JPS6315405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はシヨベルおよびトラツククレーンな
どの建設機械に関する。

〔従来の技術〕

一般に、シヨベルなどの建設機械は走行車体の
上に旋回可能な旋回テーブルを備えるとともに、
この旋回テーブル上に建設作業をなす建設作業装
置、たとえばシヨベルの場合などにあつてはシヨ
ベル装置を設けて構成されている。このような建
設機械は建設作業装置、すなわち上記シヨベル装
置を上記旋回テーブルを介して旋回させることに
より、その掘削作業を効率良く行えるようになつ
ている。

ところで、このような建設機械における上記旋
回テーブルは、上記走行車体上で旋回可能に支持
されるものであるため、通常この旋回テーブルは
走行車体に対し、円筒形の旋回テーブル支持台を
介して旋回可能に支持されている。すなわち、上
記走行車体には左右の走行フレーム間に連結フレ
ームを架け渡してあり、この連結フレームは、基
板と側板およびこの側板の上端に接合されて上記
基板に対して略平行な水平支持板とで構成されて
おり、上記旋回テーブル支持台は上記基板に立設
されているとともに、この旋回テーブル支持台の
上下方向途中箇所の外側面に上記水平支持板を接
合し、これにより旋回テーブル支持台は連結フレ
ームに強固に取り付けられている。

そして、この旋回テーブル支持台の上端部には
フランジ部が形成されており、この旋回テーブル
支持台はそのフランジ部に旋回ベアリングを介し
て上記旋回テーブルを載置することにより、この
旋回テーブルを旋回可能に支持している。また、
このような構成の旋回テーブル支持台は上記シヨ
ベル装置によつて掘削作業を行なうに際し、その
掘削力に対する反力が上記フランジ部に曲げ力と
して働くことになるから、このフランジ部は通常
の掘削作業によつて生じる曲げ力に耐え得るだけ
の強度に設計されているものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、実際の作業現場等における掘削
作業においてはこの掘削作業による上記曲げ力が
上記フランジ部の許容応力以上となる場合も考え
られ、このような場合にはこの曲げ力によつて上
記フランジ部が損傷する必配がある。

この考案はこのような事情にもとづいてなされ
たもので、その目的とするところは、上記掘削作
業による曲げ力に対し、上記旋回テーブル支持台
におけるフランジ部の信頼性を高めてこのフラン
ジ部の損傷を防止することのできる建設機械を提
供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案においては、旋回テーブル支持台のフラ
ンジ部の先端部と連結フレームの水平支持板との
間に上記旋回テーブル支持台と略同心状をなす第
１の円筒形支持部材を接合するとともに、上記水
平支持板と連結フレームの基板との間に上記第１
の円筒形支持部材に対して上記水平支持板を介し
て連続する第２の円筒形支持部材を接合したこと
を特徴とする。

〔作用〕

本考案によると、フランジ部と水平支持板との
間に架け渡した第１の円筒形支持部材がフランジ
部に加わる荷重の一部を負担するのでフランジ部
の変形が防止される。しかもこの第１の円筒形支
持部材に与えられる荷重は、水平支持板から側板
を通じて基板に伝えられるとともに、第２の円筒
形支持部材を介して基板に伝えられることにな
り、よつて荷重を分散して支えることになるの
で、機械的強度がきわめて向上し、フランジ部の
損傷を防止するとともに、円筒形旋回テーブル支
持台全体の変形や損傷も防止されることになる。

〔実施例〕

以下この考案の一実施例を第１図ないし第４図
にもとづき説明する。

第１図は建設機械であるシヨベルを示したもの
であつて、図中１はシヨベルの走行車体である。
この走行車体１は第２図および第３図に示すよう
に、左右に一対の走行フレーム２，２を備えてお
り、これら走行フレーム２，２にはクローラ３，
３がそれぞれ巻装されている。そして、上記走行
車体１上には旋回テーブル４が設けられており、
この旋回テーブル４は走行車体１に対し旋回可能
となつている。上記旋回テーブル４には建設作業
装置たとえばシヨベルの場合にはシヨベル装置５
が設けられている。

