JPS631589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインバータトランスを使用した電源装
置に関し、特にその電源スイツチを小容量化し得
るように考慮したものである。

本考案による電源装置の一例を説明するに先だ
ち、従来のこの種の装置を第１図について説明す
る。１は直流電源、２はインバータトランスであ
り、２ａ，２ｂ，２ｃは夫々１次、２次及び３次
コイルである。尚、３次コイルはいわゆる帰還コ
イルである。３はトランジスタ、４は起動抵抗
器、５はコンデンサである。このトランジスタ３
はいわゆるプロツキング発振回路を構成する発振
用トランジスタであり、直流電源１とインバータ
トランス２の１次コイルとの間に、そのコレクタ
−エミツタが挿入されて構成されている。６は２
次コイル２ｂに接続された負荷である。このよう
な電源装置に於いては、通常直流電源１の出力側
にスイツチ７が挿入されるを普通とする。

この構成に於いては、直流電源１よりの電流が
全てスイツチ７を通ずるために、スイツチ７の容
量として比較的大きなものを必要とする欠点があ
る。尚、このスイツチ７に代えてスイツチング用
トランジスタのコレクタ−エミツタを同一部分に
接続し、そのベースに外部より制御信号を与える
ようにすることも考えられるが、この場合に於い
てもトランジスタとして大容量のものを使用しな
ければならない欠点がある。

本考案はこのような点に鑑みてなされたもので
あり、第２図以下について本考案による電源装置
の一例を説明するに、第１図との対応部分には同
一符号を付してその説明を省略する。

本考案に於いては起動抵抗器４と発振用トラン
ジスタ３のベースとの間に、第１のスイツチング
トランジスタ８のコレクタ−エミツタを挿入し、
発振用トランジスタ３のベース−エミツタと並列
に第２のスイツチングトランジスタ９のエミツタ
−コレクタを接続し、これら第１及び第２のトラ
ンジスタ８及び９のベースを第３のスイツチング
トランジスタのコレクタに接続し、この第３のス
イツチングトランジスタのベースに接続された小
容量のスイツチの開、閉により、第１及び第２の
スイツチングトランジスタを互いに逆相に導通さ
せて、発振用トランジスタの非動作状態と動作状
態とを切り換えるようにしたものである。

制御回路１０の一例を説明すると、直流電源１
に対して抵抗器１１，１２及びスイツチ１３より
なる直列回路を接続し、トランジスタ１４を設け
てそのベースを抵抗器１１と１２との接続点に接
続し、エミツタを直流電源１の正極側に接続し、
コレクタを抵抗器１５及び１６を通じて直流電源
１の負極に接続し、抵抗器１５，１６の接続点に
ダイオード１７のカソードを接続して構成したも
のである。そしてトランジスタ１４のコレクタを
第１のスイツチングトランジスタ８のベースに接
続し、ダイオード１７のアノードを第２のスイツ
チングトランジスタ９のベースに接続している。

このような構成による動作を説明すると、スイ
ツチ１３のオフの場合に於いては、抵抗器１１，
１２を通じて電流は流れないため、トランジスタ
１４はオフの状態であり、従つて第１のスイツチ
ングトランジスタ８がオフしており、第２のトラ
ンジスタ９はエミツタ−ベース−ダイオード１７
を通じて電流が流れるためにこれがオンする。よ
つて発振用トランジスタ３のベース−エミツタは
殆んど短絡状態となり、且つ起動抵抗器４を通じ
て電流も供給されないために、このトランジスタ
３は非導通状態となつて、発振動作をすることが
ない。この場合、各トランジスタ３，８，９及び
制御回路１０の全消費電流は零であり、インバー
タトランス２の２次コイル２ｂに出力電圧は生じ
ない。

次にスイツチ１３をオンすると抵抗器１１，１
２を通じて電流が流れるようになり、トランジス
タ１４がオンする。従つてこのトランジスタ１４
のエミツタ−コレクタを通じて第１のスイツチン
グトランジスタ８のベース−エミツタに電流が供
給されるようになり、これがオン状態となる。一
方抵抗器１５，１６を通じて電流が流れるために
ダイオード１７のカソード側の電位が上がり、従
つて第２のスイツチングトランジスタ９はオフ状
態となる。即ち発振用トランジスタ３のベース−
エミツタを通じて電流が流れるようになると共に
そのベース−エミツタ間の短絡が解除され、よつ
てこの発振回路が発振動作をするようになり、２
次コイル２ｂに出力電圧が得られるようになる。

即ち本考案によれば、抵抗器１１，１２を通ず
る極く微小な電流をスイツチ１３によつてオン・
オフするのみで充分であるから、このスイツチ１
３として極めて小容量のものを使用できる特徴が
あり、しかも発振用トランジスタ３のベース−エ
ミツタ回路に通ずる電流の回路内にトランジスタ
８を挿入しており、しかもこの発振用トランジス
タ３のベース−エミツタと並列に第２のスイツチ
ングトランジスタ９を接続してこれらトランジス
タ８及び９を夫々逆相関係にオン・オフさせるよ
うにしたものであるから、発振用トランジスタ３
の発振及びその発振停止が極めて確実に行われる
と共に、非動作時の消費電流を皆無とすることが
できる特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電源装置の一例を示す接続図、
第２図は本考案による電源装置の一例を示す接続
図である。 １は直流電源、２はインバータトランス、３は
発振用トランジスタ、８は第１のスイツチングト
ランジスタ、９は第２のスイツチングトランジス
タ、１０は制御回路である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 直流電源とインバータトランスの１次コイルと
   の間に発振回路を構成する発振用トランジスタを
   介挿すると共に、上記インバータトランスの２次
   コイルから出力電圧を得るようにした電源装置に
   おいて、 起動抵抗器と上記発振用トランジスタのベース
   との間に第１のスイツチングトランジスタを挿入
   すると共に、上記発振用トランジスタのベース−
   エミツタ間に第２のスイツチングトランジスタを
   接続し、 第３のスイツチングトランジスタのベース及び
   コレクタを上記直流電源の一方及び他方の電極に
   それぞれ抵抗器を介して接続し、上記第３のスイ
   ツチングトランジスタのエミツタを上記一方の電
   極に接続すると共に、上記他方の電極と上記第３
   のスイツチングトランジスタのベースとの間にス
   イツチを介挿し、 上記第１及び第２のスイツチングトランジスタ
   のベースを上記第３のスイツチングトランジスタ
   のコレクタに接続して、 上記スイツチの開放または閉成により上記第１
   及び第２のスイツチングトランジスタを互いに逆
   相に導通させて、上記発振用トランジスタを非動
   作状態または動作状態とするようにしたことを特
   徴とする電源装置。