JPH0339011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、少なくとも前端側（始端側）にスク
リユーオーガーを具備する扱胴が、軸方向を前後
方向として扱室内に収容してあるコンバインの脱
穀部において、その脱穀部の扱室の前端側に、刈
取部から送られてくる刈取穀稈を丸ごと扱室内に
受入れるように装設する穀稈受入口についての改
良に関する。

上述の形態のコンバインの脱穀部は、それの穀
稈受入口に向け刈取部側から移送されてくる刈取
穀稈を、その穀稈受入口を介し扱胴が収蔵軸架し
てある扱室内に受入れていく作動が確実に行なわ
れるようにするため、通常、扱室内に収蔵軸架せ
る前記扱胴の前端側（始端側）の周面に、スクリ
ユーオーガーを装設して、前記穀稈受入口から扱
室内に送込まれてくる穀稈を、このスクリユーオ
ーガーにより扱室内に引き込むようにしている
が、それでも、穀稈受入口を介して行なわれる扱
室に対する刈取穀稈の取込みが悪く、扱室内の穀
稈受入口の付近の特に扱室の左右の両側部位に刈
取穀稈の停滞を生ぜしめ、扱室内における脱穀処
理性能を低下させる問題がある。

本考案は、この問題を解消せしめるためになさ
れたものであつて、刈取部側から送られてくる刈
取穀稈を、扱室の前端側に装設してある穀稈受入
口から、扱室内に取り込む作動が、穀稈受入口の
近くの扱室の左右の両側部位に、停滞やつかえを
生ぜしめることなく円滑に行なわれるようにし
て、この扱室内の左右の両側部位に生ずる刈取穀
稈の停滞による脱穀処理性能の低下の問題を解消
する新たな手段を提供することを目的とする。

しかして、本考案は、上述の目的のために種々
の研究と実験を重ねて得られた知見に基づいて完
成したものである。即ち、扱室内の穀稈受入口の
付近で扱室の左右の両側部位に生ずる刈取穀稈の
停滞は、その部位への刈取穀稈の送り込みが行な
われないことで、その部位に流れ込んだ刈取穀稈
の、扱胴の軸方向への流動が不充分になつて、そ
の位置に停滞するようになることによつて生じて
くることが判り、また、穀稈受入口の左右の開口
巾を、扱室の左右の巾より狭い範囲において左右
に広げ、その穀稈受入口を、前面視において、扱
室の左右の巾内に収まる状態で扱室内の扱胴の左
右の両側に跨つて位置するように配設すること
で、上述のつかえや停滞がなくなつて、扱胴の刈
取穀稈の引継ぎおよび刈取穀稈の扱室内への送込
みが円滑に行なわれるようになる結果が得られた
ことに基づくものである。

そして、このことから、本考案においては、上
述の目的を達成するための手段として、少なくと
も前端側にスクリユーオーガーを具備する扱胴が
軸方向を前後方向として扱室内に収容してあるコ
ンバインの脱穀部において、その脱穀部の扱室の
前端側に、刈取部から送られてくる刈取穀稈を丸
ごと扱室内に受入れるよう装設する穀稈受入口
を、それの左右の開口巾を脱穀部の扱室の左右巾
よりも狭く形成し、かつ、その狭い開口巾に形成
した穀稈受入口が、前面視において扱室の左右巾
内で、扱室内の扱胴の左右の両側に跨つて位置す
るよう配位して、前記扱室の前端側の下部に装設
したことを特徴とするコンバインの脱穀部におけ
る穀稈受入口を提起するものである。

次に実施の一例を図面に従い詳述する。

第１図は本考案を実施せるコンバインにおける
脱穀部Ａの一部破断した側面図で、同図におい
て、ａは脱穀部Ａの機体、１は機体ａ内に装設せ
る扱室、２はその扱室１内に軸線方向を前後方向
（第１図において左右方向）に沿わせた姿勢とし
て収蔵軸架せしめた扱胴、１２は刈取部（図面に
おいては省略している）で刈取られてその刈取部
側から送られてくる刈取穀稈を丸ごと扱室内に受
入れるように脱穀部Ａの機体ａの前端側の下部に
装設した穀稈受入口である。

