JPS6315148B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

技術分野 本発明は、車輌用モールデイング等の如き樹脂
成形品の外表面部に形成する付形模様に関するも
のである。 背景技術 一般に、車輌用のサイドモールやフイニツシ
ヤ，バンパー等においては、外表面部に車種名や
装飾的な文字，図形，記号，その他適宜の模様を
形成することが行われている。 従来、この種の付形模様は、模様印刷したラベ
ルを貼着するか或いは樹脂成形品とは異色の転写
フイルムを棒状の押圧型で樹脂成形品の表面に押
圧陥入するようにして転写膜として貼着成形する
ことが行われている（特開昭57−138913号）。然
し、これら被膜模様では、自動車の外装に供され
るものの如き厳しい使用条件下に置くものにあつ
ては傷付きで簡単に素地を呈出し或いは剥離して
しまう虞れがあり、特にモールデイング本体の材
質が可塑剤を含有する軟質の合成樹脂で形成され
ているときには長期間の使用に伴つて可塑剤が外
表面に移行することから転写膜が浮上り、極端な
場合には部分的に剥がれ出しが生じてしまうよう
になる。 発明の開示 本発明は、厳しい条件下での使用に十分耐えら
れてしかも可塑剤による影響を受けずに確りと固
着可能な樹脂成形品の付形模様を提供すること、
を目的とする。 即ち、本発明に係る樹脂成形品の付形模様にお
いては、樹脂成形品との形成材料と異色で材質的
に相溶性を有するシート材料を文字，図形，記号
等の付形模様に応じて樹脂成形品の外表面部に溶
着接合することにより、樹脂成形品の外表面部に
互いに一体融合した模様として形成されている。 実施例 以下、図面を参照して説明すれば、次の通りで
ある。 この付形模様１は車輌用のサイドモールやフイ
ニツシヤ，バンパー等樹脂成形品２の略平坦な外
表面部２１にその色と異色な文字，図形，記号等
として形成したものである。樹脂成形品２は、発
泡したポリ塩化ビニル樹脂のコア部２２と、コア
部２２を覆うよう非発泡で可塑剤を含む軟質ポリ
塩化ビニル樹脂で形成する外郭部２３とからな
り、それらを一体に押出し成形したものが用いら
れている。この樹脂成形品２に付形する模様１
は、その付形面となる少なくとも外郭部２３と相
溶性を有しまた外表面部２１と異色に着色したシ
ート材料３が用いられている。例えば、外郭部２
３と同質で外表面部２１の色と異色な軟質のポリ
塩化ビニル樹脂で形成した厚さ0.05〜0.1mm程度
のシート材料を用いることができる。この塩化ビ
ニルのシート材料以外に、樹脂成形品をポリ塩化
ビニルで形成する場合にはポリ酢酸ビニル，ポリ
エチルアクリレート，ポリメチルメタクリレート
等のシート材料を用いることができる。また、樹
脂成形品をポリプロピレンで形成する場合にはポ
リプロピレンを含めてポリエチレン，ポリイソブ
チレン等のシート材料を用いることができ、樹脂
成形品の形成材料と溶解性パラメータ（SP値）
が同一或いは近似したシート材料を用いれば相溶
性を十分に発揮できる。そのシート材料３はスト
リツプ状で付形模様１の外形寸法よりやや広幅な
テープ状にし、所望する模様と相応した形状を有
する押圧型４を用いて外表面部２１に押圧溶着す
ることにより付形模様として形成することができ
る。 その押圧型４を用いる場合は、シート材料３を
樹脂成形品２の外表面部２１から離隔させた状態
で配置し、これを押圧型４の下降動で引張させて
樹脂成形品２の外表面部２１に接触させるように
できる。次に、シート材料３が樹脂成形品２の外
表面部２１から内部に向けて陥入するまで押圧型
４を更に降下させると共に押圧型４を加熱する
と、押圧型４と直接に接触するシート部分が軟化
して溶融或いは半溶融状態になり、樹脂成形品２
の外郭部２３と互いに溶け合うことにより樹脂成
形品２と一体化するようになる。この状態で、シ
ート材料３を左右方向又は上方向に引張すると、
溶着部分３ａと通常の部分との境界線で押圧型４
の押圧作用と相俟つてシート材料３が切れること
により上方に離反動し、溶着部分３ａが樹脂成形
品２の外表面部２１に残存して模様１として形成
されるようになる。その模様１は、シート材料３
が予め樹脂成形品２の外表面に圧入された後に加
熱溶着されているため、溶融乃至半溶融状態にな
