JPS6315744Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヒートポンプ式冷暖房装置、特に暖房
運転時は圧縮機から出た高温の冷媒ガスを、居住
空間の床と一体かもしくは熱交換可能な如く形成
された熱交換器に流すことにより床暖房を行なう
ヒートポンプ式冷暖房装置に関し、暖房運転停止
時に冷媒が発生する騒音を防止することを目的と
する。

従来、床暖房用ヒートポンプ式冷暖房装置とし
て第２図に示すようなものがあつた。１は居住空
間の床と一体かもしくは熱交換可能な如く形成さ
れた第１室内熱交換器、２は居住空間の空気と熱
交換可能な如く形成された第２室内熱交換器、３
は冷房時に逆止効果を発揮する逆止弁、４は暖房
時に逆止効果を発揮する逆止弁、５は暖房用絞り
装置、６は冷房用絞り装置である。そして前記第
１室内熱交換器１と暖房用絞り装置５と逆止弁３
との直列回路と、逆止弁４と第２室内熱交換器２
と絞り装置６との直列回路とにより並列回路を形
成し、室外熱交換器７および四方弁８に接続して
いる。暖房運転時は圧縮機９を出た冷媒ガスは実
線矢印に示す如く四方弁８を経て第１室内熱交換
器１に流入し床暖房を行なう。第１室内熱交換器
１で凝縮液化した冷媒は絞り装置５、逆止弁３を
経て室外熱交換器７に流入し吸熱し、四方弁８か
ら圧縮機１へ戻る。冷房運転時は点線矢印に示す
如く室外熱交換器７から絞り装置６を経て第２室
内熱交換器２へ流入する。そして室内空気を冷却
した後に逆止弁４、四方弁８を経て圧縮機９に房
る。

以上の構成にてなる従来のヒートポンプ式冷暖
房装置は暖房運転が停止された時に次のような欠
点を生じていた。一般にヒートポンプ式冷暖房装
置に使用する四方弁８は暖房運転が停止すると四
方弁８の通電が停止され、冷房運転時の弁位置へ
切替るのが通例となつている。したがつて、第２
図の従来例において暖房運転が停止されると、第
１室内熱交換器１は四方弁８を介して圧縮機９の
低圧側と連通していた。そのため、暖房運転時に
第１室内熱交換器１内に凝縮していた液冷媒は急
激に減圧沸騰し、圧縮機９の低圧側に流れ込んで
いた。そしてその際に冷媒の流れによる音や、沸
騰気泡が消滅する音が騒音や振動となつて第１熱
交換器外、すなわち床上で生活する居住者に伝わ
り、非常な不快感を与えていた。床暖房という方
式は屈住空間の床面全域に対して緩かで快い暖房
を提供することが目的であるから、上記の騒音や
振動の発生はきわめて大きな欠点となつていた。

本考案は前記第１室内熱交換器１の暖房時入口
配管に暖房時順方向となる逆止弁を設けるととも
にその逆止弁入口側と第１室内熱交換器１出口側
とをバイパスするキヤピラリチユーブを設けるこ
とにより、上記従来の欠点を解消するものであ
る。以下本考案の一実施例について第１図に沿つ
て説明する。

従来例と同一部品は同一番号にて記す。圧縮機
９、室外熱交換器７および四方弁８に対し、居住
空間の床と一体かもしくは熱交換可能に形成され
（図示せず）暖房運転時に使用する第１室内熱交
換器１と、居住空間の空気と熱交換可能に形成さ
れ冷房運転時に使用する第２室内熱交換器とを並
列に接続し前記室外熱交換器７の冷房時冷媒出口
側から第２熱交換器２のみに至る冷媒配管には冷
房用絞り装置６を設け、第２熱交換器２のみから
四方弁８に至る冷媒配管１３には冷房時順方向と
なる第１逆止弁４が設けられ冷房用冷媒回路が構
成されている。

