JPS6315938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両に用いられる自動変速機のための
シフトレバーにおいて、その回動支持点の構造を
改良した自動変速機のシフトレバー装置に関す
る。

従来、自動変速機のシフトレバーの基端部に位
置する回動支持点の構造としては、シフトレバー
と略直角に筒状部材を溶接により連結し、その筒
状部材を車両の床面に略水平に設置された支軸に
回動可能に挿通させる構造である。しかしなが
ら、シフトレバー及び筒状部材の双方とも金属製
であるから、重量が重くなる欠点がある。そし
て、シフトレバー自体も通常パイプ材により製作
されているから溶接による接続部分の形状が複雑
で製作が面倒であり、溶接強度も相当にばらつく
欠点があり、更に、溶接作業を行うためにシフト
レバーに付着させるメツキ等の作業を溶接工程以
降に行うようにしなければならず、メツキ作業時
に全体形状がＴ字形をなすための作業性が悪い欠
点がある。

本考案は上記した事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、重量を大巾に軽減化できると
ともに強度が安定したものにでき、更に、全体の
製作性を大巾に向上し得る自動変速機のシフトレ
バー装置を提供するにある。

以下本考案の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。１は例えば車両の床面に形成され
た取付用凹部で、ここに支持部材２がねじ止めに
より固着されており、該支持部材２に係止孔部３
を有する係止板４が立設されている。５は両端部
が支持部材２に設けた支持孔２ａ，２ａに挿入さ
れた中空な支軸で、これは固定用ピン６で抜止め
されている。７はプラスチツクで略Ｔ字形の中空
筒状に一体成形された回動支持部材で、これの水
平な第１の軸筒部８がブツシユ９，９を介して支
軸５の外周面に回動可能に挿入されている。そし
て、回動支持部材７に第１の軸筒部８と略直角に
交差するように一体成形された第２の軸筒部１０
はその内周部の奥方部即ち支軸５の近傍に段付部
１１を有しており、該段付部１１の支軸５と反対
側に支軸５方向に向うに従つて順に先細となるテ
ーパ面１２が形成されている。１３はパイプ材の
一端部に絞り加工によりテーパ面１４が形成され
たシフトレバーで、これの一端内周部にめねじ部
１５が刻設されている。そして、このシフトレバ
ー１３の一端部は第２の軸筒部１０に上方より嵌
入されてテーパ面１４がテーパ面１２に互いに当
接され、段付部１１の下方よりめねじ部１５にワ
ツシヤ１６を介して螺挿された固着装置としての
ねじ１７により回動支持部材２に連結固着されて
いる。尚、第１の軸筒部８の外周部には回動支持
部材７を支軸５に挿通させる前に予めねじ１７を
めねじ部１５に螺挿させるための開口部１８が段
付部１１と対向するように形成されている。１９
は第２の軸筒部１０の内面に突設された回止め用
の凸条部、２０はシフトレバー１３の下端外周部
に凸条部１９が嵌合するように設けられた凹条部
である。さて、２１はシフトレバー１３の上端部
に取着されたシフトノブで、これに押釦２２が設
けられている。２３はシフトレバー１３内に挿入
され、押釦２２の押込操作によつて下方に変位さ
れるロツドで、これの下端の径大部２３ａに略水
平な係止ピン２４が圧入固着されており、該係止
ピン２４はシフトレバー１３及び第２の筒状部１
０に夫々突設された長孔２５，２６を介して外方
に突出されて一端部が係止孔部３内に挿入されて
いる。２７は第２の軸筒部１０の外周部に突設さ
れた舌片で、ここに自動変速機のシフトコントロ
ールレバーに連結されるシフトワイヤー（図示せ
ず）が連結されるようになつている。尚、２８は
ロツド２３を上方に付勢するばねである。

而して、シフトノブ２１を前後に移動させてシ
フトレバー１３を回動させるとシフトワイヤーを
介してシフトコントロールレバーが作動され自動
変速機のシフトポジシヨンが変化される。また、
「Ｐ」，「Ｒ」，「２」，「Ｌ」の各ポジシヨンへシフ
トする時には押釦２２を押操作して係止ピン２４
と係止孔部３との係合を解除させた状態でシフト
操作するものであるが、これらシフト操作につい
ては従来のものと何ら変ることがなく、周知であ
るから詳細な説明は省略する。

上記構成によれば、回動支持部材７をプラスチ
ツク材の一体成形により設け、シフトレバー１３
をねじ１７により回動支持部材７に固着してテー
パ面１２，１４を互いに圧接させて両者を一体化
するようにしたものであるから、従来構造の如く
金属材を溶接により互いに一体化したものに比べ
て重量軽量化が可能となる。この場合、回動支持
部材７はプラスチツク材に限らずアルミダイカス
ト等により製作しても充分な重量軽量化ができ
る。また、回動支持体７はプラスチツク或いはア
ルミダイカストの一体成形品であるから溶接によ
り結合された従来構造に比べて強度的に安定した
ものとなり、また、溶接によるものに比べて製造
性が向上し大量生産に好適した製造行程の採用が
可能となる。そして、シフトレバーは単体で棒状
のものをメツキ処理できるから、メツキ作業性が
大巾に向上し、全体の製作性も大巾に向上し得
る。

尚、シフトレバー１３に設けたテーパ面１４は
絞り加工によらず、テーパ面を形成した別部品を
圧入、ロウ付け等により一体化するようにしても
よく、シフトレバー１３の外周部にローレツト等
を形成して第２の筒状部１０内に強固に嵌入する
ようにして両者間のガタを防止するようにしても
よい。

本考案は以上の説明から明らかなように、重量
を大巾に軽減化できるとともに強度も安定したも
のにでき、更に全体の製作性を大巾に向上し得る
自動変速機のシフトレバー装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は縦断正面図、第２図は側面図、第３図は第
１図の−線に沿う断面図である。 図面中、１は支持部材、５は支軸、７は回動支
持部材、８は第１の軸筒部、９は第２の軸筒部、
１２はテーパ面、１３はシフトレバー、１４はテ
ーパ面、１７はねじ（固着装置）、２１はシフト
ノブである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両のフロアに略水平に設置された支軸に回動
   可能に挿入される第１の軸筒部及びこの第１の軸
   筒部と略直角に交差する第２の軸筒部を一体成形
   した略Ｔ字形の回動支持部材と、前記第２の軸筒
   部の内周部に嵌入されるとともに先端外周部に先
   細となるテーパ面が形成されたシフトレバーと、
   前記第２の軸筒部の内周部に設けられ前記シフト
   レバーのテーパ面と対応するテーパ面を有する段
   付部と、前記シフトレバーのテーパ面を前記段付
   部のテーパ面に嵌入係合させて該シフトレバーを
   前記回動支持部材に連結させる固着装置とを具備
   してなる自動変速機のシフトレバー装置。