JPS6316021B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷凍室、冷蔵室を備え、電動送風機に
よつて庫内に冷気を循環させる強制通風方式の２
温度式冷蔵庫における冷凍室内の急速冷却方法に
関するものである。

この種従来例で冷凍速度を速める手段として圧
縮機、電動送風機等を連続運転させる事が一般的
に行なわれている。特に強制通風方式の２温度式
冷凍庫については連続運転中冷蔵室側にも風が流
れて所望の冷凍室側への風量が減じるため冷凍効
率が悪いという不都合があつた。又最近冷凍室，
冷蔵室に各々専用の冷却器を設けた直接冷却方式
の冷蔵庫においては、上述した不都合点を解消す
るために冷却システム中に冷媒流路を切替える電
磁弁を設けて冷蔵室冷却器への流路を遮断し、冷
凍室冷却器にのみ集中的に冷媒を流すことによつ
て冷凍室内での急速冷凍を行なう例が見られる
が、一般的に一つの冷却器を冷却源とする強制通
風方式の冷蔵庫についてはかかる手段を採用する
ことができない。

本発明はかかる不都合点を排除して、強制通風
方式の冷蔵庫に、直接冷却方式の例と同様の効果
をもたせる急速冷却装置を極めて簡単な構成でし
かも安価に提供し、かつ急速冷凍時における冷蔵
室の温度上昇を考慮した冷蔵庫を提供するもので
ある。以下本発明の一実施例を添付図面に従い説
明する。

図において、１は冷蔵庫本体であり、下部に圧
縮機２、背面に凝縮器３をそれぞれ備えている。
本体１内は蒸発器４、強制通風用の電動送風機５
を有する区画壁６にて上部の冷凍室７、下部の冷
蔵室８の２室に区画されている。９は冷凍室７に
配置した冷凍室サーモスタツトで冷凍室温度に応
じて開閉し上記圧縮機２、電動送風機５の運転を
制御するものである。１０は冷蔵室８の冷気吐出
口に配置したダンパーサーモスタツトで、冷蔵室
温度に応じてダンパーを開閉制御し、もつて冷蔵
室温度を所望の温度に保つものである。このダン
パーサーモスタツト１０にはこのダンパーサーモ
スタツトの動作を補償する温度補償ヒータ１１が
設けられている。而して冷凍室７、冷蔵室８へは
電動送風機５によつて蒸発器４で冷却された冷気
を図中矢印で示す如く強制循環するものである。

次に上記冷蔵庫の電気回路図について説明す
る。１２は冷凍室７内の一部に感温部を設けた手
動閉成、自動開放のバイメタルスイツチで、手動
閉成後、冷凍室７が所定温度まで冷却されると自
動的に接点を開放するよう構成している。１３は
接点吸引用コイル１３ａをバイメタルスイツチ１
２と直列に接続した切替リレーで、通常時は切替
接点１３ａが閉成していて前記ダンパーサーモス
タツト１０の温度補償ヒータ１１に常時通電せし
める常閉回路Ａを構成し、動作時は切替接点１３
ｂが開成し前記温度補償ヒータ１１への通電を停
止するとともに冷凍室サーモスタツト９を短絡す
る短絡回路Ｂを構成する。又１４は冷蔵室８内の
一部に設けた冷蔵室サーモスタツトで、前記バイ
メタルスイツチ１２が閉成中は通常閉成していて
前記バイメタルスイツチ１２と切替リレー１３の
接点吸引用コイル１３ａとに直列に通電する回路
を構成する常閉接点１４ａと冷蔵室８が所定温度
にまで上昇すると接点を開成して前記切替リレー
１３の接点吸引用コイル１３ａへの通電は中断す
るが、冷凍室サーモスタツト９を短絡する第２短
絡回路B′は維持する常開接点１４ｂとを有して
いる。

かかる構成において、冷凍室７内の食品等を急
速冷凍したい場合には、バイメタルスイツチ１２
を手動で閉成することにより切替リレー１３の接
点吸引用コイル１３ａに通電され、切替接点１３
ｂが吸引されて常閉回路Ａが開成し、短絡回路Ｂ
が閉じて冷凍室サーモスタツト９を短絡し、圧縮
機２及び電動送風機５を連続運転させると同時に
ダンパーサーモスタツト１０の温度補償ヒータ１
１への通電を停止させて、ダンパーサーモスタツ
ト１０の保温状態を解除して自動的にダンパーを
閉合させ冷蔵室８への冷気供給を略停止する。こ
のため電動送風機５によつて強制通風される冷気
はほとんど冷凍室７のみに集中的に且つ連続的に
送り込まれ急速冷凍を開始する。

