JPH0340306B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、住宅の床暖房機能を有する冷暖房可
能なヒートポンプ式床暖房装置に関するものであ
る。

従来例の構成とその問題点 従来この種のヒートポンプ式床暖房装置のシス
テム構成は第１図に示す如く、室外ユニツトｖ、
室内ユニツトｗ、床用放熱器ｉより構成される。
そして冷暖房共用の場合の基本的な冷凍サイクル
は第２図に示す如く、圧縮機ａ、冷房と暖房の運
転を切り換える四方弁ｂ、室内ユニツト接続用の
第１の三方弁ｃ、室内ユニツトｗと室外ユニツト
ｖを接続する第１の接続配管ｄ、室外ユニツト接
続用の第１の接続部ｅ、暖房時凝縮器となり冷房
時蒸発器となる室内熱交換器ｆ、床用放熱器行き
の接続部ｇ、床用放熱器行きの配管ｈ、床用放熱
器ｉ、床用放熱器帰りの配管ｊ、床用放熱器帰り
の接続部ｋ、冷房時冷媒が床用放熱器ｉへ流れ込
むことを防ぐ暖房用逆止弁ｌ、室外ユニツト接続
用の第２の接続部ｍ、室内ユニツトｗと室外ユニ
ツトｖを接続する第２の接続配管ｎ、室内ユニツ
ト接続用の第２の三方弁ｏ、冷暖房共用減圧装置
Ｐ、暖房時蒸発器となり冷房時凝縮器となる室外
熱交換器Ｑをそれぞれ環状直列に連結し、暖房時
に床用放熱器ｉへ冷媒を流す冷房用逆止弁ｒと冷
房用減圧装置ｓの直列回路を床用放熱器ｉと暖房
用逆止弁ｌとの直列回路に並列に連結することに
より冷凍サイクルを構成する。さらに前記室内熱
変換器ｆに室内送風機ｔを付設し、室外熱交換器
Ｑに室外送風機ｕを付設したものである。ここで
第１の接続配管ｄの内径と室内ユニツト接続用の
第１の三方弁ｃ及び接続部ｅ、室外ユニツト接続
用の第１の接続部ｅの内径は7.92mmであり、その
他の配管ｈ，ｊ、、第２の接続配管ｎの内径及び
接続部ｇ，ｋ、室外ユニツト接続用の第２の接続
部ｍ、室内ユニツト接続用の第２の三方弁ｏの内
径は4.75mmである。

暖房運転時の動作を説明すると、圧縮機ａで高
温高圧に圧縮された冷媒は四方弁ｂを通り第１の
三方弁ｃを通つて案内ユニツトｗに移り、室内熱
交換器ｆで顕熱放熱を行ない、接続部ｇを介して
床用放熱器ｉに入つてさらに潜熱放熱を行ない凝
縮する。そして再び接続部ｋを介して室内ユニツ
トｗにもどり、暖房用逆止弁ｌを通り、室外熱ユ
ニツト接続用の第２の接続部ｍと室内ユニツト接
続用の第２の三方弁ｏを介して室外ユニツトｖに
もどる。そして冷暖房共用減圧装置ｐで減圧され
低温低圧になり室外交換器Ｑで吸熱蒸発を行ない
四方弁ｂを通つた後、圧縮機ａへもどるという動
作を行なう。

冷房運転時の動作を説明すると、圧縮機ａで高
温高圧に圧縮された冷媒は四方弁ｂを通つて室外
熱交換器Ｑに入りここで放熱凝縮を行ない、冷暖
房共用減圧装置ｐで減圧され、室内ユニツト接続
用の第２の三方弁ｏと室外ユニツト接続用の第２
の接続部ｍを通つて室内ユニツトｗに入る。そし
て冷房用逆止弁ｒを通り冷房用減圧装置ｓでさら
に減圧され低温低圧になり、室内熱交換器ｆで吸
熱蒸発を行ない室外ユニツト接続用の第１の接続
部ｅと第１の三方弁ｃを通つて室外ユニツトｖに
入り、四方弁ｂを通つて圧縮機ａにもどるという
動作を行なう。

以上のように床用放熱器ｉへの分配接続部を室
内ユニツトｗに設けた室内分配方式でシステムを
構成する場合には以下の説明の如く種々の問題点
を生じる。

例えば室内ユニツトｗに壁掛けタイプを用いた
時の室内分配方式を考えてみる。一般に壁掛けタ
イプの室内ユニツトは薄型でコンパクトであるこ
とが特徴であるため床暖房と共用する場合には床
用放熱器ｉへの配管を接続するスペースがなく、
工事性の点で非常に困難であり、さらに外観をも
悪くしてしまい結果的には室内ユニツトｗは床置
きタイプに限定されてしまうという欠点を有す
る。また床用放熱器ｉへの行きの配管ｈの内径が
4.75mmと細いため抵抗による圧力損失が大きくな
り、配管内を流れる冷媒の圧力が降下してしまい
床用放熱器ｉの温度が下がり暖房能力が減少して
居住者に不快感を与えてしまうという欠点もあつ
た。このことを第５図に示す実際のモリエル線図
を用いて説明を行なう。