脱穀部Ａは、組み合わせる刈取部の形態を変え
ることで、スレツシヤー型のコンバインと自脱型
のコンバインとに組立てられるよう、スレツシヤ
ー型としての使用と自脱型としての使用とが行な
える形態に形成したもので、そのため、それの機
体ａの上半側に設けた前記扱室１には、それの前
端側の上部に、該扱室１の側方の外面側に横架装
設されるフイードチエン３に株元側を挾持せしめ
た穀稈の穂先側を供給するための穀稈供給口１０
が装設され、また該扱室１の後端側の上部に、前
記フイードチエン３により該扱室１内に供給され
て前述扱胴２による脱穀作用を受けた脱穀ずみの
穀稈を、前記フイードチエン３により排出せしめ
るための排稈口１１が装設してある。

前記扱胴２は、上述の扱室１内に、軸線方向が
機体ａの前後方向に沿う姿勢として横架軸架さ
れ、それの前端側となる始端側に形成したコーン
状の始端部２ａの周面には２条螺旋に巻いたスク
リユーオーガー２０が装備せしめてあり、そのコ
ーン状の始端部２ａの後端から扱室１の排稈口１
１に臨む終端部に至るまで同径で連続するよう形
成されている胴主体部２ｂの周面には、扱歯２１
…が装設されている。

機体ａの前端側に、刈取部側が送られてくる穀
稈を丸ごと受入れるように開設する前述の穀稈受
入口１２は、それの左右の開口巾ｄが、第２図に
示している如く、扱室１の左右の巾Ｄよりも狭く
形成してあり、かつ、第２図にあるよう、前面視
において、扱室１の左右の巾Ｄ内で、扱室１内の
扱胴２の周面の左右の両側に跨つて位置するよう
に配位して、その扱室１の前端側の下部に装設し
てある。

なお、図示する実施例装置において、Ｗは、前
述扱室１のスクリユーオーガー２０が設けられて
いる扱胴２の始端部２ａを収容している始端部収
容部１ａと、扱胴２の胴主体部２ｂを収容してい
る胴主体収容部１ｂとの間に、胴主体収容部１ｂ
側が下方に落込むように形成した段差、３０は前
述のフイードチエン３の搬送方向の始端部、１３
は前記穀稈受入口１２に向け移送されてくる穀稈
をその穀稈受入口１２を介し扱室１の始端部たる
始端部収容部１ａ内に供給するよう、その穀稈受
入口１２に臨ませて軸架したフイーダーたるビー
ター、１３ａはそのビーター１３を収蔵して穀稈
受入口１２に接続して設けたフイーダーハウス、
１４は扱室１の受網、１５は前記受網１４の終端
部（後端部）に形設した扱室１の排塵口、４０は
扱室１下方の風選部４に棚設する揺動選別棚を作
動さす揺動軸、４１は前記風選部４に選別風を送
給する唐箕を作動さす唐箕軸、４２は風選部４の
底部に設ける１番スクリユーを作動さす１番スク
リユー軸、４３は２番スクリユーを作動さす２番
スクリユー軸、４４は機体ａの後面に設けた前記
風選部４の排塵口である。

上述の如く構成してある実施例装置は次のよう
に作用する。

刈取部側から移送されてくる刈取穀稈が、フイ
ーダーたるビーター１３により、機体ａの前端側
で扱室１の前端側の下部に装設した穀稈受入口１
２から扱室１内に供給されていくとき、その穀稈
受入口１２が、それの左右の開口巾ｄを扱室１の
左右の巾Ｄよりも狭く形成して、前面視において
扱室１の左右の巾Ｄ内で、扱室１内の扱胴２の周
面の左右の両側に跨つて位置するように配位して
装設してあることから、その刈取穀稈が、この穀
稈受入口１２から、それよりも左右に巾の広い扱
室１内に流入し、かつ、扱室１内の扱胴２の左右
の両側部位に送り込まれていくことになり、穀稈
受入口１２から扱室１内に供給されてくる刈取穀
稈を引き継ぐ扱胴２の前端部が、左右方向に余裕
のある状態となつて、扱室１内に刈取穀稈を引き
込むようになる。