シヨベル装置５はブーム６を備えており、この
ブーム６は一端が上記旋回テーブル４に起伏自在
に枢支されている。ブーム６の他端にはアームピ
ン７を介してアーム８が回動自在に取付けられて
いるとともに、このアーム８の先端にはバケツト
ピン９およびリンク１０を介して掘削バケツト１
１が回動自在に取付けられている。なお、これら
ブーム６、アーム８および掘削バケツト１１はそ
れぞれ油圧シリンダからなるブームシリンダ１
２、アームシリンダ１３およびバケツトシリンダ
１４によつて作動されるようになつている。ま
た、１５は上記旋回テーブル４上に設けられた走
行並びに作業用の運転席であり、１６はエンジン
ルームである。

しかして、このような構成のシヨベルにおける
上記旋回テーブル４は上記走行車体１に対して旋
回可能に支持されるものであり、これについて説
明する。旋回テーブル４は第２図ないし第４図に
示される如く、円筒状をなした旋回テーブル支持
台１７に旋回自在に支持されている。この旋回テ
ーブル支持台１７は下端が連結フレーム１８に固
定されており、この連結フレーム１８は走行フレ
ーム２，２相互を連結するものである。

連結フレーム１８は、基板３０と、この基板３
０から立ち上がつた側板３１およびこの側板３１
の上端から上記基板３０と略平行をなすように略
水平に延びた水平支持板３２とを接合して構成さ
れている。

上記旋回テーブル支持台１７の下端は上記基板
３０の上面に接合されており、この旋回テーブル
支持台１７の上下方向途中の外側面は上記水平支
持板３２に接合されている。

そしてこの旋回テーブル支持台１７の上部には
外側に向かつて水平に延びるフランジ部１９が形
成されている。

上記旋回テーブル４は旋回テーブル支持台１７
の上記フランジ部１９上に旋回ベアリング２０を
介して載置されており、この旋回テーブル４はこ
のフランジ部１９上で旋回可能に支持されてい
る。

なお、２１は旋回ベアリング２０の固定側ベア
リング２０ａと一体に設けられた旋回ギヤであ
る。また、２２は上記固定側ベアリング２０ａと
上記フランジ部１９とを固定する固定ボルトであ
り、２３は旋回ベアリング２０の旋回側ベアリン
グ２０ｂと上記旋回テーブル４とを固定する固定
ボルトである。

上記フランジ部１９の先端と上記連結フレーム
１８における水平支持板３２との間には第１の円
筒形支持部材２４が設けられている。この第１の
円筒形支持部材２４は上記旋回テーブル支持台１
７と略同心状の円筒状をなして旋回テーブル支持
台１７の外周を包囲し、上記フランジ部１８の先
端を支持するように構成されている。

また、上記連結フレーム１８における基板３０
と水平支持板３２との間には、上記第１の円筒形
支持部材２４に対して水平支持板３２を挾んだ軸
方向に連続した位置に、第２の円筒形支持部材２
５が設けられている。この第２の円筒形支持部材
２５も旋回テーブル支持台１７に対して略同心状
をなし、水平支持板３２を介して第１の円筒形支
持部材２４の直下に配置されているものである。

このような構成による実施例のシヨベルは、作
業現場等において、上記シヨベル装置５を作動さ
せ、その掘削バケツト１１で土砂等を掘削するこ
とにより、掘削作業を行なうものである。そし
て、この掘削作業中に上記掘削バケツト１１の掘
削力による反力が上記旋回テーブル支持台１７の
フランジ部１９に曲げ力として働くことがある
が、上記実施例の構造によれば、上記フランジ部
１９の先端と上記連結フレーム１８における水平
支持板３２との間に第１の円筒形支持部材２４を
設けてあるので、このフランジ部１９の先端は上
記第１の円筒形支持部材２４によつて支持される
ことにより、このフランジ部１９を上記曲げ力に
対して強固なものにすることができる。よつて、
掘削作業等において、上記フランジ部１９自体に
許容応力以上の曲げ力が働くような場合があつて
も、このフランジ部１９は上記第１の円筒形支持
部材２４によつて補強されていることから、フラ
ンジ部１９の信頼性を高めることができ、このフ
ランジ部１９が損傷されることはない。

