JPS6316180Y2

JPS6316180Y2 -

Info

Publication number: JPS6316180Y2
Application number: JP6359182U
Authority: JP
Priority date: 1982-04-30
Filing date: 1982-04-30
Publication date: 1988-05-09
Also published as: JPS58166156U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、ミユーテイング回路あるいはスケル
チ回路と称されている消音装置に関するものであ
つて、特にFM受信機に用いて好適なものであ
る。

FM受信機において、選局中に局間の雑音を除
去して不快な雑音を耳にしないようにするため、
ミユーテイング回路あるいはスケルチ回路と称さ
れる消音装置が使用されている。

また、特定の放送周波数に同調中であつても、
受信状態が悪化したり、電界強度が低い場合に
は、AGC回路（自動利得制御回路）が動作して
増幅器の利得を上げるようになされている。この
場合、オーデイオ信号に含まれる雑音も大きくな
るため、非常に開きにくい。そこで、上述の如き
消音装置を設け、上記雑音が発生した時にこれを
検出し、オーデイオ信号の伝達径路を一時的に遮
断するか、又は低周波増幅回路の利得を下げるこ
とが行われている。

ところで、上記消音装置に要求される条件に
は、消音動作によつて出力波形に歪を生じないこ
と、周波数特性、位相特性に影響を及ぼさないこ
と、消音動作時の時定数が短いこと、充分な減衰
量が得られること等がある。しかし、従来の消音
装置では、上述した各条件を充分に満足すること
ができない。

本考案は上述の如き欠陥を是正するものであつ
て、FM搬送波信号の例えば零クロス位置に対応
したトリガー信号でリトリガブルマルチバイブレ
ータを駆動させ、その出力信号を制御信号として
信号の発生や伝達を制御するように構成した消音
装置を提供するものである。

以下、第１図及び第２図を参照して本考案の一
実施例を説明する。

リミツター増幅器１の入力端子T₂には、FM信
号（図示せず）が供給され、その出力端からは第
２図Ａに示す如き振幅制限された出力信号V₁が
得られる。出力信号V₁はトリガー回路２に供給
され、その出力端からは第２図Ｂに示す如きトリ
ガー信号V₂が得られる。なお、トリガー回路２
は、コンデンサと抵抗（何れも図示せず）とで構
成された微分回路であつてよい。また、トリガー
信号V₂は、上記出力信号V₁の零クロス位置に対
応して形成される。

そして、トリガー信号V₂は本考案でいうパル
ス信号発生手段である次段の単安定マルチバイブ
レータ３と、本考案でいう制御信号発生手段であ
るリトリガブルマルチバイブレータ４とに供給さ
れる。単安定マルチバイブレータ３からは、第２
図Ｃに示す如きパルス信号V₃が得られる。この
パルス信号V₃は、上記トリガー信号V₂に同期し、
その時間幅Ｔは単安定マルチバイブレータ３の時
定数によつて所定の値に決定される。また、パル
ス信号V₃が現われる間隔は、FM信号の変調度に
対応する。

一方、リトリガブルマルチバイブレータ４は、
いわゆる再トリガーのかかるマルチバイブレータ
であつて、第２図Ｄに示す如き制御信号V₄が得
られる。制御信号V₄の立上りは、第２図Ｂに示
すトリガー信号V₂に同期し、その時間幅t₁は上記
出力信号V₃の時間幅Ｔに対し、Ｔ＜t₁＜2Tに決
定される。なお、時間幅t₁は、図示しないコンデ
ンサC₁と抵抗R₁との時定数によつて調整される。

制御信号V₄は、単安定マルチバイブレータ３
を動作、非動作状態に制御する。この制御方法
は、例えば制御信号V₄が所定の電圧レベルＨの
時、単安定マルチバイブレータ３に電源電圧を供
給し、制御信号V₄が得られない時は電源を遮断
する方法でよい。この場合、制御信号V₄がＨレ
ベルの時、上述した出力信号V₃が積分回路５に
供給される。積分回路５からは、第２図Ｅに示す
如きオーデイオ信号V₅が得られ、このオーデイ
オ信号V₅は低周波増幅回路（図示せず）によつ
て増幅される。また、電源が遮断された時は、単
安定マルチバイブレータ３から出力信号V₃が得
られず、従つてオーデイオ信号V₅が得られない。

