JPS6315224B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、シート材料の処理に関するものであ
り、更に詳細には、シートを連続して排出するシ
ート成形機に用いられるシートの積み重ね装置と
搬送コンベヤ装置とを一体化したシート処理装置
に関する。

従来の技術 切断されたシート、特に紙を、配送コンベヤ装
置に沿つて１枚ずつ積み重ね装置に送り、そこで
シートを積み重ねて束にするようにしたシート成
形機は公知である。代表的な積み重ね装置は、シ
ートの束が増加するに従つて下降する昇降台上に
シートを積み重ねるようになつている。印刷用紙
の束である連（ream）を作る場合、予め定めた
量の束が昇降台上に積み上げられた後、昇降台が
搬送ベルトコンベヤの下方位置まで下降させら
れ、その搬送ベルトコンベヤ上にシートの束が移
載される。次いで、搬送ベルトコンベヤは、シー
トの束を箱詰め場所まで搬送する。

シートの束を、積み重ね装置から最初の搬送路
に対してほぼ直角方向に移送する横向きのスラツ
トコンベヤを備える搬送コンベヤ装置は公知であ
る。シートの束を最初の縦方向を向く搬送コンベ
ヤからスラツトコンベヤへ移送し易くするため、
スラツトコンベヤのスラツトは、最初は縦方向の
搬送コンベヤに向かつて下向き傾斜し、もつてシ
ートの束が各スラツトの側縁に引つ掛つたりする
ことなく、スラツト上を円滑に摺動し得るように
してある。シートの束がスラツトコンベヤ上に載
置された後、各スラツトは水平で、かつスラツト
コンベヤ装置の頂面より上昇した位置に持ち上げ
られ、シートの束を直角方向に向けて搬送する。
スラツトコンベヤの各スラツトを、傾斜した受取
位置と、上昇した水平な搬送位置との間を移動さ
せる公知の装置としては、スラツトチエンの上部
の下に選択的に係合する個々のカム面を有すると
ともに、空気圧により作動するようにしたカムシ
ヤフトを用いた装置がある。しかし、この装置
は、位置決め機構に大重量の高価な装置を必要と
し、設備費が高くつくというやつかいな欠点があ
る。

本発明は、直角方向を向くスラツトコンベヤに
用いる位置決め機構として、構造が簡単でかつ安
価な装置を用いたスラツトコンベヤ装置を提供す
ることを目的としている。

発明の概要 本発明は、シート成形機から積み重ね領域へ
次々に搬出されて来るシートの束を集めてこれを
前記積み重ね領域から第１の方向に移送し次いで
この第１の方向に実質的に直交する第２の方向へ
移送する集積移送装置において；前記積み重ね領
域内に配設されたリフトテーブルとこのリフトテ
ーブルに隣接して設けられた搬送コンベヤ装置と
を支持する機枠を包含し；前記リフトテーブル
が、前記シートを受け取る平坦なテーブル頂部と
このテーブル頂部を前記シートの束を集める時の
上昇位置とこのシートの束を前記搬送コンベヤ装
置へ移す下降位置との間を往復せしめるように前
記機枠と前記平坦なテーブル頂部との間に装架し
た昇降装置とを有し；前記搬送コンベヤ装置が、
前記リフトテーブルに隣接して設けられ前記シー
トの束を前記第１の方向に移送するベルトコンベ
ヤとこのベルトコンベヤに隣接して設けられ前記
シートの束を前記第２の方向へ移送するスラツト
コンベヤとを有し；前記スラツトコンベヤがおお
よそ平坦な頂面と、この頂面に形成され前記第２
の方向にのびる長い開口と、駆動チエンとこの駆
動チエンの対向する両側方に平滑面が突出するよ
うにしてこの駆動チエンに連結した一連のスラツ
トを有すると共にスラツトチエン上部部分が前記
開口から上方を向いているように前記開口内で無
端回送するように配設されたスラツトチエンと、
前記開口を横切つて向い合せに配設され前記スラ
ツトチエンの前記上部部分のスラツトを平面で支
持しシート受取り位置においては前記頂面内に実
質的にくぼみ込みかつ前記第１の方向からのシー
トの束を乗せて受け取るのを容易にするように前
記第１の方向に向けて傾斜せしめた対向棚面と、
前記スラツトチエンの前記上部部分の下で長手方
向前後に動けるように装架され、前記上部部分が
上で動けるように係合する上方の案内面と下方の
傾斜面とを有するチエンガイドと、前記傾斜面に
係合する支持用の壁部材の傾斜した底面と、一方
の方向への運動により前記チエンガイドを動かし
その傾斜面を前記壁部材の傾斜した底面に落ち込
ませ前記上部部分にある前記スラツトをシート受
取位置にもち来たらし、また他方の方向への運動
により前記チエンガイドの傾斜面を前記壁部材の
傾斜した底面に乗り上げさせ前記スラツトを前記
頂面より実質的に高められたシート移送位置にも
ち来たらしてシートの束を前記第２の方向へ移送
できるように支持するようにしたピストン―シリ
ンダ装置とを包含することを特徴とする集積移送
装置にある。

