JPS6314187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は石油等の液体燃料を気化して通常のガ
スのように燃焼させる石油気化式燃焼機の改良に
関する。

従来のこの種燃焼機は電気ヒータを内蔵した気
化器を、バーナに対し熱伝的に固定することによ
り燃焼熱の一部を気化熱として利用しているが、
バーナ部の温度が高温すぎるため通常耐熱性の大
きい黄銅を気化器として使用しなければならな
い。ところが、この黄銅は高価である上、加工製
が悪くて加熱用ヒータを埋設できないため、加熱
用ヒータを熱伝的に貼着する等の作業が必要であ
り、製造コストが高くつくという欠点があつた。

又、バーナの熱を気化熱として利用する場合、
バーナの能力によつて発生熱量が異なるため、気
化器の熱回収部をバーナの能力に応じて変えて作
らなければならず、気化器に汎用性がないという
欠点があつた。

本考案は上述の欠点を除去するために成された
もので、バーナの能力が変つても気化器の熱回収
部だけを可変することにより、気化器の温度を充
分上昇し得るようにしたものである。以下、本考
案の一実施例を図面に従つて詳細に説明する。第
１図、第２図は本考案燃焼機の要部正面図、側断
面図である。図において、１は燃焼部本体で、排
ガス通路を兼ねた熱焼室２の上部に多孔性の酸化
触媒３が設けられると共に前面に耐熱ガラス４が
装設されている。５は上記耐熱ガラス４の背後に
対向して設けられた多孔性のセラミツクバーナで
背板６に固定されている。７は上記セラミツクバ
ーナ５の背後に混合室８を形成する金属製のバー
ナカバーで背板６に気密にビス止めされている。
９は上記バーナカバー７の上面に熱伝的に固定さ
れた断面凸状のアルミ製気化器で、下部両側には
加熱用ヒータ１０，１０が埋設されていると共に
外側面には上記ヒータ１０，１０への通電制御用
サーミスタ１１が固定されている。１２は上記気
化器９内に開けられた燃料通路で第１図に示すよ
うにＬ字状に形成され一端が上記混合室８に連通
されると共に他端が燃料パイプ１２ａと接続され
ている。このパイプ１２ａは、超音波発振器を利
用して石油を微粒化し燃焼用空気と共に送り出す
霧化燃料発生部（図示せず）に連通されている。

上記気化器９の上部は熱回収部１３となつて背
板６の膨出部６ａから燃焼室２内へ突出され、第
３，４図の如くヒンジ部１４をもつて90゜起倒自
在と成つている。この熱回収部１３は燃焼排ガス
の熱の一部を気化熱として回収するもので、第４
図の如く倒された場合には燃焼排ガスから受ける
エネルギーが大きくなる。なお、１５，１５は放
電点火用電極、１６はフレームセンサーである。

上記構成において、燃焼を開始する場合は、予
めヒータ１０，１０に通電して気化器９を所定温
度にまで加熱し、霧化燃料を燃料パイプ１２ａ，
燃料通路１２を介して混合室８へ送り込む。霧化
燃料は気化器９内を通過する際、加熱されてガス
状となり混合室８内で燃焼用空気と均一に混合さ
れセラミツクバーナ５から燃焼室２側へ噴出す
る。ここで電極１５，１５間に火花放電すれば、
このガス状燃料がセラミツクバーナ５の表側で燃
焼を開始する。燃焼排ガスは燃焼室２内を上昇
し、背板６の形状に沿つて拡がりながら触媒３を
通過し無公害化されて室内へ放出される。

燃焼が始まるとセラミツクバーナが高温となつ
て赤熱し、放射熱を耐熱ガラス４を介して放出す
るので、いわゆる反射式の石油ストーブのように
放射熱による直接暖房が可能となる。又、燃焼排
ガスはバーナ５付近の温度に比して低温ではある
がかなりの高温であるため、燃焼室２の上方で気
化器９の熱回収部１３を加熱する。この熱回収部
１３の熱はアルミである気化器９内を熱伝導して
燃料通路１２に伝わり、霧化燃料を加熱する。従
つて、一旦燃焼が開始するとヒータ１０，１０へ
通電しなくても充分な熱を得ることができ、節電
を計ることができる。又、バーナ５に直接接触さ
せないため、耐熱性の点で黄銅等に劣るアルミを
気化器９に使用しても熱による変形、破損等がな
く、その結果、押出成形等でヒータ１０を埋設し
た気化器９を作ることができるので、製造コスト
を著しく低減することができる。

更に熱回収部１３を水平方向に向けた場合と、
垂直方向に向けた場合とは熱の回収率が異なるの
で、バーナ５自体の能力が変つてもそれに合せて
熱回収部１３を起倒することにより、所定の気化
熱を回収することができる。従つて異なる能力の
バーナに対し、共通の気化器を用いることができ
る。

叙上のように本考案によれば気化器の熱回収部
を排ガスの流れ方向に対して回動するだけで熱の
回収率を異ならせる事が出来るので、異なる能力
のバーナ対して共通の気化器を用いることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案燃焼機の一部切欠要部正面図、
第２図：その断面側面図、第３図：気化器の斜視
図、第４図：熱回収部を倒した場合の気化器の斜
視図。 符号、２：燃焼室、５：セラミツクバーナ、
９：気化器、１０：ヒータ、１３：熱回収部、１
４：ヒンジ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 微粒化した石油を燃焼用空気と共に気化器を介
   してバーナへ導き、ここで燃焼させた後、その燃
   焼排ガス通路を介して機体外へ排出するように成
   した燃焼機であつて、 熱良導体材料から成るバーナカバーを、上記バ
   ーナの背後に熱伝的に被着し、このバーナカバー
   とバーナとの間に混合室を形成した石油気化式燃
   焼機において、 上記バーナカバーの外面に、加熱ヒータを設け
   た気化器を熱伝的に設け、この気化器の一部を上
   記燃焼排ガス通路内に臨出して熱回収部と成し、
   この熱回収部を上記排ガスの流れ方向に対して回
   動自在と成したことを特徴とする石油気化式燃焼
   機。