JPS6315985B2 - - Google Patents
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- JPS6315985B2 JPS6315985B2 JP56115497A JP11549781A JPS6315985B2 JP S6315985 B2 JPS6315985 B2 JP S6315985B2 JP 56115497 A JP56115497 A JP 56115497A JP 11549781 A JP11549781 A JP 11549781A JP S6315985 B2 JPS6315985 B2 JP S6315985B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
この発明は、すぐれた耐摩耗性、なじみ性、お
よび耐食性を有する燃料供給ポンプの構造部材用
材料に関するものである。 従来、一般に燃料供給ポンプとして、例えばダ
イヤフラムポンプやベーン型フイードポンプなど
が知られ、かつこれらの燃料供給ポンプの構造部
材であるハウジングやロータ、さらに前記ロータ
の外周面にそつて所定間隔に嵌着されたローラや
ブレードなどが熱処理した軸受鋼にて製造されて
いることも良く知られるところである。 ところで、近年、石油事情の悪化から、低質ガ
ソリンやアルコール含有ガソリン、さらにアルコ
ールなどが燃料として使用されるようになり、こ
れに伴つて、これら燃料の供給に前記の燃料供給
ポンプが使用されるようになつたが、この場合前
記の軸受鋼製構造部材においては、相互になじみ
性が悪く、かつ耐摩耗性も悪く、さらにアルコー
ル中に含有する水分、あるいは低質ガソリンのPH
低下による酸性化に原因の腐食が発生するもので
あつた。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、低質ガソリンやアルコール含有ガソリン、さ
らにアルコールなどの燃料の供給に用いても、す
ぐれた耐摩耗性、なじみ性、および耐食性を示す
燃料供給ポンプの構造部材を得べく研究を行なつ
た結果、上記燃料供給ポンプの構造部材を、C:
0.5〜3.5%、Cr:7〜35%、Cu:0.3〜4.9%を含
有し、さらに必要に応じてMoおよびWのうちの
1種または2種:0.5〜10%、同じくNiおよびCo
のうちの1種または2種:0.5〜10%、さらに同
じくNb,Ta、およびTiのうちの1種または2種
以上:0.1〜10%を含有し、残りがFeと不可避不
純物からなる組成(以上重量%)、並びに10〜30
容量%の空孔率を有する焼結体の空孔にCuまた
はCu合金を溶浸した材料で構成すると、この結
果の構造部材は、上記組成によつて、基本的に
Fe基合金素地中に炭化物が分散析出し、かつCr
およびCuが素地中に固溶した組織をもつように
なるため耐摩耗性および耐食性にすぐれ、かつ空
孔へのCuまたはCu合金の溶浸によつてなじみ性
のすぐれたものとなるという知見を得たのであ
る。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に成分組成範囲および多孔度を
上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) C C成分には、素地に固溶して、これを強化する
と共に、Cr、さらに必要に応じて含有させた
Mo,W,Nb,Ti、およびTaと結合して炭化物
を形成して耐摩耗性を向上させる作用があるが、
その含有量が0.5%未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方3.5%を越えて含有させると
炭化物の析出量が多くなりすぎて脆化するように
なると共に、相手部材を損傷するようになること
から、その含有量を0.5〜3.5%と定めた。 (b) Cr Cr成分には、素地に固溶して耐食性を向上さ
せると共に、これを強化し、さらにCと結合して
高硬度を有するCr炭化物を形成し、もつて耐摩
耗性を向上させる作用があるが、その含有量が7
%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方35%を越えて含有させると、素地が脆化し、か
えつて耐摩耗性の劣化をきたすようになることか
ら、その含有量を7〜35%と定めた。 (c) Cu Cu成分には、素地に固溶し、これを強化して