実施例 本実施例は、シート状の紙を積み重ねた束の処
理に関するものである。しかし、その他のシート
材料、例えばボール紙やカード紙等も本発明によ
つて処理することができる。

第１図及び第２図は、シートの積み重ね装置と
搬送コンベヤ装置との一体装置であるシート処理
装置１１を示す。シート処理装置１１は、シート
成形機１３のシート排出端１２の下に装着されて
いる。紙のシートは、シート成形機１３の上流部
分（図示略）において、連続紙より切断され、か
つコンベヤに沿つて順次シート排出端１２の下流
側自由端におけるキツクオフ装置１４（第４図に
図示）へ送られる。シートは、キツクオフ装置１
４を通つて積み重ね領域１５に送られ、ここで積
み重ねられる。シート成形機１３は、シート処理
装置１１を用いて印刷用紙の連（ream）の寸法
の紙の束を、連続して集積するためのものであ
る。

シート処理装置１１を、シート成形機１３のシ
ート排出端１２の下に十分に引込んだ後退位置
と、印刷用紙束を作るために積み重ね領域１５ま
で伸出した作動位置との間を移動させるため、適
宜の駆動手段を設けてある。シート処理装置１１
が後退位置にあるとき、シート成形機１３はスキ
ツドロードコレクシヨンモードにあり、シートを
１枚ずつすべらせて積み重ね領域１５内に積み重
ねるように作動する。この間に、リフトテーブル
１６，１７は、案内軌導溝１８に沿つて、積み重
ね領域１５に交互に出入する。このスキツドロー
デイングのために、比較的高く積み重ねられ重量
のある紙の束が、リフトテーブル１６又は１７上
のパレツト（図示略）上に形成される。積み重ね
領域１５内で、一つのリフトテーブル１６又は１
７上への紙の積み重ねが終了すると、そのリフト
テーブル１６又は１７は、積み重ね領域１５から
案内軌導溝１８の一方の対応する端部まで引き戻
され、それと同時に、他方のリフトテーブル１７
又は１６が積み重ね領域１５まで引き出され、そ
の空のパレツトへシートの積み重ねが開始され
る。積み重ねられた紙の束は、フオークリフトラ
ツクにより取り除かれ、かつ空のパレツトがその
取り除かれたリフトテーブル１６又は１７上に置
かれ、この操作がくり返される。

シート処理装置１１は、その先端部に比較的小
型で高速のリフトテーブル２０を備えており、こ
のリフトテーブル２０は、シートリームコレクシ
ヨンモードでは積み重ね領域１５に伸出する。リ
フトテーブル２０に隣接して搬送コンベヤ装置２
１があり、これは積み重ねられたシートの束を、
積み重ね領域１５から後方に向う第１の方向に導
き、次いで第１方向とほぼ直角をなす第２の方向
に導く。搬送コンベヤ装置２１は、シート処理装
置１１の中間に位置する縦向きのベルトコンベヤ
２２と、シート処理装置１１の下流端に位置する
横向きのスラツトコンベヤ装置（以下単にスラツ
トコンベヤという）２３とを備えている。ベルト
コンベヤ２２は、その上に載置されたシートの束
をリフトテーブル２０からスラツトコンベヤ２３
まで移送し、またスラツトコンベヤ２３は、シー
トの束を排出端より別のスラツトコンベヤ２４に
移送する。別のスラツトコンベヤ２４は、シート
排出端１２より一側方に離れて位置し、シート束
箱詰め場所２５への供給コンベヤとして作用す
る。ほぼ矩形の機枠２６は、リフトテーブル２０
と搬送コンベヤ装置２１とを、排出コンベヤの下
の後退位置とシートの積み重ね操作をする伸出し
た作動位置との間を縦方向に移動する一つのユニ
ツトとして支持する作用をする。

