JPS6314398B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、商品販売後の残額が未だ商品販売価
格以上のうちは続けて商品の販売が可能な自動販
売機の制御装置に関する。

(ロ) 従来の技術 一般に複数販売形式の自動販売機は、特公昭56
−35232号公報で示されているように投入金額或
いは販売機の残額である演算金額が商品販売価格
より大きい場合に生じる販売信号に基づき選択ス
イツチが操作可能となつて、選択スイツチを操作
するごとに連続販売を可能にするものである。と
ころで選択スイツチにより複数種の商品のうちの
選択された一つを販売する自動販売機は、投入金
額以下の販売価格の商品に対し全て販売信号を出
力して選択スイツチの操作を可能にし、選択スイ
ツチの操作に応答して選択商品を販売するように
構成されている。しかしながらこのとき販売信号
は販売可能な商品に対し全て出力されるために、
操作が可能な選択スイツチが二つ以上操作される
と選択商品が全て販売されるという不具合があ
る。そのため最初の一つの選択スイツチ操作にて
販売動作となると、この販売動作期間中は選択ス
イツチが操作されても全て無効とするように構成
するのが一般的である。したがつて複数販売形式
の自動販売機は、投入金額或いは販売機の残額で
ある演算金額と全ての商品販売価格との比較、比
較の結果販売可能な商品に対する販売信号の出
力、販売信号に対応する選択スイツチ操作に応答
する販売動作、販売動作後の残額と各商品販売価
格との比較の制御手順を繰返し複数販売を達成す
るものである。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかしながらこのような従来の複数販売では、
前回の販売動作が終了した後でなければ商品の選
択を行うことができず、その分一人の顧客に対す
る販売時間が長くなる欠点があつた。

上記点より本発明は、販売動作中においても次
の商品選択が有効となる複数販売自動販売機にお
ける制御装置を提供するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本発明による自
動販売機の制御装置は、投入金額或いは選択商品
の販売価格を減算した後の残額を演算する演算装
置と、選択信号の発生により該信号に対応する商
品についての販売価格情報を出力する価格設定装
置と、前記演算装置による演算金額と前記価格設
定装置からの販売価格とを比較して選択商品の販
売の可能性を判定し可能な場合に販売可能信号を
出力する比較装置と、該販売可能信号にて商品の
送出制御を行う販売制御装置と、商品種類毎に設
けられ対応する商品選択スイツチの操作にてセツ
トする記憶装置と、前記販売可能信号の出力停止
後或いは前記演算装置による残額演算の終了後に
前記記憶装置を走査して、セツトしている記憶装
置に対応する商品についての前記選択信号を出力
する選択信号発生回路とを具備している。

(ホ) 作用 自動販売機への貨幣の投入により、演算装置で
投入金額が演算される。このとき選択信号発生回
路は、前の販売動作での販売可能信号の出力停止
時点から各記憶装置を走査している。したがつて
商品選択スイツチの操作によりセツトしている記
憶装置を検出すると、選択信号発生回路はこの記
憶装置に対応する商品についての選択信号を発生
する。価格設定装置は選択信号の発生にて選択商
品の販売価格情報を比較装置に出力し、比較装置
は投入金額とこの販売価格を比較して選択商品の
販売の可能性を判定し、販売可能な場合に販売可
能信号を出力する。したがつて販売制御装置は選
択商品の販売制御を行う。そして演算装置は投入
金額から選択商品の販売価格を減算して残額を演
算するが、この残額演算の終了にて選択信号発生
回路は記憶装置の走査を再開する。そのため客が
複数販売を希望して再び商品選択スイツチを操作
すれば記憶装置がセツトして、選択信号発生回路
は再度選択信号を出力する。これにより価格設定
装置は選択商品の販売価格情報を出力するため
に、比較装置は販売制御装置の動作状態に係わら
ず次商品の販売の可能性を判定することができ
る。