なじみ性を改善するほか、耐食性を改善し、さら
に溶浸されるCuまたはCu合金との濡れ性を改善
して溶浸を容易に行なわしめる作用があるが、そ
の含有量が0.3%未満では前記作用に所望の効果
が得られず、一方4.9%を越えて含有させてもよ
り一層の改善効果が現われないことから、その含
有量を0.3〜4.9%と定めた。 (d) MoおよびW これらの成分には、素地に固溶し、これを強化
するほか、Cと結合して炭化物を形成し、耐摩耗
性を向上させる作用があるので、特に高い面圧の
かかる条件下で使用する場合に必要に応じて含有
させるが、その含有量が0.5%未満では、前記作
用に所望の改善効果が得られず、一方10%を越え
て含有させると、相手部材の損傷が大きくなるこ
とから、その含有量を0.5〜10%と定めた。 (e) NiおよびCo これらの成分には、一段と素地を強化し、かつ
相手材とのなじみ性を一層改善するほか、使用燃
料に対する耐食性をより向上させる作用があるの
で、特にこれらの特性が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量が0.5未満では
前記特性に所望の改善効果が得られず、一方10%
を越えて含有させてもより一層の改善効果は現わ
れず、経済性を考慮し、その含有量を0.5〜10%
と定めた。 (f) Nb,Ta、およびTi これらの成分は、Cと強い親和力をもつため、
これと結合して高硬度を有する炭化物を形成する
ほか、Crをはじめとする炭化物形成成分ととも
に複炭化物を形成して、分散相たる炭化物と結合
相たる素地との結合を一段と強固にし、もつて耐
摩耗性をより一層向上させ、さらに低質燃料に対
する耐食性を一段と改善する作用をもつので、こ
れらの特性が要求される場合に必要に応じて含有
されるが、その含有量が0.1%未満では前記特性
に所望の改善効果がみられず、一方10%を越えて
含有させると相手部材の損傷が大きくなることか
ら、その含有量を0.1〜10%と定めた。 (g) 空孔率 焼結体の空孔率が10容量%未満では、オープン
ポア量が少な過ぎて耐食性のすぐれたCuまたは
Cu合金を十分に溶浸することができず、この場
合耐食性は勿論のこと、なじみ性および強度も十
分でなく、一方30容量%を越えた空孔率になる
と、強度低下が著しく、かつ耐摩耗性も劣化する
ようになることから、焼結体の空孔率を10〜30容
量%と定めた。なお、上記耐食性のすぐれたCu
合金としては、いずれも公知のCu−Sn合金、Cu
−Sn−Zn合金、Cu−Sn−Pb合金、Cu−Sn−Zn
−Pb合金、Cu−Zn合金、Cu−Pb合金、Cu−Zn
−Pb合金、Cu−Co合金、およびCu−Ni合金な
どの使用が望ましい。 また、この発明の材料は、不可避不純物とし
て、P,Si,Al、および酸素などを含有するが、
これらの不純物は、その含有量が4%以下であれ
ば、材料特性に何らの悪影響を及ぼすものではな
い。 つぎに、この発明の材料を実施例により具体的
に説明する。 実施例 原料粉末として、いずれも水噴霧法により形成
した粒度:−150meshのFe粉末、Fe−Cr合金
(Cr:38%含有)粉末、Fe−Cr−Nb合金(Cr:
23%、Nb:12%含有)粉末、Fe−Cr−Ta合金
(Cr:23%、Ta:12%含有)粉末、Fe−Cr−Ti
合金(Cr:23%、Ti:12%含有)粉末、Fe−Cr
合金(Cr:67%含有)粉末、Fe−Nb合金
(Nb:68含有)粉末、Fe−Ti合金(Ti:72%含
有)粉末、Fe−Ta合金(Ta:66%含有)粉末、
粒度−150meshのりん片状黒鉛粉末およびCu粉
末、平均粒径:3μmを有するMo粉末、同粒径の
W粉末、Ni粉末、およびCo粉末を用意し、これ
らの原料粉末を、それぞれ第1表に示される配合
組成に配合し、マイニユートミキサにて30分間混
合した後、それぞれ2ton/cm2、3ton/cm2、6ton/
cm2、7.5ton/cm2、および8ton/cm2の成形圧力にて
圧粉体に成形し、ついで前記圧粉体を、真空中、
温度:1100〜1150℃の温度範囲内の温度にて焼結
して実質的に配合組成と同一の最終成分組成をも
つた焼結体となし、引続いて前記焼結体上に、そ
れぞれ第1表に示される溶浸材の圧粉体を載置
し、水素雰囲気中、温度:950〜1130℃の温度範
囲内の温度に加熱の条件にて前記焼結体の空孔内
