JPS63163056A - トロイダル形無段変速機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はトロイダル形無段変速機に関するものである。

従来技術とその問題点 従来、対向配置された入、出力ディスク間に一対のパワ
ーローラを圧接状態で配置し、各パワーローラ回転自在
に支持した一対のトラニオンをそれ自身の軸方向に油圧
で作動させることにより、入、出力ディスクからパワー
ローラに作用する接線方向の力の分力によってパワーロ
ーラの傾きを変え、無段変速を行うトロイダル変速部を
備えたトロイダル形無段変速機が、特開昭５７−４７０
６０号公報、特開昭５８−５４２６２号公報に示されて
いる。

上記トロイダル形無段変速機の場合、トラ′ニオンの自
重による油室の油圧のアンバランスを解消するために、
左右のトラニオンはバネによって下方から支持されるか
、あるいはトラニオンの上下端部に設けたバネによって
ほぼ中央位置に弾性支持されている。

上記構成のトロイダル形無段変速機において、トロイダ
ル変速部の入力ディスクが流体継手や遠心クラッチなど
の動力断続機構を介してエンジンと接続されている場合
には、エンジンの始動時に動力断続機構は遮断されてい
るので、大力ディスクが急激に始動されることはない。

ところが、動力断続機構がトロイダル変速部より下流側
に配置されている場合、換言すれば入力ディスクが動力
断続機構を介さずにエンジンと接続されている場合には
、エンジンの始動とともに入力ディスクも急激に回転す
ることになる。そして、エンジンの始動に伴ってパワー
ローラを支持した左右のトラニオンがエンジン回転方向
に急激に付勢されるが、エンジンによって駆動されるオ
イルポンプは殆ど油圧を発生していないので、トラニオ
ンの上下端部に設けた油室には油圧が導かれていない。

また、左右のトラニオンは上述のようにバネによってほ
ぼ中央位置に弾性支持されているが、エンジン始動時の
付勢力は遥かに大きいので、トラニオンはケーシングの
ストッパ面に激しく衝突し、大きな衝撃音とショックを
発生するとともに、互いに圧接した入、出力ディスクと
パワーローラのトラクション駆動面を損傷するおそれが
あった。

発明の目的 本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、エンジン始動時のトラニオンの移動による衝
撃音およびショックを解消するとともに、トラクション
駆動面の損傷を防止できるトロイダル形無段変速機を提
供することにある。

発明の構成 上記目的を達成するために、本発明は対向配置された入
、出力ディスク間に一対のパワーローラを圧接状態で配
置し、各パワーローラを回転自在に支持した一対のトラ
ニオンをそれ自身の軸方向に作動させることにより無段
変速を行うトロイダル変速部を備え、上記トロイダル変
速部の入力ディスクが動力断続機構を介さずにエンジン
と接続されたトロイダル形無段変速機において、少なく
とも片側のトラニオンをエンジン回転方向に付勢するバ
ネ手段を設けたものである。

すなわち、少なくとも片側のトラニオンをエンジン回転
方向にバネ手段で付勢しておけば、エンジン始動前に既
にトラニオンは回転方向位置にあるので、エンジン始動
に伴うトラムオンの移動がなく、したがって衝撃音やシ
ョック、さらにはトラクション駆動面の損傷が防止され
る。

実施例の説明 第１図は本発明にかかるトロイダル形無段変速機の一例
を示し、１０は入力軸、２０はトロイダル変速部、３０
はローディングカム装置、４０は発進クラッチ、５０は
出力軸、５１は前後進切換機構、６０はディファレンシ
ャル装置であり、これら構成部品はケーシング１，２及
びカバー３．４によって覆われている。

エンジンのクランク軸５は、エンジンのトルク変動を吸
収するためのフライホイール６及びトーショナルダンパ
７を介して入力軸１０と連結されている。入力軸１０に
はトラクションオイルを吐出するためのギヤ式オイルポ
ンプ８がスプライン係合しており、オイルポンプ８の左
側にはケーシング２に対して入力軸１０及び出力ディス
クシャフト４２を回転支持する２個の軸受１１，１２が
隣接配置されている。一方の軸受１１は入力軸１０に作
用する図中左方向へのスラスト荷重を支持し、軸受１２
は後述するトロイダル変速部２０の出力ディスク２２に
作用する図中右方向のスラスト荷重を支持している。