つたシート材料が押圧型４の周縁から喰み出さず
に美麗な輪郭を持つた模様として形成されてい
る。 この実施例は模様１を車輌用のサイドモールや
フイニツシヤ，バンパー等の樹脂成形品に形成す
るに好適なものであり、それ以外にシート材料３
を予め所定形状に形取り成形して押圧型４で加熱
溶着してもよく、またシート材料３は樹脂成形品
２の外表面部２１に接触させた状態で押圧するよ
うにできる。押圧型４はシート材料３の圧着前に
予め130〜200℃程度に加熱してもよく、その時は
シート材料３を樹脂成形品２の外表面部２１に載
置した後加熱した押圧型４を下降させて押圧す
る。また、樹脂成形品２の外表面部２１を陥入さ
せて模様１を圧入成形するときに外表面部２１の
陥入を容易にししかも後述するケバ立ちを少なく
するため予めポリ塩化ビニル樹脂のガラス転移温
度の80〜90℃程度に加熱処理して樹脂成形品２に
弾性を持たせると最もよく、この弾性は40〜60℃
程度に加熱することでも付与することができる。
更に、模様１は樹脂成形品２の外表面部２１を陥
入した窪み内に埋設する場合に限らず、外表面部
２１の表面上に厚みを呈出して互いに一体融合す
ることにより溶着固定してもよい。また、例えば
「Ｒ」，「Ｌ」等の文字では、その角部で押圧型４
の外形状と完全に一致してシート材料３が切り離
れずに一種のケバ状のもの３′になつて残存する
現象が生ずる。このケバ状のもの３′は、樹脂成
形品２の外表面部２１に溶着しないため手作業で
簡単に取除くことができるが、その現象が生じな
いよう種々実験したところ、ケバ立ちが付形模様
１の角度90゜以下の鋭角な部分１１，１１…に生
じ、しかも当該部分を0.5mm以上のアール形状に
形成すればケバ状のものが発生せずにしかも１ｍ
離れて肉眼で目視したときに視覚的にもほとんど
変らないことが見出せて、押圧型４の端面で付形
模様１の鋭角部分に相当する個所を0.5mm以上の
アール形状に押圧成形した結果ケバ立ちが生じな
いようになつた。 このようにして付形成形した模様１では、樹脂
成形品２の外表面に被膜状に付着したものではな
く、完全に樹脂成形品２と一体融合した状態で形
成されている。従つて、この付形模様１からは剥
離現象が生ずることがなく、しかも押圧型４で押
圧しつつ軟化溶着するため緻密で高硬度な固着層
として形成できるようになる。 因みに、次の条件で従来例のホツトスタンプで
成形した模様と本発明に係る溶着成形した模様と
を比較して各種の試験を行つたところ、次表で示
す通りであつた。 イ 従来例 樹脂成形品：軟質PVC，Hs95 模様形成材料：硬質アクリル，２〜5μ ロ 本発明 樹脂成形品：軟質PVC，Hs95，80℃程度に
加熱 模様形成材料：軟質PVC，50μ 押圧型：150℃，5sec加熱

【表】 発明の効果 以上の如く、本発明に係る樹脂成形品の付形模
様に依れば、樹脂成形品と相溶性のシート材料を
外表面部に溶着して互いに一体融合することによ
り形成されているため、厳しい使用環境にも耐え
られてしかも可塑剤による剥離等を生ずることも
ない強固な模様として形成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る模様を付形した樹脂成形
品の斜視図、第２図ａ，ｂは本発明に係る模様の
付形工程を示す説明図、第３図ａ，ｂはケバ立ち
が生じた付形模様の説明図、第４図は付形模様の
角部を示す説明図、第５図は角部をアール形状に
形成した付形模様の説明図である。 １：付形模様、２：樹脂成形品、２１：外表面
部、３：シート材料、１１，１１…：付形模様の
角部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 樹脂成形品の略平坦な外表面部に、その樹脂
   成形品の形成材料と異色で材質的に相溶性を有す
   るシート材料を文字，図形，記号等の如き付形模
   様の形状に応じて溶着接合してなることを特徴と
   する樹脂成形品の付形模様。 ２ 上記シート材料を樹脂成形品の外表面部に陥
   入成形したところの特許請求の範囲第１項記載の
   付形模様。 ３ 付形模様の角部を0.5mm以上のアール形状に
   成成したところの特許請求の範囲第１または２項
   記載の付形模様。