に前記溶浸材をそれぞれ溶浸し、溶浸後、900〜
950℃から急冷し、温度:180℃にて1.5時間保持
の焼戻し処理を行なうことによつて本発明材料1
〜26および比較材料1〜7を
よび耐食性を有する燃料供給ポンプの構造部材用
材料に関するものである。 従来、一般に燃料供給ポンプとして、例えばダ
イヤフラムポンプやベーン型フイードポンプなど
が知られ、かつこれらの燃料供給ポンプの構造部
材であるハウジングやロータ、さらに前記ロータ
の外周面にそつて所定間隔に嵌着されたローラや
ブレードなどが熱処理した軸受鋼にて製造されて
いることも良く知られるところである。 ところで、近年、石油事情の悪化から、低質ガ
ソリンやアルコール含有ガソリン、さらにアルコ
ールなどが燃料として使用されるようになり、こ
れに伴つて、これら燃料の供給に前記の燃料供給
ポンプが使用されるようになつたが、この場合前
記の軸受鋼製構造部材においては、相互になじみ
性が悪く、かつ耐摩耗性も悪く、さらにアルコー
ル中に含有する水分、あるいは低質ガソリンのPH
低下による酸性化に原因の腐食が発生するもので
あつた。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、低質ガソリンやアルコール含有ガソリン、さ
らにアルコールなどの燃料の供給に用いても、す
ぐれた耐摩耗性、なじみ性、および耐食性を示す
燃料供給ポンプの構造部材を得べく研究を行なつ
た結果、上記燃料供給ポンプの構造部材を、C:
0.5〜3.5%、Cr:7〜35%、Cu:0.3〜4.9%を含
有し、さらに必要に応じてMoおよびWのうちの
1種または2種:0.5〜10%、同じくNiおよびCo
のうちの1種または2種:0.5〜10%、さらに同
じくNb,Ta、およびTiのうちの1種または2種
以上:0.1〜10%を含有し、残りがFeと不可避不
純物からなる組成(以上重量%)、並びに10〜30
容量%の空孔率を有する焼結体の空孔にCuまた
はCu合金を溶浸した材料で構成すると、この結
果の構造部材は、上記組成によつて、基本的に
Fe基合金素地中に炭化物が分散析出し、かつCr
およびCuが素地中に固溶した組織をもつように
なるため耐摩耗性および耐食性にすぐれ、かつ空
孔へのCuまたはCu合金の溶浸によつてなじみ性
のすぐれたものとなるという知見を得たのであ
る。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に成分組成範囲および多孔度を
上記の通りに限定した理由を説明する。 (a) C C成分には、素地に固溶して、これを強化する
と共に、Cr、さらに必要に応じて含有させた
Mo,W,Nb,Ti、およびTaと結合して炭化物
を形成して耐摩耗性を向上させる作用があるが、
その含有量が0.5%未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方3.5%を越えて含有させると
炭化物の析出量が多くなりすぎて脆化するように
なると共に、相手部材を損傷するようになること
から、その含有量を0.5〜3.5%と定めた。 (b) Cr Cr成分には、素地に固溶して耐食性を向上さ
せると共に、これを強化し、さらにCと結合して
高硬度を有するCr炭化物を形成し、もつて耐摩
耗性を向上させる作用があるが、その含有量が7
%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方35%を越えて含有させると、素地が脆化し、か
えつて耐摩耗性の劣化をきたすようになることか
ら、その含有量を7〜35%と定めた。 (c) Cu Cu成分には、素地に固溶し、これを強化して
なじみ性を改善するほか、耐食性を改善し、さら
に溶浸されるCuまたはCu合金との濡れ性を改善
して溶浸を容易に行なわしめる作用があるが、そ
の含有量が0.3%未満では前記作用に所望の効果
が得られず、一方4.9%を越えて含有させてもよ
り一層の改善効果が現われないことから、その含
有量を0.3〜4.9%と定めた。 (d) MoおよびW これらの成分には、素地に固溶し、これを強化
するほか、Cと結合して炭化物を形成し、耐摩耗
性を向上させる作用があるので、特に高い面圧の
かかる条件下で使用する場合に必要に応じて含有
させるが、その含有量が0.5%未満では、前記作
用に所望の改善効果が得られず、一方10%を越え
て含有させると、相手部材の損傷が大きくなるこ