トロイダル変速部２０は、入力軸重０上に回転自在に配
置された入力ディスク２１及び出力ディスク２２と、両
ディスク２１．２２の対向する円環面２１ａ、２２ａ間
に圧接状態で配置された２個のパワーローラ２３．２４
　とで構成され、パワーローラ２３．２４が転勤するに
つれて入力ディスク２１と出力ディスク２２とは互いに
逆方向に回転する。なお、トロイダル変速部２０の変速
制御は、パワーローラ２３．２４をクランク形状の支軸
２５．２６を介して支持したトラニオン２７、２８を入
力軸１０の軸線と直角方向に作動させることにより行わ
れる。

入力ディスク２１の背後には、入力ディスク２１に入力
軸１０の入力トルクに応じた図中右方向への推力（スラ
スト荷重）を付与するローディングカム装置３０が設け
られている。このローディングカム装置ｆ３０は、入力
ディスク１０にスプライン係合するカムディスク３１と
、入力軸１０の端末部に螺合し、皿バネ３２を介してカ
ムディスク３１の背後を押圧支持するナツト３３と、カ
ムディスク３１と入力ディスク２１との対向面に形成さ
れたカム面２１ｂ、３１ａ間に配置された複数のカムロ
ーラ３４と、各カムローラ３４を２個ずつ一定の間隔を
おいてかつ回転自在に保持する保持器３５とで構成され
ている。上記皿バネ３２は、カムローラ３４とカム面２
１ｂ、３１ａ間の初期接触圧と、パワーローラ２３と円
環面２１ａ、２２ａ間の初期接触圧とを付与しており、
入力トルクの増大につれてローディングカム装置３０の
作動によりパワーローラ２３，２４と円環面２１ａ、２
２ａ間の接触圧が増大し、滑りの無い動力伝達を（千っ
ている。

トロイダル変速部２０の下流側には湿式多板クラッチか
らなる発進クラッチ４０が配置されており、この発進ク
ラッチ４０のクラッチドラム４１は、入力軸１０上に回
転支持されかつ出力ディスク２２と一体回転する出力デ
ィスクシャフト４２にスプライン係合している。上記ク
ラッチドラム４１とクラッチ板４３を介して断接される
クラッチハブ４４は、上記出力ディスクシャフト４２上
に回転自在に支持された駆動ギヤ４５と一体形成されて
いる。なお、この実施例では出力ディスクシャフト４２
を出力ディスク２２と別体で形成した場合を示したが、
出力ディスクシャフト４２を出力ディスク２２と一体に
設けてもよい。

入力軸１０と平行に配置されたカウンタ軸４６には上記
駆動ギヤ４５と噛み合う従動ギヤ４７がスプライン係合
するとともに、前進用駆動ギヤ４８と後進用駆動ギヤ４
９とが一体形成されている。

出力軸５０も入力軸１０と平行に配置されており、この
出力軸５０上には前後進切換機構５１が設けられている
。前後進切換機構５１は、上記前進用駆動ギヤ４８と噛
み合う前進用従動ギヤ５２と、後進用駆動ギヤ４９とア
イドラギヤ５３を介して噛み合う後進用従動ギヤ５４と
、出力軸５０と一体回転するスプラインハブ５５と、切
換スリーブ５６とで構成され、切換スリーブ５６を軸方
向に摺動させることにより前後進切換を行う、出力軸５
０の右端部には出力ギヤ５７が一体に形成されており、
この出力ギヤ５７はディファレンシャル装置６０のリン
グギヤ６１と噛み合い、動力を車軸６２に伝達している
。

第２図はトロイ・ダル変速部２０の詳細を示し、トラニ
オン２７．２８の上下端部には油室８０〜８３と、この
油室８０〜８３内を摺動自在なピストン８４〜８７が連
設されており、油室８０〜８３にオリフィス８８〜９１
を介して制御油圧Ｐ、、Ｐ２を供給することによってト
ラニオン２７．２８は軸方向（図中上下方向）に移動可
能であり、かつ自身の軸回りに回動可能である。左右の
トラニオン２７　、２８はその上下端部が眼鏡形状の連
結部材７８．７９によって連結されており、例えば一方
のトラニオンが下方へ移動した場合は他方のトラニオン
は上方へ移動するようになっている。

