JPS6315493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリートの吹付け装置に関する。

トンネル、坑道、法面などにコンクリートやモ
ルタルをライニングする場合、圧縮エアを搬送媒
体に用いて吹付け材料を圧送して吹付けノズルか
ら施工面に噴射する方法が汎用されており、その
具体的な方式として、従来では材料収容部と吐出
部のあいだにポケツト付ロータを介在させ、材料
収容部に施工に必要な全配合（骨材、セメント、
混和材）を供給し、これらを一括してロータと搬
送エアにより吐出部から排出させ、搬送ホースを
経て吹付けノズルに送る手法が採用されていた。

しかしこのような方法では、砂、砂利、補強繊
維などの骨材とセメント、混和材、樹脂などのバ
インダー系材料を予め十分にミキシングして用い
なければならず、しかも少なくとも吹付け機に投
入した分の配合が固定されるため、湧水が発生し
たり施工面の一部に高強度を要したりするような
場合に即座に対処することができないという不具
合があつた。さらに、この方法は骨材系とバイン
ダー系の両材料を混在させた状態でしか圧送を行
えないので、骨材に水分が多く含まれていたよう
な場合に不必要に早く反応が進み、吐出部や搬送
ホースへの材料付着や閉塞が生じて吹付不能とな
つたり、頻繁に清掃作業を要したり、あるいは搬
送距離が短縮するなどの不具合を起しやすかつ
た。

本考案は前記のような従来の吹付け機の不具合
を解消し、比較的簡単な構造により機器類のトラ
ブルが起らず円滑な施工を行うことができ、また
配合およびこれの添加混合部位と数とを自由かつ
迅速に調整して施工することができるコンクリー
ト等の吹付け装置を提供しようとするもので、そ
の特徴とするところは、吹付けに要する配合を複
数のグループに分けて気送し、これらを吹付けノ
ズルおよび水添加部より手前で特殊な合流機構を
用いて合流混合して吹き付けるようにしたもの
で、すなわち、先端に吹付けノズルを有し、吹付
けノズルより手前の中間部分に合流機構を介在し
た搬送ホースと材料収容部、回転式定量送出機構
およびこれと共働して材料を吐出部から前記搬送
ホースへ圧送するエア吹込み部を備えた主吹付け
機と、材料収容部、回転式定量送出機構およびこ
れと共働して材料を吐出部から添加ホースへ圧送
するエア吹込み部を備えた１基以上の副吹付け機
とからなり、かつ前記合流機構が、搬送ホースに
ほぼ対応する湾曲状のプレートと、このプレート
の厚さ方向を斜めに貫き、先端に搬送ホースに形
成した開孔に差し込まれる差込み部を備え後端が
副吹付け機の添加ホースに接続される添加用パイ
プと、このプレートを搬送ホース外周に固定する
手段を備えていることを特徴とするものである。

以下本考案の実施例を添付図面に基いて説明す
る。

第１図ないし第３図は本考案に係るコンクリー
ト等の吹付け装置の一実施例を示すもので、１は
搬送ホースであり、先端に吹付けノズル４を有す
ると共にこの吹付けノズル４の近傍に水添加部５
を備え、さらにこの水添加部５より後方の適所に
合流機構６が介在されている。２は主吹付け機
で、材料収容部７と回転式定量送出機構８および
これと共働して材料を吐出部（機側ノズル）１０
から前記搬送ホース１へ圧送するエア吹込み部９
とを備えている。１１は先端を前記合流機構６に
接続させた添加ホースである。３は副吹付け機
で、少なくとも一基以上からなつており、前記添
加ホース１１の後端を接続する吐出部（機側ノズ
ル）１０′と、材料収容部７′、回転式定量送出機
構８′およびこれと共働して材料を吐出部１０′か
ら添加ホース１１へ圧送するエア吹込み部９′と
を備えている。

しかして、前記合流機構６は図示するものでは
一個所であるが、複数個所に設けてもよいのは勿
論である。この合流機構６は第２図と第３図示さ
れている。すなわちこの合流機構６は、搬送ホー
ス１１にほぼ対応する曲率でわん曲した数枚のプ
レート１２と、前記プレート１２の厚さ方向を斜
めに貫く添加用パイプ１３および前記プレート１
２を搬送ホース１の外周に固定するバンドのよう
な固定手段１４とからなつており、添加用パイプ
１３はプレートの貫通部分が溶接などにより一体
化されると共に、プレート下面側には搬送ホース
１の肉厚とほぼ同程度突出し先端の斜め切りされ
た差込み部１５を備え、プレート上面側には添加
ホース１１に対する接続部１６が設けられてい
る。そして、プレート１２は搬送ホース１の外周
に添着され、プレートの取付け孔１７を介して搬
送ホース１にねじ込まれたビス１８と前記固定手
段１４により定着され、添加用パイプ１３は予め
搬送ホース１に形成しておいて開孔１９に差込ま
れる。