とから、その含有量を0.5〜10%と定めた。 (e) NiおよびCo これらの成分には、一段と素地を強化し、かつ
相手材とのなじみ性を一層改善するほか、使用燃
料に対する耐食性をより向上させる作用があるの
で、特にこれらの特性が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量が0.5未満では
前記特性に所望の改善効果が得られず、一方10%
を越えて含有させてもより一層の改善効果は現わ
れず、経済性を考慮し、その含有量を0.5〜10%
と定めた。 (f) Nb,Ta、およびTi これらの成分は、Cと強い親和力をもつため、
これと結合して高硬度を有する炭化物を形成する
ほか、Crをはじめとする炭化物形成成分ととも
に複炭化物を形成して、分散相たる炭化物と結合
相たる素地との結合を一段と強固にし、もつて耐
摩耗性をより一層向上させ、さらに低質燃料に対
する耐食性を一段と改善する作用をもつので、こ
れらの特性が要求される場合に必要に応じて含有
されるが、その含有量が0.1%未満では前記特性
に所望の改善効果がみられず、一方10%を越えて
含有させると相手部材の損傷が大きくなることか
ら、その含有量を0.1〜10%と定めた。 (g) 空孔率 焼結体の空孔率が10容量%未満では、オープン
ポア量が少な過ぎて耐食性のすぐれたCuまたは
Cu合金を十分に溶浸することができず、この場
合耐食性は勿論のこと、なじみ性および強度も十
分でなく、一方30容量%を越えた空孔率になる
と、強度低下が著しく、かつ耐摩耗性も劣化する
ようになることから、焼結体の空孔率を10〜30容
量%と定めた。なお、上記耐食性のすぐれたCu
合金としては、いずれも公知のCu−Sn合金、Cu
−Sn−Zn合金、Cu−Sn−Pb合金、Cu−Sn−Zn
−Pb合金、Cu−Zn合金、Cu−Pb合金、Cu−Zn
−Pb合金、Cu−Co合金、およびCu−Ni合金な
どの使用が望ましい。 また、この発明の材料は、不可避不純物とし
て、P,Si,Al、および酸素などを含有するが、
これらの不純物は、その含有量が4%以下であれ
ば、材料特性に何らの悪影響を及ぼすものではな
い。 つぎに、この発明の材料を実施例により具体的
に説明する。 実施例 原料粉末として、いずれも水噴霧法により形成
した粒度:−150meshのFe粉末、Fe−Cr合金
(Cr:38%含有)粉末、Fe−Cr−Nb合金(Cr:
23%、Nb:12%含有)粉末、Fe−Cr−Ta合金
(Cr:23%、Ta:12%含有)粉末、Fe−Cr−Ti
合金(Cr:23%、Ti:12%含有)粉末、Fe−Cr
合金(Cr:67%含有)粉末、Fe−Nb合金
(Nb:68含有)粉末、Fe−Ti合金(Ti:72%含
有)粉末、Fe−Ta合金(Ta:66%含有)粉末、
粒度−150meshのりん片状黒鉛粉末およびCu粉
末、平均粒径:3μmを有するMo粉末、同粒径の
W粉末、Ni粉末、およびCo粉末を用意し、これ
らの原料粉末を、それぞれ第1表に示される配合
組成に配合し、マイニユートミキサにて30分間混
合した後、それぞれ2ton/cm2、3ton/cm2、6ton/
cm2、7.5ton/cm2、および8ton/cm2の成形圧力にて
圧粉体に成形し、ついで前記圧粉体を、真空中、
温度:1100〜1150℃の温度範囲内の温度にて焼結
して実質的に配合組成と同一の最終成分組成をも
つた焼結体となし、引続いて前記焼結体上に、そ
れぞれ第1表に示される溶浸材の圧粉体を載置
し、水素雰囲気中、温度:950〜1130℃の温度範
囲内の温度に加熱の条件にて前記焼結体の空孔内
に前記溶浸材をそれぞれ溶浸し、溶浸後、900〜
950℃から急冷し、温度:180℃にて1.5時間保持
の焼戻し処理を行なうことによつて本発明材料1
〜26および比較材料1〜7を
【表】
【表】
(*印:本発明範囲外)
それぞれ製造した。 ついで、この結果得られた本発明材料1〜26お
よび比較材料1〜7について、密度および硬さ
(ビツカース硬さ)を測定すると共に、耐摩耗試
験および耐食試験を行なつた。 耐摩耗試験は、上記の各材料から、直径:28mm
φ×高さ:5mmの寸法を有し、かつ外周面にそつ
て軸線方向に平行に一定間隔ごとに形成された6
本の溝を有するモータ式燃料ポンプのロータを作
成し、このロータを硬さHRC:38を有する特殊
鉄鋳製のハウジング内に組込んだ状態で、3%