第２図乃至第４図及び第６図を参照して説明す
ると、リフトテーブル２０は、機枠２６に固着さ
れた基部３０とシートの束を支持する垂直方向に
移動可能なテーブル頂部３１と、基部３０とテー
ブル頂部３１との間に連結されたＸリンク型の昇
降装置３２とを備えている。テーブル頂部３１は
平坦面をなし、その後端部には複数の開口３３
（第２図）が切欠されている。各開口３３は、テ
ーブル頂部３１が十分に降下した位置にあると
き、ベルトコンベヤ２２の互いに間隔をへだてて
平行をなす各ベルト３４の先端部に嵌合するよう
になつている。

昇降装置３２は、テーブル頂部３１の両側部の
下方に位置する２組の折りたたみ可能な十字状に
交差するはさみ腕３５，３６と、この２組のはさ
み腕３５，３６間に支持された駆動装置３７とを
備えている。各はさみ腕３５，３６は、テーブル
頂部３１と基部３０との間にのびていて、一端は
ヒンジ装置３８に、また他端は走行溝４０に装着
されたローラ軸３９に適宜枢着されている。はさ
み腕３５，３６には互いに対向する縁部４１，４
２が形成されており、この縁部４１，４２により
テーブル頂部３１をその上限位置から下限位置ま
での間を可変速度で降下し得るようにしてある。
すなわち、各縁部４１，４２には、ほぼ平坦な内
側部４４と外端部４５との間に、こぶ状に突出す
る隆起部４３がそれぞれ設けられている。隆起部
４３は、比較的短い傾斜した内側傾斜部４３Ａ
と、この内側傾斜縁４３Ａに続く大きく湾曲した
丸い峰部４３Ｂと、この峰部４３Ｂに続く比較的
長くかつ急勾配で湾曲する外側傾斜部４３Ｃと、
この外側傾斜部４３Ｃに続き、徐々になだらかと
なつて、平坦な外端部４５につながるつなぎ部４
３Ｄとを有している。各はさみ腕３５，３６の縁
部４１，４２は、駆動装置３７に縦方向に移動可
能として装着されたカムローラ４６と係合してい
る。

第６図に示すように、駆動装置３７は、両端部
でカムローラ４６を支持する、横方向に長い移動
可能な支持部材４７を備えている。支持部材４７
には中央孔４８が穿設されており、中央孔４８に
はスリーブ４９が設けられ、このスリーブ４９
は、中央孔４８を通つて進退する案内棒５０の遊
端部を受け入れている。案内棒５０は横向きのブ
ラケツト５１に固着されている。ブラケツト５１
の両端には、２組の両はさみ腕３５，３６の各交
点を貫通して、両はさみ腕３５，３６の開閉動作
の中心点をなすピン５２，５３が設けられてい
る。ブラケツト５１と支持部材４７との間で、か
つ案内棒５０の両側方には、ゴム製の管状保護カ
バー５４，５５を設けてある。保護カバー５４，
５５には、支持部材４７がブラケツト５１に対し
て移動したときに、折りたたみできるように蛇腹
状のひだを設けてある。１対のねじ駆動棒５６，
５７は、支持部材４７に連結されて、支持部材４
７から、ブラケツト５１に穿設された適宜の開口
を通つて、対応する中空延長ハウジング６８，６
７内にのびている。収縮自在の保護カバー５４，
５５は、ねじ駆動棒５６，５７と同心状にのびて
いる。逆転可能のステツプモータ６０は、ブラケ
ツト５１の後端側における両駆動継手ハウジング
５８，５９間に取付けてある。駆動シヤフト６１
は、ステツプモータ６０からの回転出力を駆動継
手ハウジング５８，５９に伝達し、ブラケツト５
１に設けられてねじ駆動棒５６，５７と噛合する
ボールナツト６６，６５を同時に回転させ、もつ
てねじ駆動棒５６，５７と支持部材４７とを、ブ
ラケツト５１に向けて進退移動させる。ステツプ
モータ６０からの回転駆動出力を停止させたり、
出力させたり制御するため、適宜の電動式の制動
装置６２を駆動シヤフト６１に沿つて設けてあ
る。駆動シヤフト６１におけるブラケツト５１と
反対側の側方には、テーブル頂部３１の下方にお
いて横方向にのび、かつ２組の互いに対応する各
はさみ腕３５，３６にそれぞれ連結され、テーブ
ル頂部３１の下方においてそれらのはさみ腕３
５，３６が均一かつ同時に移動するようにする第
１及び第２の連結杆６３，６４を設けている。