上記油室のうち、入力ディスク２１の回転方向、叩ちエ
ンジン回転方向（図中矢印で示す）と対向する左下部と
右上部が正駆動側油室８１，８２　、これとは反対側の
左上部と右下部が逆駆動側油室８０，８８３となってい
る。また、正駆動側油室８１，８２に受容されたピスト
ン８５．８６の軸心には連通孔８５ａ、８６ａを有する
軸部８５ｂ、８６ｂが突設されており、この軸部８５ｂ
、８６ｂはケーシング２に対して摺動自在である。上記
連通孔８５ａ　、　８６ａには潤滑圧が導かれ、油室８
０〜８３に供給される制御油圧と分離されている。上記
一方の連通孔８５ａに導かれたトラクションオイルは、
トラニオン２７内部に形成された／ｒＩｌ滑孔２７ａ、
２７ｂを介してパワーローラ２３の内部、即ちクランク
形状の支軸２５．スラスト軸受９２．ボール９３、ニー
ドルベアリング９４などを潤滑し、さらにトラニオン２
７の上端部に形成された吐出孔２７ｃからパワーローラ
２３の外周部、特に入、出力ディスク２１．２２との接
触部へトラクションオイルが供給される。また、他方の
連通孔８６ａに導かれたトラクションオイルもトラニオ
ン２８の内部に形成された潤滑孔２８ａを介して支軸２
６．スラスト軸受９５゜ボール９６．ニードルベアリン
グ９７などを／ＩＩ滑するとともに、トラニオン２８の
上端部に形成された吐出孔２８ｂからパワーローラ２４
と入、出力ディスク２１．２２との接触部へ供給される
。

変速制御弁１００は、ケーシング２の上面に固定された
バルブボデー１０１と、バルブボデー１０１内に摺動自
在に挿通されたスリーブ１０２と、スリーブ１０２内に
摺動自在に挿入されたスプール１２０との３１Ｗ構造と
なっている。上記スリーブ１０２には４１１１のボート
１０３〜１０６が形成されており、中央のボート１０３
には油圧源からライン圧ＰＬが導かれ、右側のボート１
０４は図示しない油路を介して正駆動側油室８１，８２
と接続され、左側のボー）１０５は図示しない油路を介
して逆駆動側油室８０，８３と接続され、ボート１０６
はドレンボートである。

スリーブ１０２の右端部にはピン１０７が直径方向に貫
通固定されており、スリーブ１０２はピン１０７を介し
てステッピングモータ等からなる変速比制御用のアクチ
ュエータ１１０によって軸方向に作動される。即ち、ア
クチュエータ１１０の回転軸１１１にはネジ軸１１２が
固定されてお、このネジ軸１１２と螺合するネジ筒１１
３がスリーブ１０２の内側に挿通され、ネジ筒１１３の
切欠１１３ａが上記ピン１０７と嵌合して回転不能に係
止されている。また、上記ピン１０７の両端部はスリー
ブ１０２の外面に突出し、この突出端部はバルブボデー
１０１の側面に当接して回り止めされている。したがっ
て、アクチュエータ１１０の回転軸１１１がいずれかの
方向に回転すると、スリーブ１０２及びネジ筒１１３は
ピン１０７を介してパルプボデー１０１に対して回り止
めされているので、ネジ軸１１２がネジ筒１１３内を螺
進し、スリーブ１０２とネジ筒１１３とを一体に軸方向
へ作動させることができる。

上記ピン１０７とスプール１２０との間には、スリーブ
１０２とスプール１２０とを相反方向に付勢するスプリ
ング（バネ手段）１２１が介装されており、このスプリ
ング１２１は、ネジ軸１１２とネジ筒１１３とのバック
ラッシによるガタを吸収する機能と、スプール１２０を
揺動自在なベルクランク１２２を介してプリシスカム１
２３と常時接触させる機能と、左側のトラニオン２７を
下方（エンジン回転方向）へ付勢する機能とを有してい
る。上記ブリシスカム１２３は左側のトラニオン２７の
上端部とロッド１２４によって連結されており、これに
よりプリシスカム１２３はトラニオン２７と一体に回転
してスプール１２０を進退させることができる。

上記トロイダル変速部２０の変速比を変える場合には、
アクチュエータ１１０の回転軸１１１を正転又は逆転さ
せてスリーブ１０２を左右いずれかの方向に作動させれ
ばよい。例えばスリーブ１０２を図中右方へ作動させる
と、ボー）　１０３．１０５が連通してライン圧Ｐ、は
逆駆動側油室８０．８３に導かれるとともに、正駆動側
油室８１，８２の油圧はボー）　１０４からスプール１
２０の軸心に形成された連通孔１２０ａを介してドレン
ボート１０６よりドレンされる。したがって、逆駆動側
油室８０，８３の油圧が高くなり、左側のトラニオン２
７は下方へ、右側のトラニオン２８は上方へそれぞれ移
動し、それに伴ってパワーローラ２３．２４に加わる接
線方向の力の向きが変化するので、左側のパワーローラ
２３とトラニオン２７は上方から見て左回り方向に回転
し、右側のパワーローラ２４とトラニオン２８は上方か
ら見て右回り方向に回転する。即ち、トロイダル変速部
２０は低速比側へ変速される。そして、左側のトラニオ
ン２７と一体回転するブリシスカム１２３も左回り方向
に回転し、ベルクランク１２２を介してスプール１２０
をボート１０５が閉じられるまで右方へ押すため、トロ
イダル変速部２０は所望の変速比で維持される。上記の
ようにスリーブ１０２を右方へ作動させるとトロイダル
変速部２０は低速比側へ変速され、スリーブ１０２を左
方へ作動させると高速比側へ変速される。