前記材料収容部７，７′はホツパであつてもよ
いし圧力容器であつてもよい。また、回転式定量
送出機構８，８′として実施例では多数のポケツ
ト２０を有する筒型ロータと、下周部に羽根２
０′を備えた截頭円錐ロータを用いているが、回
転軸２１，２１′を有しこれの駆動により材料収
容部７，７′の材料を定量的に吐出できる機成と
なつていれば構造は問わない。従つてスクリユー
フイーダの如きも含まれる。また混練機構を内蔵
しているタイプのものも含まれることはもとより
である。エア吹込み部９，９′は配管２２，２
２′により圧縮エア供給源と接続され、前記回転
式定量送出機構８，８′から切出された材料を吐
出部１０，１０′からホースへと圧送する。この
圧送時のエア流量の固気比をコントロールし、か
つ添加ホース側の気送圧を搬送ホース側の圧力と
同等もしくはそれよりも若干低圧に調整するため
配管２２，２２′には流量計もしくは圧力計２３，
２３′と制御弁２４，２４が設けられ、手動又は
制御器を介して自動的に制御するようにしてい
る。

本実施例において水添加部５はリングノズルと
しているが、これに代え前記した合流機構６を採
用してもよい。２５は水タンク、２６はポンプ、
２７はバルブ、２８，２８′は回転軸の駆動モー
タである。

本考案は上記のような構成からなるので、コン
クリート等の吹付けにあたつては、施工に必要な
配合を複数のグループＡ，A′に分け、それぞれ
を主吹付け機２と副吹付け機３の材料収容部７，
７′に装入する。すなわちコンクリートを乾式で
吹付ける場合には細骨材、組骨材、補強繊維など
の骨材、セメント、急結材や減水材などの混和
材、樹脂などが用いられるが、これらを施工目的
や用材の性状などに応じて任意に選択し、たとえ
ば主吹付け機２に、骨材と混和材の配合Ａを装入
し、副吹付け機３にセメントあるいはこれと樹脂
との混合物を装入し、あるいは主吹付け機１に骨
材のみを装入し、配合の残りを副吹付け機３に装
入するなどする。

そして、次に配合比や固気比に応じて主吹付け
機２と副吹付け機３の回転軸２１，２１′の回転
数とエア吹込み部９，９′への圧縮エア供給量を
設定し、両機の運転を開始する。こうすれば、主
吹付け機２の配合グループＡは収容部７から回転
式定量送出機構８で切出されると同時にエア吹込
み部９から吹込まれる定量の圧縮エアにより吐出
部１０を通して搬送ホース１に定量ずつ送られ、
同搬送ホース中を分散状となつて圧送される。一
方、配合グループA′も上記と同期して副吹付け
機３の収容部７′から回転式定量送出機構８′で切
出されると共にエア吹込み部９′からの定量圧縮
エアにより添加ホース１１へと定量ずつ風送され
る。そしてこの配合グループA′は添加ホース中
を分散状となつて送られたのち合流機構６におい
て主路である搬送ホース１へと連続的に吹込ま
れ、搬送ホース中を高速気流搬送されている配合
グループＡの粒と乱流状に撹拌混合される。この
作用は両配合グループＡ，A′の搬送媒体である
圧縮エアの動的エネルギーを利用して行われるた
めきわめて効果的で、短い時間内にて均一な混合
状態となる。このとき同時に骨材に含まれる水分
による吸着現象が働き、骨材のまわりにセメント
粒や樹脂などが付着してかためなペーストにな
り、続いて水添加部５で定量の水が添加されるこ
とで所定の水セメント比となつて吹付けノズル４
から施工面Ｃに吹付けられる。湿式で吹付けを行
う場合には水は好ましくは配合グループＡに添加
しておくものである。

ところで、複数の配合を分けて搬送し合流して
混合する場合、その合流機構が非常に重要であ
り、単に金属製の管に分岐パイプをＹ状に接続し
ただけはホースとの物理的、機械的特性の相違に
より添加領域の内壁に付着が生じやすく、付着が
はじまるとこれを核として急速に成長して流路が
閉塞することを避けられず、運転を中止し煩雑な
分解清掃を行わなければなりない。また混合場所
限定された、混合位置の変更や増設も困難であ
り、配合の特性や搬送条件に即応した混合を行い
がたい。