シートの積み重ね操作時に、テーブル頂部３１
は、第４図に示すように、積み重ね領域１５内に
おいて上昇した状態で作業を開始する。シートの
積み重ね操作を開始するには、ステツプモータ６
０に通電するとともに、制動装置６２を解放す
る。すると、ボールナツト６６，６５がねじ駆動
棒５６，５７をそれぞれ送り出し、支持部材４７
はブラケツト５１から離れ、カムローラ４６を各
はさみ腕３５，３６の互いに協働する隆起部４３
に沿つて前方に押し出す。テーブル頂部３１は、
カムローラ４６が丸い峰部４３Ｂに沿つて移動す
る際に、徐々に加速度を増しつつ下降し始める。
切断されたシートは、シート成形機１３のキツク
オフ装置１４から順次排出され、テーブル頂部３
１の上に１枚ずつ次々に積み重ねられる。キツク
オフ装置１４から排出されるシートのテーブル頂
部３１上への積み重ね作動は、主としてカムロー
ラ４６が外側傾斜部４３Ｃに係合している間に行
なわれる。この段階では、テーブル頂部３１はス
テツプモータ６０を制御する適宜の信号制御手段
によりほぼ均一な下降速度で、かつ微小ステツプ
で段階的に下降する。このような信号制御手段と
しては、例えば積み重ねられるシートの束の頂部
を検知して、テーブル頂部３１上へのシートの積
み重ねに最適な割合でテーブル頂部３１を下降さ
せるようにステツプモータ６０に信号を送るよう
にした光電センサ等の電気的検知装置を用いるこ
とができる。カムローラ４６が外側傾斜部４３Ｃ
の端部に達したとき、テーブル頂部３１上に所望
の量のシートの束が積み上げられ、次いでシート
の積み重ねを中断しかつ分離する適宜の中断分離
手段がテーブル頂部３１上の積み重ね領域１５内
に挿入され、これによつて、シート成形機１３か
ら引き続いて送られてくるシートを一時的に受け
るようにするのがよい。このような中断分離手段
としては、例えば特公昭60−11674号公報に開示
されているようなものがある。

シートがリフトテーブル２０上の中断分離手段
上に引き続いて積み重ねられている間に、カムロ
ーラ４６はさらに前進して、両はさみ腕３５，３
６のつなぎ部４３Ｄに係合する。この段階では、
テーブル頂部３１は、第３図に示すような下限位
置であるシート束排出位置に達するまで、下降速
度をゆるめながら下降し続ける。この下限位置に
達したとき、テーブル頂部３１はベルト３４の上
面より下位に位置し、シートの束のかなりの部分
がベルトコンベヤ２２の互いに間隔をへだてた複
数のベルト３４上に載置される。次いでベルトコ
ンベヤ２２が作動させられて、シートの束をリフ
トテーブル２０から後方向に運ぶ。シートの束が
ベルトコンベヤ２２に移される際に、テーブル頂
部３１は徐々に減速されるので、大きな衝撃たと
えばシートの束が衝突したときのような衝撃を与
えることなく、シートの束を排出点に静かに下ろ
すことができる。縁部４１，４２の外端部４５
は、テーブル頂部３１の下降操作時に、カムロー
ラ４６が過剰走行できるようにするためのもので
ある。

空圧補助手段７０は、シートの束をテーブル頂
部３１上からコンベヤのベルト３４に移送するの
を楽にするため、テーブル頂部３１に接続されて
いる。空圧補助手段７０は、テーブル頂部３１の
上面より上向きに開口する一連の空気噴出口７１
（第３図）をそなえている。空気噴出口７１は、
テーブル頂部３１の表面に沿つて設けられた一連
の空気流通ダクト７２に連通している。これらの
空気流通ダクト７２は、テーブル頂部３１の後縁
の下方に設けられた給気マニホルド７３にそれぞ
れ連通しており、給気マニホルド７３は、可撓性
の長くのびたホース７４を介して、圧縮空気源に
接続されている。空気噴出口７１からの空気の噴
出は、テーブル頂部３１が下限位置に達したとき
から開始し、シートの束をその自重に対抗して浮
上させるように作用し、もつてベルト３４がシー
トの束をリフトテーブル２０から、積み重ね領域
１５より離れる第１方向に向けて導きやすいよう
にしてある。

