支せる扱胴である。

扱室１は、機体ａの上半側に、機体ａの前端
（第１図において左端）から後端に至るよう機体
ａの前後方向に長く形成してあつて、前端側に
は、該扱室１の外面側に横架張設せるフイードチ
エン３に基端を挾持せしめた穀稈の穂先部を該扱
室１内に供給していくための穀稈入口１０が装設
され、また、後端側には、前記フイードチエン３
により該扱室１内に供給されて前述扱胴２による
脱穀作用を受けた脱穀ずみの穀稈を、前記フイー
ドチエン３により排出せしめるための排稈口１１
が装設してある。

前記扱胴２は、上述の扱室１内に、軸線方向が
機体ａの前後方向に沿う姿勢として横架軸支さ
れ、それの、前記扱室１の穀稈入口１０に臨む始
端側に形成したコーン状の始端部２ａの周面には
２条螺旋に巻いたオーガー２０が装備せしめてあ
り、そのコーン状の始端部２ａの後端から扱室１
の排稈口１１に臨む終端部に至るまで同径で連続
するよう形成されている胴主体部２ｂの周面に
は、扱歯２１…が植設されている。

Ｗは、前述扱室１の、前記扱胴２の始端部２ａ
を収容している始端部収容部１ａと、前記扱胴２
の胴主体部２ｂを収容している胴主体収容部１ｂ
との間に、胴主体収容部１ｂ側階段状に下方に落
込むよう形成した段差で、第２図にて鎖線に示し
ている如く、胴主体収容部１ｂの軸芯より下方の
下半側を、それの断面積が始端部収容部１ａの下
半側の断面積よりも大きくなるように形成するこ
とで形設してある。なお、この段差Ｗは、胴主体
収容部１ｂの内径を、始端部収容部１ａの内径よ
りも拡張することで、周方向の全周に渡つて形設
するようにしてもよい。

なお、図示する実施例の脱穀装置Ａは、コンバ
インの機体に装架してコンバインの脱穀部とする
ようコンバイン用に形成されたものであつて、そ
のため、前述のフイードチエン３の搬送方向の始
端部３０は、刈取部の穀稈搬送装置で送られてく
る刈取穀稈を受継ぐよう機体ａの前方に延出せし
めてある。

また、図において１２は、脱穀装置Ａをコンバ
インの機体に装架してコンバインを組立てる際、
刈取部から送られてくる刈取穀稈を丸ごと受入れ
てスレツシヤー型のコンバインとするために、扱
室１の始端側（前端側）の下部に装設した穀稈受
入口、１３は前記穀稈受入口１２に送込まれてく
る穀稈を扱室１の始端部たる始端部収容部１ａ内
に掻込むよう、その穀稈受入口１２に臨ませて軸
架した掻込みビーター、１４は扱室１の受網、１
５は前記受網１４の終端部（後端部）に形設した
扱室１の排塵口、４０は扱室１下方の風選部４に
棚設する揺動選別棚を作動さす揺動軸、４１は前
記風選部４に選別風を送給する唐箕を作動さす唐
箕軸、４２は風選部４の底部に設ける１番スクリ
ユーを作動さす１番スクリユー軸、４３は２番ス
クリユーを作動さす２番スクリユー軸、４４は機
体ａの後面に設けた前記風選部４の排塵口であ
る。

このように構成せる実施例装置は次のように作
用する。

扱室１の始端部たる始端部収容部１ａに穀稈が
供給されると、その穀稈は、コーン状をなす扱胴
２の始端部２ａの周面のオーガー２０により脱穀
作用を受けながら扱胴２の胴主体２ｂを収容して
いる扱室１の胴主体収容部１ｂに向け送り込ま
れ、また、穀稈から前記オーガー２０により扱き
落とされた脱穀物もそのオーガー２０により扱室
１の胴主体収容部１ｂ側に送り込まれる。

このとき、扱室１の始端部たる始端部収容部１
ａから胴主体収容部１ｂに送り込まれていく穀稈
および脱穀物は、胴主体収容部１ｂがそれの断面
積を始端部収容部１ａの断面積より大きくなるよ
うに形成してあつて、始端部収容部１ａとの間に
該胴主体収容部１ｂ側が階段状に下方に落ち込む
段差Ｗが形設してあることで、内容積が大きくな
つて下方に落ち込むところに送り込まれるように
なる。

このため、扱室１の始端部たる始端部収容部１
ａからそれに続く胴主体収容部１ｂに、送り込ま
れるときの送込み抵抗が解消されて、穀稈および
脱穀物の扱室１内における軸方向の流れ（排塵口
１５側に向かう流れ）が円滑となり、しかも、扱
室１の始端部収容部１ａから胴主体収容部１ｂに
脱穀物が送り込まれる際に、拡散されるようにな
ることから、扱室１内における脱穀物の処理機能
が向上するようになる。

以上説明したように本考案による脱穀装置は、
コーン状をなす始端部２ａの周面にオーガー２０
が装備されている扱胴２を収容せしめた扱室１
の、前記扱胴２の始端部２ａに連続する胴主体２
ｂを囲む胴主体収容部１ｂを、それの少なくとも
下半側における断面積が、前記扱胴２の始端部２
ａを囲む扱室１の始端部収容部１ａの断面積より
も段階的に大きくなるよう形成して、扱室１の前
記始端部収容部１ａと胴主体収容部１ｂとの間
に、胴主体収容部１ｂ側が階段状に下方に落ち込
む段差Ｗを形設せしめて構成してあるのだから、
扱室の穀稈入口から供給される穀稈およびその穀
稈から扱胴の始端部の周面のオーガーにより扱落
ちされた脱穀物が、扱胴の胴主体を囲む扱室の胴
主体収容部に送り込まれていくときに、内容積が
大きくなつて下方に落ち込んでいるところに送り
込まれるようになることで、その送り込みが円滑
になり、かつ、拡散して送り込まれるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置の一部破断した側
面図、第２図は同上装置の一部破断した前面図で
ある。 図面符号の説明、Ａ……脱穀装置、Ｗ……段
差、ａ……機体、１……扱室、１ａ……始端部収
容部、１ｂ……胴主体収容部、１０……穀稈入
口、１１……排稈口、１２……穀稈受入口、１３
……掻込みビーター、１４……受網、１５……排
塵口、２……扱胴、２ａ……始端部、２ｂ……胴
主体、２０……オーガー、２１……扱歯、３……
フイードチエン、３０……始端部、４……風選
部、４０……揺動軸、４１……唐箕軸、４２……
１番スクリユー軸、４３……２番スクリユー軸、
４４……排塵口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コーン状をなす始端部２ａの周面にオーガー２
   ０が装備されている扱胴２を収容せしめた扱室１
   の、前記扱胴２の始端部２ａに連続する胴主体２
   ｂを囲む胴主体収容部１ｂを、それの少なくとも
   下半側における断面積が、前記扱胴２の始端部２
   ａを囲む扱室１の始端部収容部１ａの断面積より
   も段階的に大きくなるよう形成して、扱室１の前
   記始端部収容部１ａと胴主体収容部１ｂとの間
   に、胴主体収容部１ｂ側が階段状に下方に落ち込
   む段差Ｗを形設せしめたことを特徴とする脱穀装
   置。