JPS6315429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、引張脚により係留する浮遊構造
物、例えばブイ、海底油田または海底ガス田開発
用浮遊式プラツトホーム等の浮遊構造物を係留す
るための引張脚に関するものである。

従来の引張脚係留式浮遊構造物を海底油田また
は海底ガス田の開発や海底の石油、ガス等の生産
に用いられる引張脚係留式プラツトホームを例に
とつて説明すると、第１図に示すように浮力室を
備えている平面４角形の鋼製浮遊式プラツトホー
ム１の４隅部と、その下方において海底地盤に設
置された係留用基礎２とを引張脚３により連結
し、前記プラツトホーム１の上には、海底の油田
またはガス田の坑井に設置されたウエルヘツドに
より石油またはガスを生産するためのウエルヘツ
ド運転装置や生産物積出装置等を設置し、海底仕
上げの坑井から送られてくる流体は、フローライ
ン４を通り、次いでマニホールド５からフローラ
イン立上り部６で立上りプラツトホーム１上に到
達する。

このフローライン４およびフローライン立上り
部６は、流体輸送用パイプ類や坑口装置を運転す
るための多数の液圧操作用パイプや電線等からな
つている。またこれらのパイプ類や電線等を一括
して後述の複合ケーブル（アンビリカルケーブ
ル）とすることもある。

前記複合ケーブルは、通常第２図に示すような
断面であり、この例の場合は、複数の流体輸送用
パイプ７と複数のウエルヘツド操作用液圧パイプ
８と電力ケーブル９と計装ケーブル１０と整形材
１１とをまとめ、その外面に鎧装鉄線１２を巻付
けたものである。

しかるに、前記従来の引張脚係留式浮遊構造物
の場合は、多数本の液圧操作用パイプ、流体輸送
用パイプ、電線等が露出しているので、浮遊物の
衝突等の外力により損傷を受ける恐れがあり、し
かも浮遊構造物の下方の構造が複雑であるという
問題がある。

この考案は前述の問題を有利に解決した引張脚
係留式浮遊構造物の引張脚を提供することを目的
とするものである。次にこの考案を図示の例によ
つて詳細に説明する。

第３図はこの考案の第１実施例に係る引張脚を
示すものであつて、第２図の場合と同一構造の複
合ケーブル１３が鋼管からなる保護兼引張脚部材
１４に内包されている。

第４図はこの考案の第２実施例に係る引張脚を
示すものであつて、第２図の場合と同一構造の複
合ケーブル１３が鋼撚線（ワイヤロープ）の中に
撚込まれ、すなわち複合ケーブル１３が鋼撚線か
らなる保護兼引張脚部材１４に内包されている。
なお第４図において、１５は鋼撚線を構成する素
線である。

引張脚に複合ケーブル等を内包する工程は、鋼
管の場合は現地での施工の際に鋼管を継いでいく
時に行い、鋼撚線の場合は撚線工場でロープを撚
る時にそのロープの中心に複合ケーブルを撚込ん
でから施工現場に搬入する。

第５図はこの考案の実施例に係る引張脚を使用
した引張脚係留式浮遊構造物を示すものであつ
て、浮遊構造物１６におけるフローライン立上り
部の上方部分とマニホールド兼係留用基礎１７と
が、第３図または第４図に示す断面構造の引張脚
１８により連結されている。

この考案によれば、引張脚係留式浮遊構造物に
おける引張脚が、多数のパイプおよび電線とこれ
を内包する鋼管またはワイヤロープ等の保護兼引
張脚部材とにより構成されているので、保護兼引
張脚部材を利用して、フローライン立上り部の多
数のパイプおよび電線等を損傷しないように保護
することができ、かつ浮遊構造物１６の下方の全
般的な構造を単純にすると共に簡単な構造の複合
ケーブルを使用できる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は通常の引張脚係留式プラツトホームの
斜視図、第２図は複合ケーブルの一例を示す斜視
図である。第３図はこの考案の第１実施例に係る
引張脚を示す断面図、第４図はこの考案の第２実
施例に係る引張脚の断面図、第５図はこの考案の
実施例に係る引張脚を使用した引張脚係留式浮遊
構造物を示す斜視図である。 図において、２は係留用基礎、３は引張脚、４
はフローライン、５はマニホールド、６はフロー
ライン立上り部、１３は複合ケーブル、１４は保
護兼引張脚部材、１７はマニホールド兼係留用基
礎、１８は引張脚である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引張脚係留式浮遊構造物における引張脚が、多
   数のパイプおよび電線とこれを内包する鋼管また
   はワイヤロープ等の保護兼引張脚部材とにより構
   成されていることを特徴とする引張脚係留式浮遊
   構造物の引張脚。