しかるに本考案では、合流機構６として前記の
ような特殊な構造を採用しているため、配合グル
ープＡ，A′の混合されるゾーンが弾性ホースそ
のもので構成されるため気流搬送状態がなめらか
となり、しかも配合グループＡ，A′やそれらの
混合物が付着してもセルフクリーニング作用によ
り自然に剥離し閉塞が生じない。また搬送ホース
を分断する必要があるため添加位置を自由に設定
できると共に増設も簡単に行えるなどの利点があ
る。

以上説明した本考案によるときには、先端に吹
付けノズル４を有し、吹付けノズルより手前の中
間部分に合流機構６を介在した搬送ホース１と材
料収容部７、回転式定量送出機構８およびこれと
共働して材料を吐出部１０から前記搬送ホース１
へ圧送するエア吹込み部９を備えた主吹付け機２
と、材料収容部７′、回転式定量送出機構８′およ
びこれと共働して材料を吐出部１０′から添加ホ
ース１１へ圧送するエア吹込み部９′を備えた１
基以上の副吹付け機３とを用いるため、吹付けに
用いる配合を複数の任意のグループに分けて夫々
定量的に風送し混合して吹付けることができ、
Ｗ／ＣやＳ／Ｃ、ｓ／ａなどを吹付け中でも任意
に変化させることができ、しかも各配合の合流機
構６が、特に搬送ホース１にほぼ対応する湾曲状
のプレート１２と、このプレート１２の厚さ方向
を斜めに貫き、先端に搬送ホース１に形成した開
孔１９に差し込まれる差込み部１５を備え後端が
副吹付け機３の添加ホース１１に接続される添加
用パイプ１３と、このプレート１２を搬送ホース
外周に固定する手段１４を備えているため、搬送
路である搬送ホース１をそのまま使つて吹付けノ
ズルおよび水添加部より手前の自由な位置に合流
混合ゾーンを形成することができ、その上増設も
容易で、搬送距離や配合の性状に即した最も適切
な混合を行えるものであり、その混合ゾーンが弾
性構造であるため、気流搬送状態がなめらかで、
２種以上の配合グループＡ，A′が付着してもい
わゆるセルフクリーニング作用により自然に剥離
し、付着物の成長やそれによる閉塞が生じにく
く、スムースな混合と搬送を行え、万一閉塞が生
じても運転を中止して分解清掃を行うなどの面倒
な作業を要せず、プレートや固定手段１４などに
振動を与えることでその刺激で内壁から容易に剥
離できる。そのため、含水率の高い骨材や、硬化
の早いセメント類、あるいは補強繊維を用いた場
合も作業性良く、スムーズに効能率で施工を行う
ことができ、湧水地盤、局部軟弱地盤などに対す
る施工を効果的に実施できるなどの優れた特徴が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンクリート等の吹付け
装置の一実施例を示す断面図、第２図は本考案に
おける合流機構の一例を示す斜視図、第３図は同
じくその半断側面図である。 １……搬送ホース、２……主吹付け機、３……
副吹付け機、４……吹付けノズル、６……合流機
構、７，７′……材料収容部、８，８′……回転式
定量送出機構、９，９′……エア吹込み部、１０，
１０′……吐出部、１１……添加ホース、１２…
…プレート、１３……添加用パイプ、１４……固
定手段、１５……差込み部、１９……開孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端に吹付けノズル４を有し、吹付けノズルよ
   り手前の中間部分に合流機構６を介在した搬送ホ
   ース１と材料収容部７、回転式定量送出機構８お
   よびこれと共働して材料を吐出部１０から前記搬
   送ホース１へ圧送するエア吹込み部９を備えた主
   吹付け機２と、材料収容部７′、回転式定量送出
   機構８′およびこれと共働して材料を吐出部１
   ０′から添加ホース１１へ圧送するエア吹込み部
   ９′を備えた１基以上の副吹付け機３とからなり、
   かつ前記合流機構６が、搬送ホース１にほぼ対応
   する湾曲状のプレート１２と、このプレート１２
   の厚さ方向を斜めに貫き、先端に搬送ホース１に
   形成した開孔１９に差し込まれる差込み部１５を
   備え後端が副吹付け機３の添加ホース１１に接続
   される添加用パイプ１３と、このプレート１２を
   搬送ホース外周に固定する手段１４を備えている
   ことを特徴とするコンクリート等の吹付け装置。