H2O含有ガソリン内に浸漬し、面圧:4Kg/cm2、
回転数:3000r.p.m.の条件で500時間運転し、運
転後、前記ロータおよびハウジング(相手部材)
のそれぞれの摺動面における平均摩耗深さを測定
することにより行なつた。 また、耐食試験は、それぞれ10%H2O含有ア
ルコール中に100時間浸漬、および劣化ガソリン
中に50時間浸漬の条件で行ない、前記アルコール
浸漬試験においては、錆発生状況を観察し、錆発
生全くなしを〇印、錆発生わずかに有りを△印、
錆発生ありを×印にて評価し、さらに前記ガソリ
ン浸漬試験においては、変色状況を観察し、変色
なしを〇印、わずかに変色ありを△印、変色あり
を×印で評価した。これらの結果を第1表に合せ
て示した。 第1表に示される結果から、成分組成および多
孔度のうちのいずれか(第1表に※印を付したも
の)がこの発明の範囲から外れた比較材料1〜7
においては、耐摩耗性、なじみ性、および耐食性
のうちの少なくとも1つの特性が劣つたものにな
つているのに対して、本発明材料1〜26は、いず
れもすぐれた耐摩耗性、なじみ性、および耐食性
を兼ね備えていることが明らかである。 上述のように、この発明の材料は、すぐれた耐
摩耗性、なじみ性、および耐食性を有しているの
で、通常のガソリンや軽油などの燃料は勿論のこ
と、劣化ガソリンやH2O含有ガソリン、さらに
アルコール含有ガソリンやアルコールなどの燃料
の供給装置の構造ポンプとして使用した場合に
も、きわめて長期に亘つてすぐれた性能を発揮す
るのである。
それぞれ製造した。 ついで、この結果得られた本発明材料1〜26お
よび比較材料1〜7について、密度および硬さ
(ビツカース硬さ)を測定すると共に、耐摩耗試
験および耐食試験を行なつた。 耐摩耗試験は、上記の各材料から、直径:28mm
φ×高さ:5mmの寸法を有し、かつ外周面にそつ
て軸線方向に平行に一定間隔ごとに形成された6
本の溝を有するモータ式燃料ポンプのロータを作
成し、このロータを硬さHRC:38を有する特殊
鉄鋳製のハウジング内に組込んだ状態で、3%
H2O含有ガソリン内に浸漬し、面圧:4Kg/cm2、
回転数:3000r.p.m.の条件で500時間運転し、運
転後、前記ロータおよびハウジング(相手部材)
のそれぞれの摺動面における平均摩耗深さを測定
することにより行なつた。 また、耐食試験は、それぞれ10%H2O含有ア
ルコール中に100時間浸漬、および劣化ガソリン
中に50時間浸漬の条件で行ない、前記アルコール
浸漬試験においては、錆発生状況を観察し、錆発
生全くなしを〇印、錆発生わずかに有りを△印、
錆発生ありを×印にて評価し、さらに前記ガソリ
ン浸漬試験においては、変色状況を観察し、変色
なしを〇印、わずかに変色ありを△印、変色あり
を×印で評価した。これらの結果を第1表に合せ
て示した。 第1表に示される結果から、成分組成および多
孔度のうちのいずれか(第1表に※印を付したも
の)がこの発明の範囲から外れた比較材料1〜7
においては、耐摩耗性、なじみ性、および耐食性
のうちの少なくとも1つの特性が劣つたものにな
つているのに対して、本発明材料1〜26は、いず
れもすぐれた耐摩耗性、なじみ性、および耐食性
を兼ね備えていることが明らかである。 上述のように、この発明の材料は、すぐれた耐
摩耗性、なじみ性、および耐食性を有しているの
で、通常のガソリンや軽油などの燃料は勿論のこ
と、劣化ガソリンやH2O含有ガソリン、さらに
アルコール含有ガソリンやアルコールなどの燃料
の供給装置の構造ポンプとして使用した場合に
も、きわめて長期に亘つてすぐれた性能を発揮す
るのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.5〜3.5%、Cr:7〜35%、Cu:0.3〜
4.9%を含有し、残りがFeと不可避不純物からな
る組成(以上重量%)、並びに10〜30容量%の空
孔率を有する焼結体の空孔にCuまたはCu合金を
溶浸してなる燃料供給ポンプの構造部材用材料。 2 C:0.5〜3.5%、Cr:7〜35%、Cu:0.3〜
4.9%を含有し、さらにNb,Ta、およびTiのう
ちの1種または2種以上:0.1〜10%を含有し、
残りがFeと不可避不純物からなる組成(以上重
量%)、並びに10〜30容量%の空孔率を有する焼
結体の空孔にCuまたはCu合金を溶浸してなる燃