上記構成のトロイダル形無段変速機において、トロイダ
ル変速部２０の入力ディスク２１はエンジンと動力断続
機構を介さずに接続されているので、エンジンの始動と
同時に入力ディスク２１も回転駆動される。この時、オ
イルポンプ８は油圧を殆ど発生していないので油室８０
〜８３には制御油圧が導かれておらず、エンジンの始動
に伴って左側のトラニオン２７は下方へ、右側のトラニ
オン２日は上方へ押され、両トラニオン２７．２８（ピ
ストン８５．８６）はケーシング２のストッパ面２ａ、
２ｂへ衝突することになる。その結果、大きな衝撃音や
ショックを伴うとともに、トラニオン２７．２８が急激
に移動することにより入、出力ディスク２１．２２の円
環面（トラクション駆動面）２１ａ、２２ａが損傷する
おそれがあった。

このような問題を解消するため、本発明ではスプリング
１２１によってエンジン停止時に於ける左側のトラニオ
ン２７を下方のストッパ面２ａと当接するまで付勢して
おき、右側のトラニオン２８も連結部材７８．７９を介
して上方のストッパ面２ｂと当接するまで付勢しである
。したがって、エンジン始動時にトラニオン２７．２８
が上下に移動することがなく、トラニオン２７．２８が
ストッパ面７８．７９に衝突して衝撃音やショックを発
生したり、トラクション駆動面が損傷するのを防止でき
る。　　　・なお、上記実施例では、トラニオン２７を
エンジン回転方向（下方）へ付勢するために変速制御弁
１００のスプリング１２１のバネ力を使用したが、この
場合にはスプリング１２１がネジ軸１１２とネジ筒１１
３とのバックラッシによるガタを吸収する機能と、スプ
ール１２０を揺動自在なベルクランク１２２を介してブ
リシスカム１２３と常時接触させる機能と、左側のトラ
ニオン２７をエンジン回転方向へ付勢する機能とを併有
しているので、部品数を少なくすることができる。なお
、上記スプリング１２１とは別にトラニオン２７．２８
を予めエンジン回転方向く左側トラニオン２７を下方、
右側トラニオン２８を上方）に付勢するスプリングを設
けてもよい。

発明の効果 以上の説明で明らかなように、本発明によればトロイダ
ル変速部の入力ディスクが動力断続機構を介さずにエン
ジンと接続されたトロイダル形無段変速機において、少
なくとも片側のトラニオンをエンジン回転方向に付勢す
るバネ手段を設けたので、エンジン始動前に既にトラニ
オンは回転方向位置にあり、エンジン始動に伴うトラニ
オンの移動がなり、衝撃音やショック、トラクション駆
動面の損傷が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるトロイダル形無段変速機の一例
の構造図、第２図は第１図の■−■線断面図である。 ２・・・ケーシング、２ａ　、　２ｂ・・・ストッパ面
、１０・・・入力軸、２０・・・トロイダル変速部、２
１・・・入力ディスク、２２・・・出力ディスク、２３
．２４・・・パワーローラ、２７゜２８・・・トラニオ
ン、４０・・・発進クラッチ、８０〜８３・・・油室、
８４〜８７・・・ピストン、１２１・・・スプリング（
バネ手段）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 対向配置された入、出力ディスク間に一対のパワーロー
   ラを圧接状態で配置し、各パワーローラを回転自在に支
   持した一対のトラニオンをそれ自身の軸方向に作動させ
   ることにより無段変速を行うトロイダル変速部を備え、
   上記トロイダル変速部の入力ディスクが動力断続機構を
   介さずにエンジンと接続されたトロイダル形無段変速機
   において、少なくとも片側のトラニオンをエンジン回転
   方向に付勢するバネ手段を設けたことを特徴とするトロ
   イダル形無段変速機。