シートの束がテーブル頂部３１から離れた後、
ステツプモータ６０の駆動出力を反転させる。す
ると、テーブル頂部３１は、積み重ね領域１５内
において、シートを受取る位置まで上昇させられ
る。この上昇はカムローラ４６がつなぎ部４３Ｄ
に沿つて移動し始めることにより開始する。つな
ぎ部４３Ｄは傾斜が徐々に増加するようになつて
いるので、テーブル頂部３１の上昇時の加速度は
滑らかに徐々に増加し、もつてステツプモータ６
０及びそれに連結されたギヤに掛かる初期の負荷
を漸進的に増大させて、駆動装置３７の機械的な
耐久性を向上させている。カムローラ４６が丸い
峰部４３Ｂに達したとき、テーブル頂部３１の上
昇速度はゆるやかに減少し、その間に中断分離手
段は後退し、それまでに積み重ねられたシートは
テーブル頂部３１上に載置される。内側傾斜部４
３Ａは、テーブル頂部３１の上昇行程の最後に、
カムローラ４６が過剰走行するのを許容する役目
をしている。シートは再びキツクオフ装置１４か
らテーブル頂部３１上に積み重ねられるように導
かれ、シートの積み重ね操作が繰返される。

積み重ねられたシートの束は、横向きのスラツ
トコンベヤ２３に載置するため、縦向きのベルト
コンベヤ２２に沿つて送られる。ベルト３４は、
共通の駆動ローラ８０（第２図）と、リフトテー
ブル２０のテーブル頂部３１における各開口３３
内に延出している個々の独立した折り返し用の端
部ローラ８１との間にそれぞれ掛け回されてい
る。第４図に示すように、適宜の駆動用のモータ
８２には、回転駆動軸８３が設けられ、この回転
駆動軸８３は、ベルト駆動継手８４を介して、回
転力を共通の駆動ローラ８０に伝達し、ベルトコ
ンベヤ２２を作動させる。ベルト３４の後方の排
出端は、ほぼ平坦な頂面９０に面しており、スラ
ツトコンベヤ２３によつて移送させるために、シ
ートの束をその頂面９０上に載置する。

シートの束をベルトコンベヤ２２から頂面９０
へ移送しやすくするためと、またスラツトコンベ
ヤ２３の作動時に頂面９０上のシートの束の移送
を助勢するために、リフトテーブル２０のテーブ
ル頂部３１に設けられているのと同様な別の空圧
補助手段がスラツトコンベヤ２３に設けられてい
る。この空圧補助手段は、頂面９０を貫通する空
気噴出口９１を備えており、各空気噴出口９１
は、頂面９０下に装着された空気流通ダクト９２
に連通している。第２図及び第５図に示すよう
に、空気流通ダクト９２は、共通の給気管９３に
接続されており給気管９３は、回転式送風機９４
の吐出口からのびている。送風機９４は、動力伝
達ベルト９５を介して、モータ９６により適宜駆
動される。

スラツトコンベヤ２３には、２個の縦方向に間
隔をへだてたスラツトチエン９７，９８が設けら
れており、各スラツトチエン９７，９８（第２
図）は、頂面９０に沿つて横方向に無端回走する
ようになつているとともに、密接して連結された
比較的平坦な個々のスラツト９９を備えている。
スラツトチエン９７，９８は、移送しようとする
シートの束が比較的大型の場合は、その両方を同
時に作動させて、その両方でシートの束を頂面９
０よりほぼ直角方向に向けて案内するように作用
し、移送しようとするシートの束が比較的小型の
場合には、最前部のスラツトチエン９７のみでシ
ートの束を移送することができる。

第２図及び第５図を参照して説明すると、スラ
ツトチエン９７，９８は、出力軸１０２を備える
駆動継手ハウジング１０１に連係されたモータ１
００によつて駆動される。動力伝達ベルト１０３
は、出力軸１０２と、縦方向にのびている駆動シ
ヤフト１０５に固着されたプーリ１０４とを連結
する作用をしている。駆動シヤフト１０５に沿つ
て駆動スプロケツト１０７，１０８が装着されて
おり、各駆動スプロケツト１０７，１０８には無
端の駆動チエン１０９，１１０がそれぞれ適宜巻
き掛けられている。各駆動チエン１０９，１１０
には、各スラツトチエン９８，９７のスラツト９
９が、そのスラツト９９の平滑面が対応する駆動
チエン１０９，１１０の両側方に突出するように
してそれぞれ装着されている。第７図及び第８図
に示す連結ブラケツト１３０は、各スラツト９９
を駆動チエン１０９，１１０にそれぞれ取付ける
作用をしている。各スラツトチエン９７，９８に
おける駆動スプロケツト１０８，１０７側の端部
とは別の端部側には、自由に回転するガイドスプ
ロケツト１１１，１１２がそれぞれ設けられてお
り、これらのガイドスプロケツト１１１，１１２
と上述の駆動スプロケツト１０８，１０７とで、
各スラツトチエン９７，９８を無端回走し得るよ
うにそれぞれ支持している。

