JPS631665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車軸を一体に備える三輪車用リアフレ
ームに関し、具体的にはリアフレームの後端部を
車軸としても形成できる三輪車用リアフレームに
関する。

一般に、三輪車の後車軸は、第１図ａのよう
に、リアフレームパイプ１の左右後端部に各々軸
孔２を設け、車軸用丸棒３を挿嵌するとともに、
該挿嵌部分を溶接して固定するか、あるいはま
た、第１図ｂのように、リアフレームパイプ１の
後端部１ａを車軸方向に折り曲げるとともに、一
端に座３ａを設けた車軸用丸棒３を上記パイプ１
端部に挿入し、座３ａとパイプ１とをスポツト溶
接することによつて形成されている。しかし、こ
のようにリアフレームに対してさらに別体の車軸
用丸棒を溶接固定することによつて車軸を形成す
るためには、まず、リアフレームに穿孔したり、
丸棒に座を設ける工程、溶接工程等いくつかの工
程が必要となるから手間がかかり、作業能率上問
題があつた。また、上記の他にも第１図ｃに示す
ように、リアフレームパイプ１の後端部１ａ自体
を車軸として利用するものもある。これは、リア
フレームパイプ１の端部を車軸方向に折り曲げ、
該端部１ａに車輪６を嵌合装着するとともに、パ
イプ１の最先端部の孔４に割りピン５を差し込ん
で車輪６の抜け止めとし、さらにその上からキヤ
ツプ７を嵌着するものである。しかしこれはリア
フレームパイプ１自体を車軸と同じ径とするもの
であるから、他の規格部品との互換性の点で問題
があつた。

本考案は上記欠点を解決し、特にリアフレーム
パイプの端部に該パイプと一体の車軸を形成して
成る三輪車用リアフレームを提案することを目的
とする。

以下、図面によつて本考案の実施態様について
説明する。

図において、符号１はリアフレームパイプを示
す。リアフレームパイプ１の端部は所定の車軸方
向に折り曲げられ、該端部１ａには、上記リアフ
レームパイプ１の表面の一部８を該パイプ１の長
手方向に沿つてパイプ１内部に没入させて成る車
軸部９が形成されている。このような車軸部９は
まず、その先端部１ａを折り曲げて車軸方向と一
致させ、第３図ａ〜ｃのように、先端部１ａをプ
レス１０及び１１によりそれぞれ横方向及び上下
方向にプレス加工してパイプ１の表面の一部８を
パイプ１の内側にめり込ませて没入させることに
よつて得ることができ、この先端部１ａは丸棒状
の車軸３ａとして形成される。このように構成す
ると、一様な丸棒や中空状パイプの場合よりもよ
り高い強度を持つ車軸部が得られる。また、プレ
スの圧力及び型に従つて車軸９は径を自由に成形
できるため、車軸の規格に簡単に適応させること
ができる。

なお、上記プレスによつて製造された車軸９に
は外周面上に凹部が形成されるが、第３図の点線
で示したように、全体として断面が円形をしてい
るので、車輪６をここに嵌入させても、凹部が回
転時の抵抗となることはない。したがつて第４図
ａのように車軸９に車輪６を嵌入させて、先端に
キヤツプナツト７を取付ければ、安定したリアフ
レームと一体化した後車輪を得ることができる。

なお、上記した車輪６はブロー成形やインジエ
クシヨン成形による合成樹脂製若しくはスチール
加工によるスチール製のいずれであつてもよい。

以上詳しく説明したように、本考案の三輪車用
リアフレームは後輪の車軸と一体化して成るもの
で、容易に形成できるほか強度が高く、車輪の取
付けも簡単であり、さらに他の規格部品との互換
性にも優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ及びｃはそれぞれ従来例に係るリ
アフレーム後端部と車軸を示す説明図、第２図本
考案に係るリアフレームの斜視図、第３図ａ〜ｃ
は上記リアフレームの製作の説明図であり、第４
図は上記リアフレームに車輪を取付ける例の説明
図である。 符号１……リアフレームパイプ、１ａ……リア
フレーム後端部、１ｂ……パイプ孔、２……車
軸、３……丸棒、３ａ……座、４……小孔、５…
…割りピン、６……車輪、７……キヤツプナツイ
ト、９……車軸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製中空状パイプから成る三輪車リアフレー
   ム本体先端部の表面の一部を内部に没入させ該先
   端部にリアフレーム本体よりも径小の後車輪用車
   軸部を一体に形成したことを特徴とする車軸を一
   体に備える三輪車用リアフレーム。