その後冷凍室７内が十分低温に冷却され、冷凍
室７内の一部に設けたバイメタルスイツチ１２の
感温部が所定の設定温度に列達するとバイメタル
スイツチ１２の接点は自動的に開放され、切替リ
レー１３の接点吸引用コイル１３ａへの通電も停
止されて切替接点１３ｂは元の状態に復帰し急速
冷凍は解除される。又、バイメタルスイツチ１２
の閉成中、即ち急速冷凍中は冷蔵室８内への冷気
供給は略停止されているため冷蔵室８内温度は
徐々に上昇するが、急速冷凍時間が長びいて冷蔵
室温度が上昇しすぎて所定の温度に到達すると、
これを検知した冷蔵室サーモスタツト１４の接点
が常開接点１４ｂ側に切替り、切替リレー１３の
接点吸引用コイル１３ａへの通電を中断し切替接
点１３ｂを強制的に復帰させてダンパーサーモス
タツト１０の温度補償ヒータ１１への通電を再開
するが、この時冷凍室サーモスタツト９の短絡状
態は第２短絡回路B′により維持され、圧縮機２、
電動送風機５は連続運転を継続し、冷凍室７へ冷
気を送ると同時に冷蔵室８内へもダンパーの開成
により連続的に冷気が送り込まれて冷蔵室８は急
速に冷却され温度過昇状態が解除される。

そして冷蔵室８内が所定の低温に到達すると再
び接点が常閉接点１４ａ側に切替つて切替リレー
１３の吸引用コイル１３ａへの通電を再開し通常
の冷凍室７の急速冷凍を再開する。

以上の構成より明らかな様に、本発明は手動で
閉成して冷凍室サーモスタツトを短絡して圧縮
機、電動送風機を連続運転すると同時に冷蔵室へ
の冷気量を制御するダンパーサーモスタツトの温
度補償ヒータへの通電を停止させて冷気を冷凍室
のみに集中的に送風するスイツチを設けて、これ
を急速冷凍用のスイツチとするとともにその感温
部を冷凍室内に設けて自動的に急速冷凍の解除を
可能としたもので冷凍室を迅速に且つ効率よく急
速冷凍出来る効果があるとともに急速冷凍の完了
と相関をもたせた庫内温度検知によつて自動的に
急速冷凍を終了して解除するため必要以上に急速
冷凍を継続してしまう無駄もない。又冷蔵室内に
も温度過昇防止用の冷蔵室サーモスタツトを設け
けて急速冷凍中に冷蔵実施度が上昇しすぎると急
速冷凍を一旦中断して冷蔵室温度を低下させてか
ら再び急速冷凍を自動的に再開できるので、急速
冷凍が長びいて冷蔵室内温度が上昇しすぎて冷蔵
室内の食品等に悪影響を与える必配がない。

しかも極めて簡単な構成と手段で冷蔵室内の食
品を安全に保存しながら強制通風方式の冷凍冷蔵
庫に効率良く極速な急速冷凍法を提供することが
出来、実用上の効果も高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例の冷蔵庫の概略断面
図、第２図は同冷蔵庫の概略電気回路図を示す。 ２……圧縮機、５……電動送風機、９……冷凍
室サーモスタツト、１０……ダンパーサーモスタ
ツト、１１……温度補償ヒータ、１２……バイメ
タルスイツチ（スイツチ）、１４……冷蔵室サー
モスタツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷凍室及び冷蔵室と、これら各室に冷気を循
   環させる電動送風機と、圧縮機及び前記電動送風
   機の運転を制御する冷凍室サーモスタツトと、冷
   蔵室への冷気量を制御するダンパーサーモスタツ
   トと、前記ダンパーサーモスタツトの動作特性を
   補償する温度補償ヒータと、冷凍室内に感温部を
   設けて応動する手動閉成、自動開放のスイツチ
   と、冷蔵室内の温度を感知して接点を切替える冷
   蔵室サーモスタツトとを備え、前記スイツチの閉
   成時には、前記冷凍室サーモスタツトを短絡し、
   かつ前記温度補償ヒータへの通電を停止せしめる
   とともに、前記スイツチの閉成中に冷蔵室が所定
   温度に上昇して前記冷蔵室サーモスタツトが作動
   した時には前記温度補償ヒータへの通電を再開す
   る様に構成した冷蔵庫の急速冷却方法。