(ヘ) 実施例 第１図は本発明に依る自動販売機の制御回路を
ブロツク図にて示し、１は500円・100円・50円・
10円の貨幣種類毎の投入貨幣信号C₅₀₀・C₁₀₀・
C₅₀・C₁₀に基づき投入金額を演算し、且つ販売可
能商品の選択後の残額を演算する演算装置、７は
演算装置１によつて示される金額の払出しを制御
する釣銭払出制御装置、８，９，１０は３種類の
商品に夫々対応する商品選択スイツチ、１９は選
択スイツチ８，９，１０の操作により選択信号を
発生する選択回路、２は商品毎の価格SP₁・
SP₂・SP₃が設定されており選択信号S₁・S₂・S₃
の入力に応じてこれら価格情報を出力する価格設
定装置である。選択スイツチ８，９，１０は常時
信号が供給されており、押圧により信号を選択回
路２へ出力するが、選択回路１９は演算装置１の
演算動作中を除いて対応する選択信号S₁・S₂・S₃
を出力するように作用するものである。そして３
は演算装置１での演算金額と価格設定装置２から
導入される価格情報とを比較して販売可能信号Ｖ
を出力する比較装置、１１，１２，１３は夫々商
品種類に対応する選択信号S₁・S₂・S₃と販売可能
信号Ｖとを二入力とするANDゲート、４，５，
６は販売制御装置で本例ではANDゲート１１，
１２，１３の出力にて所定時間タイマ動作するタ
イマ回路にて構成されている。１４，１５，１６
はタイマ回路４，５，６のタイマ動作期間中に亘
り駆動して商品を送出する販売駆動装置である。
またANDゲート１１，１２，１３の出力がORゲ
ート１７を通し導入されると、演算装置１は演算
額から価格設定装置２より導入されている選択商
品額を減算するように成つている。更に演算装置
１は返却スイツチ１８の操作にて演算額を釣銭払
出制御装置７へ導入し釣銭払出動作とするもので
ある。

上記構成に依る動作を説明する。先ず自動販売
機に貨幣が投入されると、投入貨幣信号C₅₀₀・
C₁₀₀・C₅₀・C₁₀に基づき演算装置１が投入金額を
演算する。そして顧客が何れかの商品選択スイツ
チ８，９，１０を操作すると、選択回路１９は選
択信号を価格設定装置２に出力する。いま選択ス
イツチ８が操作されたものとすると選択信号S₁が
選択回路１９より出力され、価格設定装置２は価
格情報SP₁を比較装置３に出力し、比較装置３は
投入金額と販売価格SP₁とを比較して販売の可能
性を判定する。しかして投入金額でこの商品が販
売可能な場合に販売可能信号Ｖが発生し、AND
ゲート１１は販売可能信号Ｖと選択信号S₁とで出
力を生じタイマ回路４は所定のタイマ期間に亘つ
て販売駆動装置１４を動作させ選択商品を送出す
る。一方ANDゲート１１の出力がORゲート１７
を通し導入されると、演算装置１は投入金額より
選択商品の販売価格SP₁を減算する。この減算後
の残額は返却スイツチ１８が操作されると釣銭払
出制御装置７へ導入され釣銭として払出される。

しかして返却スイツチ１８を操作しない場合、
この残額に基づく次の販売が可能となる。第２図
は選択回路１９の具体的な構成を示しており、通
常フリツプフロツプ回路２０はリセツトされてい
てその出力によりクロツクパルス発生器２１は
クロツクパルスCLをシフトレジスタ２２へ導入
している。またシフトレジスタ２２は電源投入に
よりデータ端子Ｄにデータが導入されて出力端子
Q₁・Q₂・Q₃の各出力は（１・０・０）となるが、
以後クロツクパルスCLが導入される毎にシフト
して（０・１・０）、（０・０・１）の出力モード
を繰返すことになる。したがつて上述の動作で、
商品選択スイツチ８の操作にて記憶装置であるフ
リツプフロツプ回路２３がセツトして商品選択ス
イツチの操作を記憶していると、ANDゲート２
６はシフトレジスタ２２がQ₁より「１」を出力
したときに選択信号S₁を発生する。したがつてシ
フトレジスタ２２及びANDゲート２６，２７，
２８は、商品選択スイツチの操作によりセツトし
ているフリツプフロツプ回路２３，２４，２５を
走査してそれに応じた選択信号S₁〜S₃を出力する
構成の選択信号発生回路４０を形成している。価
格設定装置２は何れかの選択信号S₁〜S₃の入力に
より対応する価格情報SP₁〜SP₃を比較装置３へ
出力する。そして比較装置３に販売価格信号Ｖが
発生すると、フリツプフロツプ回路２０がセツト
するためにクロツクパルス発生回路２１は非動作
となり、シフトレジスタ２２のQ₁・Q₂・Q₃の出
力状態は（１・０・０）に保持される。しかる
後、演算装置１がANDゲート１１の出力に基づ
き投入金額より販売価格を減算して演算終了信号
ENを出力すると、フリツプフロツプ回路２０が
リセツトされると共に、ANDゲート２９はORゲ
ート３２からの演算終了信号ENとフリツプフロ
ツプ回路２３のＱ出力とで出力を生じフリツプフ
ロツプ回路２３もリセツトされる。そしてフリツ
プフロツプ回路２０のリセツトによりクロツクパ
ルス発生回路２１は再び動作を開始するために、
シフトレジスタ２２は順次シフトして選択スイツ
チ８，９，１０の操作を走査する。斯る動作で選
択スイツチ８と同時に選択スイツチ９も操作され
ていたとすると、フリツプフロツプ回路２４がセ
ツトしているために、シフトレジスタ２２がシフ
トして出力端子Q₂より出力が発生した時点で
ANDゲート２７に選択信号S₂が発生する。した
がつて価格設定装置２は価格情報SP₂を比較装置
３に出力し、比較装置３はSP₁減算後の残額とこ
の販売価格SP₂を比較して選択スイツチ９に対応
する商品の販売の可能性を判定する。そしてこの
比較にても販売可能信号Ｖが発生すると、AND
ゲート１２は販売可能信号Ｖと選択信号S₂とで出
力を生じタイマ回路５の所定時間のタイマ動作に
より販売駆動装置１５が動作する。一方、販売可
能信号Ｖによりフリツプフロツプ回路２０がセツ
トされてシフトレジスタ２２はシフトを停止し、
また演算装置１はANDゲート１２の出力にて残
額より販売価格SP₂を減算する。しかして演算終
了後、演算終了信号ENによりフリツプフロツプ
回路２０がリセツトされてシフトレジスタ２２は
シフトを開始し、またフリツプフロツプ回路２４
はANDゲート３０の出力にてリセツトされる。
しかしながらSP₁減算後の残額と販売価格SP₂を
比較して販売不能であることを判定すると、比較
装置３は販売不能信号を演算装置１及び選択回
路１９に出力する。演算装置１は販売不能信号
が入力すると、返却スイツチ１８が操作された場
合と同様にSP₁減算後の残額を釣銭払出制御装置
７へ導入する。また選択スイツチ１０が操作され
た場合には、シフトレジスタ２２が出力端子Q₃
より出力を生じた時点でフリツプフロツプ回路２
５のＱ出力によりANDゲート２８は選択信号S₃
を発生し、比較装置３の販売可能判定によりタイ
マ回路６が所定時間タイマ動作して販売駆動装置
１６が動作する。そして演算装置１が販売価格
SP₃の減算後に演算終了信号ENを生じると、フ
リツプフロツプ回路２５はANDゲート３１の出
力にてリセツトされる。

