JPS6230873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として自転車に用いられるブレーキ
レバー装置の改良に関する。

周知の如く、この種のブレーキレバー装置は、
ハンドルに固定されたハウジングに枢支軸を介し
てブレーキレバーが回動自在に枢着され、該レバ
ーにリムブレーキ装置等がボーデンワイヤを介し
て連動連結され、レバーの回動操作によりブレー
キ装置が作動するよう構成されている。そして従
来、レバーは第８図に示される如く、略Ｌ字状に
形成されており、ハウジングに枢着される枢着部
１と、回動操作される操作部２とからなり、枢着
部１と操作部２とのコーナー部３にはボーデンワ
イヤのインナワイヤ端部に設けられた固定端子が
相対回動自在に連結支持される取付孔４が設けら
れている。また取付孔４に固定端子を取付ける際
インナワイヤを挿通する挿通溝５及びレバー６操
作時にインナワイヤとの当たりを回避する割溝７
が取付孔４と連通状に形成されている。８はハウ
ジングに回動自在に取付けられる枢支孔である。

以上のように構成されたレバー６の製作におい
ては、通常、円形断面を有する軽合金線材を素材
として、鍛造加工により製作している。しかしな
がらコーナー部３には取付孔４、挿通溝５及び割
溝７を形成しなければならないため、第５図に示
される如く、枢着部１や操作部２に比較してコー
ナー部３の巾を広く形成する必要があり、従つ
て、コーナー部３で十分な巾が得られるよう鍛造
素材の径を決めていた。この場合、特に巾の狭い
操作部２においては材料の無駄が多く、また、そ
の余分な材料を削り取る仕上げ加工に手間がかか
る欠点があつた。さらに、インナワイヤの固定端
子が取付けられるレバー６の取付部分に、取付孔
４、挿通溝５や割溝７を形成する複雑な加工が必
要となり、加工工程が多く、従つて生産能率が悪
いため、製作費用が高価となる欠点があつた。ま
た、ボーデンワイヤのアウタワイヤ端部を受承す
るアウタ受具を支承する支持部がハウジングに一
体的に設けられていたため、ハウジングの構造が
複雑となり、量産に適さない欠点があつた。

そこで、本考案は上記問題点に鑑み、ブレーキ
レバーの製作における容易化、及び素材の削減を
図ると共に、ハウジングの構造の簡素化を図つた
ものであり、その特徴とするところは、ハンドル
に固定されるハウジングと、アウタ受具取付部を
有すると共にハウジングに取付けられた支持具
と、ハウジングに枢着されたブレーキレバーとを
備え、支持具を挿通したインナワイヤ端部の固定
端子が前記レバーのコーナー取付部に連結支持さ
れたブレーキレバー装置において、前記ハウジン
グは一方にハンドルが挿通されるハンドル固定部
と、該ハンドル固定部に形成された割溝両端縁よ
り夫々外方に張出形成された締結用フランジ部
を、他方に嵌合溝部を、夫々同一方向に備えた軽
合金材よりなる押出型枠を短寸に切断されてな
り、前記支持具はハウジングの嵌合溝部に嵌入さ
れる嵌入部が備えられ、前記コーナー取付部はレ
バー本体のコーナー支持壁に形成された取付孔
と、該コーナー支持壁の一側に取付けられた支持
板に形成された取付孔とからなり、両取付孔に前
記固定端子の両端部が夫々連結支持された点にあ
る。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、第１図及び第２図において、１１はブレー
キレバー装置で、ハンドル１２に固定されたハウ
ジング１３と、該ハウジング１３に取付けられた
支持具１４と、ハウジング１３に回動自在に枢着
されたブレーキレバー１５とを備えている。

前記ハウジング１３は軽合金材により押出成形
された型枠を所定巾の短寸に切断して形成された
ものであり、第１図及至第３図に示される如く、
一方、即ち下側にハンドル１２が挿通される略環
状のハンドル固定部１６が備えられ、該ハンドル
固定部１６一側に割溝１７が形成され、該割溝１
７両端縁より夫々外方に締結用フランジ部１８，
１９が張出形成されている。また他方、即ち上側
に略Ｕ字状の嵌合溝部２０が備えられ、上端開口
はボーデンワイヤ２１のインナワイヤ２２が挿通
される挿通溝２３として構成されている。そし
て、これらハンドル固定部１６、割溝１７、各フ
ランジ部１８，１９、嵌合溝部２０及び挿通溝２
３は夫々同一方向に同一巾を有して設けられてい
る。また各フランジ部１８，１９には締結ボルト
２４が挿通される挿通孔２５，２６が形成されて
おり、該締結ボルト２４とナツト２７との締結に
より、ハウジング１３がハンドル固定部１６でハ
ンドル１２の所望位置に締結定されるよう構成さ
れている。さらに嵌合溝部２０にはブレーキレバ
ー１５取付用の挿通孔２８，２９及び、支持具１
４取付用の挿通孔３０，３１が夫々設けられてい
る。