頂面９０は、一連のほぼ水平な３つの支持面１
１５，１１６，１１７からなつている。各スラツ
トチエン９７，９８は、頂面９０における各支持
面１１５，１１６，１１７間に形成された横向き
の開口１１８，１１９に沿つてそれぞれ無端回走
する。シートの束が頂面９０に載置される前に、
スラツトチエン９７，９８の上部は、ベルト３４
の送り出し端に向かつて下向きの角度をなして、
対応する各開口１１８，１１９を横切る方向に傾
斜するように位置する。このようにしてシートの
束の先端は、スラツ９９の縁に捕捉されたり、又
は次の支持面１１６，１１７の前縁に突き当たつ
たりすることなく、頂面９０に沿つて滑らかに通
過することができる。シートの束がスラツトコン
ベヤ２３の頂面９０上に完全に載置された後、ス
ラツトチエン９７，９８の上部は頂面９０より上
方に持ち上げられ、かつスラツトチエン９７，９
８はシートの束をシート成形機１３の一側から離
れた第２の直角方向に導き、かつシートの束をシ
ート束箱詰め場所２５に通じる供給コンベヤをな
すスラツトコンベヤ２４上に載置する。

第７図乃至第１０図は、スラツトチエン９７，
９８の上面を、傾斜した受取位置と、上昇した搬
送位置との間を移動させる手段を示す。第７図乃
び第９図は、スラツトチエン９７の上部のスラツ
ト９９が傾斜した受取位置にある状態を示してい
る。他のスラツトチエン９８の構造も同一である
から、一つのスラツトチエン９７のみについて説
明する。スラツト９９は、頂面９０の下方にわず
かに沈下している。両側の棚面１２０，１２１
は、支持面１１５，１１６の互いに隣接する側面
であつてかつ開口１１８を横切つて互いに向き合
う面よりそれぞれ内向きに延出し、スラツト９９
の各端部をそれぞれ支持している。前方の棚面１
２０は後方の柵面１２１よりわずかに低位となる
ように棚面１２１より深く切削されており、スラ
ツト９９はベルト３４にむかつて下向きに傾斜し
ている。こうして、スラツト９９の持上げられた
方の端部は、次の支持面１１６の上縁とほとんど
接触している。

長手方向にのびているチエンガイド１２２は、
好ましくは低摩耗材料よりなり、かつスラツトチ
エン９７の上部の下方に位置している。チエンガ
イド１２２の中央上面には凹溝１２３が形成され
ており、スラツトチエン９７の作動時に、この凹
溝１２３を通つて駆動チエン１１０が通過するよ
うになつている。チエンガイド１２２の下面は、
チエンガイド１２２を支持する固定部材である壁
部材１２５上に載つている。壁部材１２５は、両
端部が機枠２６の支持壁にボルト止めされ、かつ
スラツトチエン９７の上部の下方を横切るように
延在している。各壁部材１２５は、チエンガイド
１２２を横移動しないように支持する互いに対向
する内側面１２６，１２７と、チエンガイド１２
２における対応する傾斜面１２４と係合する支持
面をなす傾斜した底面１２８とによつて形成され
る中央溝を有している。

チエンガイド１２２はスラツトチエン９７の上
部の下方において、長手方向に進退可能なように
支持されている。スラツト９９が、降下した受取
位置にあるときは、チエンガイド１２２は、第９
図に示すような第１の後退位置に位置している。
このとき、壁部材１２５の傾斜した底面１２８
は、チエンガイド１２２の傾斜面１２４の比較的
前上部に係合している。また、この位置のとき、
上部の各スラツト９９は、棚面１２１，１２０に
より、傾斜した受取位置に支持されている。チエ
ンガイド１２２の進退移動は、頂面９０の下に配
設されたチエンガイド駆動機構１４０によつて行
なわれる。チエンガイド駆動機構１４０は、回転
するカム軸１４３にキー結合された旋回腕１４２
を動かす圧縮空気作動式のピストン―シリンダ装
置１４１をそなえている。カム軸１４３は、スラ
ツトチエン９７，９８の一端の下方において、回
転可能に支持されている。カム軸１４３には、各
チエンガイド１２２の先端のほぼ真下において、
偏心カム１４４がキー結合されており、この偏心
カム１４４は、対応するチエンガイド１２２に接
続されたカムフオロワ１４５内に収容されてい
る。