第５図において、実線は床用放熱器行きの配管
中で管径が細いため圧力損失を生じる従来例のモ
リエル線図、点線は圧力損失がない場合の凝縮器
側の特性、一点破線は等温線である。ヒートポン
プ式床暖房装置の冷凍サイクルは室内熱交換器ｆ
と床用放熱器ｉが直列に接続されているため圧縮
機ａからの吐出冷媒はまず室内熱交換器ｆで第５
図の点Ａから点Ｂまで顕熱放熱を行なう。次に床
用放熱器ｉでさらに潜熱放熱を行ない凝縮をす
る。ここで床用放熱器行きの配管ｈ中で圧力損失
がある従来例と、圧力損失のない場合を比較して
考えてみる。まず圧力損失のある従来例の場合は
床用放熱器ｉでの放熱は実線上の点Ｄから点Ｆま
でとなる。圧力損失のない場合は点線上の点Ｃか
ら点Ｅまで放熱を行なう。ここで各点の温度を一
点鎖線で示す等温線により比較すると圧力損失の
ある従来例の方が全体的に低いことが理解でき
る。以上のことからわかるように従来例では床用
放熱器行きの配管ｈの内径が4.75mmと細いため、
配管中で冷媒の圧力損失を生じ、結果的に床用放
熱器ｉの温度が低下し、暖房能力を減少させ、居
住者に不快感を与えてしまう。

発明の目的 本発明は上記従来の問題点を解決するもので、
どのような室内ユニツトでもシステムを構成でき
るよう汎用性を持たせ、さらに快適な暖房運転を
行なえるようにすることを目的とする。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は室外ユニツ
トに室内ユニツト専用接続部と床用放熱器専用接
続部を設け、また接続補助配管により室内熱交換
器と床用放熱器を直列接続して従来の欠点であつ
たシステム構成時における室内ユニツトのタイプ
の限定という問題を解消し、さらに床用放熱器行
き接続部の内径を室内ユニツト帰り接続部の内径
よりも大きくすることにより床用放熱器行き配管
の内径を室内ユニツト帰り配管の内径よりも大き
くして圧力損失を防ぐものである。

実施例の説明 本発明のヒートポンプ式床暖房装置の一実施例
におけるシステム構成は、第３図に示す如く、室
外ユニツトｖ、室内ユニツトｗ、床用放熱器ｉよ
り構成される。そして冷暖房共用の場合の基本的
な冷凍サイクルは第４図に示す如く、圧縮機１、
冷房と暖房の運転を切り換える四方弁２、室内ユ
ニツト専用接続第１三方弁３、室外ユニツトｖと
室内ユニツトｗとを連絡する第１接続配管４、室
外ユニツト用第１接続部５、暖房時凝縮器となり
冷房時蒸発器となる室内熱交換器６、室外ユニツ
ト用第２接続部７、室内ユニツトｗと室外ユニツ
トｖとを連結する第２接続配管８、室内ユニツト
専用接続第２三方弁９、室内熱交換器６と床用放
熱器ｉの直列回路を形成する接続補助配管２２、
床用放熱器専用行き三方弁１０、床用放熱器行き
配管１１、床用放熱器ｉ、床用放熱器帰り配管１
３、床用放熱器専用帰り三方弁１４、冷房時冷媒
が床用放熱器ｉへ流れ込むことを防ぐ暖房用逆止
弁１５、冷暖房共用減圧装置１６、暖房時蒸発器
となり冷房時凝縮器となる室外熱交換器１７を環
状直列に連結し、暖房時に床用放熱器ｉへ冷媒を
流す冷房用逆止弁１８と冷房専用減圧装置１９の
直列回路を床用放熱器ｉと暖房用逆止弁１５の直
列回路に並列に連結することにより冷凍サイクル
を構成する。さらに前記室内熱交換器６に室内送
風機２０を付設し、室外熱交換器１７に室外送風
機２１を付設したものである。ここで各接続部及
び配管の内径は、室内ユニツト専用接続第１三方
弁３、室外ユニツト用第１接続部５及び床用放熱
器専用行き三方弁１０、接続補助配管ススが各々
7.92mmであり、室外ユニツト用第２接続部７、室
内ユニツト専用接続第２三方弁９及び床用放熱器
専用帰り三方弁１４が各々4.75mmである。また第
１接続配管４、第２接続配管８、床用放熱器行き
配管１１、床用放熱器帰り配管１３の内径はそれ
ぞれが接続される室内ユニツト専用接続第１三方
弁３、室外ユニツト用第１接続部５、室外ユニツ
ト用第２接続部７、室内ユニツト専用接続第２三
方弁９、床用放熱器専用行き三方弁１０、床用放
熱器専用帰り三方弁１４、の口径と同じである。
暖房時の動作を説明すると、圧縮機１で高温高圧
に圧縮された冷媒は四方弁２を通つて室内ユニツ
ト専用接続第１三方弁３より室外ユニツトｖを出
て、第１接続配管４を通つて室内ユニツトｗへ送
られる。室内ユニツトｗへ送られてきた冷媒は室
外ユニツト用第１接続部５を通つて室内熱交換器
６に入りここで顕熱放熱を行ない、室外ユニツト
用第２接続部７より室内ユニツトｗを出て、第２
接続配管８を通り、一度室外ユニツトｖへもどさ
れる。室外ユニツトｖへもどされた冷媒は、室内
ユニツト専用接続第２三方弁９より室外ユニツト
ｖへ入り、接続補助配管２２を通り、床用放熱器
専用行き三方弁１０と床用放熱器行き配管１１を
通つて床用放熱器ｉへ送られる。ここで冷媒はさ
らに潜熱放熱を行ない凝縮をする。そして床用放
熱器帰り配管１３を通つて室外ユニツトｖへ再び
もどされる。室外ユニツトｖへもどされた冷媒
は、床用放熱器専用帰り三方弁１４より室外ユニ
ツトｖへ入り、暖房用逆止弁１５を通り、冷暖房
共用減圧装置１６で減圧され低温低圧になつて室
外熱交換器１７で吸熱蒸発し四方弁２を通つて圧
縮機１へもどる。