前記支持具１４は硬質の合成樹脂により成形さ
れてなり、第１図、第２図及び第４図に示される
如く、一側に前記ハウジング１３の嵌合溝部２０
に嵌脱自在に嵌入される嵌入部３２が設けられ、
該嵌入部３２には、嵌合溝部２０に嵌入された
際、前記挿通孔３０，３１と連通する挿通孔３３
が形成されている。そしてこれら各挿通孔３０，
３１，３３に亘つて挿通した固定ピン５５により
取付け固定されている。また他側には、ボーデン
ワイヤ２１のアウタワイヤ３４端部を受承するア
ウタ受具３５が取付けられるアウタ受具取付部３
６が備えられ、該取付部３６に形成された雌ネジ
部３７にアウタ受具３５の雄ネジ部３８が進退自
在に螺合されている。３９はロツクナツトで、前
記雄ネジ部３８に進退自在に螺合されている。ま
た第１図及び第４図に示される如く、支持具１４
には、上端より雌ネジ部３７に連通する挿通溝４
０が形成されており、インナワイヤ２２を挿脱自
在としている。さらに、アウタ受具３５及びロツ
クナツト３９にも夫々インナワイヤ２２を挿通す
る挿通溝が形成されている。

前記ブレーキレバー１５は第１図、第２図、第
５図及び第６図に示される如く、軽合金材により
略Ｌ字状に鍛造形成されたレバー本体４１と、該
レバー本体４１に取付られた支持板４２とからな
り、前記レバー本体４１はハウジング１３に枢着
される枢着部４３と、回動操作される操作部４４
とからなり、枢着部４３にはハウジング１３の挿
通孔２８，２９と連通する枢支部４５が形成され
ている。そして枢着部４３と操作部４４とのコー
ナー部は、コーナー支持壁４６とされ、ボーデン
ワイヤ２１のインナワイヤ２２端部に設けられた
固定端子４７の一端を支持すべく、該コーナー支
持壁４６に取付孔４８が形成されている。またこ
のコーナー支持壁４６は薄肉状に形成され、一側
面には支持板４２が取付けられる凹部４９及び、
コーナー部外側に位置してインナワイヤ２２を遊
挿案内する段部５０が設けられている。さらに凹
部４９には１対の円柱状支持板取付体５１，５１
が突設されている。

前記支持板４２は、前記凹部４９に嵌合装着さ
れるべく、対応した形状に鉄等の金属板をプレス
加工等により打抜き形成したものであり、該支持
板４２には前記取付孔４８と対応した取付孔５２
が形成されると共に、前記各支持板取付体５１が
挿通される挿通孔が夫々形成されている。また取
付孔５２にはインナワイヤ２２を挿通するための
挿通溝５３が連通状に形成されている。そしてこ
の支持板４２は前記凹部４９に嵌合されると共
に、支持板取付体５１の突出端部をかしめること
により、レバー本体４１に固定されている。