なお、制御信号V₄による上述の如き制御動作
は、信号の伝達径路を遮断する方法であつてもよ
い。例えば、単安定マルチバイブレータ３の入力
端か出力端かに仮想線で示す如くスイツチング回
路を設け、これを制御信号V₄で開閉するように
構成する。この場合、制御信号V₄が供給されて
いる時、スイツチング回路が閉状態に動作し、単
安定マルチバイブレータ３から出力信号V₃が得
られる。

また、制御信号V₄が得られない場合には、ス
イツチング回路が開状態に動作して、単安定マル
チバイブレータ３から出力信号V₃が得られない。
従つて、積分回路５から、第２図Ｅに示すオーデ
イオ信号V₅が得られず、消音動作が行われる。

ところで、出力信号V₃の時間幅Ｔは、FM信号
の周波数、言い換えれば搬送波の周波数の如何に
かかわらず常に一定の時間幅である。従つて、制
御信号V₄の時間幅t₁をＴ＜t₁＜2Tに調整するこ
とにより、受信状態においては制御信号V₄が単
安定マルチバイブレータ３に確実に供給される。
そして、受信状態が不良で微弱な電波しか受信で
きない場合であつても、FM信号からトリガー信
号V₂を確実に得ることができる。従つて、出力
信号V₃は微弱な電波とは無関係に発生し、オー
デイオ信号V₅の電圧レベルが低下したり、ノイ
ズ成分が含まれるようなことがない。

また、選局中の如く特定のFM信号が受信され
ない場合には、トリガー信号V₂が得られない。
そして、単安定マルチバイブレータ３から出力信
号V₃が得られず、オーデイオ信号V₅も得られな
い。また、選局動作に2T以上の時間がかかると
すれば、制御信号V₄が得られないので単安定マ
ルチバイブレータ３が非動作状態に切換えられる
か、信号伝達径路が遮断される。従つて、オーデ
イオ信号V₅が得られず、ノイズ成分等が発生す
ることもなく、消音動作が確実に行われる。

なお、上述した単安定マルチバイブレータ３
は、双安定マルチバイブレータであつてもよい。
更に、FM信号は、FM放送における主搬送波信
号、或いは音声多重放送における副搬送信号であ
つてもよい。

また、本考案の消音装置は、FM受信機のみで
なく、テレビジヨン受信機の音声回路に適用する
こともでき、更に他の通信装置等にも適用可能で
ある。特に通信装置に適用した場合には、山陰げ
や建造物の陰げであつても良好な受信を行うこと
ができ、極めて好都合である。

本考案は上述の如く、FM受信時においてFM
搬送波の有無により制御信号を得て、この制御信
号によりFM信号の伝達やオーデイオ信号の伝達
を制御するようにしたものであるから、放送電波
が受信されていない状態では低周波出力が得られ
ず、電気的ノイズも発生しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す消音装置のブ
ロツクダイアグラム、第２図は回路動作を説明す
るための波形図である。１……リミツター回路、２……トリガー回路、
３……パルス信号発生回路、４……制御信号発生
回路、V₂…トリガー信号、V₃……出力信号、V₄
……制御信号、V₅……オーデイオ信号。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

FM信号波の１周期毎にトリガー信号を発生す
るトリガー回路と、このトリガー信号が与えられ
る毎に所定の時間幅のパルス信号を作成して出力
するパルス信号発生回路と、上記パルス信号を積
分することによつて音声信号を再生する積分回路
と、上記トリガー信号により再トリガーをかけら
れることによつて制御信号を発生し、この制御信
号を供給することにより上記パルス信号発生回路
を動作状態に制御する制御信号発生回路とを有し
てなるFM受信機の消音装置。