JPS63171839A - 貴金属含有塩酸溶液からの貴金属の回収方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ロジウム等の貴金属と、銅、ニッケル及び鉄
等の卑金属を含有する塩酸溶液から前記貴金属を析出さ
せ、前記卑金属から分離し回収する方法に関する。

（従来技術及びその問題点） 不純物を含むロジウム等の貴金属を精製する工程におい
て、該ロジウムを亜硝酸置換すると不純物が水酸化物と
して析出するが、不純物が多いと多量の沈澱が生成する
。この中には白金、金、パラジウム及びロジウムのよう
な貴金属も含まれ、これらは塩酸溶解後亜鉛還元して回
収している。

しかしながらこの方法では貴金属と同時に鉄、銅及びニ
ッケル等の卑金属も回収され、貴金属と卑金属を分離す
ることはできない。

（発明の目的） 本発明は、貴金属、特にロジウムと卑金属を含有する塩
酸溶液の貴金属を卑金属から分離しほぼ定量的に回収す
るための方法を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、貴金属と卑金属が溶解した塩酸溶液から貴金
属を回収する方法において、該溶液に金属鉄を加えて貴
金属を析出させ卑金属から分離し回収することを特徴と
する方法である。

以下本発明の詳細な説明する。

本発明は、従来の亜鉛還元によると亜鉛のイオン化傾向
が大き過ぎ、金属固有のイオン化傾向の大小を問わずに
全ての金属を画一的に析出してしまうことを考慮し、亜
鉛よりもがなりイオン化傾向が小さい還元剤である鉄を
使用してロジウム等の貴金属と銅、ニッケル及び鉄等の
卑金属を含む塩酸溶液から、卑金属特に不純物として最
も好ましくない鉄を分離して純度の高い貴金属を回収す
ることを主眼とする。

つまり従来の亜鉛還元は、次式のような電荷のＺｎ＋Ｍ
ｅ”−ｅＺｎ”＋Ｍｅ 移行反応であるが、この反応の推進力となる亜鉛のイオ
ン化傾向が大きいため、溶液中のＭｅの種類を問わずに
Ｍｅを還元して析出してしまうことになる。従って一般
的に貴金属では小さく卑金属では大きいというイオン化
傾向の特性を両金属の分離に役立てることができなかっ
たのである。

これに対し、本発明による、亜鉛よりもイオン化傾向の
小さい鉄による還元では、鉄のイオン化傾向が分離すべ
き貴金属及び卑金属に近接しているため、該貴金属と該
卑金属のイオン化傾向の大小が両金属の析出に大きな影
響を及ぼし、イオン化傾向の小さい貴金属をより析出し
易くする。

本発明では、まず精製すべき貴金属及び夾雑物である卑
金属を塩酸溶液の形態に導く。塩酸溶液とするのは、還
元に使用される以外の鉄を溶解して塩化物とし、析出物
中に混入させないためである。該塩酸溶液に金属鉄を加
えて攪拌する。溶液は加熱しても加熱しなくともよいが
２０〜６０℃程度とすることが好ましい、攪拌を続ける
と前記金属が還元されて例えばロジウムブラックが析出
するとともに、鉄が塩化物になり、水素が発生する。

本発明による回収方法では、還元剤がイオン化傾向の大
きい亜鉛からイオン化傾向のより小さい鉄に置き換わっ
ているため、貴金属と卑金属の間のイオン化傾向の差が
析出量に影響し、貴金属はほぼ定量的に析出する。そし
て卑金属については、イオン化傾向の差により析出量が
変化する。例えば銅、ニッケル及び鉄はこの順にイオン
化傾向が大きくなり、本発明の一態様によるとニッケル
はかなりの量を除去できるが、銅はほとんど除去するこ
とができない、しかしながら本発明によると、最も好ま
しくない不純物である鉄をほぼ完全に除去することがで
きるためその利用価値は大きい。

更に本発明では、鉄以外の卑金属特にニッケルの含有量
をより以上に低下させようとする場合には、上記操作を
繰り返すようにしてもよい。

（実施例） 下記の表の上欄に示す量の金属を溶解したＩＥの塩酸溶
液（濃度ＩＮ）に板状の金属鉄２００ｇを加え、この溶
液を４日間攪拌を継続して該金属鉄を溶解させるととも
に溶液中の金属を還元して析出させた後攪拌を停止し、
該溶液中に残存する金属イオンの濃度及び析出した金属
の量を測定した。その結果を表の中欄及び下欄に示す。

（比較例） ロジウム１００Ｂ／ｊ、銅２８００ｍｇ／Ｉｌ、ニア　
’ｒ）Ｌｔ　１２００ｍｇ／　１１及び鉄２０００＋ａ
ｇ／　１１を含む１１の塩酸溶液を金属鉄の換わりに亜
鉛を使用して還元し析出した以外は実施例と同様に金属
の還元を行い、溶液中に残存する金属イオン及び析出し
た金属の量を測定したところ残存金属イオン濃度は、は
それぞれ、ロジウム２ｍｇ／ｌ、銅１２ｍｇ／ｚ、ニッ
ケル４０ｍｇ／ｌ及び鉄５５■ｇ／ＩＩであり、析出量
は、ロジウム９８ｍｇ、銅２７８８ｍｇ、ニッケル１１
６０ｍｇ及び鉄１９４５＋ｇであった。

書 実施例から、析出する金属の量は、貴金属である金、パ
ラジウム及びロジウム（白金は当初からほとんど含まれ
ていないため除外）がそれぞれ約３５　ｈｇ、　３９０
ｍｇ及び４１０Ｂでほぼ定量的に析出するのに対し、卑
金属である銅、ニッケル及び鉄の析出量はそれぞれ３３
５ｈｇ、１４００ｍｇ及びＯｍｇであり、銅はほとんど
除去されないが、ニッケルは約４０％が除去され、不純
物として最も好ましくない鉄はほぼ定量的に除去される
ことが分かる。

一方比較例から、貴金属であるロジウムはほぼ定量的に
析出するが、卑金属である銅、ニッケル及び鉄もほぼ定
量的に析出し、純度の向上には寄与しないことが分かる
。

（発明の効果） 本発明は、貴金属と卑金属が溶解した塩酸溶液から貴金
属を回収する際に、該溶液に金属鉄を還元剤として加え
て貴金属を析出させるようにしている。これにより貴金
属と卑金属の間の異なったイオン化傾向の特性の差異が
析出度に大きく影響し、イオン化傾向が小さく析出しや
すい貴金属がほぼ定量的に析出して回収され、不純物と
して最も好ましくない鉄を含まない貴金属を得ることが
できる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、貴金属と卑金属が溶解した塩酸溶液から貴金属を回
   収する方法において、該溶液に金属鉄を加えて貴金属を
   析出させ卑金属から分離し回収することを特徴とする方
   法。 ２、塩酸溶液に溶解した貴金属が主としてロジウムであ
   り、該ロジウムをロジウムブラックとして析出させるよ
   うにした特許請求の範囲第１項に記載の方法。