また、上記第１の円筒形支持部材２４を通じて
水平支持板３２に伝えられた荷重は、側板３１お
よび第２の円筒形支持部材２５を介して基板３０
に伝えられ、したがつて連結フレーム１８はフラ
ンジ部１９に作用する荷重を全体で分散して支持
する。この場合、第２の円筒形支持部材２５は水
平支持板３０を挾んで第１の円筒形支持部材２４
と軸方向に連続して設置したので、第１の円筒形
支持部材２４に加わる荷重を直接的に支承するこ
とになり、水平支持板３０を変形させることはな
く、結局は旋回テーブル支持台１７の変形を防止
し、フランジ部１９の損傷も防止する。したがつ
て、掘削作業の安全性を高めることができるもの
である。

なお、この考案は上記一実施例に限定されるも
のではない。たとえば、上記実施例の場合にあつ
ては、上記旋回ベアリング２０の固定側ベアリン
グ２０ａを上記フランジ部１９に固定するため
に、上記固定ボルト２２を上記固定側ベアリング
２０ａの上側から挿通するようにしたが、第５図
に示される如く固定ボルト２２を下側から挿通す
るようにしてもよい。そして、上記固定ボルト２
２を下側から挿通する場合には、上記第１の円筒
形支持部材２４に固定ボルト２２の取付用口２２
ａを形成するようにしてもよい。

また、この実施例ではシヨベルについて適用し
たものを説明したが、シヨベルに限らずトラツク
クレーンなどの建設機械であつても適用できるも
のである。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によると、旋回テ
ーブル支持台に形成したフランジ部に作用する荷
重は、第１の円筒形支持部材で分担して支持され
るとともに、この第１の円筒形支持部材から第２
の円筒形支持部材および側板を通じて連結フレー
ム全体に分散して支承されることになり、したが
つて、上記フランジ部が補強されてその信頼性が
高められているので、掘削作業等において、上記
フランジ部自体に許容応力以上の曲げ力が働くこ
とがあつても、このフランジ部の損傷や旋回テー
ブル支持台の変形を防止して掘削作業の安全性を
高めることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案の一実施例を示
し、第１図はシヨベルの側面図、第２図は第１図
中−線に沿う断面図、第３図は第２図中−
線に沿う断面図、第４図は第２図中部におけ
る拡大図である。また、第５図はこの考案の他の
実施例であるフランジ部の拡大断面図である。 １……走行車体、４……旋回テーブル、１７…
…旋回テーブル支持台、１８……連結フレーム、
１９……フランジ部、２４……第１の円筒形支持
部材、２５……第２の円筒形支持部材、３０……
基板、３１……側板、３２……水平支持板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 走行車体と、この走行車体に設けられた連結フ
   レームと、この連結フレームに立設された円筒形
   の旋回テーブル支持台と、この旋回テーブル支持
   台の上部に形成されたフランジ部と、このフラン
   ジ部に旋回可能に支持された旋回テーブルと、こ
   の旋回テーブルに設置され建設作業をなす建設作
   業装置とを備え、 上記連結フレームは、基板および側板ならびに
   この側板から上記基板と略平行をなすように延長
   して設けられた水平支持板とで構成し、上記基板
   に前記旋回テーブル支持台の下端を接合するとと
   もに、上記水平支持板に上記旋回テーブル支持台
   の上下方向途中の外側面を接合した建設機械にお
   いて、 上記フランジ部の先端部と上記水平支持板との
   間に上記旋回テーブル支持台と略同心状をなす第
   １の円筒形支持部材を接合するとともに、上記水
   平支持板と上記基板との間に上記第１の円筒形支
   持部材に対して上記水平支持板を介して軸方向に
   連続する第２の円筒形支持部材を接合したことを
   特徴とする建設機械。