冷房運転時の動作を説明すると、圧縮機１で高
温高圧に圧縮された冷媒は四方弁２を通り室外熱
交換器１７で放熱凝縮して冷暖房共用減圧装置１
６で減圧され冷房用逆止弁１８を通り、冷房専用
減圧装置１９でさらに減圧され低温低圧になる。
そして室内ユニツト専用接続第２三方弁９より室
外ユニツトｖを出て第２接続配管８を通つて室外
ユニツト用第２接続部７より室内ユニツトｗへ入
る。そして室内熱交換器６で吸熱蒸発を行ない、
室外ユニツト用第１接続部５より室内ユニツトｗ
を出て第１接続配管４を通り、室内ユニツト専用
接続第１三方弁３を通つて室外ユニツトｖへもど
る。そして再び四方弁２を通つて圧縮機１へもど
る。

以上のように本発明は床用放熱器ｉと室内ユニ
ツトｗの接続部を室外ユニツトｖに設け、分配方
式を室外分配方式にし、さらに室外ユニツトｖの
床用放熱器専用行き三方弁１０の内径を室内ユニ
ツト専用接続第２三方弁９の内径よりも大きく
し、両者に接続される配管の内径を接続部と同じ
にすることにより従来の問題点を解消したもので
ある。以下その説明を行なう。

例えば室内ユニツトｗに壁掛けタイプを用いた
時の室外分配方式を考えてみる。本発明は床用放
熱器ｉへの配管接続部が室外ユニツトｖに設けら
れているため、室内ユニツトｗの工事は通常のエ
アコンと同様室外ユニツトｖとの接続配管工事の
みとなり、さらに外観も悪くせず薄型、コンパク
トが特長の壁掛けタイプでも何ら支障なくシステ
ムが構成できる。また当然床置きタイプその他の
タイプの室内ユニツトｗでも同様のことが言え
る。つまり室内ユニツトｗのタイプに関係なく同
一の室外ユニツトｖでシステムを構成でき、従来
の室内分配方式では成し得なかつた汎用性という
効果が備わるのである。次に接続部の口径につい
てであるが、本発明の実施例では床用放熱器専用
行き三方弁１０の内径を7.92mmとし、室内ユニツ
ト専用接続第２三方弁９の内径を4.75mmとしてい
る。つまり床用放熱器行き配管１１の方が暖房時
に室内ユニツトｗからの帰り配管となる第２接続
配管８よりも太くなつている。この効果について
以下に説明する。第４図より明らかなように、ヒ
ートポンプ式床暖房装置の冷凍サイクルは室内熱
交換器６と床用放熱器ｉが直列に接続されている
ため、圧縮機１からの吐出冷媒は、まず室内熱交
換器１６で顕熱放熱を行ない、次に床用放熱器ｉ
で潜熱放熱を行なう。この場合室内熱交換器６か
ら床用放熱器ｉまでの配管の内径が細く、又は長
い程圧力損失は大きくなる。そのため床用放熱器
専用行き三方弁１０、床用放熱器行き配管１１及
び接続補助配管２２の内径を室内ユニツト専用接
続第２三方弁９、第２接続配管８の内径よりも大
きくすることにより、冷媒の圧力損失を最小限に
している。この結果を、第５図のモリエル線図に
示すと、圧縮機１からの吐出冷媒は室内熱交換器
６で同図点Ａから点Ｂまで顕熱放熱を行ない、圧
力損失のほとんどないまま床用放熱器ｉへ行き、
ここで同図点線上の点Ｃから点Ｅまで潜熱放熱を
行なう。ここで床用放熱器ｉを流れる冷媒の温度
を一点破線で示す等温線で見ると従来例である実
線上の点Ｄ、点Ｆよりも高くなつていることが理
解できる。つまり、床用放熱器専用行き三方弁１
０、床用放熱器行き配管１１及び接続補助配管２
２の内径を7.92mmと太くしているので、室内熱交
換器６を出た冷媒が、床用放熱器ｉに入るまでの
圧力損失を最小限にしているので結果として従来
のように床用放熱器全体の温度低下、暖房能力の
減少を防ぐことができるようになり、居住者に対
して快適な暖房感を与えることが可能となる。ま
た本実施例では室外ユニツトｖの各接続部に三方
弁を使用しているので室内ユニツトｗ及び床用放
熱器ｉのエアパージをも可能となる。