第８図及び第１０図に示すように、ピストン―
シリンダ装置１４１が延出して、旋回腕１４２が
ほぼ90゜だけ回転させられることにより、両スラ
ツトチエン９７，９８の上部は、それらの各スラ
ツト９９が上昇した搬送位置に達するように、そ
れぞれ同時に上昇させられる。すなわち、旋回腕
１４２の上記90゜の回転により、偏心カム１４４
の偏心部分がカム軸１４３の上方を通つて回転
し、これによつて、カムフオロワ１４５及びチエ
ンガイド１２２が前進させられる。このチエンガ
イド１２２の前進により、傾斜面１２４は、その
後方下部が壁部材１２５の傾斜した底面１２８上
に乗り上がるまで、壁部材１２５上に引き上げら
れる。したがつて、チエンガイド１２２は上昇さ
せられる。チエンガイド１２２における凹溝１２
３の両側方に形成された上方を向く案内面１４８
は、スラツト９９の両側部の下方に形成された摺
動面１４９に摺接する。駆動チエン１１０はチエ
ンガイド１２２の凹溝１２３内に嵌合する。スラ
ツト９９は、頂面９０上において横方向に水平な
状態となるとともに、シートの束を直角方向に搬
送する搬送位置となる。チエンガイド１２２の凹
溝１２３には、前後の端部に傾斜部１５１を有す
る底面１５０が形成されており、その底面１５０
は、スラツトチエン９７，９８がそこを通過する
際に、スラツト９９を案内面１４８上に案内する
ようになつている。スラツトチエン９７，９８を
第７図に示す受取位置まで下降させるには、ピス
トン―シリンダ装置１４１を収縮させて、偏心カ
ム１４４の偏心部分をカム軸１４３の上方を通つ
て元位置まで復帰回転させる。すると、チエンガ
イド１２２は、その傾斜面１２４の前上部が再度
壁部材１２５上に位置するまで、押し戻される。

スラツトチエン９７，９８が上昇した駆動状態
のとき、その上に載置されたシートの束は、シー
ト排出端１２の下方より側方に送られて、スラツ
トコンベヤ２４に移送され、スラツトコンベヤ２
４は、シートの束をシート箱詰め場所２５まで搬
送する。シートの束がスラツトコンベヤ２４上に
移送された後、チエンガイド１２２は下降させら
れ、かつスラツト９９は傾斜した受取位置に位置
させられて、ベルトコンベヤ２２からスラツトコ
ンベヤ２３の頂面９０に送られてくる次のシート
の束を受け取る。

本発明は、比較的小寸のシートを取扱うことが
できる。この場合は、そのシートの束を移送する
のに前方のスラツトチエン９７のみを用いればよ
い。第１図に示すように、複数の小寸のシートの
束R₁，R₂，R₃を積み重ね領域１５において一度
に形成して、それらをリフトテーブル２０からベ
ルトコンベヤ２２に移し、さらにそれらを同時に
スラツトコンベヤ２３に送るようにすることもで
きる。さらに比較的大寸のシートの束RRを取扱
うこともできる。この場合は、そのシートの束
RRを移送するのに、両スラツトチエン９７，９
８を用いればよい。

