JPH021195Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自転車等の車両用ハンドルに係り、
とりわけ、ハンドルラツグとハンドルバーとの取
付構造の改良に関する。

従来、この種の車両用ハンドルとしては、第３
図に示す構造のものが知られていた。

当該車両用ハンドル２０は、ハンドルラツグ２
１とハンドルバー２２とから成り、ハンドルラツ
グ２１は、把持部２３とこれを収縮させる為の締
付具２４を備えて居り、ハンドルラツグ２１の把
持部２３にハンドルバー２２を挿入した後、締付
具２４を締付ける事に依りハンドルラツグ２１に
ハンドルバー２２を挾持固定する様になつてい
る。

ところが、この様な車両用ハンドルにあつて
は、ユーザサイドでハンドルラツグとハンドルバ
ーの取付けが行なえ、その間の運搬等が容易であ
るという利点が存するが、とりわけ、ハンドルラ
ツグの製作には多くのプレス加工と穿孔加工を施
さねばならないのでコストが高く付くと共に、締
付具の締付力が小さい場合にはハンドルバーが回
動したり、軸方向に移動したりする等の問題があ
つた。

この様な難点を克服するものとしては、第４図
並びに第５図に示した車両用ハンドル３０が知ら
れている。

これは、ハンドルラツグ３１とハンドルバー３
２とから成り、ハンドルラツグ３１は、板材を平
面略Ｕ型に彎曲されてその両片３３の対向箇所に
は挿通孔３４を穿設する事に依り構成され、該ハ
ンドルラツグ３１の挿通孔３４にハンドルバー３
２を挿通し、ハンドルラツグ３１の挿通孔３４の
近傍とハンドルバー３２とを直接溶接３５する事
に依り固定したものである。

この様な車両用ハンドルは、構造が極めて簡単
であるが、溶接作業者の熟練度に依り溶接強度に
バラツキが出ると共に、略Ｕ型を呈するハンドル
ラツグの各片をハンドルバーに直接溶接せねばな
らないので、溶接歪等に依り両片の間隔が不揃い
になつたり、非対称になつたりして取付精度が出
ず、品質が安定しない難点があつた。

又、溶接後は、ハンドルラツグとハンドルバー
が交差して嵩ばつた状態となり、この様な状態で
溶接箇所の仕上げ加工を施さねばならないので、
非常に手間が掛る難点もあつた。

本考案は、叙上の問題点に鑑み、これを解消す
る為に創案されたもので、その目的とする処は、
取付強度並びに取付精度を向上させて品質の安定
化を図ると共に、ハンドルラツグとハンドルバー
の取付後は仕上げ加工を施さないで済み、極めて
容易に取付ける事ができる車両用ハンドルを提供
するにある。

本考案の車両用ハンドルは、平面略Ｕ型を呈す
るハンドルラツグと、ハンドルラツグの両片の対
向箇所に穿設した挿通孔と、ハンドルラツグの両
片間に介設されて挿通孔に連なるべくその両端が
両片に取付けられた保持パイプと、保持パイプ内
に挿通されたハンドルバーと、保持パイプとハン
ドルバーの夫々直径方向に連通すべく穿設された
貫孔と、貫孔に嵌入された止結体とから構成した
事に特徴が存する。

つまり、ハンドルラツグ側に保持パイプを設け
て、該保持パイプとこれに挿通されるハンドルバ
ーとを止結体に依り止結固定したものである。

本考案に依れば、ハンドルラツグに保持パイプ
を取付け、これを介してハンドルバーを止結する
様にしているので、取付強度並びに取付精度を飛
躍的に向上できる。つまり、ハンドルラツグとハ
ンドルバーとを直接取付けないので、従来の如く
溶接強度にバラツキが出たり、溶接歪等に依り両
片の間隔が不揃いになつたり、非対称になつたり
する事がない。

