JPH0429203Y2 -

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【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、家庭用石油ストーブから工業窯炉ま
での幅広い範囲における液体燃料の燃焼装置に関
するものである。

（従来の技術）液体燃料の燃焼には、ストーブのように暖房を
目的とした燃焼や、被加熱物を加熱するための燃
焼、あるいは内燃機関のような動力発生機関とし
ての燃焼等がある。

従来の燃焼は、液体燃料を直接気化させて燃焼
させるか、または噴霧装置によつて一度細かい霧
状に分裂させて燃焼させるかのいずれかの燃焼方
法が用いられている。

また、一種の点火装置として液体燃料を泡沫化
して電気火花により着火させる例もみられる（特
公昭49−42018号、特開昭47−38368号公報）。こ
れらに提示されている例は、点火装置として機能
するものであつて、継続的な燃焼を安定して行な
う手段にはなりえない。

かゝる観点から本考案者らは、さきに特願昭62
−249702号により液体燃料の燃焼方法を提起し
た。

（考案が解決しようとする問題点）本考案は液体燃料の点火直後の燃焼量自在調節
と、点火および消火時の臭い防止と、噴霧の不均
一炎を改善するため、液体燃料を泡沫化して継続
燃焼させる液体燃料の燃焼装置を提供するもので
ある。

（問題点を解決するための手段）液体燃料の泡沫化、すなわち、液体燃料の薄膜
で空気や酸素等の気体を包囲した気泡の集合体と
して燃焼させると、燃料と空気の接触面積を大幅
に増加させることができ、液体燃料の蒸発と燃焼
反応の促進が図られる。

ここで、泡沫とは、液体燃料の薄膜で空気や酸
素等の気体を包囲した気泡の集合体を云う。

燃焼用泡沫生成は、焼結金属エレメント等のフ
イルターを介して供給する起泡用の空気量を変え
て容易に制御できる。

従つて、点火直後でも泡沫生成量を増加させる
ことで、容易に燃焼量をアツプすることができ、
即暖が可能となる。

以下本考案を図面による説明する。

本考案は泡沫生成器２に多孔質エレメント４を
内設し、燃料タンク１及び空気供給系１０を設け
る。多孔質エレメントは焼結金属、多孔質セラミ
ツクスが用いられる。

泡沫生成器２に泡沫上昇管３を立設し、泡沫上
昇管３の開口９に風箱５を設ける。風箱にはノズ
ル（図示せず）が形成され２次空気が供給され、
燃焼域８が形成される。

泡沫上昇管３はラセミツクスあるいはガラス等
の熱伝導率の小さい材料で構成する。

第２図は本考案の他の例を示す。

第２図の例においては、泡沫生成器２に曲管状
等の異形状の泡沫上昇管３を設けたものである。
泡沫上昇管３の開口部９は風箱５を有し、２次空
気の供給をうけて燃焼域８を形成する。

本例においては泡沫上昇管３の下方を熱伝導率
の小さいガラス６で構成し、必要により断熱材１
５を介在せしめる。

実験によると泡沫上昇管が、金属（鉄、銅等）
のように熱伝導率の良い材料で構成される場合に
あつては、燃焼器の高温状態の熱が泡沫生成部に
伝わり、この部分の温度上昇を招く。このような
状態にあつては、泡沫の生成を停止し、消火して
も泡沫生成部から燃料の蒸気が発生するため臭気
を防止できない。

本考案においては、泡沫上昇管の一部に熱伝導
率の小さい材料、たとえばセラミツクスやガラス
等を使用するので、その熱伝導が抑制でき、泡沫
生成部の温度上昇を防ぎ泡沫の安定生成を可能に
すると共に、臭気も防止できる。

この上昇管の一部に透明なガラスを使用すれ
ば、泡沫の上昇状態を観察することもでき、スト
ーブの美的感量を増加する効果もある。

以上、詳しく説明したように、本考案は液体燃
料を泡沫化して燃焼させる燃焼器で、従来の直接
気化させて燃焼させる方法に比べて、点火時に芯
を使わないで容易に着火させることができると共
に、点火直後の燃焼量制御も簡単にできる。従つ
て、ストーブに適用した場合の即暖を可能とし
た。

また、点火、消火に際して従来の直接気化燃焼
では避けることのできなかつた臭いの発生を完全
に防止した。

一方、従来の噴霧燃焼方式に比べて、容易に安
定した均一炎を得ることができ、被加熱物の局部
加熱防止を可能とした。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の説明図、第２図は本考案の他
の例の説明図である。１……燃料タンク、２……泡沫生成器、３……
泡沫上昇管、５……風箱。

【実用新案登録請求の範囲】