このため、扱室１の左右の両側部位における刈
取穀稈の取り込みが、扱胴２の持ち回りによる停
滞や、つかえを生ぜしめることなく円滑に行なわ
れるようになる。

以上説明したように本考案によるコンバインの
脱穀部における穀稈受入口は、少なくとも前端側
にスクリユーオーガー２０を具備する扱胴２が軸
方向を前後方向として扱室１内に収容してあるコ
ンバインの脱穀部Ａにおいて、その脱穀部Ａの扱
室１の前端側に、刈取部から送られてくる刈取穀
稈を丸ごと扱室１内に受入れるよう装設する穀稈
受入口１２を、それの左右の開口巾ｄを脱穀部Ａ
の扱室１の左右巾Ｄよりも狭く形成し、かつ、そ
の狭い開口巾ｄに形成した穀稈受入口１２が、前
面視において扱室１の左右巾Ｄ内で、扱室１内の
扱胴２の左右の両側に跨つて位置するよう配位し
て、前記扱室１の前端側の下部に装設して構成し
てあるのだから、刈取穀稈が穀稈受入口１２から
扱室１内に供給されるときに、刈取穀稈が穀稈受
入口１２からそれよりも左右に巾の広い扱室１内
に流入し、かつ扱室１内の扱胴２の左右の両側部
位に送り込まれていくことになつて、供給されて
くる刈取穀稈を引き継ぐ扱胴２の前端側が、左右
方向に余裕のある状態で刈取穀稈を扱室１内に引
き込むようになり、扱室１の左右の両側部位にお
ける刈取穀稈の取り込みが、扱胴２の持ち回りに
よる停滞や、つかえを生ぜしめることなく円滑に
行なわれて、扱室１内の左右の両側部位に生ずる
刈取穀稈の停滞により扱室１内における脱穀処理
性能を低下させる問題を効果的に解消せしめるよ
うになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置の一部破断した側
面図、第２図は同上装置の一部破断した前面図で
ある。 図面符号の説明、Ａ……脱穀装置、ａ……機
体、１……扱室、１ａ……始端部収容部、１ｂ…
…胴主体収容部、１０……穀稈供給口、１１……
排稈口、１２……穀稈受入口、１３……ビータ
ー、１３ａ……フイーダーハウス、１４……受
網、１５……排塵口、２……扱胴、２ａ……コー
ン状の始端部、２ｂ……胴主体部、２０……スク
リユーオーガー、２１……扱歯、Ｗ……段差、３
……フイードチエン、３０……始端部、４……風
選部、４０……揺動軸、４１……唐箕軸、４２…
…１番スクリユー軸、４３……２番スクリユー
軸、４４……排塵口、ｄ……穀稈受入口の左右の
開口巾、Ｄ……扱室の左右巾。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも前端側にスクリユーオーガー２０を
   具備する扱胴２が軸方向を前後方向として扱室１
   内に収容してあるコンバインの脱穀部Ａにおい
   て、その脱穀部Ａの扱室１の前端側に、刈取部か
   ら送られてくる刈取穀稈を丸ごと扱室１内に受入
   れるよう装設する穀稈受入口１２を、それの左右
   の開口巾ｄを脱穀部Ａの扱室１の左右巾Ｄよりも
   狭く形成し、かつ、その狭い開口巾ｄに形成した
   穀稈受入口１２が、前面視において扱室１の左右
   巾Ｄ内で、扱室１内の扱胴２の左右の両側に跨つ
   て位置するよう配位して、前記扱室１の前端側の
   下部に装設したことを特徴とするコンバインの脱
   穀部における穀稈受入口。