ハンドルラツグと保持パイプとは、溶接等に依
り取付けるが、これらは比較的小さくて嵩ばらな
いので、その取付けが行ない易く、仕上げ加工も
容易である。

更に、本考案に依れば、ハンドルラツグとハン
ドルバーとを直接溶接に依つて取付けないので、
これらの材質が異なつていても容易に取付ける事
ができる。

以下、本考案の実施例を、図面に基づいて説明
する。

第１図は、本考案の実施例に係る車両用ハンド
ルの構造を示す一部横断平面図。第２図は、その
一部縦断正面図である。

車両用ハンドル１は、ハンドルラツグ２、挿通
孔３、保持パイプ４、ハンドルバー５、貫孔６，
７、止結体８とからその主要部が構成されてい
る。

ハンドルラツグ２は、平面略Ｕ型を呈して居
り、所定厚さの板材を略Ｕ型に彎曲させて形成
し、彎曲部９の両端から延びる二つの片１０，１
０を備えている。

ハンドルラツグ２の彎曲部９の内側には、パイ
プ状のハンドルポスト１１の上部が挿入され、両
者は溶接１２に依り取付けられる。

挿通孔３は、ハンドルラツグ２の両片１０，１
０の対向箇所に穿設されたものである。

保持パイプ４は、ハンドルラツグ２の両片１
０，１０間に介設されて挿通孔３，３に連なるべ
くその両端が両片１０，１０に溶接１３されるも
のである。

この例では、両片１０，１０の外面間距離に等
しい長さを備えた保持パイプ４とし、これを挿通
孔３，３に嵌入して保持パイプ４の両端と両片１
０，１０の外面との間を溶接１３する事に依り取
付けている。

ハンドルバー５は、保持パイプ４内に挿通され
るものであり、パイプ状を呈する。この例では、
中程をバルジ加工に依り膨出させている。

貫孔６は保持パイプ４に、貫孔７はハンドルバ
ー５に夫々直径方向に連通すべく穿設されたもの
であり、この例では保持パイプ４内にハンドルバ
ー５を嵌入した後に両貫孔６，７を一度に穿孔し
て居り、左右に二箇所設けた場合を例示してい
る。

止結体８は、貫孔６，７に嵌入されるものであ
り、この例では保持パイプ４の直径より大きい長
さを有するパイプを用い、これを貫孔６，７に嵌
入すると共に、保持パイプ４の外周面から突出し
た両端部分を外側に押拡げて扁平させ、貫孔６，
７に対して抜止めしたものを例示している。

前記ハンドルラツグ２、保持パイプ４、ハンド
ルバー５、止結体８は、この例では夫々ステンレ
ス製としている。

この様な車両用ハンドル１は、挿通孔３を備え
たハンドルラツグ２に保持パイプ４を溶接したも
のと、ハンドルバー５を用意して置き、ハンドル
バー５を保持パイプ４内に嵌入した後、連通する
貫孔６，７を穿設し、該貫孔６，７内に止結体８
を嵌入する事に依り組立てられる。

而して、その後にあつては、ハンドルバー５の
両端部を適宜彎曲させたり、ハンドルポスト１１
をハンドルラツグ２の彎曲部９に溶接したり、ハ
ンドルラツグ２の上面部分にカバー（図示せず）
を取付けたりされる。

尚、先の実施例では、ハンドルラツグ２、保持
パイプ４、ハンドルバー５、止結体８の夫々をス
テンレス製としたが、これに限らず、他の材質の
ものでも良い。とりわけ、ハンドルバー５は、ク
ラツド管を用いる事ができる。

ハンドルラツグ２と保持パイプ４とは、先の実
施例では、保持パイプ４の両端を挿通孔３に挿入
して溶接したが、この様にはせずに、挿通孔３の
直径と保持パイプ４の内径を等しくしてこれらが
連なる様に保持パイプ４を両片１０，１０の内側
間に配して溶接する様にしても良い。

ハンドルラツグ２と保持パイプ４とは、先の実
施例では、溶接に依り取付ける様にしたが、カシ
メたり金属用接着剤等に依り取付ける事もでき
る。

貫孔６，７は、先の実施例では二箇所にした
が、一箇所以上であれば良い。

止結体８は、先の実施例ではパイプを用いてこ
の両端を扁平させる様にしたが、中実の鋲を用い
たり、ボルトナツト等を用いる事もできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例に係る車両用ハンド
ルの構造を示す一部横断平面図。第２図は、その
一部縦断正面図。第３図は、従来の車両用ハンド
ルの構造を示す縦断正面図。第４図は、従来の他
の車両用ハンドルの構造を示す一部横断平面図。
第５図は、その一部縦断正面図である。 １……車両用ハンドル、２……ハンドルラツ
グ、３……挿通孔、４……保持パイプ、５……ハ
ンドルバー、６，７……貫孔、８……止結体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平面略Ｕ型を呈するハンドルラツグと、ハンド
   ルラツグの両片の対向箇所に穿設した挿通孔と、
   ハンドルラツグの両片間に介設されて挿通孔に連
   なるべくその両端が両片に取付けられた保持パイ
   プと、保持パイプ内に挿通されたハンドルバー
   と、保持パイプとハンドルバーの夫々直径方向に
   連通すべく穿設された貫孔と、貫孔に嵌入された
   止結体とから構成した事を特徴とする車両用ハン
   ドル。