発明の効果 本発明のヒートポンプ式床暖房装置は、圧縮
機、室外熱交換器、減圧装置を有する室外ユニツ
トと、室内熱交換器を有する室内ユニツトと、床
用放熱器とを備え、この室外ユニツトに室内ユニ
ツトを接続する室内ユニツト専用接続第１接続部
と室内ユニツト専用接続第２接続部、および床用
放熱器行き配管を接続する床用放熱器専用行き接
続部と、前記減圧装置の上流側に床用放熱器帰り
配管を接続する床用放熱器専用帰り接続部をそれ
ぞれ付設し前記室内ユニツト専用接続第２接続部
と前記放熱器専用行き接続部を接続補助配管で接
続することにより、室内熱交換器と床用放熱器を
直列接続し、前記放熱器専用行き接続部の内径
を、前記室内ユニツト専用接続第２接続部の内径
よりも大きくしたもので、室内ユニツトのタイプ
に関係なくシステムを構成できるという汎用性を
有する上に、工事性の点でも簡単にすることがで
き、さらに前記床用放熱器専用行き接続部の内径
を、室内ユニツト専用接続第２接続部の内径より
も大きくしたため床用放熱器の温度低下や暖房能
力の減少を解消でき、居住者に対して快適な暖房
感を与えることができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のヒートポンプ式床暖房装置のシ
ステム構成図、第２図は同システムの冷凍サイク
ル図、第３図は本発明の一実施例におけるヒート
ポンプ式床暖房装置のシステム構成図、第４図は
同システムの冷凍サイクル図、第５図はモリエル
線図である。 １……圧縮機、３……室内ユニツト専用接続第
１三方弁、（室内ユニツト専用接続第１接続部）、
６……室内熱交換器、８……第２接続配管、９…
…室内ユニツト専用接続第２三方弁（室内ユニツ
ト専用接続第２接続部）、１０……床用放熱器専
用行き三方弁（床用放熱器専用行き接続部）、１
１……床用放熱器行き配管、１３……床用放熱器
帰り配管、１４……床用放熱器専用帰り三方弁
（床用放熱器専用帰り接続部）、１６……冷暖房共
用減圧装置（減圧装置）、１７……室外熱交換器、
２０……室内送風機、２２……接続補助配管、ｖ
……室外ユニツト、ｗ……室内ユニツト、ｉ……
床用放熱器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧縮機、室外熱交換器、減圧装置を有する室
   外ユニツトと、室内熱交換器を有する室内ユニツ
   トと、床用放熱器とを備え、この室外ユニツト
   に、前記室内ユニツトを接続する室内ユニツト専
   用接続第１接続部と、室内ユニツト専用接続第２
   接続部、および床用放熱器行き配管を接続する床
   用放熱器専用行き接続部と、前記減圧装置の上流
   側に床用放熱器帰り配管を接続する床用放熱器専
   用帰り接続部をそれぞれ付設し、前記室内ユニツ
   ト専用接続第２接続部と前記放熱器専用行き接続
   部を接続補助配管で接続して前記室内熱交換器と
   床用放熱器を直列に接続し前記放熱器専用行き接
   続部の内径を、前記室内ユニツト専用接続第２接
   続部の内径よりも大きくし、前記室内ユニツト第
   ２接続部と、前記室内ユニツトを接続する第２接
   続配管を設け、前記床用放熱器行き配管及び前記
   接続補助配管の内径を前記第２接続配管の内径よ
   りも大きくしたヒートポンプ式床暖房装置。