JPS6314848B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、キヤツプ方式で外部電極を構成す
る電子部品の製造方法に関するものである。

従来から、キヤツプ方式で外部電極を構成する
抵抗器やコンデンサーなどの電子部品は、大略第
１図の工程で製造されている。

すなわち、容量電極や抵抗体が形成されている
電子部品の基材は、この両端面に銀ペーストなど
の導電材を塗布し、焼付工程を経て基材両端面に
外部電極を固着させる。次にリード線を有する金
属製キヤツプを上記両端面の外部電極部を覆うよ
うにはめ込み、このキヤツプと外部電極とを接合
させるため、フラツクスを塗布し半田付けを行
い、残存フラツクスを洗浄除去して後、エポキシ
樹脂やシリコン樹脂塗料などで塗装を行い完成品
とするものである。

しかしながら、上記半田付け工程において、基
材両端面の外部電極面と、その上に装着したリー
ド線を有する金属製キヤツプとを半田付けする
際、あらかじめ塗布されたフラツクスが高熱作用
などで例えば第２図で示したように、基材１側に
侵入し、洗浄処理を行つた後も残痕として残る場
合もあり、これが電子部品の特性を低下させる原
因となるものである。

また、特に銀を主体とする導電材を外部電極と
して形成した基材１の場合は、その両端面の導電
材２が、リード線４を有する金属製キヤツプ３と
半田付けされる際、半田中に拡散し移行する傾向
があり、このため場合によつては半田中に多量の
導電材２が拡散溶解し、導電材２としての機能を
消失すると共に、半田付け性を著しく阻害させる
欠点があつた。

この発明の方法は、上記従来の半田付け工程
と、それに付随するフラツクス塗布工程を省略さ
せて、上記のように電子部品の基材の両端面に銀
や銅ペーストなどからなる導電材を塗布するか、
あるいは金属製キヤツプ内にあらかじめ銀や銅ペ
ーストなどからなる導電材を塗布させて、上記基
材の両端面に上記キヤツプを装着後、500〜700℃
の中性あるいは還元性雰囲気中で上記導電材の焼
付け処理を行なうと共に、上記基材両端面の上記
導電材と上記キヤツプとを固着させる電子部品の
製造方法を提供することを目的としている。

次にこの発明に係る工程を第３図に従がつて説
明する。

まず、基材としては容量用電極（図示せず）が
付与され焼成された円筒状、円柱状、角柱状など
のセラミツクなどが対象となり、面取り、センタ
レス加工などの修正処理が行われる。

次いで上記基材の両端部に外部電極を形成する
と共に、リード線を有する金属製キヤツプを固着
する。

これは、電子機器への実装時、周辺部品との電
気的接続を完全なものにするためになされるもの
である。

この発明においては、上記外部電極と金属製キ
ヤツプとを基材に形成させる方法の一つとして、
上記基材両端部に銀や銅ペーストなどの導電材を
必要量塗布しておき、その導電材を覆うようにリ
ード線を有する金属製キヤツプを直接装着させる
方法と、別の方法としては、あらかじめリード線
を有する金属製キヤツプ内に、銀や銅ペーストな
どの導電材を必要量塗布した後、このキヤツプを
上記基材両端部に装着させる方式などを用いるも
のである。

次に上記外部電極を構成する導電材の焼付け処
理を行うが、この発明においては、上記導電材の
焼付けを、500〜700℃の中性あるいは還元性雰囲
気中で行うことを特徴としている。

この理由は、焼付け炉で上記導電材を焼付ける
際、一般に必要温度は500〜950℃の範囲である
が、この温度範囲で大気中で加熱されると、上記
導電材上に装着されているキヤツプおよびリード
線が酸化し、導電性が著しく低下するためであ
る。

また、700℃を超える温度の中性または還元性
雰囲気で上記導電材を焼付けると、上記酸化を防
止できるが、今度はチタン酸バリウムなどからな
る基材が還元されて誘電性を失い、半導体化する
問題がでてくるためである。なお、500℃未満の
焼付温度では、導電材がガラス化し難く、十分な
焼付けが行なえないという問題が生じる。

したがつて、この発明の方法に係る外部電極と
なる導電材の焼付け工程は、上記酸化や還元反応
を抑制できる500〜700℃の中性あるいは還元性雰
囲気によつて行うものである。

第４図は、上記この発明の実施例を示すもので
あり、同図イは基材１の両端面に銀または銅ペー
ストからなる導電材２を塗布したもので、その後
直接リード線４を有する金属製キヤツプ３を装着
させ、700℃の還元雰囲気焼付け炉５で上記導電
材２の焼付けを行い、同図ハに示した電子部品１
０を得るものである。

また、同図ロは、あらかじめリード線４を有す
る金属製キヤツプ３内に銀ペーストからなる導電
材２を塗布させて、その後該キヤツプ３を基材１
に装着させて、上記同様の焼付け炉５で上記導電
材２の焼付けを行い、同図ハで示した電子部品１
０を得た態様を示している。

以上のように、この発明の電子部品の製造方法
は、基材両端の銀や銅ペーストなどからなる導電
材の焼付け時に、基材と金属製キヤツプとを同時
に固着させて、キヤツプ方式でなる電子部品を形
成し、従来方式のような半田付け工程を省略させ
たものである。

したがつて、半田付けに付随するフラツクス塗
布およびフラツクス洗浄工程なども省略化できる
ので、大幅なコストダウンが実現できる。

また、上記半田付け工程やフラツクス塗布、あ
るいは洗浄工程などから発生する品質低下に結び
つくトラブルも全くなくなるので、安定した品質
の電子部品を広く供給できるものとなるのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電子部品の製造方法に係る工程
図、第２図は従来のキヤツプ方式による製造過程
の態様を示す図、第３図はこの発明の電子部品の
製造方法に係る工程図、第４図はこの発明の製造
過程の態様を示す図である。 １……基材、２……導電材、３……キヤツプ、
５……焼付け炉。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金属製キヤツプを基材両端面に対向するよう
   に装着してなる電子部品の製造方法において、上
   記基材の両端面にあらかじめ導電材を塗布させた
   後金属製キヤツプを装着させる工程、あるいは上
   記金属製キヤツプ内に導電材を塗布させた後、基
   材両端面に金属製キヤツプを装着させる工程によ
   り、基材両端面に導電材を付与すると共に、金属
   製キヤツプを導電材を覆うように装着後、500〜
   700℃の中性あるいは還元性雰囲気中で加熱し、
   上記導電材の焼付けを行うと共に、基材と金属キ
   ヤツプの固着を行なわせるようにしたことを特徴
   とする電子部品の製造方法。