次に暖房用冷媒回路構成について述べる。前記
四方弁８の暖房時圧縮機吐出ガス冷媒出口側から
第１室内熱交換器１のみに至る冷媒配管１１には
暖房時に順方向となる第２逆止弁１０を設け、第
１室内熱交換器１のみから室外熱交換器７に至る
冷媒配管１６には暖房用絞り装置５と暖房時に順
方向となる第３逆止弁３が設けられている。１５
は前記暖房用絞り装置５の入口側と前記第２逆止
弁１０の入口側とをバイパスするキヤピラリチユ
ーブである。

以上の構成にてなる本考案の一実施について暖
房運転時の動作を説明する。圧縮機１より吐出さ
れた冷媒ガスは四方弁８、第２逆止弁１０を経て
第１室内熱交換器１で凝縮放熱し床暖房を行う。
そして暖房用絞り装置５で減圧され第３逆止弁を
通り室外熱交換器７へ向う。この時キヤピラリチ
ユーブ１５内はその上流側の冷媒状態がガスの状
態であるため流通抵抗が大きく、冷媒はほとんど
流れない。次に暖房運転が停止した時の動作につ
いて説明する。暖房運転が停止すると四方弁８は
通電が停止し冷房運転の状態になる。したがつて
圧縮機９の低圧側と配管１２が連通する。ところ
が第２逆止弁１０があるために暖房時第１室内熱
交換器１内にあつた高圧の液冷媒はキヤピラリチ
ユーブ１５を通じてしか圧縮機９の低圧側と連通
しなくなる。そのためキヤピラリチユーブの抵抗
を適当に選べば極めてゆるやかに第１室内熱交換
器内が減圧されるため、第２図に示すような従来
例で生じていた暖房運転時の急激な減圧による騒
音の発生を防止することができる。

以上の説明から明らかなように本考案のヒート
ポンプ式冷暖房装置は暖房運転時に冷媒が流れる
第１室内熱交換器の入口側冷媒配管に第２逆止弁
を設け、第１室内熱交換器出口と暖房用絞り装置
との連絡配管と、前記第２逆止弁の暖房時上流側
とをキヤピラリチユーブを介して接続したことに
より、暖房運転が停止し四方弁が逆転しても、前
記第１室内熱交換器内が急激に減圧されないため
に、従来暖房運転停止時に発生していた冷媒の急
激な減圧沸騰や冷媒の流動による騒音や振動を防
止することができるきわめて実用的効果の大なる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のヒートポンプ式冷暖房装置の
一実施例を示す冷媒回路図、第２図は従来のヒー
トポンプ式冷暖房装置の冷媒回路図である。 １……第１室内熱交換器、２……第２室内熱交
換器、３……第３逆止弁、４……第１逆止弁、５
……暖房用絞り装置、６……冷房用絞り装置、７
……室外熱交換器、８……四方弁、９……圧縮
機、１０……第２逆止弁、１５……キヤピラリチ
ユーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １台の圧縮機、室外熱交換器、四方弁に対し、
   居住空間の床と一体かもしくは熱交換可能に形成
   され、暖房運転時に使用する第１室内熱交換器
   と、居住空間の空気と熱交換可能に形成され、冷
   房運転時に使用する第２室内熱交換器とを並列に
   接続し、前記室外熱交換器の冷房時冷媒出口側か
   ら第２熱交換器のみに至る冷媒配管には冷房用絞
   り装置を設け第２熱交換器のみから四方弁に至る
   冷媒配管には冷房時に順方向となる第１逆止弁を
   設け、前記四方弁の暖房時圧縮機吐出ガス冷媒出
   口側から第１室内熱交換器のみに至る冷媒配管に
   は暖房時に順方向となる第２逆止弁を設け、第１
   室内熱交換器のみから室外熱交換器に至る冷媒配
   管には暖房用絞り装置と暖房時に順方向となる第
   ３逆止弁を設けると共に、前記暖房用絞り装置の
   入口側と、前記第２逆止弁の入口側とをキヤピラ
   リチユーブをを介して接続したヒートポンプ式冷
   暖房装置。