このように選択スイツチ８，９，１０の全て或
いは二つが同時に押された場合、シフトレジスタ
２にて最初にその操作が検出される選択スイツチ
に関する商品の販売可能性を判定し販売可能によ
り販売動作となると、この商品の販売価格を減算
した後の残額に基づき次にシフトレジスタ２２に
てその操作が検出される選択スイツチに関する商
品の販売可能性を判定するものである。そしてこ
の商品も販売可能であると販売動作が開始される
ために、夫々の販売駆動装置が同時に駆動し並行
して販売動作が行われる。また間隔を存して二つ
以上の選択スイツチが押されても投入金額がこれ
ら商品の合計額以上であると並行した販売動作が
成される。

(ト) 発明の効果 本発明に依ると、選択スイツチの同時押し或い
は間隔をおいて操作しても全ての選択操作が有効
となるために、顧客による複数販売指定が容易と
なる効果がある。しかも選択スイツチが同時に押
されても、先ず投入金額にて一方の商品の販売の
可能性を判定し、販売可能であれば更にこの一方
の商品の販売価格を投入金額より減算した後の残
額に基づき他方の商品の販売の可能性を判定する
ために、投入金額以上に販売が行われることがな
い。しかも一方の商品の販売価格を減算した後に
直ちに他方の商品の販売の可能性を判定するため
に、他方の商品も販売可能であれば、両方を同時
に販売でき複数販売時間の短縮を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に依る自動販売機の制御回路を
ブロツク図にて示し、第２図は選択回路の構成を
示している。 １……演算装置、２……価格設定装置、３……
比較装置、４，５，６……販売制御装置、４０…
…選択信号発生回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 投入金額或いは選択商品の販売価格を減算し
   た後の残額を演算する演算装置と、選択信号の発
   生により該信号に対応する商品についての販売価
   格情報を出力する価格設定装置と、前記演算装置
   による演算金額と前記価格設定装置からの販売価
   格とを比較して選択商品の販売の可能性を判定し
   可能な場合に販売可能信号を出力する比較装置
   と、該販売可能信号にて商品の送出制御を行う販
   売制御装置と、商品種類毎に設けられ対応する商
   品選択スイツチの操作にてセツトする記憶装置
   と、前記販売可能信号の出力停止後或いは前記演
   算装置による残額演算の終了後に前記記憶装置を
   走査して、セツトしている記憶装置に対応する商
   品についての前記選択信号を出力する選択信号発
   生回路とから成る自動販売機の制御装置。