料供給ポンプの構造部材用材料。 3 C:0.5〜3.5%、Cr:7〜35%、Cu:0.3〜
4.9%を含有し、さらにNiおよびCoのうちの1種
または2種:0.5〜10%を含有し、残りがFeと不
可避不純物からなる組成(以上重量%)、並びに
10〜30容量%の空孔率を有する焼結体の空孔に
CuまたはCu合金を溶浸してなる燃料供給ポンプ
の構造部材用材料。 4 C:0.5〜3.5%、Cr:7〜35%、Cu:0.3〜
4.9%を含有し、さらにMoおよびWのうちの1種
または2種:0.5〜10%と、Nb,Ti、およびTa
のうちの1種または2種以上:0.1〜10%を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)、並びに10〜30容量%の空孔率を有す
る焼結体の空孔にCuまたはCu合金を溶浸してな
る燃料供給ポンプの構造部材用材料。 5 C:0.5〜3.5%、Cr:7〜35%、Cu:0.3〜
4.9%を含有し、さらにNiおよびCoのうちの1種
または2種:0.5〜10%と、Nb,Ta、およびTi
のうちの1種または2種以上:0.1〜10%を含有
し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)、並びに10〜30容量%の空孔率を有す
る焼結体の空孔にCuまたはCu合金を溶浸してな
る燃料供給ポンプの構造部材用材料。 6 C:0.5〜3.5%、Cr:7〜35%、Cu:0.3〜
4.9%を含有し、さらにMoおよびWのうちの1種
または2種:0.5〜10%と、NiおよびCoのうちの
1種または2種:0.5〜10%と、Nb,Ta、およ
びTiのうちの1種または2種以上:0.1〜10%を
含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成
(以上重量%)、並びに10〜30容量%の空孔率を有
する焼結体の空孔にCuまたはCu合金を溶浸して
なる燃料供給ポンプの構造部材用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11549781A JPS5816056A (ja) | 1981-07-23 | 1981-07-23 | 燃料供給ポンプの構造部材用材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11549781A JPS5816056A (ja) | 1981-07-23 | 1981-07-23 | 燃料供給ポンプの構造部材用材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5816056A JPS5816056A (ja) | 1983-01-29 |
JPS6315985B2 true JPS6315985B2 (ja) | 1988-04-07 |
Family
ID=14663966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11549781A Granted JPS5816056A (ja) | 1981-07-23 | 1981-07-23 | 燃料供給ポンプの構造部材用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5816056A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61173610U (ja) * | 1985-04-17 | 1986-10-29 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS504446A (ja) * | 1973-05-17 | 1975-01-17 |
-
1981
- 1981-07-23 JP JP11549781A patent/JPS5816056A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS504446A (ja) * | 1973-05-17 | 1975-01-17 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5816056A (ja) | 1983-01-29 |
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