JPS6335885B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポツト式の燃焼装置に関する。

従来のポツト式燃焼装置は、石油等の燃料を液
体状態のままポツトの内底部へ供給して着火燃焼
させ、そして着火後には自己の燃焼熱を利用して
燃料の気化を促進し、これにより燃焼量を増大さ
せるように構成されている。このようなポツト式
燃焼装置は、燃焼範囲が広いという利点がある
が、その反面、気化部の熱容量が大きいため、燃
料を蒸発させる役割を担なつたポツト底部の温度
が安定するまでに普通数分かかり、かつその時間
の短縮は因難であり、したがつて着火から安定燃
焼が得られるまでに比較的長時間を要するという
欠点がある。

そのため、出願人は既に第１図に示すようなセ
ラミツクヒータ９の内部にノズル１３を配置した
装置を提案したが、該ヒータ９は水平に配置され
ているため、燃料を滴下した場合、該燃料は受熱
して小さな粒となり、分散されて気化部分の低温
部で蒸発することがある。

したがつてこのようなときにはセラミツクヒー
タ９の内部にタールが生成されたり、最悪の場合
には油溜りが生じ好ましくなかつた。

それ故に本発明の目的は、着火後の安定燃焼ま
での時間を短縮したポツト式燃焼装置の提供にあ
る。

さらに本発明は、着火および消火に要する時間
を短縮でき、かつ気化効率を向上できるポツト式
燃焼装置の提供をも目的とする。

本発明によれば、有底ポツトの上方に燃焼室を
設け、該ポツト内に燃料及び空気を送つて燃焼さ
せる燃焼装置において、上記有底ポツトの内底面
に傾斜姿勢で近接対向して配置された中空筒状の
セラミツクヒータと、該セラミツクヒータの内部
へ燃料を供給するノズルとを備え、該ノズルを前
記セラミツクヒータの内部に隙間を残して挿入
し、該隙間を通して空気を送入できるようにし、
しかも上記有底ポツトの側面に燃焼用空気を供給
するための透孔を設け、上記セラミツクヒータを
燃料の気化かつ着火手段としたことを特徴とする
気化ポツト式燃焼装置が得られる。

本発明の気化ポツト式燃焼装置は、セラミツク
ヒータを通電した上で燃料をノズルから噴霧し、
気化状態でポツト内へ供給して燃焼させるように
なつているので、着火から安定燃焼までの時間が
大幅に短縮され、その上ポツト内に燃料が液体状
態で残ることがないため消火の時間も短縮でき
る。また燃料の気化かつ着火手段としてのセラミ
ツクヒータは有底ポツトの内底面から離れている
ためポツト等の他の部分の熱容量を考慮すること
なくヒータ単体の熱の迅速な立上り特性をそのま
ま利用でき、したがつて着火までの時間も短縮で
きる。

しかもヒータを傾斜姿勢に配置しているため、
燃料が粒形状態からノズル先端よりも後方で気化
することがなく、いわゆる燃料の気化部分は確定
されるため、該気化部分に発熱要素を配し、該部
分を適切な温度にしておくことで気化を効率よく
行なうことができる。

以下図面を参照しながら、本発明の実施例につ
いて説明する。

第２図は本発明による気化ポツト式燃焼装置の
一実施例の概略構成を示している。装置本体１の
内部にはポツトバーナ２が備えられている。この
ポツトバーナ２は、有底ポツト３の内上部に保炎
板４を設けた点においては、従来のポツト式燃焼
装置の場合と同じである。また有底ポツト３の側
壁には、透孔即ち一次空気孔５と二次空気孔６と
が設けられ、送風機７によつて装置本体１内下部
に送り込まれる空気が一次空気孔５および二次空
気孔６を通つてポツト３の内部へ流入するように
なつている。

さらに装置本体１およびポツト３に側面から貫
通した孔に、碍子の役割を果すヒータ取付栓８を
介して中空円筒状のセラミツクヒータ９を取り付
ける。このセラミツクヒータ９はポツト３の内部
にまで傾斜姿勢で挿入され、かつポツト３の内底
面から少し離れて配置されている。かくしてセラ
ミツクヒータ９は、装置本体１およびポツトから
熱的および電気的に実質上切り離されている。

セラミツクヒータ９はまたノズル１３先端位置
近くより前方外周に、タングステンパターン等よ
りなる発熱要素１１を有している。発熱要素１１
には電気コード１２を通して外部からヒータ電源
を供給できるようになつている。

円筒状のセラミツクヒータ９の内部１２はノズ
ル１３がその周囲に隙間１４を残して挿入されて
いる。ノズル１３の先端はセラミツクヒータ９の
中程に位置している。そしてこのノズル１３の先
端からは、外部の電磁ポンプ１５によつて供給さ
れる燃料が噴出するようにされる。またノズル１
３の周囲の隙間１４には、送風機７による空気の
一部が逆Ｕ字管１６等を通して供給される。

こうしてノズル１３から噴霧された燃料は、セ
ラミツクヒータ９の熱によつて気化を促進され、
かつ隙間１４を通つて流入する空気とともにポツ
ト３内に供給されることとなる。ポツト３内に流
入した気化燃料は一次空気孔５からの一次空気と
混合されつつ上昇し、さらに二次空気孔６からの
二次空気に触れて燃焼する。なお着火もセラミツ
クヒータ９によつて行なう。

このように液体燃料は気化燃料としてポツト３
内へ供給されるので、着火から安定燃焼までの時
間が大幅に短縮される上に、消火も短時間で簡単
に行うことができる。またセラミツクヒータ９は
装置本体１およびポツト３から電気的ばかりか熱
的にも離れているので、セラミツクヒータ９は発
熱要素１１への通電時に急激な温度上昇が得られ
ることになり、したがつて着火も短時間で行なう
ことができる。

さらにヒータ９を傾斜姿勢に配置しているため
ノズル１３より噴出した燃料はヒータ９内でノズ
ル１３先端位置よりも後方で気化することがな
く、いわゆるヒータ９内部のうちでも発熱要素１
１を配置した高温部分で気化するため気化を効率
よく行なうことができ、したがつてタールの生成
等を防止することができる。

また気化を効率よく行なえるため、単位時間当
たりの気化ガスの発生量を安定化でき良好な燃焼
を行なうことができる。

なおセラミツクヒータ９の形状は、円筒状に限
ることなく、角筒状であつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃焼装置の概略構成図、第２図
は本発明による気化ポツト式燃焼装置の一実施例
を示す概略構成図である。 １…装置本体、２…ポツトバーナ、３…有底ポ
ツト、５…一次空気孔、６…二次空気孔、７…送
風機、９…セラミツクヒータ、１１…発熱要素、
１３…ノズル、１４…隙間、１５…電磁ポンプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 有底ポツトの上方に燃焼室を設け、該ポツト
   内に燃料及び空気を送つて燃焼させる燃焼装置に
   おいて、上記有底ポツトの内底面に傾斜姿勢で近
   接対向して配置された中空筒状のセラミツクヒー
   タと、該セラミツクヒータの内部へ燃料を供給す
   るノズルとを備え、該ノズルを前記セラミツクヒ
   ータの内部に隙間を残して挿入し、該隙間を通し
   て空気を送入できるようにし、しかも上記有底ポ
   ツトの側面に燃焼用空気を供給するための透孔を
   設け、上記セラミツクヒータを燃料の気化かつ着
   火手段としたことを特徴とする気化ポツト式燃焼
   装置。