そして第１図に示される如く、レバー本体４１
の枢着部４３がハウジング１３の嵌合溝部２０内
に挿入されると共に、ボルト５４による枢支孔４
５挿通により、レバー本体４１がハウジング１３
に回動自在に枢着されている。またアウタ受具３
５及び支持具１４を挿通したインナワイヤ２４端
部の固定端子４７両端部はコーナー支持壁４６及
び支持板４２に夫々形成された取付孔４８，５２
に両端支持され、インナワイヤ２２はコーナー支
持壁４６の段部５０に位置され、該段部５０両側
のコーナー支持壁４６及び支持板４２により、イ
ンナワイヤ２２を遊挿案内する割溝が構成されて
いる。そしてここに、両取付孔４８，５２は固定
端子４７を相対回動自在に連結支持するコーナー
取付部を構成している。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、レバー本体４１のコーナー支持壁４６によつ
て固定端子４７の一側端部のみを支持する構成で
あるため、従来の如く、固定端子の両側を支持す
る構成と比較して、薄肉状でよく、従つて、比較
的小径の鍛造素材を押広げることによつて、従来
同様十分な巾が得られる。そこでレバー本体４１
の製作に際しては、枢着部４３や操作部４４が形
成され得る比較的細径の鍛造素材でよいため、材
料の無駄が少なく、また、その余分な材料を削り
取る仕上げ加工に手間がかからない利点がある。
また支持板４２の製作に際しても、打抜き加工時
に同時に取付孔５２や挿通溝５３及び支持板取付
体５１が挿通される挿通孔が形成でき、製作が容
易である。そして支持板４２をレバー本体４１の
コーナー支持壁４６の凹部４９に嵌合装着するだ
けでよく、従来の如く、挿通溝５や割溝７等の複
雑な加工が不要となり、ブレーキレバー１５の製
作が容易に行なえると共に生産能率の向上も図
れ、安価に提供できる。また固定端子４７を連結
支持する取付部としての一方の支持板４２が金属
板よりなるため、補強板としての機能を発揮し、
取付部分の強度向上が図れる。また、アウタ受具
３５を支承する支持具１４とハウジング１３とが
別体として構成されているため、ハウジング１３
の構造が、ハンドル固定部１６嵌合溝部２０フラ
ンジ部１８，１９等を同一方向に同一巾を有した
構造であるため、第７図で示される如く、上記ハ
ンドル固定部１６等を夫々同一方向に連続して形
成された押出成形の型枠を所定巾の短寸に切断す
ることによつて、容易に製作でき、量産化が図れ
るため、安価に提供できる。

尚、実施例において、支持板４２として鉄等の
金属板よりなるものを示しているが、レバー本体
４１と同質の軽合金により成形したものであつて
もよい。また支持板４２をかしめ止した構成のも
のを示しているが、かしめ鋲やビス等で固定する
構成であつてもよい。さらにハンドル固定部１６
の一側に割溝１７及びフランジ部１８，１９を設
けたものを示しているが、下側であつてもよく、
実施例の位置に限定されない。

以上のように、本考案は固定端子を取付けるコ
ーナー取付部が、レバー本体のコーナー支持壁に
形成された取付孔と、該コーナー支持壁の一側に
取付けられた支持板に形成された取付孔とからな
り、両取付孔に固定端子の両端部が夫々連結支持
されたものであり、鍛造素材の大巾な削減が図
れ、またレバー本体及び支持板の個々の製作加工
が容易であり、従来のように複雑な加工が不要と
なり、レバーの製作が容易に行なえると共に生産
能率の向上が図れる。さらに、ハウジングの構造
の簡素化が図れ、押出成形された型枠を所定巾の
短寸に切断することによつて、容易に製作でき、
量産化が図れる。そして以上のことからブレーキ
レバー装置の製作費用の低減が図れ、安価に提供
できるという利点を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部断面平面
図、第２図は同分解図、第３図は第２図−線
矢視図、第４図は第２図−線矢視図、第５図
はブレーキレバーの底面図、第６図は第５図−
線矢視図、第７図はハウジングの押出型枠を示
す説明図、第８図は従来例としてのレバーを示す
側面図である。 １１……ブレーキレバー装置、１２……ハンド
ル、１３……ハウジング、１４……支持具、１５
……ブレーキレバー、１６……ハンドル固定部、
１７……割溝、１８，１９……フランジ部、２０
……嵌合溝部、２１……ボーデンワイヤ、２２…
…インナワイヤ、３２……嵌入部、３４……アウ
タワイヤ、３５……アウタ受具、３６……アウタ
受具取付部、４１……レバー本体、４２……支持
板、４６……コーナー支持壁、４７……固定端
子、４８……取付孔、５２……取付孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドルに固定されるハウジングと、アウタ受
   具取付部を有すると共にハウジングに取付けられ
   た支持具と、ハウジングに枢着されたブレーキレ
   バーとを備え、支持具を挿通したインナワイヤ端
   部の固定端子が前記レバーのコーナー取付部に連
   結支持されたブレーキレバー装置において、前記
   ハウジングは一方にハンドルが挿通されるハンド
   ル固定部と、該ハンドル固定部に形成された割溝
   両端縁より夫々外方に張出形成された締結用フラ
   ンジ部を、他方に嵌合溝部を、夫々同一方向に備
   えた軽合金材よりなる押出型枠を短寸に切断され
   てなり、前記支持具はハウジングの嵌合溝部に嵌
   入される嵌入部が備えられ、前記コーナー取付部
   はレバー本体のコーナー支持壁に形成された取付
   孔と、該コーナー支持壁の一側に取付られた支持
   板に形成された取付孔とからなり、両取付孔に前
   記固定端子の両端部が夫々連結支持されたことを
   特徴とするブレーキレバー装置。