種々の変形が当業者によつて提案されるかも知
らないが、それらの変形のほとんどは、本発明の
範囲に当然入るものとして、本発明の範囲内で具
体化したいと希望していることを了解されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の装置を装着したシート成形
機の排出端と積み重ね領域とを示す破断概略平面
図、第２図は、第１図の要部を拡大して詳細に示
す一部破断概略平面図、第３図は、リフトテーブ
ルが下限位置にあるときのリフトテーブル部分の
部分拡大縦断面図、第４図は、リフトテーブルが
上昇した位置にあるときの、第２図の―線に
沿つてみた部分拡大縦断面図、第５図は、第２図
の―線に沿つてみた一部破断側面図、第６図
は、第３図の―線に沿つてみた一部破断平面
図、第７図は、スラツトコンベヤのスラツトが降
下した受取位置にあるときの、第２図の―線
に沿つてみた部分拡大断面図、第８図は、スラツ
トが上昇した位置にあるときの第７図と同様の断
面図、第９図は、スラツトが降下した受取位置に
あるときの、第２図の―線に沿つてみた部分
拡大断面図、第１０図は、スラツトが上昇した位
置にあるときの、第９図と同様の断面図である。 １１…シート処理装置、１２…シート排出端、
１３…シート成形機、１４…キツクオフ装置、１
５…積み重ね領域、１６，１７，２０…リフトテ
ーブル、２１…搬送コンベヤ装置、２２…ベルト
コンベヤ、２３…スラツトコンベヤ装置、２４…
スラツトコンベヤ、２５…シート束箱詰め場所、
２６…機枠、３０…基部、３１…テーブル頂部、
３２…昇降装置、３３…開口、３４…ベルト、３
７…駆動装置、７０…空圧補助手段、８０…駆動
ローラ、８１…端部ローラ、８２…モータ、８３
…回転駆動軸、８４…ベルト駆動継手、９０…張
面、９６…モータ、９７，９８…スラツトチエ
ン、９９…スラツト、１００…モータ、１０２…
出力軸、１０７，１０８…駆動スプロケツト、１
０９，１１０…駆動チエン、１１５，１１６，１
１７…支持面、１１８，１１９…開口、１２０，
１２１…棚面、１２２…チエンガイド、１２３…
凹溝、１２４…傾斜面、１２５…壁部材（固定部
材）、１２８…底面（支持面）、１４０…チエンガ
イド駆動機構、１４１…ピストン―シリンダ装
置、１４４…偏心カム、１４５…カムフオロワ、
１４８…案内面、１４９…摺動面、１５０…底
面、１５１…傾斜部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ シート成形機１３から積み重ね領域１５へ
   次々に搬出されて来るシートの束を集めてこれを
   前記積み重ね領域から第１の方向に移送し次いで
   この第１の方向に実質的に直行する第２の方向へ
   移送する集積移送装置において；前記積み重ね領
   域内に配設されたリフトテーブル２０とこのリフ
   トテーブルに隣接して設けられた搬送コンベヤ装
   置２１とを支持する機枠２６を包含し；前記リフ
   トテーブルが、前記シートを受け取る平坦なテー
   ブル頂部３１とこのテーブル頂部を前記シートの
   束を集める時の上昇位置とこのシートの束を前記
   搬送コンベヤ装置へ移す下降位置との間を往復せ
   しめるように前記機枠と前記平坦なテーブル頂部
   との間に装架した昇降装置３２とを有し；前記搬
   送コンベヤ装置が、前記リフトテーブルに隣接し
   て設けられ前記シートの束を前記第１の方向に移
   送するベルトコンベヤ２２とこのベルトコンベヤ
   に隣接して設けられ前記シートの束を前記第２の
   方向へ移送するスラツトコンベヤ２３とを有し；
   前記スラツトコンベヤが、おおよそ平坦な頂面９
   ０と、この頂面に形成され前記第２の方向にのび
   る長い開口１１８，１１９と、駆動チエン１１
   ０，１０９とこの駆動チエンの対向する両側方に
   平滑面が突出するようにしてこの駆動チエンに連
   結した一連のスラツト９９，９８を有すると共に
   スラツトチエン上部部分が前記開口から上方を向
   いているよう前記開口内で無端回送するように配
   設されたスラツトチエン９７，９８と、前記開口
   を横切つて向い合わせに配設され前記スラツトチ
   エンの前記上部部分のスラツト９９を平面で支持
   しシート受取り位置においては前記頂面９０内に
   実質的にくぼみ込みかつ前記第１の方向からのシ
   ートの束を乗せて受け取るのを容易にするように
   前記第１の方向に向けて傾斜せしめた対向棚面１
   ２０，１２１と、前記スラツトチエンの前記上部
   部分の下で長手方向前後に動けるように装架さ
   れ、前記上部部分が上で動けるように係合する上
   方の案内面１４８と下方の傾斜面１２４とを有す
   るチエンガイド１２２と、前記傾斜面に係合する
   支持用の壁部材１２５の傾斜した底面１２８と、
   一方の方向への運動により前記チエンガイドを動
   かしその傾斜面１２４を前記壁部材１２５の傾斜
   した底面１２８に落ち込ませ前記上部部分にある
   前記スラツトをシート受取位置にもち来たらし、
   また他方の方向への運動により前記チエンガイド
   の傾斜面を前記壁部材の傾斜した底面に乗り上げ
   させ前記スラツトを前記頂面より実質的に高めら
   れたシート移送位置にもち来たらしてシートの束
   を前記第２の方向へ移送できるように支持するよ
   うにしたピストン―シリンダ装置１４１とを包含
   することを特徴とする集積移送装置。